【名前】ジョン・ウィック
【性別】男性
【出典】ジョン・ウィックシリーズ
【スタンス】マーダー→ジョーカー

「……未来……か……」

【ロワでの動向】

伝説の殺し屋ジョン・ウィック。
ぶっちゃけこのロワにおける彼の不幸は、最初に妻からの贈り物である犬を、織田敏憲が「使えない支給品」として嬲り殺しにした瞬間を目撃したことにある。

ジョンが問い詰めると、ジョン・ウィックの原作さながらに「たかが犬だろ!」と言い訳をする織田を躊躇なくボールペンで目玉を貫いて殺し、再びの虚無感と絶望に苛まれあてもなく彷徨っていたところを、この会場でも吸い込まれるように心に傷のある参加者が集まっていたユウリらとかち合う。

ユウリ自身はこの時点ではムゲン団の結成には消極的だったが、ジョンをはじめとする心の傷を負った参加者をなんとかするために「ムゲン団」を結成。
ジョンもまた、心の傷を癒すべく、失った物を取り戻すべくユウリの語る思想に恭順し、メンバーに加わった。

目的がはっきりし、やるべきことを定めたジョン・ウィックは、伝説の殺し屋として動き始める。

まずハデス組と別れて警戒が緩んでいたジャイロ、フロー、キリコの医者組を襲撃した。それも、彼らに戦意を気付かれないほどの距離からの狙撃によって。

ライフル弾がキリコの急所を貫いてたのを確認すると、反撃に転じたジャイロ・ツェペリを前に全力での逃走を行い、見事に逃げ切ることに成功する。
なぜジャイロやフローではなくキリコを狙ったのかは、こののちにロワの設定として「過去に安楽死を扱う殺し屋に、同僚を殺されたことがある」と語られのだった。
全力での逃走は、ロワ会場にはコンチネンタル・ホテルなどの殺し屋御用達の施設はないために、反撃され完治できないダメージを負うリスクを完全に切り捨てるためであった。

そして、中盤にユウリがムゲン団の一大戦力としていたムゲンダイナがキングギドラに圧殺され、発狂しているのを目撃し彼女の元から離れることを決意する。

この際にユウリの命を奪いに行かなかったのは、彼女が少女であったこともあるが、正気を失っていったユウリに必要以上に関わることは、自身を脅かす可能性があると考えたからであった。
つまり、彼は人情よりも、殺し屋としての理性を優先した冷酷な結果と言えた。

新たな居場所も無くし、途方に暮れるジョンの前に、ロキが現れた。そしてジョンを主催者の手先──つまり、ジョーカーになるように誘う。

ジョーカーとなれば、主催が勝利した暁には恩賞として家も、犬も、それどころか妻すら取り戻すことができるとロキは言う。

ジョンはこれを承諾した。
そして、参加者が集まっている一角であるアベンジャーズタワーへと向かう。


「恨みはないが、ここで死んでもらう」


出入り口に待ち伏せし、タイラントから逃げ出してきた明日香ルゥを出会い頭にサブマシンガンで射殺。
さらに功を焦ったオルガを確実に射殺すべく馴染み深いハンドガンに持ち替えて銃撃する。
しかし、オルガはライド・マッスに庇われたために殺害に失敗。そのままライドと激しい銃撃戦にもつれこんだ。

本来なら伝説の殺し屋ジョン・ウィックが、ヒットマンのような活動を続けていたとはいえチンピラに毛が生えた程度の腕しか持たないライドに苦戦するはずはなかった。
しかし、片目を撃ち抜かれても怒りと覇気の衰えないライドに、あるいは復讐者の自分の姿を重ねて見たからか動揺して肩に一発貰ってしまう。防弾スーツでは無かったためにそのまま片腕が使えなくなるも、すぐさま立て直しそのままハンドガンを乱射してライドを射殺する。

血溜まりに沈むもどこか晴れやかな表情のライドを見てジョンの感情はさらに掻き乱れた。その隙にオルガを逃してしまい、入れ替わるようにアイアンマンスーツを纏った日向と交戦に入る。

超音速で飛行し、戦車すら単独で破壊するほどの戦闘力を有するアイアンマンスーツに、主催の手で強化されたショットガンやライフルなどを駆使して優勢に立ち回るが……


日向「俺は……俺は、未来を、未来を掴むんだ……!」
ジョン「……!」

『未来』という言葉に一瞬足を止めたジョン、そこに声が響く。

オルガ『そこのお前! 避けろ、巻き込まれても恨むなよ!』

アーマーの飛行ロケットを起動して退避する日向、そこにグフ重装型の機関砲が降り注いだ。
ジョンも回避しようとするが、ライドに撃ち抜かれた傷がここにきて響いて避け切れず致命傷を負ってしまう。

ジョン「……未来……か……」

自らの過去に囚われ、殺し屋の因果から抜け出せず、最後には過去へと戻ろうとした男は未来という言葉に何を思ったのか──。

知る者は、誰も居ない。


【ジョン・ウィック@ジョン・ウィックシリーズ 死亡】


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ジョン・ウィックのロワでの行動は「どうしてこうなった?」と「こうなる運命だった」という2通りの真逆の見方ができるだろう。

原作の映画の時点で、伝説の殺し屋として復讐のために全てを敵に回し、現在進行形で破滅への道を進んでいるジョンだから「こうなる運命(必然)」であるとも言え、
また一方で最初に妻から送られた犬がジョン本人の支給品であるか、あるいは最悪織田が犬を殺す場面に出くわさなければ、最初の同行者に恵まれていれば、ジョンの人情と義理堅さからして対主催として頼りになる活躍も期待できたはずであるから「どうしてこうなった」とも言える。

ジョンの追跡表を見ると、ロワの無情さがありありとわかるだろう。
たった一つ歯車が狂うだけで、取り返しのつかない惨事になってしまうのだ、と。
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最終更新:2024年01月18日 22:31