【名前】白野蒼衣
【出典】断章のグリム
【性別】男
【名セリフ】
《本当の君は、なんだ?》
「言い訳はしない。僕は今から君を殺す。例え君が、それを望んでいなかろうと」
【AA】
         l ハ{  /  _ /_/_ _/  / ヽ     ;i
        ノl   l /  ̄ / l // / イ  /il   V     li
         { i ,ィ /l li  ィy=====ミミ l l イ ll l⌒ヽ l    li
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         ヽ{ l  V ハ从トゝ- '/       イ,:.j l ヽi//li i l
           ゝ、 ヽ             弋゙.ノ / / il リ
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【人物】
とある進学校に通う高校1年生。
温厚で人畜無害を絵にかいたような性格をしており、気難しい人物からも好かれやすい。目立たないことを信条とし、”普通”や”日常”に強く執着している。
過去の経験からか他人(特に精神的に病んでる少女)を見捨てることができないという強迫観念に捉われており、他人の頼みを断るのが苦手。
パッと見はどこにでもいる普通系主人公だが、常人なら発狂不可避な泡禍にすんなり順応したり、自分が自分のために行うことに全く興味がなかったり、無意識に自分や他者の命よりも”普通”を重視しているそぶりがあったりと何処か普通じゃない。
目醒めのアリスという断章を保有している(用語集参照)。


【本ロワでの動向】
精神状態や断章が安定していることから、少なくとも『しあわせな王子』より前から参戦していると思われる。

普通や平凡を心から愛し、自身もそうあろうとする少年が殺し合いに巻き込まれて最初に言ったセリフはこれだった。「明日も学校あるのに……」
どこかずれてるセリフと共にそこらへんの民家に入ると、そこには魔王陛下こと空目恭一が黙々と本(支給品の魔道書)を読んでいた。
この非常時においても冷静さを保っているのは稀有であると、互いに関心して情報交換を開始。両者共に怪異の関係者であることもあってなし崩し的にコンビを組むことに。

第一回放送の後、予想以上に死者が少ないことから他の参加者と接触するリスクは少ないと考えた二人は他の参加者の捜索を開始。近くを通りかかっていた十神・シンジペアと合流を果たす。

しかしその直後、気疲れから仮眠に入ったシンジの元にフレディが襲来、身を守る術を持たないシンジは窮地に陥る。
が、異界を感知する嗅覚と持ち前の知識・経験から異常を察知した空目主導のもと、見事シンジの救出に成功。フレディに対してシンジ以外の3人がほとんど恐怖を抱かなかったせいでフレディが弱体化したことが大きな勝因とされている。

その後は二人の持っていた情報も併せて考察を進めるも、根本的に情報不足であったため思うように進まない。
そんな中、散々ボコられた挙句一般人なら大丈夫だろうと高を括った紫に襲撃をかけられる。
初撃で十神が吹っ飛ばされるなか、蒼衣は最も年少のシンジを背にかばいつつ逃げるよう言い含める。

シンジ「何してるんですか、一緒に逃げましょう! 死んじゃうかもしれないんですよ!」
蒼衣「共倒れするくらいなら、君だけでも逃げてくれた方がいい。それに年上が年下を守るのは『普通』のことじゃないか」

戦闘力皆無の愉快な仲間たち、これにて終了かと思われたが……
ところがどっこい、そうはいかなかった。
復活した十神が嫌味ったらしい言葉で煽りまくり、それにムキになって反論する紫に対して「それは違うよ!」とシンジと二人がかりでボロをつつき、総評として空目が散々にこき下ろすという口撃の黄金パターンを確立、上位者であるはずの紫相手に一歩も引かず舌戦(という名の一方的な精神攻撃)を繰り広げる。
結果、戦闘力では大きな差をつけられていたはずの相手を撤退させることに成功、一同は胸を撫で下ろすのであった。
なお、この際蒼衣は私物として見逃されていた学校の教科書・ノートを使って予習と宿題を片付けていた。十神がドン引きしたのは内緒である。

中盤には大規模対主催勢力であるチームサティスファクションと(内心ドン引きされつつ)合流。そこに所属していた藤井蓮と接触できたことで、愉快な仲間たちの考察は一気に進むこととなる。

空目「物語は現実へと侵食する」
蒼衣「断章であってもだ」
空目「そしてそれは時に神をも創る。最も新しき旧神がその最たるものだ」
蓮「今を超越し新世界へと塗り替える物語、か。くそ、身に覚えしかねえぞ」
空目「どうやらとんでもない物語が、いや、物語とさえ言えないものが紡がれようとしている。
   幻想と現実、向こう側と此方側、永遠と刹那。本来相容れることのない裏表が混ぜられようとしている」
蒼衣「混沌、か」
空目「そうだ。神州王、旧神、覇道と求道の神、古き神々を生贄に捧げてまでなされた物語とも呼べない混沌だ」

神州王とそれを打倒したデモンベイン、更に覇吐らの神座講座を通してこその推察。これは後に大きな意味を持ってくることとなる。

ちなみに、この時の道中でリアル蓮コラと化した光彦と遭遇。彼を安楽死させるという一場面が存在した。
今まで散々な目に遭ってきた光彦が、死の間際に自分を取り戻したシーンは読み手からも「やっと光彦が救われたんやな……」と好評であった。

順風満帆かと思われた矢先、ついに愉快な仲間たちの身に悲劇が起こる。
絶望の果てにジョーカーと化し、マーダーとなった野原ひろしの奇襲。
折しも満足曼荼羅の面々が出払っている隙を狙われ、シンジがその凶刃に倒れる。
ロワ開始直後に出会い、そしてどこかに父親の影を見ていたシンジは、ひろしのこの顛末に表情を絶望に染め上げる。
戦闘要員のいない状況、もはやこれまでと思われたその時。

「その手を放すんだ、野原さん」

そこには対主催となった狛枝凪斗の姿があった。駆の劫の眼により覚醒した彼は、絶望に支配された野原ひろしに希望で以て対抗する。

ひろし「息子が目の前で殺され、妻は修羅になり、こんな地獄に娘が巻き込まれていたことにも気づけない……ッ!」
    世界にあるのは絶望だけだ!だったら俺自身も絶望になるしかねえじゃねえか!」

狛枝「絶望的な僕でもこれだけはわかる……それは違うよ!」

どんな状況になっても希望を捨てず前を見据えて進み続ける。それを説いた狛枝と最後の力を振り絞って止めにかかったシンジの活躍もありひろしの足止めに成功。
しかし最後まで希望を聞き入れることなく、やってきた飛竜にさっくりと殺されてしまうのだった。
この戦いで遂にシンジという死者を出し、蒼衣は殺し合いに巻き込まれてから初めて明確な恐怖と悲しみを覚える。また、この一件をきっかけに成長した十神や合流した狛枝に対し、半ば尊敬に近い感情を抱くに至った。

ロワ終盤、ゾフィー・BRS・ダークザギといった強マーダーたちをすべて打倒することに成功した後、蓮と覇吐提案による宴会に参加する。
図書館組の面々と話をする空目やいつも通りの上から目線ながら口元が綻んでいる十神を見つめながら、全ての決着をつけるための戦いに向けて気持ちを新たにするのだった。

主催戦において他のメンバーと違い四文字戦に参加した彼は、他の対主催に守られながら、傷つきながらもYHVHという神の真実、そして混沌の内包する悪夢を理解しようと頭を働かせる。
圧倒的戦力を保有する四文字相手に幾多の対主催が力尽き、中核戦力であったフツオまで片膝をつき、読み手からはよもや全滅かと思われたが……

《本当の君は、なんだ?》

紡がれる断章詩は目醒めの言葉。悪夢を理解・共有し、拒絶することで本来の持ち主へと悪夢を還す、神に対する切り札とも言える異能。
ただの人間相手ですら肉体の完全消滅を引き起こすこの断章を、神の悪夢という概念の大元たる神自身に使えばどうなるか。

「貴方の言うことも理解できる。人は何かに縋らず生きていけるほど強くはない。でも、縋ってばかりでも人は生きていくことはできないんだ」

「楽しいと感じ、悲しいと感じ、他者と触れ合って成長する。少しづつでも変化し続けていくことが、生きるってことなんだ。だからこそ」

《変われ》

変化し、成長していく人間の尊さ。短いながらも、チームサティスファクションの面々や実際に成長して見せた十神を見続けてきたからこそ為しえた共感。
その果てに発動した断章に、YHVHは自らが生み出した混沌の物語諸共消滅した。
同時に、座で行われた対水銀戦、無名の庵で行われた対神野戦も終了。
座の入り口である特異点を守護していたトゥバンらも含め、生存者一同が笑顔で合流することができたのだった。

ロワ終了後、日常へと回帰した彼を待っていたのは神の悪夢無き世界だった。
蓮の死想清浄・諧謔の影響と、何より蒼衣自身が神を殺したこともあり、神の悪夢である泡禍とその名残である断章が消え去っていたのだ。
それは無論、彼自身の断章も例外ではなかった。
エピローグでは、神狩屋亡き後のロッジで世話役を引き継いだ木之崎一真と共に、復讐対象を失って廃人と化した雪乃や断章とは関係のないところで心が壊れている夢見子の世話をしている描写が見受けられる。
断章がなくなって学校に通うようになった颯姫の勉強を見たり未だぎこちない千恵と交流したり、忙しいながらも平和な日々を謳歌していくのだった。

読み手からは逐一キチガイだなんだと言われ続けるも、最初から最後まで真っ当な対主催であり続け、混沌の物語を読み解き神を滅ぼす一翼を担った彼は間違いなく今ロワの功労者と言えるだろう。
余談だが、彼自身今回のロワはいつも巻き込まれている怪異の延長線くらいにしか考えておらず、帰ってきてからの第一声も「今回も、疲れた……」であった。
ロワですら日常の1シーンとか、どこが普通の人間なんだおめえという突っ込みが溢れかえっていたのは言うまでもない。

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最終更新:2014年12月04日 22:52