【名前】飛鳥
【出典】閃乱カグラシリーズ
【性別】女性
【年齢】16
【支給品】脇差し@現実、妖刀紅桜@銀魂、善滅丸@ボボボーボ・ボーボボ

【キャラ設定】
爆乳ポニテくノ一。国家に所属し国益のため働く忍の集団・善忍を養成するための国立半蔵学院の生徒。
いつも元気いっぱいで、どんなことにも一生懸命。日々成長し続けている胸が悩み。忍の道とは何か、本人なりに一生懸命に考えている。忍としての実力はまだまだだが、偉大な忍を祖父に持っており、潜在能力は抜群。趣味は修行……とオーソドックスな主人公キャラ。

VERSUSシリーズまでの主人公系キャラとして設定されているが他のキャラと比べると少々無個性・没個性気味であり、閃乱カグラのメンバーは過去に何かしらの出来事があるとされているが、飛鳥にはそれがなく、また、シナリオ上でも雲雀が主軸となる場合もあったので影が薄いとも言われる。
ただし活躍自体がないわけではなく、他のキャラが濃すぎるので普通すぎるキャラづけそのものが返って彼女の個性になっているとも取られる。
「無個性こそ私の個性なの!」byひろし
シナリオでの扱いはともかく、ゲーム面ではリーチの短さ以外はクセのない性能を持っており、手数とスピードに秀でているので初心者にも扱いやすいキャラである。
また裏設定では喧嘩好きで幼い頃は近所の悪ガキ達をボコボコにしており、シナリオ上でもたまに相手を煽る発言をするなど割と好戦的な性格である。

得物は二本の脇差し・柳緑花紅で秘伝忍法はガマ。しかし、他と違って召喚系の技ではなく、あくまで体術の域。
なお、誤解されがちだが『飛鳥』は忍としてのコードネームであって本名ではない。


【本編での動向】
OPにおいて後輩である雲雀を見せしめにされる。
発動した首輪の毒(忍者ロワは首輪が作動すると爆発ではなく致死毒が参加者に注入される)に苦しみ、飛鳥と柳生に助けを求める雲雀であったが、飛鳥の後輩であり雲雀の親友である柳生同様、彼女を救う手立てはなく涙ながら死を看取る他なかった。

会場に転送された直後は雲雀に何もしてやれなかったことを悔んで泣き出しそうになるも、そこへ自分と同じく親友の
スネ夫を見せしめにされて嘆き悲しむ忍者装束を着た大柄な小学生、剛田武ことジャイアンと出会う。
遊園地であるドリーマーズランドの忍者の星で遊んでいただけなのにどうしてこうなったと嘆き悲しみ、心の友の喪失に大粒の涙を流すジャイアンを見て、飛鳥は考えを改める。
この少年を守るためにも自分が泣いて立ち止まっていられない、自分ができることは善忍として彼のような力なき者を守り、他の殺し合いに巻き込まれた忍と協力して殺し合いを打破することだろう、と。
そしてまずはジャイアンの心のケアが必要だと思い、そのふくよかな胸を貸して、母や姉の如く慰めることにした。
彼女の温もりにより泣き止んだジャイアンを胸に抱きながら、死んでしまった雲雀に対して誓うのだった。


「飛鳥、正義のために舞い忍びます!」

……だが彼女に用意された道は、想像を絶するほど過酷だったことを誰も予想できなかった。


次に二人が出会ったのは、キノコ頭の熱血教師にして体術に絞れば七代目火影を差し押さえておそらく本ロワでも最強格の木ノ葉隠れの忍、マイト・ガイ。
「青春しているかー!」と熱く声をかけ、情報交換の後に飛鳥のもっと強くなって多くの人をこの殺し合いから助けるたいというまっすぐな熱意と、弟子のロック・リーのように努力をする才能を見込んで彼女にガイ流の体術を教え込むことに。
世界観が違うと体の作りも違うのか、チャクラは使えないものの、飛鳥はグイグイとガイの体術を吸収していった。
ガイ先生に習って双刀・鎚を重り代わりに担いでうさぎ跳びするのは正直使い方を間違っている。
第一回放送の前には一頻りの修行を終えた飛鳥とガイは青春ドラマの如く熱い抱擁を交わした。
なおその際、時刻にそぐわない夕日や飛鳥がガイのようなおかっぱ頭になったように見えたがたぶん錯覚だろう。
(コスチュームモードにて本ロワ未参戦の夜桜の髪型にセットするとそれっぽく再現できたりするかも……)

ガイ先生と飛鳥の先生生徒タッグ……まさに青春だったが、ここへ悪魔超人にしてマーダーのザ・ニンジャが襲来し、
リングで一体一で戦うためにガイは一時離脱。
ガイが抜けた直後に入れ替わりで半蔵学院の柳生が現れる。
しかし柳生は雲雀が見せしめにされた結果、雲雀を主催に蘇生してもらうためにマーダー化していた。
柳生を正気に戻すために飛鳥は説得を試みるも柳生は耳を貸さずにそのまま戦闘へ。
味方に刃を向けられない飛鳥と雲雀のためなら仲間でも殺す覚悟の柳生では決定的に攻撃性に差が出てしまい、ガイから教わった体術を生かせない。
そして飛鳥は戦いの中で柳生に銃で左腕を撃ち砕かれて倒れてしまう。
ガイは未だにマーダーのザ・ニンジャと戦ってて手が離せない。
万事休すとなった飛鳥を助けられるのはジャイアンのみ。
そのジャイアンが取った行動とは!


ジャイアン「殺し合いなんてくだらねえぜ! 俺の歌を聞けえ!」

ジャイアン「ボエ~~~♪」


争いを平和的に解決するためにユニーク・ジツじみた歌を歌うジャイアン。
このゲリラジャイアンリサイタルに柳生は耳を押さえながら撤退して一難去った。
ちなみに飛鳥も泡吹いて失神していた。

柳生を撤退させたが戦いに行ったガイが中々戻ってこず、片腕を失う重傷と後輩のマーダー化に途方にくれていた飛鳥とジャイアンだが、そこで落とし穴に落ちつつ感度3000倍(でも平常運転)でダメージを快感に変換しつつ喘いでいたさっちゃんこと猿飛あやめを発見する。
さっちゃんは変態でどМだったがそれなりの修羅場をくぐり抜けてきたプロの忍であり、腕を失った飛鳥に適切な応急処置を施し、メンタル面でもケアを行った。
飛鳥もまたさっちゃんの声と変態性、それでいて頼りになるところから先輩の葛城を重ねていたことにより、親近感を覚えていた。
またさっちゃんは飛鳥の治療の際に彼女の支給品から危険な代物である紅桜と善滅丸を発見し、使用を封印するように固く約束させた。(その場で破棄しなかったのは、支給品を拾ったり修復した他の参加者が使ってしまう危険があったため)

その後はザ・ニンジャを倒したガイが合流。
飛鳥の負傷には守りきれずにすまないと思うも、さっちゃんのケアのおかげで精神的に少しでも持ち直しており、次に柳生と出会った時は必ず自分の手で止める決意をガイに見せていた。
移動途中で熊であるギオに出会った時はまずいかと思われたが、熊は襲ってこず、一緒に行動しようする素振りを見せていたため、行動を共にすることに。
実はギオは危険対主催で生存優先の利己的な理由(いざという時は肉壁にするつもり)で彼らについていただけなのだが、同行中はギオが裏切る暇がなかったことや、一部の人間以外にはまん丸世界の忍者はただの動物に見えることもあって、飛鳥やジャイアンの保護者ポジションに落ち着いた。

続々と増えていく仲間達。
しかし飛鳥の心配は尽きず、マーダー化した柳生や会場のどこかで戦っているだろう友人達が心配であった。
仲間の前では明るく振舞っているが、それは仲間に心配をかけさせないための笑顔であり、どこか無理をしている様子であった。
それに気づいたジャイアンは、スネ夫を失って立ち止まりそうだった自分を助けてくれた恩人である飛鳥のために自分にも何かできないかと考える。
そして……彼は行動を起こした。

【速報】剛田武選手、ジャイアン豚汁を錬成開始

彼は自分にできることとして飛鳥や仲間のために料理を振舞う悪魔の所ぎょ……否、親切を働く。
幸いにも会場にはなぜか豚汁の具材が自生しており、支給されたランダム食料品もあって材料には困らない。
料理が得意とうたうジャイアンに腹ペコな飛鳥達は期待を寄せていたが……実際奥ゆかしいソウルフードな豚汁ではなく、添えられた山盛りのご飯を台無しにするほどの危険物。
ジャイアンシチューの豚汁バージョンであった。
具の中にアンコクトンめいた漆黒の物体まで浮いており、あからさまにヤバイアトモスフィアを放っている。

猿飛あやめ「(ダークマターを超えガゲボッ!?)」

一口食べたさっちゃんの感想がこれである。
お妙さんの料理すら越える味の酷さにガイもギオもひっくり返っていた。
飛鳥も顔を青くして硬直していた。
味こそ食えたものではなかったが、一方でジャイアンの好意は素直に受け取り、ガイ達と同じく支えてくれる少年の存在に感謝し、柳生を正気に戻すための一歩を踏み出す勇気が湧いてくるのだった。


殺し合いも中盤戦。
一行は江戸城エリアにたどり着き、まずはガイとギオが斥候として城に潜入する。
城の外で二人の帰りを待っていた飛鳥、ジャイアン、さっちゃんの三人であったが、そこに柳生が再戦のために現れて襲撃を仕掛けてきた。
だが今度の飛鳥は片腕こそ失っているものの、本気で柳生を止めるために戦意を増大させており、ガイからもらった体術と根性に加えてさっちゃんという強力なパートナーとの連携もあり、孤立無援の柳生を追い詰めていく。

だが柳生はここで奥の手を使用。
ディパックからZBR(麻薬)入りバリキドリンクをオーバードーズギリギリまで服用し、大幅にパワーアップ。
柳生は幻覚に襲われて正気を失いつつも、己の実力を超えた戦闘力と傷ついても痛みすら感じない肉体と精神によって飛鳥とさっちゃんを窮地に追い込んでいく。
爆乳ハイパーバトル? そんなものはない。あるのは一瞬でも気を抜けば首が飛びかけない死闘である。
この事態に恩人と仲間のピンチに黙って入られないとジャイアンが炎刀・銃と仮免許巻物を所持して参戦しようとするが、結果として飛鳥をかばう形で柳生に撃ち抜かれてしまう。

この瞬間、柳生の動きが確かに止まったのだが、ジャイアンを殺されたと思って激昂した飛鳥が衝動のままに柳生の首をはねてしまった。
死ぬ間際に柳生から「ごめん、雲雀。オレが間違っていた」と声を聞いて……

すぐ後にさっちゃんから気を失っていただけでジャイアンも生きてたことを教えられ、その理由が柳生が雲雀にプレゼントしたぬいぐるみにあった。
ぬいぐるみによって銃弾が軌道が外れ、ジャイアンはかすり傷で済んだのだ。
さらにぬいぐるみに気づいた柳生が確かに正気を取り戻し、そのために動きを止めていたのだ。
あと数瞬待っていれば和解のチャンスがあったにも関わらず、自ら不意にしてしまったことに飛鳥は友の首を抱えて慟哭するしかなかった……

その直後、飛鳥にとって良きライバルである焔が現れる。
彼女の口から飛鳥に告げられた言葉は慰めの言葉ではなく、この機会に自分の実力を試すために強者限定マーダーになるということであった。
彼女の正気を疑う飛鳥だったが焔は意に介さず、この状況下で甘さを持っていたら自分や仲間を殺すことになると警告をして返した。
幸いにも焔は本来なら飛鳥も死合うべき強者の内に入れるところだったが、負傷と後輩を殺したばかりで精神的ダメージを負っていたのでこの場は見逃すことにした。
ところが今度は雪泉が乱入し、こちらは有無を言わさずに焔や飛鳥達に襲いかかる。
雪泉は参戦時系列が初期の方の悪忍や悪忍に馴れ合う善忍すら容赦しない悪即斬思考であり、加えて朧に犯されて純潔を失い、仲間であったアサギを失った結果、暴走する正義を振りかざす危険対主催となっていたのだ。
雪泉とは親交があっただけに、虫ケラをみるような雪泉の殺意に飛鳥は凍りついた。
二人の友が自分の目の前で殺し合いを始めてしまうも、今の飛鳥やさっちゃんの状態では止めることはできなかった。
ガイもまた、城から城下を見ていたが行方不明になったギオを探していたことと、城の中に大量のマーダーが隠れ潜んでいたことで助けにいくことができなかった。

このままでは飛鳥もジャイアンも危険だと思い、さっちゃんはガイを待たずに城から脱出を促すも、そこへ死姦魔であるニンジャ・デスドレインが襲来を仕掛けてきた。
さっちゃんは「自分の貞操は銀さんに予約済み」と啖呵を切りつつ、悲しみと絶望に暮れる飛鳥のツラをひっ叩いてジャイアンを連れて逃げなさいと殿を務めることに。
さっちゃんの張り手による頬の痛みで正気に戻った飛鳥も、仲間の無事を信じつつジャイアンを抱えて危険地帯と化した江戸城周辺から離脱した。


二人が逃げた先で出会ったのがヤモトとユフィであった。
二人の対主催に出会えたことでホッとする飛鳥だったが、数刻後に流れた放送で猿飛あやめの名前が呼ばれたことに飛鳥と介抱を受けていたジャイアンは絶望する。
さっちゃんの死に悲しみに暮れる二人であったが、そんな二人の心の傷を癒したのがヤモトとユフィであった。
この二人もまたこの殺し合いで助けたくとも助けられなかった者やかけがえのない仲間を失っており、飛鳥達の悲しみは十分に理解できた。
そしてユフィの底抜けのない明るさと、物静かだが心優しいヤモトの励ましによって二人は再び立ち上がる。
放送に嘘がなければガイはまだ生きている、あの熊(ギオ)もきっと生きているだろう。
そう思えれば希望を捨てずに戦うことができたのだ。
(実はギオは先の放送で呼ばれていたのだが、本名を知らなかったためにまだ生きていると思い込んでいる)
一先ず、ヤモトとユフィに同行し、どこかで生きているだろうガイとはぐれた仲間らしい絢子の捜索と危険人物キョウ打倒のために手を貸すことにし、JKニンジャ・ギャル忍者・爆乳忍者・コスプレなんちゃって忍者のグループが結成される。
グループの中で飛鳥は今度こそ仲間を失わないように決意を改めながら……


だが飛鳥の不運は終わらない。
道中でニンジャスレイヤーと化した無双半蔵と最凶マーダー音速のソニックに挟まれる形で襲来を仕掛けられたのだ!
ニンジャスレイヤーがフジキドではなく無双半蔵になっていることに驚くヤモトだったが、こちらは通りすがりの対主催でもう一人の半蔵であるサムスピ半蔵が先祖の凶行を止めるために引き受けてくれたので飛鳥達が相手にするのは音速のソニックただ一人となった。
しかし相手はサイタマなき環境では優勝候補とうたわれる男。
三人のくノ一は圧倒的な実力の前にボコボコにされてしまう。
傷つく仲間達を見てこのままではソニック一人に全滅してしまうと思った飛鳥はさっちゃんによって封印されていた紅桜を使用する……一度寄生されれば高い戦闘力と引き換えに破壊されるまで外れず、時間が経つと使用者を破壊者にしてしまう呪われた刀であったが、死の旋風(つむじかぜ)から仲間を守るためにはためらっている暇などなかった。

寄生した紅桜は飛鳥の失われた左手の代わりとなり、彼女の戦闘力を増大させた。
その戦いぶりはまさに彼女が将来的になり得る存在だった『真影』に近いものであり、その凄まじさはジャイアンらを驚かせるほどの神楽の舞であった。
だがそれでもソニックの実力は飛鳥を一回りも二回りも上回っていた。
ソニックは自分に食いついてくる飛鳥の潜在能力にこそ驚くも、彼女のメンタルが回復しきっていないことや善忍として人として敵に慈悲を向けてしまう優しさ・甘さにも気づき、それがおまえの力の足枷になっていると指摘しつつ、ワンパンマン本編で披露されそうで披露されなかった不遇の奥義『散閃斬』を放つ。
散閃斬はあまりに早すぎて眼が追いつかない奥義であり、飛鳥はおろか周囲にいたジャイアン達にすら詳細不明の超スピード技。見切れるのは災害レベル:神の怪人かサイタマぐらいなものだろう。
この技が飛鳥の服を細切れにし、鮮血を飛散させて飛鳥に膝をつかせる。
辛うじて致命傷は免れたものの、硬度に優れた紅桜で防御してなかったら服どころか肉体までバラバラになっていたであろう。
事実、飛鳥の背後にあった樹木がなます切りになっていた 。
そして敗れた飛鳥にソニックは無慈悲にもトドメを刺そうとする。

……そこへヒーローは遅れてやってきた。
四人に刃が迫る寸前、拳で少女達を守ったのは最強の体術使いにして飛鳥の師匠マイト・ガイ!
遅れてすまないと飛鳥とジャイアンに謝罪しつつ、今度こそ仲間は守るとの強い決意の下に、ガイは四人を逃がしつつ八門遁甲を解放して挑む。
本気を出したガイとソニックのバトルは、読み手にワンパンマンやドラゴンボールを錯覚させるかの如き、超人バトルであった。
伝説の忍と言われたマダラにさえ「自分が戦った中で体術で右に出る者はいない」と言わしめた男の実力には、流石のソニックも苦戦するが、ガイの強さや戦闘スタイルが好敵手であるサイタマを思い起こさせ、奴を越えるための壁として喜々として戦いに挑む。

ガイの手によって、ソニックからは離れることができた飛鳥達……だったが、一難去ってまた一難。
追い打ちをかけるように三人のマーダーが騒ぎを聞きつけて三方向から進撃してきた。

今まで散々追跡してきたユフィ達にトドメを刺しにきた毒ポケモンのスペシャリスト・キョウ。
洗脳されてお○んぽ求めて彷徨う変態だが、実力は高い殺戮のY豚こと元対魔忍・ゆきかぜ。
吸血鬼化から血液不足で本当にフナムシに似た化け物になってしまった邪鬼化ハマー。
思惑や本能に従って、最悪の連中が飛鳥達の前に推参したのだ。

ヤモト、ユフィは既にソニック戦で満身創痍。
参加者の中では最弱クラスの戦闘力しか持たないジャイアンが戦えば瞬殺必死。
残るは飛鳥だけだが、彼女の実力では紅桜込みでも三対一で仲間を守りきるのは不可能。
そこで飛鳥は柳生が所持していたZBR入りバリキドリンク、さっちゃんによって封印されていた善滅丸、ユフィが最初の戦闘でキョウから盗んだものである不死身のヴァンプが使用していたナノマシンの三つの服用を試みる。
ZBR入りバリキドリンクの危険性は柳生戦で知っている――今は幻覚に陥って精神を破壊してでもあの強さがどうしても必要だった。
善の心を消し去ってしまう善滅丸はさっちゃんが固く使用しないようにと約束したハズだった――焔やソニックから自分の甘さや優しさが強さの足枷になっていることを指摘された。今は仲間のために足枷を外したい。
ナノマシンを使えば、ほぼ不死身になる代わりにただの人間ではいられなくなる――その程度の覚悟は紅桜を手にとった時点で決まっている。
これだけの物を三ついっぺんに摂取すれば飛鳥はまずまともな人間には戻れなくなり、最悪死ぬことになる。
ジャイアン達は必死に飛鳥のドーピングを止めようとするが、ガイはまだソニックと戦っており手が離せず、止めたところで四人まとめてキョウ達に殺されるだけである。
それぐらいならば自分が一人が犠牲になった方がマシだと信じて、飛鳥はドーピングを強行した。
全てはさっちゃんの時のような犠牲を出さないための、死を覚悟した献身であった……


そして――
ナノマシンと紅桜の過剰反応にZBR入りバリキドリンクの麻薬効果と善滅丸の「善の心を消し去る」効力が合わさった結果――
飛鳥はその圧倒的な力で襲いかかる三人を文字通り‘蹂躙’した。

手始めに見るからに硬そうな邪鬼ハマーを上下に一刀両断した。

ゆきかぜ「ひぎぃぃぃぃ、こんなに大きいの入らなぃぃぃぃぃ!!」

次に性器を剣で串刺しにされてゆきかぜが二つの意味でイった。
最後に生き残ったキョウをも赤子の手をひねるように蹴散らされていく。

もはや凄惨としか言いようが無い光景に仲間達が恐れ、吐き気を覚え、震えた。
それでもマーダーが蹴散らされるのは仲間達にとっては有り難がったが、問題はここからだった。
突然飛鳥がガイを切り裂き、ダメージを与えたのだ。
驚く仲間達であったが、今の飛鳥は重度のドーピングによって正気を失い、目に見えるもの全てを破壊しようとするケダモノと化していた。
飛鳥の身を犠牲にした献身が、仲間に刃を向けるという形で裏目に出てしまったのだ。

暴走した飛鳥を正気に戻すべくヤモトとユフィが駆け出そうとするが、彼女らの後ろから死んでいたと思われた邪鬼ハマーが再び動き出し、二人に襲いかかった。
気づいたジャイアンが炎刀・銃で飛びかかろうとしたハマーを撃つが、火力が足りなかったばかりにフナムシの殻を貫徹できず、防衛虚しくヤモトとユフィは喉元や心臓を抉られる致命傷を負う。
ヤモトとユフィも死ぬ間際にゼロ距離からのオリガミ・スリケンとそろばんの殴打でハマーの頭を吹き飛ばして道ずれにしたが、直後に二人揃って死亡。
ジャイアンの仲間が死んだ恐怖とも仲間を守れなかった嘆きとも取れる叫びが木霊した。

キョウ「バケモノめ……ぐああああああああああああああ!!」

同じ頃、ヤモトとユフィが死んだとも露知らず、飛鳥はキョウのベトべターによる鎧ごと両断して抹殺する。
それでも飽き足らずに真っ二つになったキョウの骸にザクザクと刃を突き立てる飛鳥。
このエリアに残るのはガイ、ソニック、ジャイアン、飛鳥の四人だけとなった。
そのソニックもガイと極めてシリアスな戦いを演じていたが、原作よろしく事故でガイの蹴りを‘股間’でもろに喰らってしまい(股)関節のパニック状態になってしまった。
結果として、仕切り直しも込めてガイへのリベンジを宣言してソニックは撤退したのだった。

これで邪魔者はいなくなり、ガイは暴走した飛鳥を止めることに専念できるようになった。
「おまえも仲間も結局守ってやれず、だらしない先生ですまない」と謝りつつ、ガイは飛鳥に挑んだ。
彼女を慕っていたジャイアンの飛鳥お姉さんを助けて欲しいとの要望もあり、殺すのは本当に最後の手段として治療をすることにする。
治療とは拳によるショック療法……医療忍者ではないガイにはこれしかできなかった。
荒技だが殺し合いが終わるまで気絶してもらい、木ノ葉隠れの里で綱手やサクラに飛鳥を治療を頼み込む算段である。

今の飛鳥を止めるには八門遁甲の内、五門まで開けても足りず、六門まで開けて挑むことになり、全力でチャクラと魂を込めた拳を飛鳥と打ち合うガイ。
六門でようやく互角以上に戦える飛鳥の実力や伸び代には先生として素直に喜ぶも、それが仲間や善人に向くことをガイは認めるわけにはいかなかった……こうなる前の飛鳥の優しさや強さを知っているが故に。
戦えないジャイアンは飛鳥が正気に戻れるようにガイを信じるしかなかった。

だが現実は非情であった。
突然飛鳥が苦しみだし、ガイに向けて振り返ったその顔には涙が(片目が何故か赤黒く)浮かんでいた。
まさか治ったのか? それとも――その表情に一瞬だけ戸惑ってしまったガイに、致命的な一瞬の間で豹変したがごとく笑い出した飛鳥の一撃がガイを真っ二つにし、紅の華を咲かせた……

ガイが死亡した直後であった。
ガイの拳から受けたチャクラの影響と、善滅丸の効果時間切れで飛鳥は今度こそ正気に戻ったのだ。
だが周り一面は敵味方の死体の山。
ヤモト、ユフィ、ガイの惨死体が転がり、左手の紅桜はガイのものと思わしき血糊がついている。
それを理解した瞬間、飛鳥は絶叫した。
誰かを守るつもりで死を覚悟の上で紅桜や薬に手を出したのに、待っていたのは自分は生き残り、ジャイアンを除いた全員が死亡した残酷な結末であった……
そしてガイを殺した罪の意識と己自身に絶望した飛鳥がただ一人生き残ったジャイアンに介錯を頼み込む。
これはバリキとナノマシンで寄生を促進させた紅桜に意識を食われかけており、再びジャイアンや他の対主催に牙をむく可能性があるからである。
それほどまで彼女の心は限界を迎えていたのである。

そしてジャイアンは静かに炎刀・銃を飛鳥に向け……発砲した。

「さようなら、心の友よ。
……そして、初恋の人よ」

ターン

これで漸く苦痛から解放されると思っていた飛鳥だったが、死の実感はいつまで経っても訪れなかった。
それもそのはず、ジャイアンが撃ったのは空砲だったのだから。
ジャイアンは、剛田武は、飛鳥を殺さなかった。

飛鳥「剛くん…どうして……?」
ジャイアン「強くてかっこよくて優しい飛鳥お姉さんを俺は撃てねえよ。
       それに今度は俺がお姉さんに胸を貸す番だと思ってさ」

ジャイアンは優しくて強い飛鳥に、心から惹かれていた。
そんな心の友を殺せるほど少年は性根が腐っておらず、もしくは大人ではなかった。
序盤で飛鳥がジャイアンを胸を貸して慰めたように、今度はジャイアンが飛鳥のために胸を貸す。
どんなに絶望していても意地でも死なせるようなことはさせない。
彼女が悲しんでいるのなら、スネ夫を失って悲しんでいた自分の心を救ってくれたように彼女の心を救おう。
それこそが少年の決意であった。
少年の温かい胸元と優しさに心の錆を溶かされていくのを感じ、涙を流した。



――それが最後の別れであった。



少し前に、七代目火影ことナルトを中心とした対主催グループがバルタン星人の手によって首輪を解除した。
これに焦った主催の一人であるハザード・パシャが陸上戦艦を出撃させ、手始めに飛鳥とジャイアンを捕捉。
そして砲撃……抱きしめ合っていて陸上戦艦の存在に気づかなかった飛鳥とジャイアンの下に砲弾が着弾し、二人は吹き飛ばされた。


少しだけ気絶したが眼をさました飛鳥がみたものは


黒焦げとなったジャイアンの腕だった。



少女と少年、混じりかけた絆は永遠に引き裂かれてしまったのだ……
そして最後の心の友の喪失を皮切りに飛鳥の精神はとうとう音を立てて崩れた。

文字通り身を切るような努力はした。
それでも誰も守れなかった。
やる事なす事全部裏目に出た。
信頼できるガイ先生をこの手で殺してしまった。
武くんも自分が殺したも同然だ。

こんな自分も、こんな世界も、もういやだ。たくさんだ。

――ゼ ン ブ キ エ テ シ マ エ


……ジャイアンによって阻まれていた紅桜による精神汚染が、ジャイアンが喪われたことで一気に膨れ上がり、飛鳥の精神は完全に紅桜に飲まれた。
黒幕であるエドウィン・ブラックによる最終放送で自分達を助けてくれたサムスピ半蔵やヤモトとユフィの仲間だった絢子が呼ばれると同時に首輪を外した対主催への宣戦布告を宣言したが、とうに耳に入っていない。
今の彼女にあるのは破壊衝動だけであった。

こうして南で起きた対主催のガイ組とソニック達マーダーを主軸にした「無惨忍法帳編」は終わりを告げた。
引き換えに惨劇の中から一匹の怪物が生まれたのだった。


主催と対主催による総力戦が始まった。
ジャイアンを殺したハザードの陸上戦艦は飛影こと勝彦もとい謎の小袋によってハザードごと撃沈された。
その中から洗脳されてエドウィン率いるノマドの配下となっていた井川さくらや谷津紫や高坂静流が脱出し、撤退した先で飛鳥と遭遇し戦闘になった。
最初に三人は戦うまでもなく、首輪を外していない飛鳥なら首輪の遠隔操作で毒を注入して殺せばいいと思っていたが、飛鳥は過剰なドーピングの結果、首輪の毒が効かなくなっていたのだ。
紅桜、ZBR、善滅丸、ナノマシンのどれか一つか二つなら毒で殺すことはできたが、飛鳥が全部摂取したことで主催にとっても予想外の肉体変化が起きてしまい、首輪の毒では死ななくなってしまった。
首輪を爆弾式にしなかったことが裏目に出てしまったのだ。
ならば直接抹殺しようとさくら、紫、静流が飛鳥を囲むが、さくらは上下左右に分断され、大斧で襲いかかってきた紫の頭をカウンターで蹴り砕き、最後に逃げ出した静流を子供のようにケラケラ笑いながら素手でバラバラにしていった。
三人の死体を足蹴にして喜ぶ飛鳥の姿に、以前の面影はなかった。

撤退途中だった主催の雑兵も刈り取っていく形で追いかけ回した結果、飛鳥は主催の本拠地であるマルノウチスゴイタカイビルにたどり着き、獲物を求めて登っていくことに。
そこで一人主催に挑もうとしていた焔とビル上層部でかち合うのだった。
飛鳥を知っている焔からすれば、妖魔同然の存在となった彼女の変貌ぶりは目を疑うものであった。
いったい何が彼女を怪物に変えたのかは、本人が完全に狂ってしまったこともあって知ることはできなかったが、哀れむ焔にできることはライバルの努めとして飛鳥に死を与えることであると思い、パワーアップ形態である紅蓮の焔となって相対した。
しかし大幅なパワーアップと狂乱することで潜在能力を引き出された飛鳥は焔の実力を上回っており、死闘の果てに焔は腹を斬られて腸を床に撒き散らした……
すぐ後から来た雅緋も飛鳥と交戦するもこちらも戦いにならず、あわや殺されかけたところでまだ生きてた焔が自分の腸で飛鳥を縛って動きを封じ、雅緋に自分ごと黒炎で焼き払えと言って雅緋の黒炎を飛鳥に喰らわせた。
最大級の黒炎の直撃と燃え盛る身のまま焔が飛鳥と一緒に高層ビルから落下、焔と飛鳥は奈落へと落ちていった。
また奈落へと落ちる寸前に飛鳥は正気を取り戻し、自分と一緒に心中する焔の姿を見て涙した。
この後に対主催の尽力によってエドウィンが討たれ、主だった主催陣営も死亡。
ナルトや雅緋を初めとする多くの犠牲の上で殺し合いは終局を迎えた……




ところが。
飛鳥の命も、悪もまだ完全には潰えてはいなかった。
地上に落下して焔は死亡したが、偶然にも彼女の死体がクッションになったことで飛鳥は重傷なれど一命をとりとめていたのだ。
そして彼女を回収するノマド・ソウカイヤ忍者残党。
エキセントリック号で木ノ葉隠れの里へと生還した四人の対主催忍者とは反対に、彼女は闇の世界――アサギ世界の悪党の巣窟へと運ばれていく。


生き残った彼女を待っていたのは地獄であった。
サボターやコッカトリスのようなソウカイヤ忍者の生き残りや大量のノマドやオーク達に、欲望と恨み辛みの捌け口として慰みものにされているとしか思えない凄惨な拷問の数々を受けた。
行く行くは組織の再起のために殺戮兵器として利用するために肉体改造もされ、しかもドーピングのしすぎによって麻酔が効かず、麻酔なしの激痛が伴う改造手術を施された。食事は死なない程度に毒が入ったもので精神を確実に壊していく。
しかも飛鳥の優しさに付け込み、自害しようものならどこからかさらってきた人質を殺すと脅されて、死ぬに死ねなくなってしまった。
闇コロシアムにも参加させられ、勝利はおろか相手をなるべく残虐に殺すように要求された。
さもなくば拉致してきた罪のない人質が死ぬようになり、その対戦相手や人質も飛鳥のように拉致された者や同年代かジャイアンのように幼い子供ばかり……
このような死ぬことさえ許されない地獄の日々が何日も続き、飛鳥は心は日増しに破壊されていった。

だがある日、転機は訪れた。
異世界から赤き蛇こと怒れる魔道神メビウスが、ライセンとシオンを伴ってカオスアリーナに進軍してきたのだ。
これは飛鳥が色々悲惨な目にあった事を知ったクオンが「彼女を助けてほしい」と願った結果、そのおかげで赤き蛇が飛鳥救出のために動いたのである。
ノマド、ソウカイヤ残党+ノロイ党などの協力者の隠れ家を探すために時間がかかったが、ようやく見つけたゲス共に圧倒的な力を振りかざす。
エドウィン不在のノマド達では勝てるわけもなく、悪は程なくして全滅に追い込まれた。

解放される人質達の中に混じって救助される飛鳥。
だが彼女を一目見た赤き蛇の顔は険しくなり、そして呟いた。
「遅かった……」と。



後日、閃乱カグラ世界。
飛鳥、柳生、雲雀、焔、雪泉、雅緋の失踪は学園間に不穏をもたらしていた。
仲間の必死の捜索も虚しく、何年経っても飛鳥達はついに見つからなかった。
これによりリーダーを失ったことで国立半蔵学院・死塾月閃女学園・秘立蛇女子学園・焔紅蓮隊の間に築かれていた交流の橋は露と消えた。
共に戦い、遊ぶことも失踪以来は二度となかった。

葛城と斑鳩は後年も諦めずに後輩達の捜索を続けるも、その間にすっかり大人になってしまった。
そんな彼女らの前に赤き蛇に連れられた飛鳥が戻ってきた。
飛鳥もまた大人になっていたが、大した怪我もなく五体満足で戻ってきたことに葛城と斑鳩は最初は喜んだ。
しかし――



飛鳥「おねえちゃん、だれぇ?」



……飛鳥の様子がおかしい、自分達を知らないどころか幼児退行を起こしている。
これについては赤き蛇の口から語られる。
彼女は過酷な殺し合いに巻き込まれ、その後に何年も悪党共によって囚われ続けた。
体の傷や改造は魔導神の力をもってすれば消し去ることは造作もなかったが、壊れてしまった心までは元に戻せなかったのである。
仮に精神を強引に戻してしまえば飛鳥は発狂して自害するだろう。
治さないのが最良であり、手詰まりだったのである。

無情にも神ですら彼女の心の晴れぬ闇、胸の奥の影は取り除くことはついにできなかった。
かつての友を認識できないまま、ただただ子供のように笑う飛鳥を嗚咽をもらしながら抱きしめる葛城と斑鳩。
仲間のために身を捧げて戦っていただろうに、報われることのなく自分を失ってしまった友に二人は泣いてあげることしかできなかった。
そんな二人の気も知らず、飛鳥の目線の先にいるちょっと大柄な少年を筆頭とした忍達に手を振る。
それらは殺し合いでの仲間だった者達の姿を映した幻覚だが、今の彼女には彼らが何者だったのか、なんで自分の目から涙がこぼれているのか、思い出すことはなかった――
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  • 悲しみに耐えきれず、刃を乗せて壊れた心のくノ一
最終更新:2024年01月23日 17:29