「……帰るのかよ。“元の学校”に」

「(こくり)」
「そう……寂しくなるわね」
「この2度目のバトルロワイアルで、あなた達も“戻ってきた”。
 貴女が制御できるようになった『能力』とはまた別の、ユートピア……
 あの“理想の学校”も、今後どうするか、どうなってかはわからないけど……私の学園に帰れるのなら、私は戻る」
「……そうかよ」
「これ以上弓那やコロナやベリダディアたちに、大きな顔はさせられない。
 ついにアルファライドも発売されて、アルファリアなんて新参ヒロインも出てきてしまったし……」
「そこは本当にワケわかんねえよ!?」

「あの殺し合いで一度死んで、あの豊満シスターに“現世に引っ張り戻されて”。
 この数ヶ月、あなた達の『学校』にお世話になって……それまで生きてた間とはまた違うけど、楽しかった」
「死んでから、あの『前の殺し合い』が終わって『私達の学校』に来ても。
 あなた、学食のごはんや生活部の備蓄食やお菓子、無茶苦茶に食い荒らしてたものね…」
「アレ、太郎丸のヤツも、お前に喰われるんじゃねーかって怯えてたぞ…」
「『犬は煮て喰えばうまい』……確か図書室で読んだ幕末マンガでも、そういってた」
「食べる気だったの!? ねえホントに食べる気だったの!?」
「てかお前、偉そうなタメ口きいときながら、あたしらどころかみーくんよりも下級生だったよな、1年生!?」
「それでも私、いちおう『18歳以上』。問題ない」
「……じゃあ貴女、留年生だったの?」
「そういうネタは弓那の領分。私のキャラじゃない。
 というかあなた達自身、学園生活やり直すって『留年』宣言してた。だから『学園生活部』なんて部活を…」
「それ、ゆきが言ってただけだろ……ほんとにお前、いう事やる事いちいちわけわかんねーやつだったな。それで本当に『論説部』かよ?
 ……“化け物になったあたしに”、“文字通り噛み付いたときから”、お前だけは読めないまんまだ」
「次は肉の味だけじゃなく、名前どおりのクルミ風味を出すといい感じ」
「出せるか!! せいぜい血の鉄の味くらいだろ!!」
「あの大井さんに、私が襲われたときとか……ありがとう。 それから……ごめんなさい。
 結局、私、あのときのあなたを見て、……どうしてもくるみのことを思い出して、怖くなって……」
「それを言うなら、私も結局、くるみの遺した友達であるあなただけでも守ろうと思ったのに、守りきれなかった。…だから言いっこなし」
「……そう言ってくれると、救われるわ」
「そうやって名前出された自分としちゃ、ちょっと複雑だな…
 ま、りーさん守ろうとしてくれたことには、素直に感謝するよ」

「ところで……あなた達は、今後どうするつもり?」
「そーだなあ……せっかく生き返った、ってのもあるけどさ」
「そもそもそれ自体が、私たち三人とも、予期なんかまったくできてなかったじゃない。
 余所からの『転校生』だった貴女と違って、私達はあの学校こそがホームみたいなものだったし…」
「そんなわけだしさ。また、あたしらのウチ……あの学校に帰ってから、それからゆっくり、みんなと『進路相談』でもして考えるよ」
「……そう」

「じゃあ、『あの学校』の、他のみんなと……ゆきと美紀と太郎丸と、それからめぐねえ先生によろしく。
 あなた達も元気で。……くるみ、悠里」
「もしまた会うことがあったら…そーだな。
 ま、粗茶とカンパン1個ぐらいは出してやるよ。……青玉葱」
「ケチな事いわないの。……翠下さんにも、お大事にって伝えて頂戴。
 私たちがみんなあそこにいた、あの“がっこうぐらし”、楽しかったわ。……またね、藍さん」

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最終更新:2019年01月25日 02:55