【名前】ギニアス・サハリン
【性別】男
【出展】機動戦士ガンダム 第08MS小隊
【所属】関東軍

【設定】
原作におけるラスボス。
ジオン公国軍の技術将校で、階級は少将。27歳。アジア方面軍新兵器開発秘密基地指令。
地球連邦軍総本部・ジャブロー強襲を目的としたモビルアーマー「アプサラス」の開発責任者であり、チベットのラサ近郊に存在する秘密基地にて開発に打ち込んでいた。
アプサラスを完成させる事がサハリン家再興の夢を叶える唯一の手段と考え、常軌を逸した執念を見せる。

かつてのジオンの名家「サハリン家」の当主で、アイナ・サハリンの兄。
嘗てのサハリン家は政治的な発言力も高い高名な貴族であり、ギニアスが15歳の頃までかなりの勢力を持っていたが、何らかの理由により急激に没落した。
繁栄期には何不自由ない裕福な暮らしを送っており、またこの頃はズムシティ付近に邸宅を構えていたことからザビ家とも縁が深かったと思われる。

ギニアス自身は深刻な病に冒されていて、一説によると12歳の頃に宇宙線を浴びる爆発事故に遭い、それによって不治の病に冒されたという。
それが妹アイナを庇う形であった事から、アイナは兄に負い目を感じて献身する様になった。
劇中では服薬している姿が見られ、終盤には精神をも蝕むものだった様であり、この病もサハリン家没落の原因と考えられている。

また、ギニアスが最終話で母親が何らかの恋愛事情で自分達兄妹を捨てた、と受け取れる発言をしている事から、この事もサハリン家の没落とギニアスの人格の歪みに影響していると思われる。
彼のアイナとアプサラスに対する異常な感情はそれを物語っている。

軍務は不得手で、副官であるノリス・パッカード大佐にほぼ任せきって、自らはひたすらアプサラスの開発に専念。
また、実妹のアイナを自分の夢(サハリン家再興)成就の為の「道具」と見ている節もあり、アイナをテストパイロットとして高機動型ザクやアプサラスに搭乗させている。
しかし、アイナが連邦兵シロー・アマダと行動を共にしていた事実を知り、あまつさえ自分の前で臆せず理想論を語るに及び、実妹アイナに対し疑惑と憎悪の念を募らせていく。
ガンダム作品に登場する多くの敵役と違い敵軍である連邦軍への恨みや敵意等無い珍しいタイプの敵役。
自分自身の境遇から来る行き場のない怒りの捌け口、鬱憤晴らしの対象として連邦軍を見ている程度。
ジオン軍に対する忠誠心も薄く、自軍の勝利は疎か自分の命すら顧みようとしないアプサラスⅢへの妄執に取り憑かれた憐れな男としての印象が強い。
(渋百科より流用あり)

展開が大部分違う小説版だと宇宙線に侵された時に「光」を見ており、これがアプサラスを生み出した理由になっている。
原作もそれと同じか不明だが、アプサラスを生み出すためのヒントにはなっていそうだ。

原作終盤では、遂にアプサラスⅢを完成させ、旧友や開発に携わった研究者を殺害する、アイナがせっかく病院船ケルゲレンを逃がすための停戦の申し出を連邦軍としたのに業を煮やして、一方的に破って病院船を連邦軍に撃墜させる、妹を射殺(未遂)などやりたい放題の暴走を行ったが、参戦時期的にまだ旧友や研究者を殺してはおらず、完全に暴走する前からの参戦となっている。


【今大戦での動向】
アプサラスⅢ完成に勤しむ中、突如として内戦中の大東亜共和国、その関東軍側に召喚される。
首輪を嵌められてクーデター軍である関西軍との戦争を強要されるが、ただでも余命少ない自分はサハリン家の再興のためにそんなことをしている場合ではない、と抗議しようとするも、首輪を爆破される危険性があるので、その場はやめておいた。
幸いにして未完成のアプサラスⅢは無傷で召喚されてきたようであり、関東軍も喉から手が出るほど欲しいのもあって、関東軍ネームドキャラ全体としては(比較的)丁重な扱いを受けていた。

ジオン軍所属であるデラーズの庇護もあり、戦闘は基本的にできないギニアスは技術将校として回される。
また、首輪解除のための解析を関東軍にバレないように秘密裏に指示を受けた。」
ただ、これらに関してはアプサラスⅢを完成させる以外の仕事を回されるため、病で余命幾ばくもないギニアスとしてはあまり嬉しくなかったが、同じく首輪を嵌められているデラーズとしても権威に限界があったので、致し方ないことだった。
ギニアスは条件としてアプサラスⅢ完成を手伝う人員を回してもらうことと、薬の調達をデラーズや他の参戦者に要求した。


技術将校としてメカニックを指揮するギニアス。
具体的にはギニアスがMSなどの機動兵器を整備して乗りやすくして、キラがOSをアップデートしてとバランスがとれるようにした。
大智はギニアスのノウハウに興味があり、キリトや釘宮は首輪解析を急がせるために整備を手伝っていた。
一方で、イオなどの連邦軍出身の兵士はジオンの将軍の下で動かなきゃならなくてシローに愚痴ったりもしてた様子もあったが。
そんな中……

シロー「ギニアス・サハリン……ということはアイナの兄か!」
ギニアス「シロー少尉? 今、アイナとかいったか?」

同じ軍にいるシローとギニアスは案の定、アイナの件でギスギスしていた。
ギニアスとしては自分の手足となって働いてくれているアイナを絆そうとするシローが許せず、シローとしてはアイナを道具のように使うギニアスに怒りがあった。
一方、ギニアスは自分なら時間をかければ首輪を外せるかもしれない筆談で書き、同時に関西軍にアイナがいる可能性も口にする。

シロー『アイナが向こうの軍にいる可能性だって!?』
ギニアス『ああ、我々がこうして関東軍にいるのだから、対する関西軍にアイナがいる可能性もゼロではない。
     首輪も嵌められている可能性だってある』
シロー『だったら、早くこの首輪を外して、こんなくだらない内戦から早く自由にならないとな、アイナのためにも』
ギニアス「アイナの名前を易々と口にするな、下男が」

ギニアスはアイナ(とノリス)が関西軍にいる可能性に気づいており、メタ的な視点で言えばこれは合っていた。
仮にアイナが関西軍にいるならば救い出さないといかず、首輪を外せば仲間たちは自由になり内戦を手伝う必要もなくなる。
ギニアスについて思うところがあるが、シローは脱出とアイナのために手を貸す事にした。


そんなある日。
ギニアスは慣れない連邦製MSの整備に加えてアプサラスⅢの改修もやっていた上に持病の薬が手に入らなくて発作を起こして倒れてしまう。
キリトたちがくすねてきた薬は、どれも持病に効果があるものではなく、宇宙世紀にしかないものであるからだ。

ギニアス(ま、まずい、このままだと首輪解除はおろか、アプサラスが完成する前に死んでしまう……薬があれば)
シロー「大丈夫か!ギニアス!」
ギニアス「貴様、なんのつもりだ!」
シロー「薬の代わりになるかわからないが、軍医を説得してアドレナリンをもらってきた。気休めにはなるはずだ」

シローはアドレナリンの入った注射器をギニアスに刺した。
持病による体の痛みがいくらか和らげられた。

シロー「勘違いするなよ、おまえがいなくなると色々困る。
    それにアイナのただ一人の兄だからな、彼女を泣かせたくはない」
ギニアス「……礼は言わんぞ、連邦の犬め」
シロー「じゃあ俺はジオンの豚と言わせてもらうからな」

まさか憎むべき存在に助けられるとは、ギニアスとしても複雑な心境であった。


後日、名古屋戦線にて関東軍が敗戦、OSのアップデートを行っていたキラの訃報を聞く。
ほぼ同時に越後戦線では関東軍が勝利したものの、デラーズが勝利のために毒ガスGUSOUを使ったとのことで、指示を出したデラーズを中心とした派閥が批判を受けていたとのこと。
顔役だったのとデラーズの真意を知ってるから批判のトーンも弱かったアームストロングがデラーズ以上に直接色んなネームドになじられる回「消せない罪」では、本人は毒ガスには反対なんだけどあのまま戦いが続いてたらバラバラに新潟入りする関東軍が各個撃破されてたのもわかる。
少ないと言っても民間人に被害は出た上、それでもあれ以上ネームドが死ぬことは防いだしで、あれ以上の最善の手を思いつかないで悩んでいたところを変わらず、信頼を向けてくれるのはギニアスとか晴信とかわずかだった。

シロー(とイオ)はこの一件から反戦派の右京側に合流。
少なくともデラーズ主導のグループは信用できないと
シローはギニアスとの交流は続けるつもりだが、それはあくまで首輪解除とアイナの所在がわかるまでと言って去っていった。
余程ジオンが憎いらしい。


さらに数日が立ち、ギニアスは自分は病気によりおそらくこの世界から脱出する前に死ぬだろう、その前にアプサラスを完成させて粒子の光がもう一度見たいと考えていたな
もはや内戦の勝利自体は二の次、サハリン家の再興になるかもわからないが、アプサラスⅢ事態は完成させたいと考えていた。

ギニアス「ゴホ……サハリン家の名誉……守らなければならない……!」

ついに立つこともできなくなり車椅子に乗ったギニアスは軍のヘリで一路静岡へと向かう。
アプサラスⅢがある浜名湖基地に関西軍が迫っているからだ。
他に融合が進まないスレッタとスペルビアの調整をする仕事も回されてだが、そんなこと知ったこっちゃない。
ギニアスが軍のモブ兵士を急かすのは彼が関東軍一の兵器だと断言するモビルアーマーのため。
アプサラスⅢをギニアスは戦場で完成させる気だった。
どう転んでもギニアスは浜名湖戦を最期に力尽きるだろう、と。

それでもアプサラスⅢに乗る前夜に首輪解除方法に関する考察を100%じゃないがキリトに残して行った。
また、その前夜にシローには幼少期に見た「粒子の光」の話をしたりと、ギニアスなりの義理は感じていたようにも見える。


そして砲声鳴り響く浜名湖の戦いにて、巨大MAアプサラスⅢが現れる。
それは関西軍から見たら怪獣のように見え、浜名湖基地に迫る機甲大隊をたった一発の極大メガ粒子砲で壊滅させた。
これを見た関西軍は急ぎ撤退していく。

ギニアス「はははははははは、見たか、これこそサハリン家の力だ……ゴホッ!」

ギニアスはコクピットの中で血の塊を吐いた、この体ももはや限界だったらしい。


一方その頃、ギニアスの完成させたアプサラスⅢにより敵は撤退したが敵とはいえ多くの人死にを出してしまい、複雑な心境のシロー。
そんなシローを倒しきれてなかった名もなき兵士の乗る関西軍MSのジンが背後から狙っていた。
あと少しで狙撃されていたところを、ギニアスのアプサラスがジンを小口径のビームで撃つことでシローを救う。

ギニアス「ゴホッ……そんな甘ちゃんではこの先生きていけないぞ」
シロー「ギニアス!」

アプサラスのコクピットの中に入ったシロー。

ギニアス「アプサラスに、使用に必要なパスコードをかけた。
     無理に解除すれば自爆して使い物にならなくなるよう仕組んだ」

ギニアス「パスコードはおまえに託すが、アイナかノリス以外には教えるな。
     アプサラスは私の物だ……他の無粋な輩にはシート一つ汚させたくない」

ギニアス「妹を頼むぞ、連邦軍の犬」
シロー「……わかったジオンの豚」

パスコードはアイナの誕生日を逆さにしたものだった。
ここ数日で彼なりにアイナへの情が甦ったからこそ、このパスコードにしたのかもしれない。

ギニアス「目がかすんできた……人生の最後に……頼む……光が見たい……」
シロー「わかった、引き金を貸してくれ、誰も死ななくて良いなら協力する」

そして引き金はシローに委ねられ、アプサラスは何もない空に向かって眩い粒子の光を発射した。
その光はまるで殺戮兵器が発射したものとは思えないくらい煌びやかなものであった。
それを見たギニアスは涙を流しながら息絶えた。





シローは約束通り、ギニアスの遺志を組んでアプサラスⅢは死んだギニアス以外は乗れないようにロックがかけられたと嘘をつき。
アプサラスⅢは現状でパスコードを知っているシロー以外現状乗れない置物となった。
ギニアスがシローと普段は仲悪かったのは本当なんでアプサラスⅢが使えないって説明も信じられている。
ミノフスキー粒子のおかげで盗聴も潰せていたので、関東軍ではパスコードはわからないのであった。

デラーズはギニアスの誉ある死を、胸に刻み込んだ。
そして彼が陸専用に改修してくれたリック・ドムを格納庫にて見上げる。

また、ギニアスは死ぬ前に首輪考察の他に、首輪解除に役立つ装置を残していた。
それはミノフスキークラフトの応用した首輪の機能を少しの時間止めるEMP発生装置。
これは一つの戦場ならば丸ごと飲み込む特殊な電磁波を発生させて、機能停止した首輪をキリトたちが知る方法で外せば参戦者は自由になるという仕組みである。
キリトたちの中ではギニアスは立派な仲間であった。

キリト「ギニアス……。
    あんたの意志、無駄にはしないからな……」



原作では最終的に狂気に侵され、「鉄の子宮」のために味方をも自分の都合で殺す暴君と化していたギニアス。
だがこの世界のギニアスは生存こそできなかったものの、多くの者から支えられ、それをぶっきらぼうだが義理として返す漢となっていた。
シローを始めとする人々との触れ合いがあったからこそ、その最期は綺麗に終わることができたのだった。
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最終更新:2025年06月05日 15:18