「私がお前をタイムファイヤーにしなければ、お前は遅かれ早かれ死ぬ運命にあったのだ」
「フッ…そんな馬鹿な…!」
「紛れもない歴史的真実だ。所詮お前も、「ギエン」や「ドルネロ」、そしてあの「エイラ」という女と同じく……決められた歴史の中の一部に過ぎない…」
「…全ての黒幕はお前だった…そういう訳か…!」
真相を知った直人はMG42を構え発砲しようとする。しかしそれと同時にリュウヤは、ディフェンダーガン形態にしていたDVディフェンダーを構えて、バルカンモードを発動させた上でDVバルカンを発射した。
「なっ…ぐわぁぁっ……!!」
「これで暫くは動けまい…。
歴史は殆ど全て正しい方向に進んでいる、後はお前を始末するだけだ…大人しく私の運命の……そして未来の為に死んで貰うぞ、滝沢直人……!」
そう一方的に告げるとリュウヤは、改竄装置…もといデータベースにあらかじめ入力していた歴史的事実を承認させようとする。
「2020年5月15日…リュウヤ、31世紀に帰還。そして同日…ブイレックスのパイロット滝沢直人、死亡…」
「畜生…ふざ、けるなっ……!」
直人は当然止めようとする。が……先程のDVバルカンによるダメージで身体が動ごかない。
そんな直人を意に介さぬ様子で、リュウヤが「データが誤っている」と告げるコンピュータを無視して正しい歴史として承認しようとしたその瞬間───
「おっと、そうはさせないよ~……!」
声と共に何処からともなく振るわれた鎖鎌状の斬魄刀によって、データベースは破壊され、使い物にならなくなった。彼はもう……歴史を改竄する事は出来ない。
「…何故だ、何故お前がここに居る……!?
…エーリカ・ハルトマン…!」
データベースを破壊したのはエーリカ・ハルトマン。彼女は偶々拾った脱出キットの内1個を使い、偶然この部屋に転移していたのであった。
リュウヤにとって彼女は、垣間見た数々の未来の中だとこの時点では既に死んでいる筈の参加者であり───動揺こそすれど危険視する程の存在ではなかった。
「んー……たまたま、かな~……」
口ではそう戯けた風に言いながらも、ハルトマンは片方の手で風死を構え、もう片方の手で試作ストライクカノンを構える。
彼女は強い怒りを抱いていた。目の前の男が仲間を───エイラを狂わせ、壊し、挙句仲間殺しなどという凶行に走らせた元凶の一人だと確信したからだ。
最終更新:2020年05月21日 23:46