【名前】柳の剣のソウジロウ
【性別】男性
【出典】異修羅
【スタンス】対主催
──見たぞ、オメェの命
【人物】
猫背の矮軀、鉢巻きを締めた少年じみた風貌に蛙を思わせるギョロ眼を光らせ、赤いジャージを羽織った剣士。
異界(地球)から来た〈客人〉の一人であり、地球最後の柳生を自称する。
【ロワでの動向】
開幕時点でエリアの一角に造り上げられていたどろんこ魔王の巨大な沼の城を単騎で、しかも支給品のどうのつるぎ@ドラゴンクエストIIIで壊滅させるという派手な登場を飾る。
異修羅本編の登場話にて、魔王自称者キヤズナのナガン大迷宮を、なまくらの練習剣一本で斬り滅ぼしたことへのオマージュであり、メタ的にはどろんこ大魔王の脅威と、ソウジロウの世界逸脱の剣豪ぶりを描写するための話だったようだ。
その後は、本編での遠い鉤爪のユノのような道連れに出会うこともなく、ひたすら剣一本で強者と戦いながらさまよい歩く。
ゾンダー化を経て怪物となったベルゼバブと相対したときには、ベルゼバブが取り込んで、参加者を精神破壊するのに用いていた「あるもの」を見抜く。
「本物の魔王」──"全ての敵、シキ"の死骸の腕である。
触れるもの、認識したものの全てへ絶対の恐怖と狂気を付与するその呪われた女子高生の腕を、ソウジロウが本編さながらに切り捌いて肉片に還したことで、それ以降の被害者は激減した。
そして中盤、「最低最悪の魔王」と化しつつあるリムル=テンペストと遭遇し、交戦。
人知を超えた技量での斬撃や見切りを駆使するソウジロウに対し、リムルはシアを取り込んだ際に習得した未来視で少しずつ「慣れて」ゆくが、ソウジロウもまた、その未来視すら超えた恐るべき反応速度でリムルの命を刈り取ろうとする。
だが、ドロンコ魔王戦でのどうのつるぎの疲労の蓄積が早く、ソウジロウの繰り出す剣はリムルの苦し紛れの硬化で弾き返され──ついに、剣は折れた。
本来、練習剣でさえも、その本来の切れ味や耐久性を度外視したかのように扱い、相手を斬り裂けるソウジロウだったが、出典世界を異にするリムルの攻撃が、最後の柳生の絶技をほんの少しだけ、上回ったのであった。
こうして、異界の客人にして最強の剣豪は斃れた。
しかし、全てを出し尽くした上で敗れたその最期の顔は実に楽しげで、リムルはどこか寂しげに、そんな彼を呑み込んだ。
参加者を身勝手に取り込み捕食し、その参加者たちのことも背負うように修羅となっていった「最低最悪の魔王」──零れていったものを反芻しては悶え苦しんで、どこへ向かっても因縁の鎖に絡め取られ、堕ちてからずっと気の狂わない時はなかったリムルにとって、全く何との因縁も自縛もなく、ただひたすら剣に明け暮れる『客人』であるソウジロウとの戦いは、束の間でも全てを忘れていられた時間だったようだ。
戦いの中で、自分を醜いと思うかと問うたリムルに対し、ソウジロウは答えた。
「……あァ。知らねえや。
俺ァ元の世界からも弾き出された"客人"だし、頭もよくねェから、そーいう難しいことはわかんねーんだよ。
ただ、お前はめちゃくちゃ強ェ。だから楽しいぜ。ありがとよ!!」
カエル眼をぎょろつかせながら、カラカラと笑う剣豪の姿は、心を失いかけていたリムルの中に、一欠片の「勇者への敬意」を繋ぎ止め、スキル〈最終柳生新陰流〉として遺された。
そして、主催の
ジョーカーたる魔王アナゴを相手としたリムルの最期の戦いで、ソウジロウのスキルがアナゴの致死の弱点を見切った一撃として結実し、後々の展開を大きく動かすことになる。
『──見たぞ、オメェの命』
出番は限られていたが、後々への影響は地味に大きいキャラだったと言えるだろう。
最終更新:2024年08月24日 11:30