【名前】
花京院典明
【性別】
男
【出典】
ジョジョの奇妙な冒険
【原作設定】
DIOを倒す旅路に承太郎たちと共にエジプトへ向かったスタンド使いの高校生。
スタンドは法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)。
力は弱いが遠くまで操作することが出来、体をひも状にして肉体や狭い場所に潜むことも可能。
得意技エメラルドスプラッシュは非常に強力。
生まれついてのスタンド使いであり、『スタンド使いではない者と真に心が通じ合うはずがない』という考えから孤独な少年時代を送っていた
本来の歴史ではDIOへの恐怖に屈したことを恥じDIOを倒す旅路に同行。
戦いの中で承太郎たちと初めて本当の友情を知ったが…
【ロワ内での動向】
本来の歴史であれば承太郎たちとの旅路の中で、恐怖を克服しDIOに立ち向かう勇気と友を手に入れるはずであった。
しかし今回の参戦時期はエジプトでDIOと出会い肉の芽を植え付けられる直前から。
DIOへの恐怖が全身を蝕み、承太郎のことも知らない状態。
混乱と孤独の中名簿を確認するとその中にはDIOの名が。
DIOへの恐怖が蘇り死の感触が花京院を包み込み反吐をぶちまける寸前にまで精神を追い込まれるほどに。
次話で本田未央と出会い行動することに。
表面上は友好的に接するが、心の奥底では距離感を置いていた
――花京院典明は考える
本田未央はスタンド使いではない只のアイドルだからだ
法皇の緑が見えない人間と、どうして真に心が通わすことができるだろうか
しかし花京院の思いは制限によりスタンド使いでない人間にも法皇の緑が見えることを知ったことを皮切りに次第に変わり始める
法皇の緑という異能を見ても嫌悪することなく変わらず接してくれる未央のやさしさに、花京院は逆に苦痛を感じる
未央の友情を感じたことで16年の孤独がはっきり思い知らされた苦しみを
無駄にスタイリッシュな動きで移動する坂本を見て二人で和んだり、未央の歌を楽しみ中を深めていくが、それでも花京院は心の底から未央を友人であるとは言えなかった
――花京院典明は考える
本田さんの優しさも明るさも、全てが本物だろう。
(私は違う。)
きっとアドレス帳には何十人と友達の名前があって、ファンもこれからたくさん増えていくのだろう。
(私は違う。)
たとえ道を間違えても直してくれる友もいて、逆に友が道を見失ってしまったら傍らに立ってあげる強さもあるのだろう。
(私は違う。)
このハイエロファントが見えないものと真に心を通わすことが出来るとは思っていなかった。
だが彼女を見ていると、私はハイエロファントを口実に友を造ることから逃げていたのではと思ってしまう。
見えない人間から、化物を見る目で拒絶されることから逃げていたのではないか。
…それでいい。一人でいることには慣れている。
私は昔から、真の友などいなかったのだから。
道中ケルブレムから友人を守る力を持つ道具としてタロットカードを受け取りながら、いざというとき自分は本当に未央を守るために一歩踏み出せるのかと思い悩む
そして花京院に運命の時が迫る
DIO「こんな場でいうのもなんだが、君と再び会うことが出来て嬉しく思うよ。花京院君」
その男はあまりにも強く、深く、大きく、美しい
花京院典明に恐怖を植え付けた張本人、DIOとの再会
出会った瞬間に再び花京院の全身を喰いつくした
子供の様に震え怯える花京院にDIOは優しく語りかける
DIO「花京院君…もう一度、もう一度だけ君に…友達になるチャンスをあげようじゃあないか」
誘いと共に差し出された手を見て花京院は安心した。
この手を取れば死ぬことはない。まだまだ生きられると。
DIOの手を取ろうとしたとき、花京院の手を未央が遮った
未央「友達ってそんな一方的で身勝手な関係でなるもんじゃないよ」
DIOへの恐怖を感じているはずなのに、それでも負けずに立ち続けようとする未央の姿
その姿に未央の強さを、自分の弱さを知り、花京院は決断した
自分の弱さを乗り越えることを。一歩踏み出す覚悟をすることを。
花京院「DIO!『私』はお前の手を決して取りはしない!お前への恐怖を今、『僕』は乗り越える!」
決別の意志を宣言するが、DIOは二人を始末するためにヴァニラ・アイスを呼び出す
絶体絶命の状況であるが、それでも花京院は怯えることはなかった
花京院「今…感じる感覚は…僕は「白」の中にいるということだ…DIOは「黒」!本田さんは「白」。「黒」と「白」がはっきり別れて感じられる!絶対の窮地でも勇気が湧いてくる。
花京院「正しいことの白」の中に僕はいるッ!」
未央を逃がすためにDIOとヴァニラアイス二人を相手取ることを覚悟する
未央「待ってよ!花京院だけを置いてあたしだけ逃げるなんてできないよ!花京院も一緒に…」
花京院「いいえ。あいつ等は黙って逃がしてくれるような甘い存在じゃあない。誰かが立ち向かわなければ逃げられないんだ。そしてその役目は、僕にしかできないんです」
未央「それでも…それでもさあ…っ」
花京院「本田さん…貴女に出会えたおかげで僕は自分の恐怖を、弱さを乗り越えることが出来たんです」
未央「…ッ」
花京院「ありがとう本田さん…あなたは僕の…最初の友達だった」
自分の道具を全て託し、未央との最後の別れを告げて花京院はDIOたちに立ち向かった
DIO「ふん、どうやら死ぬ覚悟ができたらしいな花京院」
ヴァニラ「DIO様の支配を享受しなかった罰を、あの世で後悔するがいい!」
花京院「そうだな…ここできっと僕は死ぬだろう。だがなDIO!地獄へは貴様たちも付き合ってもらうぞッ!」
体の一部を削られ、骨を砕かれ、地に臥せながらも花京院の瞳から諦めが浮かぶことはなかった
そしてヴァニラに向かって敢えてDIOを侮辱する言葉を投げかけた
ヴァニラは激高し、クリームから出て自らの手で苦痛を与えようとする
エメラルドスプラッシュをヴァニラに向け放つも容易くかわされる
しかしそれこそが花京院の策だった
既に天井はクリームによる攻撃で崩壊しかけていた
そこへエメラルドスプラッシュで攻撃すれば、壊れかけの天井はたやすく崩壊し、
太陽光が二人の元へ差し込む!
ヴァニラ「花京院ッ!!おのれエエエエエエエエエ!!!DI…Oさ……ま……」
ヴァニラアイスが太陽光を浴びて消滅するのを見て勝利を確信するが、次の瞬間ザ・ワールドの腕が花京院を貫いていた
時間停止の能力により、太陽光が当たらない場所までDIOは逃げ切っていたのだ
致命傷を負いながら、花京院の中には恐怖も後悔もなかった
――花京院は最後に考える
(後悔はない……今までの旅に……
彼女を……僕の友達を守れたこの結末に……ぼくは後悔はない……)
そして花京院は未央を守れたことを誇りに思いながら静かに瞳を閉じ、16年の生涯を終えた
【称号:恐怖を乗り越えた男】
花京院典明は知らない。
ケルブレムから渡されたタロットはディアボロス・タロットという不幸を呼ぶタロットであることを。
花京院典明は知らない。
自分の死が本田未央に今度は自分が友達を守らなければならないという強迫観念を抱かせてしまうことを。
花京院典明は知らない。
本田未央が抱いた思いが彼女をダエモニアへと変えてしまう悲劇を。
花京院典明が知る由もない。
No.Ⅴ 法皇 その逆位置が意味するのは「不安・悩み・悲観・狭い視点・落ち着きの無い心」
最終更新:2019年01月23日 17:56