【名前】
イレブン
【性別】
女性?(男にもなれるが、生まれたころの性別は雌だと明かされている)
【出典】
魔人探偵脳噛ネウロ
【支給品】
【原作設定】
体を変幻自在に組み替え、美術品と人一人分と同じ質量の「赤い箱」を残していく恐怖の怪盗X(サイ)。
その正体は『絶対悪』ことシックスのクローンに改造を施した実験生物。出生は17年前。性別は雌。
シックスに回収された後にじっくりと調教され、新たに一本の芯を通されたⅩⅠ(イレブン)として生まれ変わった。
相手の脳内電流の読み取り記憶を読み取ることができ、相手の信頼している人物に気配含め完全になりきることが可能。
シックスを「パパ」と呼び、彼に忠実な「娘」として動く。
【ロワ内での動向】
シックスによる調整が終わり、笹塚を殺した後からの参戦。シックスの忠実な「娘」として行動する奉仕マーダーとなる。
一番初めに遭遇したのはとっつぁんこと銭型幸一。ロワ開始時、ⅩⅠは服を再現せず裸となってうろついていた。それを発見した銭型が、保護するために近づいてきたのだ。
ただの人間に後れを取るわけがないが、今の姿は丁度油断を誘える姿。慣らし運転も兼ねて、近づいてきた銭型を殺害しようと攻撃態勢へ移る。
しかし、ⅩⅠの思惑は、異変に気付いた銭型により関節部に弾丸を撃ち込まれる事により失敗する。
魔人ならともかく、ただの人間であるはずの男から、予想外の反撃をくらった事に驚き、全身を変化させつつ一時撤退を選択する。
――さて、実はここからしばらくの間、ⅩⅠの動向を語ることはできない。
とある回にてⅩⅠが誰かになり替わっているという地の文とともに姿を消し、
読み手にもⅩⅠが今「誰になってるか」分からないという展開になった。
いったい誰がⅩⅠなのか?参加者はもちろん、読み手にさえも恐怖を与える怪物は、中盤に起こった事件の最中に突如現れた。
シックスが戯れにばら撒いた悪意は、二人の若き探偵を孤立させていった。
しかしまさにそれこそが新一と金田一の奇策。わざと誘導されるがままに動き、無関係の人々に被害が及ばぬようにシックスを逆に誘導していた。
相対するシックスと銭型のもとに駆けつけた探偵は、シックスの悪意を暴き、仲間とともにシックスを無力化するために近づいた。
しかし突如、巨大な炎の壁が彼らを分断する。近くに潜んでいた葛西の放った火は、戦況を瞬く間に変えた。
限りなく熟成された悪意を隠すことなく迫るシックスに対し、戦力差を悟った彼らは仲間とともに撤退を選択し、
―この時既に、金田一と新一はⅩⅠと会っていた―
ⅩⅠは不二周助を殺して成り代わっていた。
これまでの道中、不二とともに行動した三沢が消えてしまったことなど、不二の登場する回で既に伏線は散りばめられていた。
金田一と新一が不二達の世界のテニスを知っていたら、行動の不自然さに気付けたかもしれない、しかしそれは過ぎたことであった。
確実に仕留めるため、二人の脳内電流を読み取り、確実に動揺を与えられる人物の姿へ変身する。
毛利蘭か七瀬美雪か。二人のうちとっさに前に出たのは、金田一一。
ⅩⅠは姿を美雪へと変える。この場にはいないはずの幼馴染が現れ、金田一の思考が止まる。
美雪は柔らかな微笑みを浮かべ、表情とは真逆の禍々しい異形の腕によって金田一の胸を貫いた。
更に強くなった火の勢いに押され3人から離れざるを得なくなったが、この件での体主催が受けたダメージは大きかった。
事件後は離れてしまったシックスと合流するために会場を放浪する方針をとるも、すぐに再会することになる。
しかし、シックスはすでに死体となっていた。自分がいない間に「何か」が起こったのだ。
悪意の象徴たる脳を潰され、無残な轢死体となったシックスを、ⅩⅠは視た。
わずかに残った電流を読み取りつつ、生前の自分の記憶から肉体を再現。
「パパ」が死んではいけない。そう思ったⅩⅠは自らが「パパ」へと成るべく、体を変形させた。
金属細胞を体に埋め込み、細胞を変化させ、見た目は完全にシックスのそれとなる。
だが、七千年煮詰められ到達した「究極の悪意」の権化である脳だけはコピーすることができなかった。
もとより数万のシックスのクローンの中でもはるかに優れた成功例だったⅩⅠ。しかしそれでも「シックス」には届くことはなかった。
シックスとなるためには「悪意(なかみ)」が重要であると判断し、
脳の中で「シックス(なかみ)」を完成させるまでシックスの姿にはならないことを決意した。
その後、一夏を失ったばかりの一夏組へ襲撃をかける。
気配まで完全に本人と寸分違わず成り代われるⅩⅠの変身能力を利用し、死んでしまった一夏の姿になって襲い掛かる。
チンクたちは一夏そのものともいえるⅩⅠに反撃することができなかった。
敵であることはわかっているが、同時にあれはまぎれもなく一夏そのものなのだ。
しかし、千冬だけはⅩⅠに屈しなかった。一夏ならそんなことしないと言いきり、手を出せないチンク達の代わりに戦いⅩⅠを撤退させた。
完全に一夏となった自分を拒絶された。このあり得ない事態に、少しⅩⅠの脳内にノイズが走った。
次にミュウツーを説得していた刹那と遭遇。
「悪意」を完成させるためには自分で考えるべきだ、と考えていたⅩⅠは、その状態から最も絶望的な状況を作り出す方法を考える。
そうしてとった行動は、心を開きかけているミュウツーの前で刹那を刺し貫くことにより、完全に心を闇に落とすことだった。
結果ミュウツーは憎悪にかられ闇落ちした。それは刹那にとって、一番あってほしくなかった展開であった。
だが刹那はそれでもあきらめず、自分を貫いたⅩⅠにすら手を伸ばそうとした。
ⅩⅠはそれをあっけなく振り払う。シックスの意思を都合としたⅩⅠには届くことはないのだ。
しかし、何故生まれたか答えを求めるミュウツー、それを説得しようとした刹那を見て、
似たような境遇であったⅩⅠの脳内にまたもノイズが走った。
順調に悪意を育てられていることに満足しているⅩⅠは、巨大な戦火を目撃する。
大神を助けにオーク巨樹に突入したリア、せがた、マリーダの3人と、暴走している十香との闘いだった。
巨大な力がぶつかり合った後オーク巨樹は崩壊。完全に発狂してしまった十香が残るのみとなる。
十香は、士道が死んでしまってから、大神をそのの代わりとして守っていた。
しかしⅩⅠはそれすらも読み取る。十香の心の中にある、「守りたかった士道」へとなったⅩⅠは、壊れてしまった十香に接触する。
より本物の士道に近い存在のⅩⅠに完全に騙されてしまい、十香はⅩⅠの為の奉仕マーダーになった。
終盤になり、ⅩⅠの脳内の「悪意(なかみ)」は完成しつつあった。
自分に似た存在を知った刺激(ストレス)、変身してもなお反撃をされるという状況の刺激(ストレス)。
そして、「パパの死」というあまりにも大きな刺激(ストレス)。
会場内で受けたいくつもの巨大な刺激(ストレス)。それらによりⅩⅠの細胞が急激に進化を繰り返した。
そうして最後に相見えたのは、最強の死神の称号を持つ更木剣八。
「鉄と鍛冶の血統」の末裔として、剣が服を着て歩いてるような剣八にはシックスの存命時から目をつけてはいた。
人を超えた死神の力と刀、これを学習して取り込めれば悪意を補完するにふさわしい刃になると考えていた。
再現した剣八の力にシックスの金属細胞を上乗せし、完成しつつあったシックスの悪意すらも使い斬り結ぶ。
絶対悪が復活する、最後の段階のはずだった。
しかし、剣八が全身から放つ戦闘欲と狂気的なまでの我を、電磁波として読み取り続けてしまった。
【 六 】
ⅩⅠの脳の中で形が完成しつつあった【六】の字が、
(……私の脳内が…私を構成する【六】(なかみ)が…)
ザザ…
【 六 】
絶対悪の象徴たる、シックスの「悪意」が、
(やっとみつけた…やっとたどり着くことができた…)
ザ…
【亠ハ 】
ザザ…
一太刀振るごとに、剣を交えるごとに、
(パパと共にいるという、私の存在意義が…)
ザザ… ザザザ
【亠 ハ】
ザザザ…
少しずつ、少しずつ、
(………消えていく)
(【八】に塗り潰されていく)
【 八 】
悪意が塗り潰され、同じ体、同じ力同士。歯止めの効かない壮絶な斬り合いが始まった。
そうして恐るべき二人の死神の、片方が力尽きた。
どちらが本物でどちらが成り代わりか、それは誰が見てもわからない。
しかし付けられた首輪が情報を送信し、ⅩⅠの死亡が主催へと伝えられた。
こうしてⅩⅠは、更木剣八に敗れ死亡した。
だが、どちらが生き残っていても、この後の展開は何も変わらなかっただろう。
なぜならば、二人のどちらとも、身も心も「更木剣八」だったのだから。