悪夢の灯火 - (2011/06/04 (土) 00:16:32) の最新版との変更点
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**悪夢の灯火 ◆IRxFfnsX8c
平は相変わらず大きな寝息を立てている。
金糸雀は先程感情を吐露したおかげか安定したようで、寝てこそいないものの、横になって何かを考えている。
――――一番場数を踏んでる俺がこれかよ。
火の番は必要だが、それ以上に自身が落ち着かないためにこうして暖炉に薪をくべている。
こんな手持ち無沙汰な時にやることといえば、交換日記の確認だ。
こっちは動いていなくても愛は動いているかも知れないではないか。
そして30分ほどが過ぎた。
――……ザザッ……
紛れもない“未来が書き換わった音”
慌てて確認する――愛が、愛が来たのか!?
「マルコ、どこへ行く気なのかしら?」
抜き足差し足、でとりあえずの同盟相手から離れようとした時だった。
「どこって、外の空気を吸いにな」
「嘘……デタラメなのかしら」
金糸雀は裾にしがみつき押しとどめようとする。
サイズ差から言ってすぐに振り払えそうなものだが、何故か出来なかった。
「……俺は愛を探しに行く」
「それは朝になってからだったはずだわ」
「事情が変わったんだ。俺はすぐにでも愛の所に行かなきゃいけねぇんだ」
「事情……それはカナや変平との関係が『殺し合い』になることも含んでいるのかしら?」
答えない。
同盟こそ組んだがいずれそうなるだろうと諦めに近い感情を抱いてはいた。
だが、この人形の少女も愛情に飢え、それ故に戦ってきた――姉妹たちと。
孤児院の仲間たちとそんなことになったら、とすると怖気がする。
平清も悪い男ではない。こんな場でなければ飲み明かすことも出来ただろう。
つまりは情が移った、ということ。
愛がいればその辺りのフォローをしつつ、苦笑するのだろう。
あなたはお人好しだから、と。
――――愛。
「俺にはこのアムルタートがあるし、金糸雀は強い。平のオッサンは色々不安だが武器は協力だ。無理に同盟組んでいてもしゃーねーんじゃねぇの?」
カラカラと笑い踵を返そうとする。
「でも外は相変わらず雪なのかしら。それで凍死でもされたらカナの目覚めが悪くなるのかしら」
「寝るんだな、人形も」
「薔薇乙女(ローゼンメイデン)を嘗めないで欲しいものかしら? そして話を逸らさないで欲しいのかしら」
「……愛(LOVE)には天気なんて関係ねぇんだよ」
だんだん感情が高ぶり、傍に浮かんだアムルタートが今か今かと合体を待ち望んでいた。
「変平を押し付けられるこちらの身にもなって欲しいものかしら」
「いーや、アレはアレで土壇場じゃやるタイプだぜ」
金糸雀の巻き毛が揺れる。
表情が曇ったままマルコを睨みつけた。
「お前たちだって“お父様”に会うまで戦い続けるんだろ。俺にとっての美神愛は全てだ」
「じゃあひとつだけ教えて欲しいかしら……何故“今”なのかしら?」
「……詳しくは言えねーが、俺と愛のLOVEパワーって奴だ。それで通じ合っているから、俺には愛のピンチがわかる。それが今、だ」
すすっと金糸雀が動き出した。
「そういうことなら変平を起こして3人で行く方が確実かしら」
「信じるのか!?」
「同盟しようと言い出したのはマルコなのかしら。それを自ら解除して雪原に行くなんて余程のことかしら」
平清が寝ている所に向かっていく金糸雀。
――――ああ、いい奴らだよ、本当に。
何か放っとけないしな。
「変平ー、変平ー、起きるのかしらー」
――――でもな。
アムルタートと合体し、植物の根を伸ばしていく。
少しずつ、少しずつ、絡みつき、生気を吸い取っていく。
「マルコ!?」
「ってマルコはん!?」
「そもそもここに留まる原因になったのがお前らだ。俺一人なら雪原を越えられる……越えなきゃならねぇ」
掴みかかろうとするが、生気が抜けて膝をついていく。
「足手まといなんだよ。ここでじっとしてな」
吸収力を強め、平と金糸雀の意識が朦朧としたのを後ろ目に、部屋を去る。
トドメを、差して置いたほうが良かっただろうか。
暖炉の火は消しておいた。あのまま朦朧とした状態ならそのまま寒さで夢のなかで死ねるはずだ。
随分甘いのね、という愛の台詞が聞こえた気がした。
――殺すだけの手間が惜しいだけさ。
【A-1/クリスタル・パレス/1日目/早朝】
【金糸雀@ローゼンメイデン】
[状態]:生命力低下により睡眠中
[装備]:金糸雀のバイオリン@ローゼンメイデン、レーダーのレプリカ@BTOOOM!
[道具]:基本支給品、不明支給品×1~2
[思考・状況]
基本行動方針:ズル賢く立ち回る。
1:マルコ、どうするのかしら……
2:お父様、みんな……
【平清@BTOOOM!】
[状態]:生命力低下、睡眠中
[装備]:ジョゾの服@ブレイブ・ストーリー~新説~
[道具]:基本支給品、BIM(ホーミングタイプ)×8@BTOOOM!、レーダー のレプリカ@BTOOOM!
[思考・状況]
基本行動方針:脱出する。
1:マルコはん!?
2:金糸雀と身の安全が確信できるところまで行動を共にする。
3:信頼出来る仲間を探す。
[備考]
※4巻で指を切り落された以降の参戦です。
アムルタートを装着したまま雪原を駆ける。
あの2人の生命力を吸ったおかげか充分元気がいい。
植物にとっては寒さは天敵のはずだが、この護神像はそうでもないらしい。
――レプリカ版交換日記の初記述は、DEAD ENDフラグだった。
自分のではない、愛のものである。
フラグが立った後でも行動次第で覆せる――1stや2ndが何度となくやってきたように。
故に、駆ける。
場所は書かれていなかったが、自分と愛といえばあそこしかない。
とうに手遅れだろうと構わない。諦めた瞬間愛は死ぬ。
「待ってろ、愛。俺達のLOVEパワーはこんなもんじゃないって見せてやろうぜ!」
【B-2/雪原/1日目/早朝】
【戦場マルコ@未来日記】
[状態]:健康、かなりの焦り
[装備]:交換日記のレプリカ・戦場マルコ用@未来日記、常勝無敗のケンカ日記のレプリカ@未来日記、
アムルタート@waqwaq
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本行動方針:愛と合流し二人で生き残る
1:愛のDEAD ENDフラグを覆すため桜見タワーに直行する
2:ゴメンな、金糸雀におっさん……
|[[優勝者達のエピローグ]]|投下順|[[仮面ライダーの夜明け]]|
|[[優勝者達のエピローグ]]|時系列順|[[仮面ライダーの夜明け]]|
|[[乙女になれない私の強がりをひとつ聞いてくれないかしら]]|金糸雀|[[I can cry for you]]|
|~|平清|~|
|~|戦場マルコ|[[]]|
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**悪夢の灯火 ◆IRxFfnsX8c
平は相変わらず大きな寝息を立てている。
金糸雀は先程感情を吐露したおかげか安定したようで、寝てこそいないものの、横になって何かを考えている。
――――一番場数を踏んでる俺がこれかよ。
火の番は必要だが、それ以上に自身が落ち着かないためにこうして暖炉に薪をくべている。
こんな手持ち無沙汰な時にやることといえば、交換日記の確認だ。
こっちは動いていなくても愛は動いているかも知れないではないか。
そして30分ほどが過ぎた。
――……ザザッ……
紛れもない“未来が書き換わった音”
慌てて確認する――愛が、愛が来たのか!?
「マルコ、どこへ行く気なのかしら?」
抜き足差し足、でとりあえずの同盟相手から離れようとした時だった。
「どこって、外の空気を吸いにな」
「嘘……デタラメなのかしら」
金糸雀は裾にしがみつき押しとどめようとする。
サイズ差から言ってすぐに振り払えそうなものだが、何故か出来なかった。
「……俺は愛を探しに行く」
「それは朝になってからだったはずだわ」
「事情が変わったんだ。俺はすぐにでも愛の所に行かなきゃいけねぇんだ」
「事情……それはカナや変平との関係が『殺し合い』になることも含んでいるのかしら?」
答えない。
同盟こそ組んだがいずれそうなるだろうと諦めに近い感情を抱いてはいた。
だが、この人形の少女も愛情に飢え、それ故に戦ってきた――姉妹たちと。
孤児院の仲間たちとそんなことになったら、とすると怖気がする。
平清も悪い男ではない。こんな場でなければ飲み明かすことも出来ただろう。
つまりは情が移った、ということ。
愛がいればその辺りのフォローをしつつ、苦笑するのだろう。
あなたはお人好しだから、と。
――――愛。
「俺にはこのアムルタートがあるし、金糸雀は強い。平のオッサンは色々不安だが武器は協力だ。無理に同盟組んでいてもしゃーねーんじゃねぇの?」
カラカラと笑い踵を返そうとする。
「でも外は相変わらず雪なのかしら。それで凍死でもされたらカナの目覚めが悪くなるのかしら」
「寝るんだな、人形も」
「薔薇乙女(ローゼンメイデン)を嘗めないで欲しいものかしら? そして話を逸らさないで欲しいのかしら」
「……愛(LOVE)には天気なんて関係ねぇんだよ」
だんだん感情が高ぶり、傍に浮かんだアムルタートが今か今かと合体を待ち望んでいた。
「変平を押し付けられるこちらの身にもなって欲しいものかしら」
「いーや、アレはアレで土壇場じゃやるタイプだぜ」
金糸雀の巻き毛が揺れる。
表情が曇ったままマルコを睨みつけた。
「お前たちだって“お父様”に会うまで戦い続けるんだろ。俺にとっての美神愛は全てだ」
「じゃあひとつだけ教えて欲しいかしら……何故“今”なのかしら?」
「……詳しくは言えねーが、俺と愛のLOVEパワーって奴だ。それで通じ合っているから、俺には愛のピンチがわかる。それが今、だ」
すすっと金糸雀が動き出した。
「そういうことなら変平を起こして3人で行く方が確実かしら」
「信じるのか!?」
「同盟しようと言い出したのはマルコなのかしら。それを自ら解除して雪原に行くなんて余程のことかしら」
平清が寝ている所に向かっていく金糸雀。
――――ああ、いい奴らだよ、本当に。
何か放っとけないしな。
「変平ー、変平ー、起きるのかしらー」
――――でもな。
アムルタートと合体し、植物の根を伸ばしていく。
少しずつ、少しずつ、絡みつき、生気を吸い取っていく。
「マルコ!?」
「ってマルコはん!?」
「そもそもここに留まる原因になったのがお前らだ。俺一人なら雪原を越えられる……越えなきゃならねぇ」
掴みかかろうとするが、生気が抜けて膝をついていく。
「足手まといなんだよ。ここでじっとしてな」
吸収力を強め、平と金糸雀の意識が朦朧としたのを後ろ目に、部屋を去る。
トドメを、差して置いたほうが良かっただろうか。
暖炉の火は消しておいた。あのまま朦朧とした状態ならそのまま寒さで夢のなかで死ねるはずだ。
随分甘いのね、という愛の台詞が聞こえた気がした。
――殺すだけの手間が惜しいだけさ。
【A-1/クリスタル・パレス/1日目/早朝】
【金糸雀@ローゼンメイデン】
[状態]:生命力低下により睡眠中
[装備]:金糸雀のバイオリン@ローゼンメイデン、レーダーのレプリカ@BTOOOM!
[道具]:基本支給品、不明支給品×1~2
[思考・状況]
基本行動方針:ズル賢く立ち回る。
1:マルコ、どうするのかしら……
2:お父様、みんな……
【平清@BTOOOM!】
[状態]:生命力低下、睡眠中
[装備]:ジョゾの服@ブレイブ・ストーリー~新説~
[道具]:基本支給品、BIM(ホーミングタイプ)×8@BTOOOM!、レーダー のレプリカ@BTOOOM!
[思考・状況]
基本行動方針:脱出する。
1:マルコはん!?
2:金糸雀と身の安全が確信できるところまで行動を共にする。
3:信頼出来る仲間を探す。
[備考]
※4巻で指を切り落された以降の参戦です。
アムルタートを装着したまま雪原を駆ける。
あの2人の生命力を吸ったおかげか充分元気がいい。
植物にとっては寒さは天敵のはずだが、この護神像はそうでもないらしい。
――レプリカ版交換日記の初記述は、DEAD ENDフラグだった。
自分のではない、愛のものである。
フラグが立った後でも行動次第で覆せる――1stや2ndが何度となくやってきたように。
故に、駆ける。
場所は書かれていなかったが、自分と愛といえばあそこしかない。
とうに手遅れだろうと構わない。諦めた瞬間愛は死ぬ。
「待ってろ、愛。俺達のLOVEパワーはこんなもんじゃないって見せてやろうぜ!」
【B-2/雪原/1日目/早朝】
【戦場マルコ@未来日記】
[状態]:健康、かなりの焦り
[装備]:交換日記のレプリカ・戦場マルコ用@未来日記、常勝無敗のケンカ日記のレプリカ@未来日記、
アムルタート@waqwaq
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本行動方針:愛と合流し二人で生き残る
1:愛のDEAD ENDフラグを覆すため桜見タワーに直行する
2:ゴメンな、金糸雀におっさん……
|[[優勝者達のエピローグ]]|投下順|[[仮面ライダーの夜明け]]|
|[[優勝者達のエピローグ]]|時系列順|[[仮面ライダーの夜明け]]|
|[[乙女になれない私の強がりをひとつ聞いてくれないかしら]]|金糸雀|[[I can cry for you]]|
|~|平清|~|
|~|戦場マルコ|[[SNOW STORM]]|
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