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それは唐突な出会いだった - (2008/01/29 (火) 17:41:46) のソース
**それは唐突な出会いだった ◆ga/ayzh9y. 「……」 薄暗い廃鉱山の中。 その男―――T-800は、己が置かれている状況を冷静に整理していた。 彼はつい数十分ほど前に、ある指令を受けた。 『過去へと飛び、人類の未来を救う存在であるジョン=コナーを守りぬけ』 T-800がいた世界は、荒廃した未来の地球。 スカイネットと呼ばれるコンピューターが、人類に反逆を起こした事が全ての発端だった。 人類の発展を願って作られたスカイネットが、皮肉にも世界を滅ぼす悪魔となったのである。 その後、生き残った人類達はレジスタンスを結成。 自らの生き残りをかけ、スカイネットへと戦いを挑んだ。 やがて、人類と機械との全てを賭けた最終決戦において、スカイネットはついに壊滅の危機に晒された。 それを成し遂げた人物こそが、レジスタンスのリーダーであるジョン=コナーである。 しかし、自らの死期を悟ったスカイネットは、ここで起死回生の一手を打った。 スカイネットは、過去の地球へと殺人兵器ターミネーターを送り込んだのだ。 過去でジョンが死ねば、未来は変わり人類の勝機は消える。 それを知ったジョンは、過去の自分自身を守るため、同じく一人の戦士を過去の世界へと送り込んだ。 人類の味方となるようにプログラムされ、ジョンを守り抜くという使命を与えられたもう一人のターミネーター……T-800。 T-800は未来を守るべく、ジョンとその母サラの手によって、過去の地球へと飛ばされた……筈だった。 しかし……彼が目を覚ました時、そこは過去の地球ではなかった。 見知らぬ場所、見知らぬ機械達。 時空を越える際にミスが生じ、どこか別の時間軸に飛ばされてしまったのだろうか。 最初は、そう考えたが……彼は、思わぬ存在をそこで目にした。 自分と同じく、過去の世界に飛ばされていたはずの、スカイネットが送り込んだターミネーター―――T-1000。 T-1000は、シグマと名乗るロボットに協力していた。 つまり……シグマも、スカイネットの忠実な部下である可能性は高い。 ならばこの事態は、自分を過去へと飛ばせないための妨害行動ではないだろうか。 何かしらの力で時空間転移に干渉して、自分をここへと呼び寄せた。 現状、それが最も考えられる事態である。 ならば、成すべき事は一つ……このゲームを破壊し、本来の任務へと移る事のみ。 早速、T-800は動き出す事にした。 目的達成の為にも、まず真っ先になさねばならないこと。 それは…… 「……衣服のある場所か」 衣服の調達である。 今の彼は、一糸纏っていない……完全な全裸状態なのだ。 何故かは分からないが、彼は時空を越える際に一切の衣服を身に着けていなかった。 これは、T-800の前に過去の地球へと飛んだ戦士、カイル=リースも同様であった。 別にT-800には、羞恥心なんてものは一切無いのだが、このままの姿では他者との接触に何かと不自由が生じる。 すぐさま彼は、いつの間にか手元にあった携帯端末を操作。 衣服を調達できる場所がないかと、マップを表示させようとするが……ここで彼の目に、支給品という文字が飛び込んできた。 衣服があるのではないかと、早速確認に移ると……予感は的中した。 彼は端末を操作し、それを転送させる。 一着のライダースーツと、髑髏の模様が描かれたヘルメット。 『滝和也のライダースーツ』 仮面ライダーと呼ばれた戦士達と共に戦う、熱き魂を秘めた一人の戦士が身に着けていたものである。 T-800は、それが唯のライダースーツではない事を一目で見抜く。 防御性は勿論、言うまでも無く。 脚部に装備された強力なスタンガンに、腰のベルトに着けられた特注品のナックルと、攻撃面でも優れているのだ。 早速、T-800はそれを着始める。 「許さない、絶対に……!!」 スバル・ナカジマは、強い覚悟を固めていた。 あのシグマと名乗る戦闘機人らしき男は、目の前で一人の戦闘機人を爆殺した。 彼女―――セインは、姉のギンガが教育係に当たっていた戦闘機人の一人。 その彼女が、見せしめの様に殺されたのだ。 怒りを覚えるなという方が無理である。 必ず、このゲームを止める。 そう強く心に誓い、スバルは早速相棒の名を呼ぶ。 「マッハ・キャリバー!!」 しかし、何も起こらない。 一体どうしてと思ったが、すぐさま彼女は、相棒のデバイスが手元に無い事に気付いた。 何故、マッハ・キャリバーが無くなっているのか。 とっさにスバルは、ポケットの中に手を入れてみると……そこに何かが入っているのに気付く。 「これって……携帯端末?」 ポケットに入っていたのは、携帯端末だった。 早速起動させてみると、そこにはこのゲームに関する情報が載せられていた。 地図、参加者名簿、そして支給品。 ここでスバルは、ようやくマッハ・キャリバーが無い理由に気付いた。 ゲームを公平にするために、どうやら没収されたようである。 仕方が無い、そう思いながらスバルは、参加者名簿を確認する。 するとそこには、自分が知っている名前が三つもあった。 「ギン姉、チンク、ノーヴェ!!」 思わずスバルは、大きな声を出してしまった。 ギンガ=ナカジマ、チンク、ノーヴェ。 自らの姉に、彼女が教育している二人の戦闘機人。 まさか、彼女達までこのゲームに参加させられていようとは、思ってもみなかったのだ。 とっさにスバルは、念話を試みるが……繋がらない。 どうやら、念話を妨害されているようである。 「……兎に角、皆と合流しないと」 スバルはマップを表示させ、現在地を確認する。 B-3、廃鉱山内。 南下していけば、先に大きな街がある。 そこに行けば、誰かしら人が見つかるかもしれない。 そう考え、早速スバルは廃鉱山の外に出ようとする……が。 十秒ほど歩いた後、彼女は足を止めた。 何か、布を擦るような音が聞こえてきた……誰か人がいる。 スバルは慎重に、通路から顔を覗かせてみる。 すると……彼女がそこで目にしたのは、想像を遥かに超えた光景であった。 「えっ……?」 「……」 スバルが見たもの。 それは、下半身丸出しの半裸状態のT-800だった。 不運にも彼女は、着替え中の彼と遭遇してしまった。 そして、見てしまったのだ……男性ならば、必ず付いているアレを。 どこからともなく、パオーンという幻聴が聞こえてくる。 スバルは完全に硬直してしまい……しばしして、顔を赤らめ反対方向へと振り向いた。 「し、しししし、失礼しました!! 私、何も見てませんから!!」 もしも相手が殺し合いに乗っている人物ならば、背を向けるというのは危険な行為に他ならない。 しかし、今のスバルにはそう考える余裕は全く無かった。 余りの事態に、ただただ動揺するしかなかったのだ。 一方のT-800はと言うと、スバルを警戒して動きを止めるが……彼女に敵意が無いのを察すると、再び黙々と着替え始めた。 そして、数秒程した後。 着替えを終えたT-800は、スバルへと声をかけた。 「おい」 「えっ……あの、はい」 「お前は、この壊し合いには乗ってないんだな?」 「あ……はい。 あなたもですか?」 「ああ。 状況を把握したい、そちらの知っている情報を教えて欲しい」 「分かりました……私は、スバル・ナカジマです。 あなたは?」 「サイバーダインシステムズ・モデル101シリーズT-800。 俺の型式番号だ」 「え……その、名前はないんですか? そういう、番号とかじゃなくて……」 「ああ」 T-800には名前は無い。 だから彼は、己の型番を答えた。 スバルもこれには、流石に参らされた。 彼の事をどう呼べばいいか、分からないからだ。 これでは、何かとやり取りが不便である。 「……だったら、私が名前をつけてもいいですか? このままじゃ、呼びにくいし……」 「分かった」 「じゃあ、そうだなぁ……ボブさんでどうですか?」 「問題ない」 とりあえずスバルは、T-800の事をボブと呼ぶことにした。 何故かは分からないが、何となくその名前が浮かんだのだ。 その後、二人は互いの情報を交換する。 未来の地球、スカイネット、ターミネーター、時空管理局、戦闘機人、魔法。 互いにとって、俄かには信じがたい事ばかりであった。 特にT-800からすれば、異世界の存在なんてありえないものであった。 だが、スバルが嘘を言っているような様子には見えないことから、彼はそれを真実と判断する。 「じゃあ、あの液体みたいな奴……T-1000が、要注意なんですよね?」 「ああ、奴は厄介な相手だ。 戦闘能力が高いだけじゃなく、さっき見たとおりに他人に変身する機能を備えている。 背丈の違う、例えば子供の様な相手。 爆弾や拳銃の様な、複雑な構造を持ったものに変形する事は不可能だが、剣の様な原始的な武器にはなれる。 奴が混乱を招くのは確実だ、早急に撃破する必要がある」 「はい……!!」 二人の共通思想として、T-1000は第一に撃破すべき相手というのがあった。 確実にゲームに乗っているのは、最初の光景からして明らか。 それに、T-1000には他人に変身できるという機能がある……混乱を招くのは確実である。 そして何より。 T-800からすれば、彼はスカイネットの手先。 スバルからすれば、セインの仇。 二人にとって、絶対に打ち倒さなければならない、言うなれば宿敵の様な存在なのだ。 「そういえば……なんでさっき、着替えてたんですか?」 「俺の支給品の一つが、このスーツだった。 お前は確認したのか?」 「あ、そういえば……今、確認しますね」 すぐさまスバルは、自分の支給品を確認する。 彼女に支給されたのは、見知らぬ二つの道具。 サブタンクと、テキオー灯。 説明によると、サブタンクはエネルギーを貯蓄したタンク。 テキオー灯は、照射される光を体に浴びることで、どんな環境でも活動できるようになるという未知の道具であった。 サブタンクは兎も角、このテキオー灯には二人は驚かざるを得ない。 注意書きによると、効果があるのは一時間だけ。 一度使った者には24時間経過しなければ使用不可能とあるが……これを使えば、水中だろうと宇宙だろうと活動が可能になるわけである。 「これ、下手したらロストロギアに分類出来るんじゃないかな……?」 「……だが、武器はないようだな」 「そうですね……」 「……お前は、格闘技が専門だとさっき言ったな」 「はい、そうですけど……」 「ならこれを使え」 T-800は、ライダースーツに取り付けられていたナックルをスバルへと手渡した。 スバルは驚き、もらっていいのかと尋ねる。 しかしT-800は、その方が安全だからと、彼女に受け取るよう言った。 これはスバルの身を案じてというのではなく、そうした方が戦力的にバランスが取れるからと判断した為である。 まだこのライダースーツには、脚部のスタンガンがあるし、ターミネーターは肉弾戦でも十分に戦える。 それに何より、もう一つの支給品の存在がある。 「ボブさん、ありがとうございます!!」 「問題は無い。 俺にはこいつもある」 T-800はそう言うと、もう一つの支給品をスバルに見せた。 コルト・シングル・アクション・アーミー、通称コルトS.A.A。 リボルバー・オセロットが、好んで使っていた愛銃。 威力的には少々心もとないが、それでも無いよりかは大分マシである。 「それで、これからだが何か考えはあるか?」 「えっと、とりあえず南下して街に行ってみたいと思ってます。 大きな街なら、誰かがいるかもしれないし……」 「了解した」 二人は廃鉱山を出て、街へと南下を始める。 ターミネーターと戦闘機人。 打倒シグマを目指す、一つのタッグがここに誕生した。 【B-3 廃鉱山前/一日目・深夜】 【T-800@ターミネーター2】 [状態]:健康 [装備]:滝和也のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS、コルトS.A.A(6/6) [道具]:支給品一式、コルトS.A.Aの弾丸(30/30発) [思考・状況] 基本思考:シグマを打ち倒してゲームを破壊し、本来の任務に戻る。 その為に仲間を集める、ゲームに乗る者には容赦しない。 1:街を目指して南下する。 2:スバルの仲間(ギンガ、チンク、ノーヴェ)を見つけ、合流する 3:T-1000の破壊 ※本編開始直後からの参加です。 ※スバルに、ボブと呼ばれています。 ※ライダースーツのナックルとその弾丸は、スバルに手渡されました。 ※スバルの住む世界、魔法、ギンガ、チンク、ノーヴェに関する情報を得ました。 ※シグマの背後にはスカイネットがいて、スカイネットの妨害行為によって 自分はこの場に連れてこられたのではと考えられています。 【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 [状態]:健康 [装備]:滝和也のナックル@仮面ライダーSPIRITS [道具]:支給品一式、サブタンク(満タン)@ロックマンX、テキオー灯@ザ・ドラえもんズ ナックルの弾薬(30/30発)@仮面ライダーSPIRITS [思考・状況] 基本思考:シグマを打ち倒してゲームを壊す、その為の仲間を集める 1:街を目指して南下する。 2:ギンガ、チンク、ノーヴェを見つけ、合流する 3:T-1000の破壊 ※本編開終了後からの参加です。 ※サブタンクは満タン状態です、使えばエネルギーの回復が可能です。 ※テキオー灯は、一時間のみ効力持続。 一度使った者には、24時間経過しなければ使用不可能と制限されています。 ※T-800の住む世界、スカイネット、T-1000に関する情報を得ました。 ※T-800のことを、ボブと呼んでいます。 ※T-800からの情報より、シグマの背後にはスカイネットがいるのではと考えています。 *時系列順で読む Back:[[みんなのうた]] Next:[[ ]] *投下順で読む Back:[[みんなのうた]] Next:[[ ]] ||T-800| | ||スバル・ナカジマ| |