【名前】
葉風美織
【性別】女
【出展】
オリリピ2
【人物】
オリ5時点での彼女のキャラシートは
こちら。
不思議な力と優しい心を持つ少女であり、暴走状態にあったヴィルキューアを救う。
これは絶対をもたらすハズの
シェイクスピアの脚本すら退ける「運命を変える人の力」であると思われた。
残念ながら後の騒乱で彼女は命を落としてしまうが、彼女の意志は対主催に受け継がれた
……だが、オリリピ2での彼女は転落街道まっしぐら。
さらに
オリロワ5の根幹さえ揺るがす真実が明かされることになる。
当初は綾香ら海軍組についていたが、そこで
◆MoSoKakiteの襲来により親友のエフィを殺害される。
さらに怪物化聖含む強マーダー集団に襲撃を受け、混乱の中で綾香が突然の敵前逃亡、裏切った仲間が仲間を射殺する現場を目撃(実は二つとも事情があるのだが)。
美織自身は運良く船から脱出できたが、心の傷が深まってしまう。
不幸は終わらず自分をヒーローと自称する男に強姦され、その最中で母や親友の死を知り、とうとう彼女の心は限界を迎える。
そして、彼女に宿っていた不思議な力の正体――植物型の旧支配者『ヴルトゥーム』の魂が解放された。
実は彼女はキャラシートにもある事故に合った際に、旧支配者の魂に偶発的に融合し、それを知らずに超能力として行使していたのだ。
人間と同じ理で生きていない旧支配者であるからこそ、シェイクスピアの脚本の影響を受けなかったのである。
その力は圧倒的で誕生時だけで自分から純潔を奪いかけた強姦魔を蒸発させてしまうほど。
ヴルトゥームと化した彼女はそのまま暴走。
友人だった聖と合うが、怪物の正体が美織だと気づいていない彼から化け物呼ばわりされ、怒りと悲しみのままに捕食。
続けて対主催であるエグザが止めにかかるが、彼の「辛いけど耐えろ」の言葉が今の美織には到底受け付けられぬものであった。
そのエグザを殺して彼女の前に現れたのが倉敷一派の一因、植物魔人ブルーロージィである光希であった。
人間や正義を信じられなくなり、ついには人間であることをやめて魔族となった彼女の「辛いなら吐き出せ」という言葉に共感。
地獄兄弟みたいな彼女の誘いにより、主催を出し抜いて力を手に入れようとする倉敷一派に身を寄せることになる。
舞台は主催戦に移り、主催側の裏切り者から倉敷に譲られた新世界創造の鍵を『窮極の門』に差し込めば時間遡行などあらゆる願いを叶えることができることを教えられる。
実はそれはナインズが鉱澤ひいては参加者を騙して門を開けさせ旧支配者の大神を呼び出すための嘘だったのだが、信じるふりをしていた倉敷たちと違い、嘘に気付けなかった美織は倉敷を裏切って鍵を奪い、門へと走ってしまう。
この頃はまだ、狂気には侵されていながらも人や母への未練が残っており、彼女らを蘇生させたい欲望に敗けたのだ。
その途中で同じく鍵の奪取を狙った神門、マーダーであるアルカディオの襲来を受けるも、ヴルトゥームの持つ呪力によって返り討ちにする。
ところが、特定集団への復讐と同時に美織が鍵を開けてしまう危険を察したミルドレッドによって門を破壊されてしまう。
途方に暮れる美織をかつて仲間だった綾香が説得しようとするが、彼女は美織を追ってきた光希に斬り伏せられてしまう。
倉敷一派を裏切ったとして殺されることを覚悟した美織であったが、光希は意外にも殺害ではなく懐柔の道を選んだ。
光希は先に亡くなった倉敷の意志を継ぎ、邪神のような上位存在の玩具でしかない世界を変えるために、存続のために植物のように感情やエゴを撤廃した世界を作り上げることを解く。
その世界を作り上げるため、光希自身の繁殖のために美織の力が必要なので、光希は裏切りの件を忘れて戦力として引き入れようとしていたのだ。
危険な野望を止めるために月元・夢無のグループが光希に襲い掛かり、更には全能者たる
ティアードロップや絆のタロットで極限まで追い詰められた。
しかし、外野として戦いを見守っていた美織は、光希が一人ぼっちで戦う姿に悲しみを覚えた。
そしてこれまでの出来事を反芻し、エルドリッジのような善人が踏みにじらえ、神門のような醜悪なエゴの持ち主が嘲笑い、その上で上位存在に踏みにじられる世界であることに気づく。
食い殺した聖のように旧支配者である自分を化物呼ばわりした世界が、受け入れてくれるとは思えず。
何より母たちを生き返したところで再び殺し合いに招かれるだけ……自分が生き返せなくとも
こんな奴らが勝手に蘇らせて玩具にするだけだ。
対主催たちのやっていることは一時しのぎにしかならない。
――旧支配者たる自分の居場所は同じ存在である光希しかいない。
上位存在に翻弄される弱い今の世界の人たちの力とやり方では狂った世界を変えることができない。
本当に母や友を救いたいなら悪魔と罵られても、力を手に入れるしかない。
そう思った彼女は光希に加勢。
自身の旧支配者の力とブルーロージィの力を合わせることで会場に集まっていた殺し合い+主催による暴虐の犠牲者の怨念を集めて、絆を上回る怨恨のエネルギーを逆流させ、絆のタロットの制御を乗っ取り、ティアードロップと江口を封印。
絆のタロットを奪ってからは形成が完全に逆転し、ついには月元・夢無のグループを壊滅させて敗北を齎した。
多大な消耗のせいで対主催を全滅させることこそできなかったが、対主催側も追撃できるだけの余力がなく、ミルドレッド含む三人を見逃す他なかった。
主催こそ倒れたが、人同士の絆によって産まれた、絆の力で倒せない巨悪が産声を上げたのだ。
肉体だけでなく心まで闇に堕ちた美織だがその顔に後悔の色はなく、生きる理由を見つけた光希・野望を再燃させたミルドレッドのように晴れやかにも見えた。
全てを失った自分に居場所が与えられ、共に冥府魔道に堕ちる恋人や仲間を手に入れることができたからである。
オリリピ2正史では後に彼女らは『森浄化杜』(シンジョーカーズ)なる悪の組織を作り上げ、将来的にオリロワ各世界を恐怖に陥れる。
ちなみにヒーロー軍団と森浄化杜との最終決戦を描いた
グランドフィナーレでは各ヒーローや光希・ミルドレッドが生死不明で倒れている中、彼女だけは明確に生き残っていると描写されている。
仮に最戦前で戦っててこれならば、未来では相当な実力者であることを意味している。
その身にかかった不幸の数々と、強き絆故に暴走・堕落した有様、そして結末からしてオリリピ2の『負の絆』代表格と言っても過言ではなかろう。
なお、この混沌5では森浄化杜旗揚げ前の参戦とされている。
【本ロワでの動向】
新組織旗揚げの前に光希やミルドレッド共々神々に囚われて殺し合いに参戦させられることになった美織。
だが、美織たちはこんなこともあろうかと互いの体に種を埋め込み合うことで発信機代はりにし、序盤も序盤の内から合流も果たした。
恋人でありリーダーである光希により、自分たちを誘拐した神々を報復として殺害、それまでに対主催でも役立たずは排除、自分たちに同調し力ある存在なら組織入りも考えるという方針になった。
さっそく行動を開始しようとした三人だったが、そこへアラレちゃんが来襲。
美織は光希の邪魔をするなら殺してしまおうとするが……
光希「あ、ギャグ漫画のキャラじゃん。
今の私たちでも正攻法じゃとても勝てない相手だよ」
美織「は?」
突然、光希がメタ発言をしたかと思いきや、次の瞬間に美織と光希は星になった。
アラレちゃん「おねーちゃんたちつおいの?ならアラレと遊ぼ!(ボカ)」
二人「ヒデブ!」
幸いにも旧支配者ヴルトゥームの魔力(というかドクタースランプ特有のギャグ補正)によって上半身が土に埋まるぐらいで済んだ美織。
死にはしなかったものの、自分たちを大きく上回る存在を知り、冷静な立ち回りと力への渇望をより一層強くする美織であった。
他方、光希とミルドレッドとは離れ離れになり、発信機にしていた種もアラレによって(意図せず)壊されてしまった。
首輪で力や探知能力が制限されている以上、光希たちは足で探すしかなくなった。
探索の中で美織が出会ったのは参加者の一人である泉こなた。
体格的に小学生にしか見えないこなたを、間引くかどうか迷うが、エルドリッジのような小さい子でも中身は凄まじい力を持っているケースもあるので、いちおう接触し情報交換を行う。
一方、こなたは直感で気づいていた……美織のほの暗い瞳の中から知り合いのような心の闇が根付いていることに。
(どうしてこんな小さな子が?)と思ったこなたは友好的かつ思想に同調するフリをして美織を探ってみることにした。
狂気に落ちきっていても疑うことに慣れていない美織は根掘り葉掘り聞いてくるこなたに、自分のこれまでの経緯や愛する
光希のこと話した。
だが、こなたの返答は美織が思っているような回答ではなかった。
こなた「あなたの光希さんへの愛はただの依存だよ。
悪の道に走ることはアンタのお母さんだって認めてないハズだよ!」
美織「ただの人間で部外者であるあなたに私たちの悲しみの何がわかるの!
どんなに願ったところで旧支配者である私を光希しか受け入れてくれない!
それに今の弱い私たちでは生死に関係なく永遠に邪神(じょういそんざい)の玩具にされる!
こなたのお母さんだって……そうだったんでしょ!?」
こなたは美織の悪堕ちを、母や友を失ったことによる気の迷いと、光希という女に騙されているせいだと判断。
逆に説得して悪の道から足を洗わせようとする。
一方、説得のために亡くなった母を引き合いにだし居場所をくれた光希を侮辱されたと思い込んだ美織は逆ギレ。
もはやこなたが使える使えない関係なく、襲いかかってしまった。
しかし放った攻撃がなかなか当たらない。
美織は知らないがこなたは既に今回を含めて三度の殺し合いを経験しており、しかも授業という形で戦闘訓練も受けていた。
美織とこなたでは圧倒的に戦闘経験の差が開いていたのである。
とはいえそこは吸血鬼アルカディオさえ殺害したチートマーダー、小手先でダメなら消耗を度外視した多大な呪力によるゴリ押し戦法に切り替える。
対するこなたは支給品で仮面ライダーバースに変身しているとはいえ、状況は一気に不利となり、徐々に押されるが…
カカカカッ
ブロントさんなるメイン盾がここで乱入し、こなたに助太刀。
それでも美織を倒すには足りないぐらいだが、逃げることは可能。
アラレ戦の傷がいえてないことに気づかれ、戦略的撤退を図られた。
それでも美織は構わずに追おうとするが……いつの間にやら自分に斑点が出来、肉体に激痛が襲った。
隠れていたペイルライダーが、美織が気づかぬ内に死病を感染させたのだ。
死病は完全に魔族化した光希の免疫力、サイボーグ義体でそもそも感染しないミルドレッドなら防げたであろう。
だが美織は旧支配者の魂は持っていても、内包する肉体は人間に近い部分が多く、常人よりかは多少は丈夫程度の耐久力しかもっていない。
それを旧支配者の魔力系障壁によって守っていただけであり、病気のように障壁で弾けないダイレクトな攻撃には脆かったのだ。
頭に思い浮かぶは堕ちた勇者に殺された時の記憶や痛み。
直感で自分は長くは生きられないと悟った美織は残った二人のために「邪魔者になる子」を抹殺しにいき、役に立ってから果てようと決心する。
徐々に力を失っていく体をヴルトゥームの魂に任せるように獲物を探す美織。
そこで美織はドラえもんのグループを発見。
いちおう、仲間の行方と自分たちの全世界植物化の思想に乗るかどうかを聞くが、案の定同調せず、こなた同様抹殺を決断する。
本性を現した彼女が最初に狙ったのはドラえもん組でも外見は強そうだが特別な力など何も持っていない沙保里。
かつて神門を殺した時のようにヴルトゥームの触手による責めで沙保里を殺そうとする美織。
腕力ではとても引きちぎれない触手には苦しみつつも説得をやめない沙保里だったが、悲しきかな美織の耳には届いていない。
だが、触手が沙保里の体に10個ある穴に差し込まれる寸前にブロリーによって阻まれ、沙保里は解放された。
邪魔をしないでと怒る美織だが、ブロリーの戦闘力は全力の美織と互角……いや、衰えを知らぬ旧支配者ヴルトゥームの異能の力はまだしも、本体の美織の方が死病に侵されている分総合的に不利であった。
血混じりの咳を吐き、それでもなお戦う美織の姿に痛々しさを覚えたブロリーはドラえもんと共に停戦を呼びかける。
だが美織は死ぬとわかっている以上、戦いをやめる気はなかった。
光希の為に、彼女と確実に敵対するブロリーだけでも道連れにしようとする悲しいほど健気な執念を見せていた。
そんな彼女に悪魔が舞い降りる。
何者かが美織が感知する前に急降下し、自分を踏みつぶした。
自分にそっくりな容姿をした来訪者に驚くブロリーたちであったが、病のせいで判断力が鈍っていて美織には、新旧ブロリーの見分けが付かず、襲いかかる。
だが情け容赦の欠片もないビンタ(スーパーサイヤ人級)で、一気に瀕死レベルの負傷を負い、さらにはトドメと言わんばかりにラリアットからの岩盤叩きつけをお見舞いされた。
辛うじてミンチにならず人の形を保っていたのはヴルトゥームの魔力の賜物だが、そこまでであった。
元々死病に侵された以上、再生能力も働かず、美織の肉体は限界を迎えたのだった。
美織に興味を無くした旧ブロリーが他の獲物にターゲットを変えてどこかへ飛んでいく。
反対に地面に無様に転がった美織は、ただただ世界を呪った。そして泣いた。
親友のために傷つくことも構わずに戦ったが、ヴィルキューアもミラスもエルドリッジも皐月も誰も助けることができなかった。
だから世界のほぼ全てを憎み、悪の道を歩く覚悟で抗った。
だが悪の道に走ったとて、待っていたのは無念の死、結局何も成し遂げられない二回目の死。
この悪党と運命に翻弄されるだけの短い生涯は、誰であっても納得できるはずがない。
ついには視界すらボヤけて見えなくなり、急速に冷たくなっていく体。
そこまで迫ってきた死の瞬間。
ここでようやく少女は旧支配者や悪党としての存在ではなく、ただの少女として死を恐れた。
美織(も、もう何も見えない……やっぱり死ぬのは怖いよ。
助けて、ミラ、ヴィルちゃん、光希ちゃん……ママ)
心の中で助けを求めるが、親友と母はとうの昔に死に。
繁殖のためとはいえ自分と口づけを交わし、抱いてくれた恋人もいない。
孤独に死んでいく怖さが、美織の恐怖を煽る。
しかし。
美織(……あったかい、ママ……なの?)
ふと、彼女の小さな体が温められた
温めたのは吉田沙保里の大きな腕。
彼女は美織に殺されかけた恐怖よりも、美織を守ってやりたかったという母性を優先し、寒がり苦しんでいた彼女を抱きしめて看取ることにしたのだ。
目が見えない美織は母親のものと勘違いしたが、その優しき温かさは間違いなく母にしか思えないもの。
人生の終わりに触れた、人の温もり。
それにより少女の最期に浮かべた表情は苦痛ではなく、微笑みであった……
彼女の命は落としたが、彼女の魂を救ったのは否定していた人の温もりに他ならない。
これを皮肉か救いと取るかは、この記事を読んだあなたに委ねたい。
最終更新:2024年01月19日 22:52