【名前】
上条当麻
【性別】男性
【出典】とある魔術の禁書目録
【架空学園2におけるロール・設定】
みんなご存知そげぶの人。
元々の人の良さもありクラスメイトとの交流も幅広く、特にナランチャとはよく馬鹿な事をやる仲である。
戦闘能力は十八番の
説教『
幻想殺し』頼りでそれ以外は多少喧嘩が強い程度であり、桐山と何度か喧嘩した事があるようだがその度に負けているようである。
不幸属性は相変わらず、折角お恵み戴いた購買パンが直前でオジャンになったり、怪獣が暴れたせいで
テストに遅刻したり、購買部の食糧が全てカービィに吸い込まれて昼食にありつけなかったり、っと様々。
ちなみに、この世界では御坂美琴や白井黒子が同年代になっている設定。
学級委員長を務めていた御坂とよく一緒に街中でつるんでいた様子。
その事でクラスメイトの黒子から嫉妬されているが、ラノベ主人公らしく原因に気付けないニブチンである。
………ところで上条さん、そちらの御坂は番外個体のように身体的に成長していますか?特にムネ(ゴラアアアァァァァァァァァァァ!!!
………ちなみに、その他上条さん周辺の環境は不明。腹ペコ修道女は居候しているのだろうか?
逆にグレムリンや神の右席とかは融合世界の裏舞台で暗躍しているようだが、まだそんな物騒な連中を認知する前の状態らしい。
そして、ロワ開始前にとある災難に遭っている。
どういう訳か記憶を失っており、原作とは違って周囲にもその事は知れ渡っている。
どちらかというとSSSS.GRIDMANの響裕太みたいなポジションで、交友関係とかも(上条視点では)リセットされた状態である。
どうやら記憶喪失寸前の夜に御坂と行動を共にしていたらしいが、彼女が行方不明になった事もセットで彼は何も思い出せずにいる。
【今ロワでの動向】
人の命をなんだと思っているんだ!こんなふざけた幻想、ぶち壊してやる!
みたいな意気込みで殺し合いを否定する上条さん。
しばらく単独で行動しているとナランチャ・ギルガと合流する。
記憶喪失になっても同じ様に親友となった彼と再会でき、志も同じで安心した様子の当麻は、ナランチャの提案もあり早速いつものように「ギャングダンス」を踊り、戦闘時にしか頭脳を発揮できないコンビを結成した。
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カチッ
ヘ(^o^)ヘ ズッ タン ズッズッ タン! |∧ ズッ タン ズッズッ タン! / / ズッ タン ズッズッ タン! (^o^)/ /( ) ズッ タン ズッズッ タン! (^o^) 三 / / > ズッ タン ズッズッ タン! \ (\\ 三 (/o^) < \ 三 グイン グイン! ( / / く バッ! バッ! バッ! バッ!
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しかしふざけ合っていた光景を狂乱したスルーズに見られ、激昂した彼女と戦闘するはめになる。
ただ空を飛び銃をぶっ放すスルーズに加え、『エアロ・スミス』で対抗するナランチャと、主戦場が空中戦のため何も出来ず当麻は歯噛みするしかない状態に。
それでも、自分にできることはないかと考えた末に、支給品に入っていたロケット花火を思い出す。
すぐさまデイパックからそれらを取り出し、上手く狙える場所に移動し、狙いを定めて微調整を施し導火線に点火。
見事ロケット花火がスルーズに命中し、彼女を墜落させる事に成功……したのだが、不幸な事に当麻に向かって落ちてきた。
当然空から落ちてくる少女を間一髪キャッチした、なんて上手い話などなくそのまま衝突して一緒にもみくちゃに転がった。
そして落ち着いた時には上条さんの頭はスルーズの胸にダイブするというラッキースケベな結果に……直後、気付いて赤面したスルーズに滅茶苦茶に暴行されました。
ちなみに、衝突後のごたごたの際に『幻想殺し』でスルーズの『白鳥礼装』を無力化していたのだが、そんな出来事を当麻は知る事もなく気絶してしまった。
しばらくして、当麻は見知らぬ民家で目覚めた。
痛みを押して外に出て周囲を探索すると―――ショッキングな現場を目撃し、当麻は嘔吐しかけた。
そこには切断された首、傷だらけの体、そして赤黒い血に染まったナランチャとスルーズの遺体が放置されていた。
最初に抱いた意気込みすら吹き飛ばす程の衝撃、彼の想いなど否定するような現実、何よりこのような惨劇を止められなかった自分、それらが複雑に絡まった感情が当麻に纏わり付く。
常人なら挫折しかねない事態だが、しかし彼は踏みとどまった。
ここで俺が諦めたら、ナランチャや死んでいった仲間達に顔向けできない、っと。
まだ見ぬ誰かと出会うために、その人の危機を救うために、一縷の望みを頼りに当麻は歩みを止めなかった。
そして当麻は、蹲ったまま動かない星杯を戴く巫女・イヴを発見する。
何があったのか当麻は彼女に聞くと、桐山に襲われてアウルムとはぐれてしまい彼が崖から落とされたとの事。
自分の所為でアウルムが死んでしまったと哀しみに暮れるイヴに、当麻は掛ける言葉を見つけらずただ彼女を見守った。
しかし、
第二回放送でアウルムの名前が呼ばれなかった事に気づいた二人。
明るさを取り戻したイヴを見た当麻も共に喜び、そして二人はアウルムがいるかもしれない崖下に向かってみた。
だがアウルムの姿は見つからず、替わりに正邪が現れて同行を申し込まれた。
これに対し上条さんは素直にOKを出すが、何故か女性二人が不満そうな顔をしていたため(え、何かマズったか!?)と汗を垂らす当麻。
結局三人で行動する事となり、イヴの提案で心当たりがある場所に進んでみる事に。
辿り着いた目的地は遺跡であり、探索の末に三人はとある大きな存在を発見した。
『MBV-707G/VSL テムジン707@とある魔術の電脳戦機』
それを見た瞬間、
上条当麻は頭の中で閉ざされた扉が開く感触を得ていた。
―――たしかあの夜、御坂と一緒にゲーセンに行ってヴァーチャロンを遊んでいて……
―――そしたら突然、よくわからないナニかによって筐体の画面に引き込まれて……
―――御坂によって俺だけ外に出られたけど、その後あいつは筐体の中から戻ってこなくて……
―――それともう一つ、何かあった気がするが……とにかく、あの後俺は記憶を失っていた……!!
ここにきて当麻は記憶を取り戻し、あの時何があったのかを思い出したのだ。
その後御坂美琴がどうなったかについては分からないが、あれも主催者の仕業だと確信。
絶対に奴らをぶん殴ってやる、だから待っていてくれ、ビリビリ、っと当麻は誰にも語らず心に強く誓っていた。
またその瞬間、誰かが語り掛ける声を当麻は聞いた気がした。
その時はイヴか正邪が声を掛けたのだと思って二人に聞いてみたが否定され、今のは幻聴かと当麻は首を傾げた。
とにかく今は目の前の機体が使えないかと調べてみたが動く様子はなく、代わりにテムジンのようなパワードスーツを見つけたため当麻が着用する事となった。
第三回放送後、外に出た三人は
一方通行に敗れてボロボロになった白井黒子を発見する。
衰弱しきった彼女を見守るしかない三人は、最後まで言葉を振り絞ろうとする彼女から二、三の情報を聴き取る。
その時、当麻は黒子からゲコ太ストラップとお姉様(御坂美琴)の事を託され、彼女が事切れる瞬間を看取った。
こんなにも身近にいて救えたはずなのに黒子を死なせてしまった自分、そして彼女を何の躊躇いもなく無惨に殺した
一方通行に、当麻は憤りを覚えていた。
正邪と共にイヴを先に行かせ、遅れて姿を現し彼女を嘲笑う
一方通行に対し、当麻は宣言した。
「その幻想をぶち壊す!」
そうして始まったvs
一方通行だが、しかし当麻も正邪も最強の超能力者に苦戦する。
テムジンの武装も妖怪の弾幕も
一方通行の反射の前には何一つ有効打にならず。
ならばと機動力を活かして『幻想殺し』で一発殴る事には成功したが、その後は
一方通行も警戒して攻撃するようになってしまった。
「どうした最弱ゥ! ヴァーチャロンはチマチマ差し合って戦うもんだろゥが」
「おまえもチャロナーか!」
「スペシネフ使いだ! テムジン使いの三下ァッ!」
加えて
一方通行もチャロナーなためテムジンの行動も読まれやすく動きづらくなった当麻は、正邪と作戦を練り博打に出た。
当麻はテムジンの必殺技であるブルースライダーを放つが、
一方通行は正邪の弾幕を反射して難なくそれを破壊し、さらに二人も諸共消し去ろうとした。
だがしかし、それが当麻達の狙いだった。
「歯を食いしばれよ、最強(さいじゃく)。俺の最弱(さいきょう)は」
「おまえが侮った弱者の反則技(ぎゃくしゅう)は」
「「ちっとばかし響くぞ!!」」
なんと当麻は悪名高き戦法“ボムジン”を利用したのだ。
電脳戦機バーチャロンのテムジンはLWのボムで敵にダメージを与えるだけではなく、その広範囲の爆風で敵の攻撃を相殺性能し、なおかつ自分は爆風の影響を受けずに行動・攻撃できるのだ。
ただしその戦法は現行のバーチャロンでは利用できないが、その知識を持っていた当麻はなんとかそれを応用し、東方projectのようなボムキャンセルで弾幕を回避したのだ。
そして
一方通行がスナイプナーの破片をテムジンの残骸と勘違いしている間に反撃に転じ、宣言通り
一方通行の「最強」という「幻想」をぶち壊した。
戦闘後、当麻が装着していたパワードスーツのエネルギーが切れてしまった。
そこで正邪の勧めで当麻は一旦遺跡に戻り、エネルゲン水晶が満タンに入ったサブタンク@ロックマンゼロを使ってエネルギーを回復する。
その時にも何か呼びかける声が聞こえた気がするが、
一方通行を見張っている正邪が心配だったためすぐさま遺跡を去った。
そして戻ってきた時には、より増大した絶望を目の当たりにした。
一方通行は銃弾で頭を撃ち抜かれており、正邪と桐山が満足げな顔のまま並んで死に倒れていたのだ。
当麻にとっては三度目の仲間の死、どれもこれも助けられたはずなのに救えなかった事でついに慟哭をあげた。
しばし悲しみと後悔に暮れる当麻であったが、やがて桐山のポケットの中にメモが挟まっている事に気付く―――それは、桐山が調べ上げた首輪の解除方法が書かれたメモであった。
当麻自身ではその内容を上手く活用できない、だがまだ残っているクラスメイトなら、この様な殺し合いを強要する忌々しい首輪を外せるかもしれない。
だから当麻は、前を向いて歩き始めた。
何度挫折しても最後まで諦めなかった今までの自分を裏切らないために、死んだ人たちに報いて生き残った人を今度こそ救うために。
当麻はイヴやシエルがいるであろう施設に向かって歩き始めた。
辿り着いた研究所兼レプリロイド廃棄場でイヴ達を探す当麻は、とある一室に人が集まっていることに気付いた。
中を覗いてみると、シエル、アウルム、リク、フーゴ、そしてアカネの姿があった。
だがアカネの周りを他の四人が険しそうな表情で取り囲んでおり、特にリクが今にも殴りそうな剣呑な雰囲気であった。
明らかに異常な状況に、だから当麻は咄嗟に飛び出て「お前ら、一体何をやっているんだ!」と啖呵を切った。
……のだが、シエルから事情を聞く内に自分が勘違いしていた事を知り、逆にアカネの所業について聞く内に当麻もまた複雑な表情を浮かべていった。
数々のクラスメイトを欺き亡き者にしていった暗躍者であり、しかも自分と正邪が先に行かせたイヴを直接殺した張本人であるのだ。
正直、当麻もぶん殴って説教したい気持ちに駆られたが、周りの皆もそれを堪えていたため当麻も手を出さない事にした。
その代わり、当麻は桐山のメモをシエルに渡してみんなの首輪を外してくれるように頼んだ。
彼女もすぐに理解して作業に取り掛かり、そしてその場にいた全員の首輪の解除に成功した。
やっと戒めから解放され、これで主催者達に反逆できると気運が高まったところで、
上条当麻はこれ以上になく彼を呼びかける声を今度こそハッキリと聞き取った。
「当麻、当麻」
その声の源を突き止めるために当麻は研究所内を探索し始め、やがて一つのジャンクPCの前に辿り着き、その画面に映し出された何者かに告げられる。
「私はハイパーエージント、グリッドマン」
「この世界に危機が迫っている」
「危機はすぐそこに迫っている!」
いやいきなり何言ってんだコイツ、な状況なのだが当麻もまた何故か彼の事を知っているような気がしたのだ。
突然飛び出した当麻を追い駆けてきたシエルもそれを確認し、とある伝承に思い至った彼女は当麻にその内容を語り始めた。
―――この融合世界が誕生する前、とある次元で正義の超人と魔王が戦っていた
―――魔王が敗れて決着がつくかと思われた、その寸前に次元融合が発生してしまった
―――その影響で超人と魔王は別々の次元に飛ばされてしまった、という眉唾物な御伽噺
―――その超人の名は、電光超人グリッドマン
「正確に言えば、私はグリッドマン本人ではない」
「次元融合の影響でグリッドマンから分離して生まれた、カケラのような存在だ」
「私は、この世界に逃げ込んだ魔王カーンデジファーを倒さなければならない」
「だが、今の私では力が足りない。だから、君達の協力を要請する!」
目の前の存在が語る内容に耳を傾けていた当麻達。
その最中、当麻は御坂と一緒に自分を救ってくれたのが彼であることに気が付いた。
命の恩人であり、彼の言う危機に立ち向かうためにも当麻は彼の力になり、また彼の力を借りようとしていた。
その時、突如として研究所のサイレンがけたたましく鳴り響く。
シエルが近くのモニターを確認すると、何やら大きな機影が研究所に向かってきているのだ。
「説明は後だ」
「今は目の前に迫っている危機を止めなくてはならない」
「緊急出動だ!」
そして当麻は、いつの間にやら左手首に装着されたブレスレット『プライマルアクセプター』を掲げボタンを押した。
「アクセス・フラッシュ!」
その掛け声と共に当麻はジャンクに飲み込まれ、気が付けばコクピットみたいな空間に座っていた。
周りを調べる内に、当麻は遺跡にあったテムジンの中に転移・搭乗していることに気が付く。
度重なる驚愕は置いといて、チャロナーである当麻は使い慣れた様に操縦桿を握りテムジンを発進させた。
研究所に向かう敵影に追いつき、その機体が御坂美琴専用の『ライデン "Judge Igniters"』であることに気が付いた当麻。
それに搭乗していたのは、終界学園の問題教師の一人であり、バトルロワイアルの司会進行役である、主催側の一人・嘉門米美であった。
嘉門はオモチャ感覚でライデンを乗り回し、サクサクっと研究所にいる対主催集団を潰そうとしていたのだ。
「それは……てめえが乗っていいバーチャロイドじゃねえ!!!」
激昂した当麻とおちゃらけた嘉門、当然そのままゲームではないリアルなバーチャロン対決となった。
ついさっき復活したばかりのテムジン=グリッドマンは本調子ではなく、対して嘉門のライデンは様々な技術による魔改造が成されて強力な機体に仕上がっていた。
通常であれば機体の性能差で勝負にならないはずなのだが、それでも対等に渡り合えたのは御坂と一緒にゲームを通じて鍛え上げられた当麻の操縦技術があってこそだった。
というより、嘉門の操作は不自然であり、まるでオート操作で戦っているように思えてきた当麻。
案の定、絶対的な力を持っているはずの嘉門が中々テムジンにトドメを刺せない事にイライラを募らせている様子だった。
だから当麻は嘉門に挑発し、マニュアル操作に切り替えるように仕向けてみた。
その狙いは的中し、挑発に乗ってしまった嘉門は本当にマニュアル操作に切り替えてしまい、そしてライデンはぎこちない動きになってしまった。
益々思い通りに動かないライデンに焦り喚く嘉門を他所に、当麻はそのままテムジンの右ナックルを打ち込みライデンを沈黙させた。
(なおこの時点では嘉門は死んでいない。無事脱出して逃げています)
戦闘が終わった後、通信音がけたたましく叫びモニターにシエルの姿が映し出された。
当麻は嘉門を倒したことを伝え、逆に彼女から当麻が不在の間に起きた様々な出来事について聞かされた。
曰く、当麻とテムジン=グリッドマンが嘉門と闘っている間、別の主催者達が研究所に襲撃してきたこと。
曰く、その影響で今まで研究所は異空間に閉ざされ通信ができない状態になっていたこと。
曰く、そして壮絶な戦いと犠牲の果てにウルトラマンベリアルとダイモンを撃破したこと。
これで主催者は残り一人となり打倒の道も見えてきたが、また仲間を失った事に当麻は心を痛めた。
だから心配して研究所に戻ろうとしたが、シエルにそのまま先に進んでと頼まれた。
まだ休息と準備が必要な自分達より万全に動ける当麻に、残った主催者カーンデジファーが別の世界に逃げる前に何とか止めて欲しい、っと。
―――ある意味、それは単独死地に向かわせるようなものであり、そう告げたシエルにも苦渋な思いが滲み出ていた。
だが、このままではカーンデジファーがこの会場の外に出て現実の世界に災害をもたらすに違いない、とグリッドマンも危惧していた。
だから、当麻はその願いを快諾した。
今度こそ狂宴と悲劇を終わらせるために、己が正義と想いを黒幕にぶつけるために―――ふざけた幻想をぶち壊すために、ラストバトルに挑んだ。
嘉門が逃げた方向に向かうと、ただの骸になった嘉門とラスボスたる魔王が待ち構えていた。
魔王は告げる、ベリアルとダイモンを打倒してくれたことに感謝する、おかげで奴らのエネルギーもこうやって回収できている、と。
その言葉は本物であり、眼前の魔王から放たれる膨大な禍々しさはプレッシャーとなって当麻に襲い掛かってきた。
それでも当麻は怯まず、ずっと心配していた御坂美琴の安否について問い質した。
対して、魔王は嘲笑うように述べた。
「ああ、あの小娘か。ただの小蠅のくせに、五月蠅い程に激しく抵抗したからな。
――この架空学園の中でデータのカスにしてやったさ」
―――正直、御坂美琴が生き残っている可能性なんて有り得ないことなど、既にわかっていた。
―――それでも、そんな考えなど信じたくなかった当麻は彼女が無事である事を願っていた。
―――だが、現実は非常である。残忍な異次元存在の前に、そのような希望など砕かれる他はなかった。
―――ならば、せめて、御坂美琴の無念を晴らすためにも、この弔い合戦に勝たなければならない!
そして始まった魔王との戦闘は熾烈を極めた。
グリッドマンも調子を取り戻し出力もアップしたテムジンと、まだエネルギー回収が終わっていない魔王。
電撃であろうとビームであろうと『幻想殺し』で打消し、巨大な剣を振り回されてもブリッツ・セイバーで鍔迫り合いを演じた。
際どい場面は多々あるものの互角に戦えたことで、当麻は慎重に行動しつつ隙を見つけたら絶対にぶん殴ろうと機会を窺っていた。
だが、彼は魔王の本気を見誤っていた。
カーンデジファーは距離を置くと、全力で雷撃を放ち、『幻想殺し』でもカバーしきれない全方位攻撃を仕掛けてきた。
これでは当麻も成す術もなく、テムジン、グリッドマンと共に高電圧の嵐に飲まれた。
もはや死に体となった当麻だが、辛うじて僅かな意識は残っていた。
そして当麻の欠損した右腕、そしてテムジンの破損した上腕部から竜王の顎が顕現していた。
この想定外の事態に魔王カーンデジファーも警戒したが、意外なことに“ソレ”は動かなかった。
もう、当麻の死は目前であり、彼は走馬灯の最中に彷徨っていた状態だったのだ。
(俺の無茶に付き合ってくれてありがとうな、グリッドマン、テムジン。
よおビリビリ、おまえはずっとそこにいたんだろ……?)
朦朧とした意識の中、彼は虚空にある何かを最期に見つめているようだった……
上条当麻の意識が途絶えたあとも、竜王の顎は顕現し続けていた。
“ソレ”は魔王を無視して、シエル達の元までテムジンを引きずっていった。
同時に今まで喰らってきた異能のエネルギーも与え、そして消滅した。
―――“アレ”は一体、なんだったんだろうか。
―――原作同様、正体不明の超常存在か。
―――電光の存在が遺した使命の継承か。
―――志半ばで終わった少年の気持ちの現れか。
―――その答えは……
最終更新:2024年01月19日 23:02