EP1 |
それから |
薬師寺瑪瑙、天川星太、松浦愛、神奈瞬、有馬天狼、神使勇護、恐怖の大王、一ノ瀬慶悟、紫宮宮子、霧子・ヒューズ |
ブラックホールの導きにより、ウェデマイヤーは元の時代へ、
カズマはアナザーサイタマへと帰って行った
栄とサカエの融合体であるミスサイタマは東京王を倒し埼玉王を襲名した責任を取り、群馬王とアナザーサイタマへ渡ることを選んだ
群馬王と東京王が並行世界の同一人物であるにも関わらず因縁があったように、王ともなればアナザーサイタマから埼玉へ行き来することもできるようだ
少し遅れて足利はさんざん埼玉を観光し倒してから帰った、別れ際、友朗が年相応の子供らしさを見せたのが印象的だった
元の時代に未練なしと某はこの時代に残り、今は真討の手伝いをして生活している。なにぶん常識知らずなところの多い男なので真討の苦労がしのばれる
すっかり三頭身に戻ったクロは和馬宅に懐いてしまったようで、ふらーと何処かに出かけては気まぐれに帰ってくる猫みたいな生活をしているらしい
それでも戻ってくる辺り、面白いものを見せてもらった礼になんでも願いを叶えてやるという申し出を断った数馬の人としての魂の輝きを相当気に入っているようだ
そして我らが打彩珠学園にもいろいろと変化があった
帰校してまず驚かされたのは、犬小屋にいつものように犬がいたことである
「あんたは校長!? 生きていたのか!」「息子です」
校長の後はその息子である
パトリック・ポルチェノフ二世が継いだ
そして悪魔との因縁を清算し、天使の力を制御できるようになった一ノ瀬は復学した
紫宮とはいつの間にやら付き合ってるらしく、頻繁にイチャイチャしてるところが目撃されている。死ねばいいのに
そしてもう一人、転入生が
「ぱんぱかぱ~ん! 私は恐怖の大王よ、愚民どもひれ伏すがいいわ!」
扉を破壊して登場した大王ちゃんは神使にゲンコツ喰らうと席まで引きずられていった
神使は勇者としての力を失った、クロは代償としてオマエの力を頂いておいたと言っていたが
同じく結城も完全に力を失っており、これが神の完全消滅による影響なのかそうでないのかは不明である
神使も勇者の力は失ったが、残念ながら契約で失った理性は戻らず、一時は危ういことになりかけたが
曰く魔王との契約は魔物の理性を底上げするという事で、めでたく神使は勇者から魔王の配下にクラスチェンジを果たしたのだった
その契約の影響で一定以上の距離を離れなれなくなってしまったため、和馬と新校長の配慮もあり大王ちゃんが転入してくる運びとなった
そして放課後、高校生たちは集まり皆である場所へと向かった
その道中。仕方ないんだからねと神使に引っ付く大王ちゃん。なんかもう普通にいちゃつく一ノ瀬と紫宮
付き合ってこそいないものの、なんかいい感じに愛の尻に敷かれる天川。そして最近、妙に仲の良い瞬と天狼
その光景を【瞬×天狼】ありだな、とか考えたところで瑪瑙は恐ろしい事実に気づく
あれ? …………このメンバーで浮いた話がないの私だけじゃね?
「あら、偶然ね」そこに
交差点で花を手にした霧子が合流。ヒャッホー、お仲間が来たぜ、と喜ぶ瑪瑙
共に向かう先にあるものは、和馬が特別ボーナスで立てたお墓だっだ
誰の墓というわけではない、骨が埋められているわけでもない、そういう墓だった
和馬は毎朝、仕事の前に来て花を手向けているらしい
墓を洗い、花を替え、線香に火をつけ、皆で手を合わす
「よし決めたぜ。ここでこいつらにも聞いてもらう」
しばらくの黙祷の後、意を決したような顔で神使は口を開く
「俺は、大学へ行く!」そう力強く宣言した
「……やめとけよ、バカなんだから」「お前は、まず卒業を目指せ」
「うっせうっせ、あの鬱陶しい神の試練に煩わされる日々は終わったんじゃ、これから俺は勉学に生きるんだよ」
「しょうがないわね。勉強見てあげるわよ。一ノ瀬くんや大王さんも転校したばかりで不自由してるでしょうから一緒に教えてあげるわ」
「すまない。助かる」「えー私はいいよ」「いいよじゃねぇよ、そもそも一番心配なのはお前なんだよバカ」「誰がバカよ! バカっていうほうがバカなんだからね! 神使のバーカ、バーカ!」「もう、こんなところで騒がないの」「「ごめんなさい」」
天に神はおらずとも、世は事もなし
兵たちが覇を競うアナザー世界
この群馬王もその一人。常に命を狙われる彼は先日も栃木からの暗殺者を撃退したばかりだ
だが激戦を潜り抜けさらなる成長を遂げた群馬王に敵はなく、そのことに少しばかりの退屈を感じながらも
各種属性を網羅した8人の妻と共にこれまで通り平穏に過ごしていた
一方、恐怖政策を強いていたとはいえ絶対的支配者である東京王消失の影響は大きく、東京王の旧支配地域の治安は荒れに荒れていた
そこに現れたのはウラワーシと名乗る謎の女性である
ウラワーシは圧倒的な力で暴徒を鎮圧し東京を平定、そして東京王が行っていたクローン政策などの非人道的な活動を破棄
今まで使い捨てされていたクローンたちの人権を取り戻した
そして旅の放浪者であるカズマはウラワーシと共に世界の復興に努め、その片腕と呼ばれるようになったという
かつて埼玉を愛した一人の男の夢見た理想のサイタマがここに生まれようとしていた
生きる気力を取り戻した毒島は家族にイジメを受けていることを告白
毒島が自ら歩み寄ったことで家族も理解を示し転校を進めるが、毒島は立ち向かうことを決意
その後、クラスのリーダ格である女子に真正面からはっきりと自分の意思を示し、それ以降表面的なイジメはなくなったようだ
毅然とした態度を続けて入れば、完全に鎮静化するのも時間の問題だろう
某との交流は続いてるようで、互いに手紙のやり取りを定期的に行っている
現在の某の雇主である真討が気を利かせてちょくちょく仕事で四国に飛ばしているようだ
周囲の狩場を支配していた
T-REXという捕食者の喪失は被食者たちに平穏をもたらしたが
それも一時、新たな捕食者に支配者が移り変わるだけの話だった
そして訪れる滅びの時。隕石が落ち、そこから生まれる氷河期の到来
栄華を極めた恐竜たちも盛者必衰の理には逆らえず、古い時代は新たな時代に移り変わる
時は巡り現代。海からスク水を着た一人の女が現れる、スク水の胸には松井の文字
その手には小さな骨が握られていた、海に沈んでいた恐竜の化石である
この地でのフィールドワークを追えたのか、彼女は住処である荒ら屋を自らの手で片していった
そして旅立ちの時。背には成果物の入ったリュックと、その腕には友人の血で描かれた遺書がある
そこには自分と妹の死を両親に知らせてほしいという旨と、自分の人形を引き取ってくれと書かれていた
その内容を一瞥し、彼女は旅立つ。どこに向かったのか、その後の彼女の消息を知る者はいない
シェフと友朗に見送られ、アメリカへと帰国するジェニファーだったが、帰国するや否や不幸にもテロに巻き込まれる
多くの人質と共に拘束されるジェニファー。こう着状態が続くが、突然テロリストの握る拳銃がすべて撃ち抜かれる
それを合図に警官隊が突入、無事怪我もなく救出される
盛り上がる野次馬を何事かと思うジェニファーに人質の一人が説明する
今助けてくれたのがアメリカで話題の犯罪者を捉える謎のヒーローであると
思わず銃弾の放たれた先を見つめたが視線の先にが誰もいない、だが何処か懐かしいような気配を感じる
「ありがとう、ございました」万感の思いを込めて届くはずもない言葉を紡いだ
ジェニファーはパティシエになるという夢に向かってまい進してゆく
EP6 |
|
神奈瞬、有馬天狼、神使勇護、恐怖の大王、??? |
元より異能の集まりやすい街。勇者と魔法少女の加護を失った今、異能ハンターは日夜大忙しである
そして瞬と天狼のコンビも今日も異変解決に励んでいた
今日た情報は、なんでも夜な夜な織田信長の亡霊が現れ暴れまわっているという話だ
そしてほどなくして自ら織田信長を名乗る人影が登場。マントにより隠れて顔は見えない
どうやら幽霊などの異能ではないようで異能殺しが通じないため、格闘戦となる
若干押され気味になったところに「新・魔神剣!」突然、大王ちゃんを引き連れ乱入してきた神使が新・魔神剣(鉄バット)で信長を撃退
そのまま信長はそそくさと撤退、惜しくもとり逃す
「何やってんだよ勉強してろよお前」「気分転換。というかこんなに騒がしいと勉強にもならねぇ」
なんだかんだ言いながらも、これ以降、神使も異能解決を手伝うことになる
得難い戦友との別れ一人、1946年、終戦直後の西ドイツにウェデマイヤーは帰ってきた
捕虜生活を終え、軍属という立場も失ったウェデマイヤーだったが、和馬や瑪瑙たちのことを想い返して教師としての道を志し、第二の人生を送る
親日家としても知られ、たびたび日本を訪れ戦友の墓を参ったという
また、元敵国であり反米を掲げる彼が、
アイオワ戦艦に興味を示したことは周囲の人間を驚かせた
1989年。ベルリンの壁崩壊。二つに分かれた祖国が再び一つになる瞬間を目撃し、安心したように静かに息を引き取る
その傍らには小さな戦友より送られた校章とリボン、そして色褪せた写真が飾られていたという
「こんにちは結城さん、今週もよろしくお願いしますね」「……ああ」
轟研究所を訪れた結城を紫宮が迎え入れる
力も野心も失った結城だったが、毎週末こうして轟研究所にてカウンセリングを受けている
和馬も欠かさず研究所を訪れ、カウンセリングに同席しており、結城ともよく話しているようだ
二人の根気強いカウンセリングにより徐々に精神を回復させてきている
まずは大検取得を目指し、まっとうに人生をやり直すようだ
「ありがとう先生」
EP9 |
これから |
東海道和馬、クロ、グラハルト・フォン・ウェデマイヤー、薬師寺瑪瑙、天川星太、松浦愛、真討煉、神奈瞬、有馬天狼、神使勇護、恐怖の大王、結城豊重、九夜恭介、一ノ瀬慶悟、紫宮宮子、ミスサイタマ、群馬王マエバーシ、鈴木某、毒島信子、ジョン・シェフ、黒井龍太、松井さん、カズマ、相葉智和、足利輝義、霧子・ヒューズ、鴻上友朗、ジェニファー・シャルパンティエ |
ある日、日課の墓参りを終え、打彩珠学園に出勤した和馬は校門に添えられた貝殻とメッセージカードを発見する
メッセージカードに書かれた名前を確認し職員室に向かうと、同僚から自分宛てに手紙が届いていることを伝えられる
この日に届くよう20年以上前に送られたそれは、古い友からの手紙だった
あれから1年半、本日は高校生たちの卒業式である
式を控え俄かに色めき立つ教室に
埼玉栄が現れる。久々に顔を見せた同級生に盛り上がるクラスメイト達
「って、お前今日の卒業式に参加できるのか?」誰よりも出席日数に詳しい神使の問い
「ふ。単位や出席日数の操作なんて王の力を使えばちょちょいのちょいよ」というのはジョークで参列者としての参加であるという
そして卒業式本番。参列者の中にはサイタマの他に真討、九夜、シェフ、良子の姿も見える
猛勉強の甲斐あって、卒業生代表として壇上に上がったのは神使だった
形式的な答辞を述べ終えた神使だったが、壇上から降りずそのまま和馬へと向き直る
「俺みたいなバカがここに立っていられるのは、呆れず見捨てず最期まで付き合ってくれた先生のお蔭です
三年間お世話になりました。本当にありがとうございました!」『ありがとうございました!』とあるクラスの一団から声が上がる
思わず和馬は込み上げる涙をぬぐった
そして卒業式を終え、皆は解散したものの、関係者たちだけがあの墓の前に集まっていた
そこでは校長二世立会いの下、簡易的な卒業式が行われていた
和馬が一人一人の名前を読み上げてゆき墓前に向けて卒業証書の授与を執り行う
風が凪ぎ音がした。還ってくることのなかった彼らの声が聞こえた気がした
そして高校生たちのその後が語られる
薬師寺瑪瑙:某有名大学に進学。世界史などの歴史学を専攻、歴史学者を志す
天川星太:地元企業に就職。趣味の傍らライトノベルを投稿してみるが成果は出ていない
松浦愛:スポーツ推薦で大学に進学。卒業後の予定は未定。とりあえずは告白待ちである
相葉智和:あれから霊能力が高まっており、この力を生かす方向で生きようと決意。入寺して本格的な修行を始める
紫宮宮子:轟自然科学研究所のバイトから正規職員となり日夜研究に勤しんでいる。一ノ瀬との関係は続いているようだ
一ノ瀬慶悟:進学後、剣道で実績を残し警視庁に内定。また天使の力を巡り天使と悪魔の騒動に巻き込まれるがそれはまた別の話
神奈瞬:高校卒業後、正式に実家の退魔師を継ぎ神奈家十七代目当主となる、異能殺しを超える切り札を継承したとか
有馬天狼:卒業後独立フリーランスの退魔師として活動する。だが一匹狼というわけではなく他の退魔師とも連携をとりつつ活動している
神使勇護:補欠合格ながら国立大学に現役合格、大学で結城と再会する。そして、
「おめでとう!」「おめでとう!」
湧き上がる拍手と祝福の声。卒業式から数年後、とある教会で神使と大王ちゃんの結婚式が執り行われていた
料理を取りきるのはシェフとその一団だ。フランスに渡りパティシエとして修業中のジェニファーのスイーツも並んでいる
「この中にいるんだねぇ、不思議だわぁ」そういって大王ちゃんの腹を撫でる瑪瑙。女子たちに囲まれる大王ちゃん
大王ちゃんのお腹の中には新たな命が宿っていた
誇らしげにお腹を撫でながら名前を呼ぶ大王ちゃん
「それってその子の名前?」「ええ、そうよ」
「けど、まだこの時期だと性別ってわからないんじゃ……もう決めちゃっていいの?」
「決まってるわ。だってこの子はあの子だもの」そう言って大王ちゃんは愛おしげにお腹を撫でた
最後に、新郎新婦を中心に全員が並び記念撮影をする
カメラマンがシャッターを切る直前「そういえば、ゲストが来てるよ」と相葉が言う
現像された写真は楽しげな心霊写真となった
最終更新:2013年11月14日 03:57