【名前】王さま
【出典】ぼくは王さまシリーズ
【性別】男
【支給品】 スペアポケット@ドラえもん
【名台詞】「さからうきか。わしは王さまだぞ」

【人物】
ご存知、児童文学史上に偉大な名を残す王様キャラ。
外見は立派な髭を蓄えた壮年くらいの男だが、精神年齢は幼児レベルで、毎日家庭教師と小学生程度の勉強をすることを強制されてたり、気まぐれで家臣を投獄するかと思えば大臣やコックに反抗されて言い返せなかったり、作中での立ち位置はイマイチよくわからない。
また作品自体が、服装や建築はどう見ても中世ヨーロッパあたりなのに自動車やテレビが普通に登場したり、全くの架空の世界かと思ったらアフリカという地名は頻繁に登場したり、ツッコミどころ満載。
ストーリーも毎回かなりシュール(特に二期)。
これを疑問も抱かず読んでいた子供の頃の自分は、何て素直だったんだろうと思わなくもない。

作品論的には、王さまとは時にワガママを言って周囲の大人たちを困らせる子供、つまり対象年齢の読者のメタファーらしい。

余談だが、彼の家臣の一人である博士は、能力・性格ともにかなりロワ向けである。


【本ロワでの動向】
いつもとは少しちがう、王さまのお話です。
いきなりころしあいをしろと言われた王さまは、とほうにくれていました。
なにしろ王さまの国では、せんそうもさつじんじけんもおきたことは無いのです。
王さまは大声でだいじんやコックをよびましたが、へんじがあるはずもありません。
さけびつかれた王さまは、しきゅうひんのかばんをあけてみました。
すると中からは、小さなポケットのようなものが出てきました。

「なんだ、こんなもの」

王さまはがっかりしてしまいました。
しかし、ポケットの中に手を入れると、中からはとてもべんりなものがつぎつぎと出てくるではありませんか。
これはいいや、と思った王さまは、ポケットをかたてに歩きはじめました。

するとほどなく、王さまがいつもくらしているおしろにたどりつきました。
よろこんで中にかけこみましたが、中にはだいじんもコックもはかせもいません。
どうやら、しゅさいしゃが作ったにせのおしろのようです。

がっかりした王さまでしたが、ならばまわりからけらいをあつめてこようと思いつきます。
ポケットの中に入っていた、小さなへいたいさんたちにめいれいして、おしろのまわりを歩いている人たちをつれてこさせました。
ほどなくロボひろし、ポン・デ・ライオン、山上ルーシーなんとかかんとか、旗上忠勝、不二咲千尋といった人たちがあつめられました。

さいしょはみんなでおしろでたのしくすごそうとしていた王さまでしたか、みんなは今はころしあい中なのに何をのんきな、とかんかんになってしまいました。
さらに王さまのことを、
「ああ、昔読んだ本のキャラだ」
といった人がいたからたいへんです。
じぶんが本のとうじょうじんぶつだと知らされた王さまは、びっくりしてふるえあがりました。

とうとう王さまはあたまにきてしまいました。
ポケットに入っていたどうぐをつかって、じぶんのめいれいをきけないならころしてやるぞとおどしました。
ロボひろしと旗上は、けんめいにも王さまがわにつきました。ほかのひとたちはろうやにいれられました。

それからの王さまのおはなしは、おそろしくなります。
おしろのまわりにまよいこんできた人たちをどんどんつれさって、かってにけらいにしてしまいます。
けらいにした人たちには、じぶんといっしょにうたったりあそんだりしよう、とさそいます。
ことわられると、ロボひろしや山上ルーシーなんとかかんとかにめいじてごうもんしたり、ポン・デ・ライオンにめいじてしょけいさせました。

ふだんはワガママをいうことはあっても、ここまでひどいことはしない王さまですが、もう王さまはおかしくなっていました。
うまれてはじめて、めのまえで人が死ぬのをみたのにくわえ、いつもならそうだんできるだいじんたちもいません。
おまけに、ものがたりのとうじょうじんぶつにすぎないと言われたことで、こころがこわれてざんこくなせいかくになってしまったのです。
こういうことを、少しむずかしいことばで、やみおちとかまかいぞうとかと言います。

さて、なんにんもしけいにしても、王さまのぜつぼうはおさまりません。
じぶんがものがたりの中のにんげんだというなら、じぶんのものがたりいがいは消してしまえ、とかんがえました。
そこでどれいをごうもん・しょけいするかたわら、不二咲千尋に願いゴト叶えキャノンとIBN5100をつながせ、

「王さまシリーズ以外の物語が消滅(デスアピア)しますように」

とうちこませようとしました。
千尋はせいかくてきにさからうこともできず、しかしていこうしようとわざとゆっくりさぎょうをしていましたが、王さまにばれて、山上ルーシーなんとかかんとかによりごうもんをうけました。
しかし、さんざん王さまのめいれいでつみもないどれいたちをいじめていた山上ルーシーなんとかかんとかは、ついにそれをくにしてじさつしました。

すすまないさぎょうにいらだっていた王さまの目のまえに、きみょうな人たちがあらわれます。
それは王さまのうわさをききつけたアクエンアテン、太宰治、大和田紋司、大和田暁、九条和音、凰鈴音らのいっこうでした。
王さまは旗上にめいじてとらえさせようとしますが、旗上は鈴音にころされます。
そして、じぶんも王さまだというアクエンアテンが、王さまのおこないをきびしくだんざいし、
「そなたに王たる資格はないぞよ!!」
ときりすてました。
ゆだんして、スペアポケットをてもとからはなしていた王さまは、アクエンアテンによってしゅくせいされました。

こうして王さまのどれいたちのあくむはおわったかにおもえました。
しかし王さまのいしんとアクエンアテンぐみとのたたかかいによりしろがほうかいし、どれいやけらいたちは、いちはやくにげたロボひろしだけをれいがいとして、みんなしんでしまいました。
そしてあるじをうしなった王さまのおしろは、さらなるひげきのぶたいになっていくのです。

しきゅうひんがよかったとはいえ、ロワぜんはんではいちばん大きなグループを作ったのは、さすが王さまです。
王さまのワガママには、だれもさからえなかったのですね。
なかでもデスアピアのくだりは、このロワさいだいのききだったとも言われます。
ぜんはんだけでたいじょうしたとはいえ、あるいみ、もっともおそろしいさんかしゃだったかもしれませんね。
ちなみにエピローグによれば、王さまをうしなった王さまのくにでは、はかせやコックがつぎつぎにはんらんをおこし、くにはばらばらになり、だいじんはしついのあまりじさつしたそうです。
へいわなときには、それなりにりっぱにくにをまとめる、いい王さまだったのですね。
こんかいはいつものけらいがいなくなったことで、こころのささえがなくなったのでしょう。
まきこまれたどれいたちには、きのどくとしかいえませんけど。

でも、どんなロワにも、こんな王さまが一人はいるんですって。
ほら、だれかさんに、そっくり!!

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最終更新:2014年05月25日 11:37