【名前】直見正嗣
【出典】異世界で孤児院を開いたけど、なぜか誰一人巣立とうとしない件
【性別】男
【年齢】高校生
【キャラ解説】
いわゆる「なろう小説主人公」。
クラスカースト最底辺のいじめられっ子高校生だったが、異世界の『ワルムズ王国』にクラスごと召喚された際、クラスで唯一戦力として認められなかった事をきっかけに、獣人の幼女が一人だけいる孤児院の経営をさせられる。
スキルに『守る(改)』というものがあるが、これは周囲の身近な対象をあらゆる意味で守護するスキル。
これだけの情報だと防御スキルか献身技を普通はイメージするが、これは誰かが危害を加えられそうになると発動する自動スキルで、あらゆるものをその身一つで弾くことができるようになる。
すなわち、あらゆるものから守る=ほぼ何でも倒せる特性から攻撃への転用も可能。
ようは自分で動かなくても強いバグかデバックミスとしか言い様がない1億年に一人いるかいないかの選ばれた本当の才能を持つ者にしか発現しないレアスキル。
物語開始時点では心優しい少年であったが、自身の持つスキル『守る(改)』が希少かつ万能なスキルである事に気付いてからは傲岸不遜な性格となっていく……
特にミヤモトを中心としたいじめっ子たちへの制裁は苛烈であり、いじめられていたマサツグ側にも問題があるんじゃないかと一部読者からは思われている。
その他にもイジメよくないとか言っておきながら「力を背景にした恐喝・暴行」「国民を奴隷にして魔族に売り渡した」「国軍を大した理由もなく攻撃した」などと非常識な行動も取るので、一部読者からは非難されることも。(外道ぶりやぶっ飛んだ行動を楽しむ小説と割り切れば面白いが……)
口癖は「やれやれ」「たいしたことじゃない」。特に「やれやれ」の頻度は高く、一つの台詞の中で二回言う事も。
【あらすじ】
性格のタガが外れてきた物語後期出典。
対主催なのにやり方がえげつない上に性格悪いから大半の参加者にマーダーだと誤解されまくる。
それでも取り巻きが出来るが、よりによって役にも立たないホモガキだった。
ひで「ご、ご主人様ぁ…このひとおかしい…(小声)」
なんだかんだで楽しくはやっていたが、勘違いからルーク(なろう主人公)と篭城したガソリンスタンドで戦いになり、一度は包囲殲滅陣を退ける。
しかし直後にダグバの襲来によりガソリンスタンドが爆発してひでが死亡。
無敵の守る(改)スキルが首輪で制限されていたこともあってマサツグも火傷を負い、ダグバから逃げるハメに。
ボロボロになった先でキンブリーと出くわし、ダグバに対抗するために仲間に引き入れようとするが、マサツグの主張を聞いたキンブリーは一言「貴方は美しくない」と言って興味すら持たず去って行った。
キンブリーからすると信念も一貫性もない者の価値など石ころ程度の価値しかなかったのである。
手傷を負っていたためキンブリーに報復できなかったこともあり、プライドをズタズタにされたマサツグの性格はこのあたりから原作以上に歪み始める。
傷が治った後に強者限定マーダーのファレグと出くわす。
彼女は守る(改)スキルを持った強者であるマサツグに興味を持って挑むが、その中身は才能に傲っていただけの自分のホームグラウンドの中だけ強い猿山の大将であると失望。
愚かさと傲慢が同居してるような、私にとって最も厭な匂いがすると言われ見下される。
そこへマサツグを助けに来た波平とミヤモトが現れる。
ファレグはマサツグへの興味を失ったこともあって、その場を立ち去った。
自分をいじめていた者に助けられたマサツグ。
ミヤモトはいじめの主犯であったが、波平による真摯な説教を受け続けてるうちに改心。
償いのためにマサツグを守ろうとしていたのだ。
だが、当のマサツグ様はこれまでの殺し合いの体験によりプライドがズタズタになっていること、嫌いなミヤモトが取り巻きは死んで独りぼっちな自分に対してあろうことか仲間を作って談笑していることにより心の歪みは頂点に達していた。
もはや対主催だとかマーダーだとかどうでもいいほどに。
「俺を虐めてたカスがなに勘違いしてんだよ」
謝ろうとしたミヤモトのはらわたをぶち抜き、挙句激高した波平の首を切り落とす。
辛うじて息があるミヤモトに俺を虐めた報いだばぁかと嘲笑った。
ミヤモトはまだしも波平を殺したことについては、ミヤモトを庇う奴なんざ同じクズに決まっていると決めつけてるから、罪悪感も全くなかった。
完全に暴走したマサツグが最後に対峙したのは一度は破ったルークであった。
制限されているとはいえ守る(改)と聖剣の力を持った自分に一度倒した奴が勝てる道理がないとタカをくくっていたマサツグだが、ルークに斬りかかろうとした瞬間「人類の守護剣」が急に重くなり取り落としてしまう。
人類の守護剣…マサツグの召喚された異世界における聖剣で選定した担い手以外が持とうとするととんでもなく重くなる。しかし近くに担い手がいない場合は適当な人間に運ばせるため軽くなるのだ。
すなわち、元の世界はまだしもロワで生まれた心の歪みからマサツグは聖剣から選ばれなくなってしまったのだ。
そしてまさかの事態に混乱し喚いているところを守護剣を装備したルークに討たれるのだった……
余談だが、後日談と言える
オールリピ2では完全にマーダー堕ちし、なろう主人公代表格である司馬達也をライバルとして戦うことになり、最期はダース・ベイダーに討たれた。
そのダース・ベイダーの息子の名前が「ルーク」だったりする。
やたら他のなろう主人公やなろうじみたチート参加者に縁のある方だ……
【本ロワの動向】
対主催・マーダー以前に元ロワで多くの参加者から蔑みを受けたことに恨に持ち、報復することを決意。
それでも辛うじて参加者に知り合ったひで(別世界線の別人だが)がいたので人間性のブレーキが効いていたが、登場話すぐに起きた出来事をきっかけにそのブレーキも壊れることになる。
ふと参加者の把握のために名簿を開くと、不可解なものが書かれていた。
自分と同じ名前を持つ者――直見正嗣が二人いるのである。
これはどういうことかと首を傾げるマサツグに、見覚えのない美少女が馴れ馴れしく声をかけた。
彼女の名前は翠下弓那。
もうひとりのマサツグである架空学園側の直見正嗣のクラスメイトである。
最初はもう一人の自分の情報を聞き出すためにクラスメイトのふりをして弓那から架空学園の情報や生徒のことを聞くマサツグ。
しかし、それで判明した事実とはもう一人の自分はいじめられることもなく友人に囲まれて楽しそうに学園生活を過ごしていたということであった。
もう一人の正嗣に嫉妬を覚えたマサツグは不意打ちで弓那を倒して首を絞める。
弓那も漸く目の前のマサツグが自分の知る正嗣ではないとわかるが、その時に自分を非難し正嗣をリスペクトしたような台詞が癇に触ってしまい、そのまま絞殺されてしまった。
同じマサツグでありながら自分よりも恵まれていた別世界線の自分に嫉妬したマサツグは、架空学園の正嗣を殺すことを目標にするマーダーとなる。
孤児院の少女たちがこの場にいないのもマサツグの悪意をより一層加速させた。
消えていく弓那の死体に唾を吐き、野望成就のために支給品を奪って後にした。
道中で対主催のハンターと遭遇。戦闘になる。
守る(改)スキルはチートスキルだが制限で弱体化しているため、腕を上げたハンターとは互角の戦いであった。
その時に自分の偉大さや無敵のスキルの話もしたが、それに対するハンターの対応は冷ややかであった。
ハンターからしてみればかつての自分ないしは本物の「ゆうき」を見ている気分であったからだ。
ハンターはマサツグのようななろう主人公に憧れてはいたが、良き大人に出会った結果、人として成長し、仲間と一緒に楽しむ狩人であること以上は望まないになっていたからだ。
人間としてちっぽけな存在になりつつあるマサツグに軽蔑と同情の目線を向けるハンターに、マサツグは怒りを覚える。
結局、互いの消耗から決着はつかず、双方痛み分けで退くことになったが、マサツグはハンターの話から彼がプレイヤーの手元から離れたアバターであると知ると「偽物は総じてクズだな」と蔑んだ。
おそらく将来的に出会うであろう正嗣を思い浮かべるように。
そうしてとうとう出会ってしまったマサツグと正嗣。
混沌と架空のマサツグ様が出会った時は双方共嫌悪感満載状態。
正嗣は「うわ、きめえ、自分と瓜二つがこんなん嫌だ(意訳)」と言い、しかも名簿に「マサツグ様」表記だったせいで出会うまで認識すらしてなかったのだ。
このことに怒り狂ったマサツグの怒りに呼応するかの如く、支給品の中にあった赤いジュエルシードが禍々しく光り輝きだした。
幻聴がマサツグの耳に入る。
『可哀想に……アレはあなたの歩めなかったもう一つの可能性』
『さぞや悔しいでしょう』
『ならば彼から総てを奪ってはいかがでしょう?』
『彼から総てを奪い、あなたが真の「直見正嗣」となるのです』
願いを叶える魔石ジュエルシードの力によりマサツグは邪悪なパワーアップを果たす。
そして誕生したのは――
マサツグ様「この俺が……超スーパーマサツグ様だ!」
……そのネーミング、マジでどうなの。
兎にも角にも、正嗣及び彼の師匠であるAKYSは黎斗ことゲンムに襲われている最中でもあり、AKYSはゲンムと戦うために正嗣はマサツグと一人で戦いざるおえなかった。
スーパーパワーを得て戦闘力が増大したマサツグだったが、正嗣もパワーアップしていた。
それは迫真空手による戦闘力だけではなく、執念も同様である。
単純な戦闘力はマサツグの方が上だったが、スキルとスペックに頼らない技量の差と執念の分だけ正嗣が上回り、逆にボコボコにされる。
更には自分を裏切った(主として認めなかった)人類の守護剣が正嗣を認めて使えるようになっていたことがトドメになり、マサツグは無様な敗走を喫した。
屈辱的な敗北により精神的に追い詰められるマサツグ。
さらに
混沌ロワ3で手下だったひで(実は世界線が違う別人だったのだが)が死んだことを放送で聞き、自分の味方が一人もいなくなったことに嘆く。
そんなマサツグの前に偶然なのか必然なのか、はたまたBBか他の主催の差し金なのか、志々雄真実・ファブニル・メガシャーク・ジェシカ・メアリといった強マーダーが一堂に会す。
一色触発の雰囲気……特にメアリとジェシカが今にも殺し合いをしようとしていたが、志々雄がラングセンから聞かされた計画とやらに乗ることを提案。
ファブニルが機動要塞を使って対主催を集め、ここに集まったマーダー集団で一気に襲いかかる。
強対主催掃討後、雑魚は核で一掃し、邪魔者が消えたところで最後にマーダー同士で優勝をかけて殺し合うという計画だった。
だがマサツグは計画には興味がなく、むしろ核を打ち込まれたら正嗣との決着がつけられなくなると見て計画に乗るふりをしてこっそり支給品を奪って対主催が攻めてくると同時に失踪した。
支給品である
サクマのドローン@
オリロワ6を使って正嗣が野獣邸にいることを突き止めたマサツグはそこへ向かう。
たどり着くと今田耕司先輩を倒した正嗣と彼の親友である世界がいた。
二人は強敵を倒して安心仕切っており、これはチャンスだと思ったマサツグはマーダー連中から奪った支給品である帝具・グランシャリオに変身し不意打ちの一撃を与える。
吐血して倒れる世界。
彼女に対して絶叫を上げる正嗣と嘲笑するマサツグ。
怒り狂った正嗣は帝具インクルシオを纏い、マサツグに襲いかかる。
それこそがマサツグの狙いであった。
迫真空手の分だけ技量は正嗣が上であったが、ただでも今田耕司先輩での戦いで消耗している上に親友を殺されて冷静さを失っている正嗣の戦闘力はインクルシオの分を足しても自分には及ばない。
対する自分は守る(改)と帝具の力、そして(マサツグ視点では)冷静な分だけ有利であった。
近くにいるオルガは気絶中、クマ吉の罠のせいで道に迷ったAKYSは未だに野獣邸を彷徨っており、正嗣に味方はいない。
勝利は目前であった。
マサツグ「俺は! おまえを殺して本物のマサツグ様になるんだ! 偽物は消えろ!」
正嗣「そんなことのために……人間の屑がこの野郎」
マサツグ「ただ運の良い恵まれていたおまえに俺の何がわかる!?」
正嗣「元は一緒だろうが! 運を言い訳にするんじゃねえ!!」
マサツグは正嗣が学校で友達もいて自分が心の奥底で憧れていた学生生活を正嗣が満喫していることに殺したいほど凄く嫉妬していた。
自分の偽物が自分より幸せになっていることが許せなかった。
だがそれももう終わる。
偽物を倒した自分が本物となり、そのあとは自分を見下した奴らを皆殺しにするのだ。
全てが綺麗さっぱり片付いたら元の世界に帰り、孤児院の少女たちに自分の武勇伝を胸を張って語ろうとマサツグは皮算用をした。
そしてマサツグは精神的トドメを刺すために、かつて正嗣の友の一人であった弓那をその手にかけて殺したことを教え、更には彼女を雑草程度の価値しかない馬鹿女であるとこき下ろした。
……マサツグは見誤っていた。
正嗣の執念の強さと、プロトタイプであるグランシャリオは持っていないインクルシオの真の危険性を。
二人もの友が手にかけられたことにより正嗣の怨恨が頂点に達した。
それと同時にインクルシオの中に宿る魔獣・超級危険種タイラントが暴走。
正嗣を竜人へと姿を変えさせた。
そのパワーは一撃でグランシャリオの槍をマサツグの腕ごと砕き、悲鳴を上げさせる。
暴龍と化した正嗣には守る(改)スキルも通用しない。
それは首輪で制限されているということもあるが、インクルシオは持ち主の成長によっては時を止める技すら突破する力を秘めており、それが暴走状態とあらばいかなるレアスキルさえ貫通してしまう。
何より正嗣の気迫にマサツグは完全に押されていた。
まるでどこぞのライダー怪人のようにボッコボコに殴り飛ばされ聖剣でザクザクザクと全身を切り刻まれていく。
圧倒的すぎる正嗣の実力に消沈したマサツグは、自分が本物のマサツグになるという野望すらかなぐり捨てて命乞いをする。
瀕死のマサツグにとって目の前にいる正嗣は、ミヤモトなど足元にも及ばない恐怖の対象になっていた。
しかし正嗣は友を殺し、蔑んだマサツグを許す気などなく、懇願を無視して死ぬまで……いや、死んでも消滅する寸前まで刃を突き立てるのだった。
マサツグ……彼の殺し合いに巻き込まれた不運から始まった物語はこうして終わりを迎えた。
結局彼は才能と自意識から織り成された自分の殻から抜け出すことができなかったのである。
あまつさえ彼はどんどん人として矮小化していき、原作の彼よりも歪になってしまったのだ。
巡りあわせの不運といえばそれまでだが、不幸すら力に変えていった架空学園の直見正嗣と違い、この直見正嗣はただ己の不幸を恨みもう一人の自分の幸福を妬むだけであった。
確実に言えるのは、負の方向へと進んだマサツグは、正の方向へと進んだ正嗣に負けたということ。
これすなわち自分の可能性に負けたのである。
最終更新:2024年01月20日 22:26