ロワイアル×ロワイアル@ ウィキ内検索 / 「ぬくもりのなかであたしを殺して」で検索した結果
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ぬくもりのなかであたしを殺して
ぬくもりのなかであたしを殺して ◆W91cP0oKww 「さて、行くぜ!」 マルコは地面を強く踏みしめて、身体を前へと傾けた。 その勢いは普通の人間では絶対に出るはずのないもの。 防人としてアムルタートによる恩恵を受けたマルコだからこそ生み出せる勢いだ。 「先手必勝ってなぁ!」 そのままブックの間合いに入ったマルコは、右腕を前へと突き出した。 何の変哲もないただの右ストレート。 だが、その勢いは光速。躱すのは容易でない。 「くくっ」 それが普通の人間であればの話だが。 今、相対しているブックは旅人の中でも宝玉を四つ集めている実力者である。 得ている力は並のものでは収まらない。 「偉そうに語った割にはその程度の力しかないのかい?」 ブックは、軽く身を横に傾けることで右ストレートを躱し、お返しとばかりに同じく右ストレ... -
【ローゼンメイデン】
...も時には 103 ぬくもりのなかであたしを殺して ◆W91cP0oKww 翠星石 12(12) No 登場話題名 作者名 003 A Boy(?)Meets A Girl(?) ◆1yqnHVqBO6 033 誰かの願いが叶うころ ◆CFbjQX2oDg 044 側に立ち、防るもの ◆1yqnHVqBO6 067 誇り高く穢れを知らない ◆IRxFfnsX8c 069 まもるヒトたち ◆1yqnHVqBO6 082 白光のスプンタ・マンユ~What a beautiful hopes~ ◆W91cP0oKww 086 弔いのボサ・ノバ ◆1yqnHVqBO6 093 銀の鍵と青の剣を手に握り 104 過去の産声 111 賢人は無限の幕、羽織り 123 最後のプロローグ ◆W91cP0oKww 127 比類なき善の左手 ◆1yqnHVqBO6 蒼星石 6(6) N... -
元ネタ【100~150】
...も時には 103 ぬくもりのなかであたしを殺して 104 過去の産声 105 ぎゅっと握り締める 106 雪原の祝福 107 花弁も遺すことなく 108 深淵での邂逅 109 見つけに行く 110 参の支配者《歴史の道標》《クイーン》《ジョーカー》 111 賢人は無限の幕、羽織り 112 PARADIGUM 113 強制型エンターテイメント判明 114 僕達は強がって笑う弱虫なのさ 115 アリス イン ミラーワールド 116 HAPPY END’s FRAGMENTS 117 終わりのメーノーグ 118 お願い、死なないで天膳さま! 小四郎やお幻婆との約束はどうなっちゃうの? ここを耐えれば、ゲームに勝てるんだから! ―「薬師寺天膳死す」― デュエルスタンバイ! 119 鉄の少年、その終焉 120 降り立つ、長い道歩む少年の前に 121 黒炎... -
◆W91cP0oKww
... 北岡秀一 103 ぬくもりのなかであたしを殺して 戦場マルコ、ティオ、ブック、金糸雀、筑摩小四郎、真紅、桐山和雄 117 終わりのメーノーグ キャンチョメ、ミツル、杉村弘樹、レオナルド・エディアール 121 黒炎のベルセルク~What a ugly warrior~ 北岡秀一、天野雪輝、ウマゴン 123 最後のプロローグ キャンチョメ、ミツル、レオナルド・エディアール、ヨキ、翠星石、桐山和雄、キク、??? 128 Love song~世界の終わりで謳い続ける少女~ ティオ、雪華綺晶、天野雪輝 135 ロワイアル×ロワイアル――過去ノスタルジア 天野雪輝、ミツル 氏のssは熱い。とにかく熱い。 真紅と七原の仲を深めたssは殺伐としているっていうか どいつもこいつも自分のことしか考えてねえノーフューチャーな このロワでの清涼剤とも言える 遊園地のバトル導入話ではメイン... -
【バジリスク~甲賀忍法帖~】
...も時には 103 ぬくもりのなかであたしを殺して ◆W91cP0oKww 105 ぎゅっと握り締める ◆1yqnHVqBO6 107 花弁も遺すことなく -
破滅の時計盤も時には
...リピーター 投下順 ぬくもりのなかであたしを殺して 時打ち、とまらないミニッツリピーター 時系列順 ぬくもりのなかであたしを殺して 時打ち、とまらないミニッツリピーター 金糸雀 ぬくもりのなかであたしを殺して 筑摩小四郎 戦場マルコ ティオ ブック -
【バトルロワイアル】
...手に握り 103 ぬくもりのなかであたしを殺して ◆W91cP0oKww 105 ぎゅっと握り締める ◆1yqnHVqBO6 107 花弁も遺すことなく 108 深淵での邂逅 109 見つけに行く 120 降り立つ、長い道歩む少年の前に 123 最後のプロローグ ◆W91cP0oKww 127 比類なき善の左手 ◆1yqnHVqBO6 131 たった一度与えられた 命はチャンスだから ◆CFbjQX2oDg 133 夜空にかかる黄金への虹 ◆1yqnHVqBO6 134 いつか巡りあう君へ 136 れっと・いっと・びー/少年たちのたどたどしい革命行為 相馬光子 4(4) No 登場話題名 作者名 008 女の世界 ◆1yqnHVqBO6 038 雷帝の調教 ◆CFbjQX2oDg 057 増絆を結び/憎しみを放つ ◆W91cP0oKww 066 受け継がれる龍騎 ... -
【未来日記】
...も時には 103 ぬくもりのなかであたしを殺して ◆W91cP0oKww 105 ぎゅっと握り締める ◆1yqnHVqBO6 106 雪原の祝福 美神愛 3(3) No 登場話題名 作者名 019 403 Forbidden ◆IRxFfnsX8c 048 ムスカリ ◆CFbjQX2oDg 051 乞い願う利益者 ◆1yqnHVqBO6 雨流みねね 6(6) No 登場話題名 作者名 017 爆炎と砲火の中で ◆W.z0w51WN2 036 化物語 《バカシモノガタリ》 ◆CFbjQX2oDg 054 天国とは神のおわすことなり ◆1yqnHVqBO6 080 ☆北岡秀一☆ ◆1yqnHVqBO6 095 そして誰かいなくなった ◆1yqnHVqBO6 112 PARADIGUM ◆1yqnHVqBO6 -
【ブレイブ・ストーリー~新説~】
...も時には 103 ぬくもりのなかであたしを殺して ◆W91cP0oKww 105 ぎゅっと握り締める ◆1yqnHVqBO6 カントリーマン 9(9) No 登場話題名 作者名 010 Reanimate/再活性 ◆L62I.UGyuw 039 未知との遭遇 ◆1yqnHVqBO6 057 絆を結び/憎しみを放つ ◆W91cP0oKww 071 Holocaust(上)(下) ◆W91cP0oKww 074 レボリューション(上)(下)(続) ◆1yqnHVqBO6 085 【おまえがそう想うのならそう在るのだろう。】 ◆1yqnHVqBO6 093 銀の鍵と青の剣を手に握り 104 過去の産声 111 賢人は無限の幕、羽織り -
【金色のガッシュ!!】
...も時には 103 ぬくもりのなかであたしを殺して ◆W91cP0oKww 105 ぎゅっと握り締める ◆1yqnHVqBO6 107 花弁も遺すことなく 108 深淵での邂逅 115 アリス イン ミラーワールド 122 那由多の海で少女は涙する 128 Love song~世界の終わりで謳い続ける少女~ ◆W91cP0oKww シュナイダー(ウマゴン) 10(10) No 登場話題名 作者名 016 マシュマロのような舐め心地であった ◆1yqnHVqBO6 029 馬の名前でも間違えるのは失礼 ◆9n1Os0Si9I 030 王様の託児所! ◆1yqnHVqBO6 055 混迷する少年少女のバトルロワイアル ◆W91cP0oKww 058 優勝者達のエピローグ ◆1yqnHVqBO6 073 君に触れて未来が変わる ◆CFbjQX2oDg 092 鏡を見ながら人を... -
第三回放送までの本編SS
...には 103 ぬくもりのなかであたしを殺して ◆W91cP0oKww 戦場マルコ、ティオ、ブック、金糸雀、筑摩小四郎、真紅、桐山和雄 105 ぎゅっと握り締める ◆1yqnHVqBO6 戦場マルコ、ティオ、ブック、筑摩小四郎、真紅、桐山和雄 106 雪原の祝福 戦場マルコ、真紅 107 花弁も遺すことなく ティオ、ブック、筑摩小四郎、真紅、桐山和雄 108 深淵での邂逅 桐山和雄、ティオ 110 参の支配者《歴史の道標》《クイーン》《ジョーカー》 ??? D-3 111 賢人は無限の幕、羽織り 翠星石、カントリーマン、津幡共仁、ヨキ D-3、C-5 113 強制型エンターテイメント判明 北岡秀一、天野雪輝、ウマゴン、乾志摩夫 G-7 114 僕達は強がって笑う弱虫なのさ キャンチョメ、ミツル、杉村弘樹、レオナルド・エディアール D-6 115 アリス イ... -
第三回放送までの死者
...筑摩小四郎 103 ぬくもりのなかであたしを殺して 惨殺 鎌鼬 ブック 105 ぎゅっと握り締める 刺殺 鎌 戦場マルコ 戦場マルコ 106 雪原の祝福 捕食 アムルタート 真紅 筑摩小四郎 107 花弁も遺すことなく 惨殺 チャージル・サイフォドン 筑摩小四郎 桐山和雄 斬殺 ダークブレイド カントリーマン ヨキ 111 賢人は無限の幕、羽織り 惨殺 スプンタ・マンユ 乾志摩夫 乾志摩夫 113 強制型エンターテイメント判明 自殺 自分の首輪 薬師寺天膳 津幡共仁 118 お願い、死なないで天膳さま! 小四郎やお幻婆との約束はどうなっちゃうの? ここを耐えれば、ゲームに勝てるんだから! ―「薬師寺天膳死す」― デュエルスタンバイ! 斬殺 ドラグブレード 杉村弘樹 杉村弘樹 119 鉄の少年、その終焉 消滅 なし 北岡秀一 天野雪輝 121 黒炎のベルセルク~... -
【100~150】
...郎 B-2 103 ぬくもりのなかであたしを殺して ◆W91cP0oKww 戦場マルコ、ティオ、ブック、金糸雀、筑摩小四郎、真紅、桐山和雄 B-2 104 過去の産声 ◆1yqnHVqBO6 翠星石、カントリーマン、津幡共仁 D-3 105 ぎゅっと握り締める ◆1yqnHVqBO6 戦場マルコ、ティオ、ブック、筑摩小四郎、真紅、桐山和雄 B-2 106 雪原の祝福 ◆1yqnHVqBO6 戦場マルコ、真紅 B-2 107 花弁も遺すことなく ◆1yqnHVqBO6 ティオ、ブック、筑摩小四郎、真紅、桐山和雄 B-2 108 深淵での邂逅 ◆1yqnHVqBO6 桐山和雄、ティオ B-2 109 見つけに行く ◆1yqnHVqBO6 桐山和雄 B-2 110 参の支配者《歴史の道標》《クイーン》《ジョーカー》 ◆1yqnHVqBO6 ??? D-3 111 賢人は無限の幕、羽織り ◆... -
過去の産声
...た。 ぬくもりのなかであたしを殺して 投下順 ぎゅっと握り締める 少年よ、我にかえれ 時系列順 PARADIGUM 銀の鍵と青の剣を手に握り 翠星石 賢人は無限の幕、羽織り カントリーマン 津幡共仁 -
銀の鍵と青の剣を手に握り
...の産声 桐山和雄 ぬくもりのなかであたしを殺して 【おまえがそう想うのならそう在るのだろう。】 真紅 カントリーマン 過去の産声 Dear My Friend 津幡共仁 -
ぎゅっと握り締める
... 雪原の祝福 ぬくもりのなかであたしを殺して 筑摩小四郎 花弁も遺すことなく 戦場マルコ 雪原の祝福 ティオ 花弁も遺すことなく 真紅 雪原の祝福 桐山和雄 花弁も遺すことなく ブック GAME OVER -
鏡を見ながら人を殺そう
鏡を見ながら人を殺そう ◆1yqnHVqBO6 世界がたしかに縮まった。 地平線が失われ、 大地が急にぶよぶよとした不定形に思えてしまう。 空ですら見あげれば雲が大きく感じられた。 この世界で見上げる夜空はどんな星が浮かぶのか。 すこし考えたがやめた。 この世界で輝く星に美しさなどないだろう。 殺すために造られた世界に美しさを見ることはない。 殺すために赴いた世界で作った絆など…………ない。 現に今こうして、 二人の参加者を殺そうとしているのだから。 視界の外から一角獣が突進してきた。 それをミツルは宙に浮かんで避ける。 しかし馬は虚空を蹴るとミツルの逃げた空へと跳んだ。 その速さはそうそう捉えきれるものではない。 ましてや、 疲労を心身ともに負っているこの身ではなおさらだ。 戦闘のきっかけは些細なものだった。 ... -
受け継がれる龍騎
受け継がれる龍騎 ◆1yqnHVqBO6 異常な殺気と宣言の後、影が現れ。 そして放送が終わった。 「急ぐぞ、お前たち」 リュックを担ぎ立ち上がるカントリーマンの顔には 明らかな焦燥が浮かんでいる。 彼らがいるのは民家の一室。 玄関に入ってすぐの階段を登った先。 窓のある部屋に三人はいる。 バトルフィールドにするには向かない場所。 チャンを迎え撃つには向かない場所。 いや、チャンを迎え撃つに適した場所など果たして存在するのかどうか。 「行くのは……どの方角ですか?」 カントリーマンと同じく立ちながら真司は問いかける。 バカである真司にも今がどういう状況かわかるのだろう。 殺気と宣言が聞こえてきたのは北。 異常な闘気が彼らを縛り付けたのもそれと同じ時。 そして、その後の放送の内容。 チャンは間違いなく... -
受け継がれる龍騎
受け継がれる龍騎 ◆1yqnHVqBO6 異常な殺気と宣言の後、影が現れ。 そして放送が終わった。 「急ぐぞ、お前たち」 リュックを担ぎ立ち上がるカントリーマンの顔には 明らかな焦燥が浮かんでいる。 彼らがいるのは民家の一室。 玄関に入ってすぐの階段を登った先。 窓のある部屋に三人はいる。 バトルフィールドにするには向かない場所。 チャンを迎え撃つには向かない場所。 いや、チャンを迎え撃つに適した場所など果たして存在するのかどうか。 「行くのは……どの方角ですか?」 カントリーマンと同じく立ちながら真司は問いかける。 バカである真司にも今がどういう状況かわかるのだろう。 殺気と宣言が聞こえてきたのは北。 異常な闘気が彼らを縛り付けたのもそれと同じ時。 そして、その後の放送の内容。 チャンは間違いなく... -
そして誰かいなくなった
そして誰かいなくなった ◆1yqnHVqBO6 「ガキの頃、遠い異国の地で両親を殺された。 殺したのは神を信じるクソッタレ達さ」 「それで、お前はどうしたんだ?」 「神を信じるヤツらを片っ端から殺した。 巻き添えになった連中も大勢いたけど そんなのはわたしの知ったことじゃない」 「赤き血の神も神を信じるのか」 「お前、そういうの言ってて混乱しないか? バカは信じるんだよ。 誰かが自分を救ってくれるってな」 「おかしくないか?」 「あ?」 「お前がやってることが復讐だとしたら 両親を殺した連中だけを殺せばいいだけだ。 そうでなくても、神を信じる者だけ殺せばいい」 「そうだな」 「だがお前の“願い”はその先にあるんだろ」 「そうだ。神を殺す。神の座を手に入れてな」 「神... -
【おまえがそう想うのならそう在るのだろう。】
【おまえがそう想うのならそう在るのだろう。】 ◆1yqnHVqBO6 【未来は不可能性に満ちています。】 「貴様は狂っている」 真紅とカントリーマンの会話を ただじっと目を閉じて聴いていた ミツルはあらん限りの侮蔑を込めてそう吐き捨てた。 軽蔑。 真にそうすべきはこの哀れな人形ではないことなど ミツルもわかっている。 荒廃した大地。 抉れ、消滅し、窪んだ地面。 風は吹かない。砂埃すら、空中には見当たらず。 遺っていた死体は ノール、朧、秋山蓮、ゼオン・ベル。 そしてチャンだけであった。 最強が残した爪跡は周囲一帯に 消えない被害を残していた。 癒えることは永遠にないだろう。 この世界がミツル達の 考えている通りのものならば。 永劫癒えない世界で狂気を弾劾しようと 誰が救われるものか。 ... -
冥界に踊るデウスの嬰児たち
冥界に踊るデウスの嬰児たち 彼/彼女と会ったのはスーパー弁護士と会う前のこと。 未来日記で行く先に待ち受ける闘いを予知し。 大きく迂回し、その先のオアシスで短い休憩を取った時のこと。 瞬きをした次の瞬間には、 雪輝は暗闇の中、立っていた。 見通しの効かない無明の空間。 呼吸の音すら暗闇に喰われてしまう。 おっかなびっくりに、手を突き出し、 探り探りに歩き出すとすぐに大きな壁にあたった。 その壁はぬくもりと弾力があり、ゆったりとしたペースで かすかに移動、振動を繰り返しているのがわかった。 「デウスが行動を起こしている故、 因果律大聖堂へのアクセスが可能となった。 ここは因果律大聖堂のデッドスペースと言えよう」 背後から聞こえた声に振り返るとひとりの少年が立っていた。 ... -
那由多の海で少女は涙する
那由多の海で少女は涙する 眼が覚めればそこには琥珀色の海が広がっていた。 はちみつを溶かした紅茶のようにそれは甘く視界に入り込み。 桃色の少女をうたかたの夢に誘おうとする。 「……こ、こは……?」 茫とした頭、油が切れたようにぎしぎしと動く関節。 一歩。進むと垂れ込めた霧の中へ少女、ティオは入る。 地面はまるで綿菓子のようにふわり、ふわりとしていて。 甘いクリームの世界はティオの感覚を摩耗させていく。 ――すまねえ。 霧の中を歩いて行くと 一人の少年が立っていた。 奇妙な髪型をした彼の手には 血の滴るナイフが握られて…… いいや、あれは少年が握っているのではない。 ナイフが、ひとつの意思持つ楔の如く少年に憑いている。 ――すまねえ。俺がついていなかったから 涙を流して、悲哀に濡れた表情で謝罪の言葉を述べ続ける少年。 ... -
優しさに飢える少女
優しさに飢える少女 ◆IRxFfnsX8c 逃げられた。 老人――といってもこいつも男だが――を見捨てて逃げ出した、男。 しかもきっと戦いに乗っている。攻撃してきたし、男なんてそんなものだ。 最初の男と同じ。 一息ついた。 男たちを、戦いを広める愚かな男を。 優しい王様の治める、優しい国のために。 ティオはそれに思考が支配されていたが、首輪から不快極まりない男の声が突如響き思わず身構える。 首輪を掻きむしり外してやろうとする。 しかしその手が止まった。 ――――ガッシュ・ベル。 この嫌味な声は確かに、ガッシュの名を呼んだ。 他にも何か言っていたが耳には入らない。 「何で、ガッシュの名前を……」 「それは、ガッシュくんが殺されてしまったからさ」 背後から何でもないことのように声をかけてくる。 ブックだ。 「ガ... -
浅倉威
【名前】浅倉威 【出典】仮面ライダー龍騎 【種族】人間、仮面ライダー王蛇 【性別】男 【口調】一人称:俺 二人称・三人称:苗字呼び捨て 【性格】 感情の赴くままに多くの人を殺している連続殺人犯 常に暴力の中に身を置いており、暴力が無い環境では常にイライラしている。 常に闘争心とイライラに支配されながらも、目的のために他人を騙して利用するなど、頭も回る。 【能力】 仮面ライダー王蛇に変身する。 王蛇のカードデッキの最大の特徴は他のライダーが一枚しかない契約カード『封印』が3枚存在することである 1枚はメインの契約モンスターであるベノスネーカーに使用。残る二枚は作中で後に契約していくため、時期によって使用可能カードが増加する 王蛇専用カード ADVENT ベノスネーカーを召喚 SWORD VENT ベノサーベルを装備 STEAL VENT ... -
側に立ち、防るもの
側に立ち、防るもの ◆1yqnHVqBO6 薬師寺天膳が死んだ!! これは何という驚くべき事態! 彼奴は伊賀忍をとりまとめる優れた忍者だ。 里の者の多くが尊敬している人間である。 剣の腕は冴え、知略に優れ、弁も立つ。 頭領である御婆も朧との祝言を何度検討したかしれぬ。 まさに忍者の中の忍者! 男の中の男! 抱かれたい伊賀忍NO.1! それほどの男が死んだのである。 これを驚愕すべき事態と呼ばずになんと呼べばよいものか。 天膳は流れる川にプカプカと浮かんでいる。 それを見つめるのは子供と見紛うほど小さな老人だ。 乾志摩夫はその死体が何処に行くかを見届けようと思った。 水は生きて行く上で必須なものだ。 つまりは水路があるところに参加者が集まるということだ。 川は恐らく地下水道を通り、水路は会場中に伸びているはず。 状況をつかむにも参加者... -
金色の彼に花束を
金色の彼に花束を ◆1yqnHVqBO6 そこは遊園地の待合室。 けれど置かれた質素な備品はそこをまるで監獄かのように見せていた。 あるのはベンチとテーブルと安物のパイプ椅子。 そして鏡だけ。 普通ならばありそうな 子供のための着ぐるみや人形、おもちゃのたぐいは一切ない。 窓からさす陽が少しでも 部屋を明るく見せるのではないかと思っていたが、 現実はただ四隅を照らし、物品の少なさを際だたせるだけだった。 放送が流れるまで。 光が入ってくる窓から、 杉村は何度も外を見渡しあの少年を待っていた。 仮面ライダーの力を調べ、 カードなるものの効果を知ることができたのは大きな収穫だった。 それでも幾度となく火の海へと飛び込み探しに行こうか迷ったが、 ここには気絶したままの少女の形をした人形がいる。 逃げる場合、キャンチョメが彼女を抱えて... -
時打ち、とまらないミニッツリピーター
時打ち、とまらないミニッツリピーター 「こんにちは君たち」 気やすさがこもった挨拶とともに マルコと小四郎に青年は話しかけてきた。 「僕はしがない旅人ブック。 君たちは今までこの周辺にいたのかい?」 「……そうだがそれが?」 不信感を隠しもせずマルコは眉を顰めて ブックと名乗った青年に問いかけた。 「ずいぶんと無用心じゃねえか。 会ったこともない奴に丸腰で声をかけるなんてよ?」 ブックは意外そうに眉を上げ、 面白がっているのか声を弾ませ マルコの背で眠っている少女を指さした。 「彼女、大丈夫かい? この先に橋があってね。 その下なら雪もないし人目に隠れられるよ」 ――――――。 意識が覚醒した時に見える暗闇。 そこから眼瞼を開けるのが金糸雀は不安に心を冷やした。 周りにまた誰もいな... -
王様の託児所!
王様の託児所! ◆1yqnHVqBO6 「魔物の王を決める闘い……それにガッシュは優勝したんだよね?」 その問いかけに当のガッシュは誇らしげに頷く。 「そして、魂だけになっていた魔物たちを全員生き返らせた……これで合ってる?」 「ウム、そうなのだ」 再度の問いかけにもガッシュは肯定した。 魔界が本当なのかは知らないがガッシュの術は実際に見せてもらった。 口から発射される電撃。それを発動するには一瞬気絶してしまうが 何者かに魔本を読んでもらうことで更に威力を増すそうだ。 人智を超えた力に不意打ちが容易な体質。 その情報を無意識に、本当にそうなのかは自分でもわからないが とにかく特に他意もなく記憶する。 そして、ガッシュの言うことはある程度信用がおけると今のところは思うことにした。 今考えるべきは死者の蘇生という単語。 ... -
白光のスプンタ・マンユ~What a beautiful hopes~
白光のスプンタ・マンユ~What a beautiful hopes~ ◆W91cP0oKww 「移動しようと思っていましたがその必要はなかったようですね……桜見タワーへようこそ、そこの貴方はまた会いましたね」 その男、ヨキは先程までの涙を感じさせない極上の笑顔でにこやかに来客を迎えた。 「わざわざ出迎えご苦労様なことだ、出来れば二度と見たくない顔だったんだがな」 「…………」 「……っ」 おかしな珍道中を繰り広げていた三人、桐山和雄、ハード、翠星石の目の前に有るのは無残にも壊された美神愛の成れの果て。 地面に垂れた血はカピカピになり鮮やかな赤は黒へと変わり地面を染めあげる。 眼球は崩れ落ち、内股から覗いている肉は新鮮さを失い、嗅ぐだけで胃液がこみ上げてきそうなくらいに臭い。 「それで、そいつはお前が殺したのか?」 「ええ、この人は私が殺しま... -
Marked For Death
Marked For Death ◆L62I.UGyuw 訳が解らぬ、と伊賀鍔隠れ衆の事実上の頭、薬師寺天膳は月明かりの森で憤慨していた。 歳の推し量れぬ色白の顔を歪めながら、天膳は僅かばかり前の出来事を思い返す。 何処とも知れぬ奇妙な空間。 鏡を用いた面妖な術の使い手が告げた、殺し合え、という命令。 伊賀でも甲賀でもない有象無象の人間の名前。 意味の不明な南蛮語が幾つかあったものの、術者が言わんとするところは天膳もおおよそ諒解した。 ならば彼の言に乗ってただただ屍の山を築くべきか。 断じて否である。 名簿には宿敵である甲賀者の名もあった。殺し合いそのものは望むところである。 無関係な者を殺すことにも何の躊躇いもない。 しかし、だからといって、畜生の如き扱いを受けて唯々諾々と従う薬師寺天膳ではなかった。 伊賀の魔人衆を首輪... -
仮面ライダーの夜明け
仮面ライダーの夜明け ◆CFbjQX2oDg 太陽。 地球上の全ての生物に平等に光を注がれる。 あらゆるものを浮き彫りにし、曝け出す。 三人の仮面ライダーは、各々の瞳を通してみる太陽に何を見るのか。 ◇ ◆ ◇ 程よい大木を見つけたので、その根っこのところに腰を下ろす。 悲鳴を上げる体に鞭打って周囲の警戒は欠かさずにここまできた。 誰にも見つかってはいないだろう。 手を何度か握りしめを繰り返し体の調子を確認する。 腹部の痛みは今尚続いており、手足は痺れていている。 少なくともある程度の戦闘が出来るようになるまではこれ以上移動はしない方が良さそうだ。 支給された食料と水を口に運びながら、なんとなしに木々の隙間から空を見上げる。 夜の闇に白みが増してきており、ちょうど夜と朝の中間。 一日の始まりであり、生命が活発に活動する時間だ。 ... -
Dear My Friend
Dear My Friend ◆1yqnHVqBO6 白髪鬼、津幡共仁は頭に穴が開いた少年を見下ろしていた。 空は陽が上がり、死体の状況と死体の素性を余すことなく伝えてくれる。 同行していた子供が腰を抜かし、怯えてしまったほどには。 子供、パピーを抱きかかえ、 死体から離れた壁に寄り掛からせてから。 津幡共仁は死体を検めた。 額に空いた銃創。 銃弾に突き破られた皮膚の周囲は焦げていた。 そして、この創穴からすると小口径の弾丸だ。 頭を持ち上げて死体の後頭部を見ると 銃弾の出口があった。 ならばと、津幡共仁は射線上、 突き当たるであろう 壁へと歩き、辺りを調べた。 「やはり、か」 見つけた弾丸は大きくひしゃげていたが 間違いなく.38スペシャルと呼ばれるものだった。 パピーが目覚める前、自らを覆うアーマーを叩いた... -
幻想を殺す
幻想を殺す ◆L62I.UGyuw 「誰だっ!」 月夜の街に、鋭い声が響いた。 声の主はワタル。 彼は現世においては城東第一中学の二年生であり、同時に『幻界(ヴィジョン)』においては数多いる『旅人』の一人である。 幻界に行ったばかりの頃は落ち零れとすら評されたワタルは、しかし数々の戦いを経て、今では類稀な力を持った旅人に成長していた。 そのワタルの研ぎ澄まされた感覚は、今現在、道の先に息を潜める何者かの気配を教えている。 距離は二十メートル程。電柱の立っている交差点の辺りだ。 剣を構えて様子を窺う。 「そこにいるのは判ってます。出て来て下さい」 もう一度、今度は抑えた声で警告を発する。 しかし出て来ない。かといって逃げる気配もない。 充分に警戒しながら少しずつ距離を詰めていく。 「待った待った。今出て行くか... -
増えるジジイに逃げるジジイ
増えるジジイに逃げるジジイ ◆1yqnHVqBO6 ジジイが空から降ってきた。 白髪鬼はパピーを抱えながら窓を突き破り、病院へと入った。 場所は普通の病室。あるのは殺風景なベッドだけ。 白髪鬼は散乱した窓硝子の破片を踏みしめ、ベッドまで歩き。 ベッドに破片がかかっていないのを確認するとパピーをそこに横たわらせた。 そして、融合を解く。 白髪鬼の体を滝のような汗が濡らしていた。 慣れない護神像の使用。 パピーのために可能なかぎり振動を与えないよう注意しながらの最速の維持。 人智を超えた未知の力の最大限の行使は 老体である白髪鬼から確実に体力を奪っていた。 白髪鬼はパピーの傷を手当てしようと物資を探しに部屋を出ようとした。 ドアへと歩き、ドアノブを回そうとするその寸前に ドアが蹴り飛ばされたような勢いで開けられる。 ドアを... -
参の支配者《歴史の道標》《クイーン》《ジョーカー》
参の支配者《歴史の道標》《クイーン》《ジョーカー》 【巻き戻し】 「悪いな、坊主」 「え?」 銃口がワタルの眉間を狙っていた。 即座に引鉄が引かれた。額に赤い穴が開いた。 自分の身に起こったことが絶対に信じられない顔のまま、ワタルはゆっくりと仰向けに倒れた。 手にした剣の刀身が陽炎のように揺らぎ、霧散した。 【一時停止】 くちゃくちゃ。 ずずずっ。 咀嚼する音と血を啜る音が 灯りの一切ない地下室にて木霊する。 音の主は褐色肌の少女。 外見だけなら10にも満たないだろう幼さ。 しかし、彼女の続けている行為が醸しだす臭いは その場にいた者の鼻孔を一度刺激すれば10日はとれないだろうもの。 ぼり、と少女の口の中で骨が砕ける音がした。 その骨は大腿骨であり、 本来ならば小さな口には入らない大きさ。 けれど... -
HAPPY END’s FRAGMENTS
HAPPY END’s FRAGMENTS 「決めたよ由乃。 僕はこのチャンスに賭けてみる」 「そう、頑張ろうねユッキー。 たぶん、私はもうすぐ死ぬけど」 「……ごめん」 「どうして謝るの? ユッキー?」 「僕のプランでは君はきっと死ぬ」 「でも私じゃなきゃ。この世界でユッキーの本当の味方は由乃だけだから」 「ひとつ、教えて欲しいんだ由乃」 「…………なぁに?」 「僕はきっと僕を守ってくれる人なら誰でも良かった」 「………………」 「でも僕が愛しているのは由乃だけだよ」 「アッ……あ、私は……... -
混迷する少年少女のバトルロワイアル
混迷する少年少女のバトルロワイアル ◆W91cP0oKww 遊園地にはバラエティ豊かな建物がたくさんある。 メリーゴーランド。観覧車。ジェットコースター。コーヒーカップ。想像するだけで気分が高揚してくるだろう。 だが、全ては静止しており明かりは電灯がポツンと灯っていただけ。 そんな暗闇に支配されていた遊園地に朝の光が差し込もうとしていた。 太陽が空の中央に登ろうとしている。後数時間もすれば燦燦とした日光が世界を照らすだろう。 その遊園地に四人の騒がしい参加者がのんびりと歩いていた。 最も、一人は黙ったままで他の三人が騒ぎの元凶なのだが。 「そうして私と清麿は最後の戦いに勝利したのだ!」 「メルメルメー!」 「おうまさん、さっきからどうしたの~」 「メル!」 「ウヌウ……どうしたのだ、ウマゴン。おなかがすいたのか?」 雪輝は三人のやりとりを侮蔑した目... -
最期に愛は勝つ
最期に愛は勝つ エレベーターのドアが重々しく開いた。 一歩踏み出し、複雑な装飾と意匠が施された 廊下を渡ろうとする。背後でドアが閉まる音がした。 黒色のスーツを着、 左腕を覆い隠すように上から 金色の王の外套を垂らしていた。 ――ザザッ。 手元の携帯がノイズを知らせる。 迷わず雪輝は後方を振り返らず前へと飛び出した。 甲高い、切断音。 金属と金属がぶつかった音。 技術を感じさせない膂力のみによって 為された行為だと雪輝の耳が教えた。 滑らかな表面の床に手をついた雪輝が ようやく背後を振り返ると音がした場所には誰もいない。 ただ、金色の何かがいたように思えた。 ――ザザッ。 今度は着いてきた変わり者の機械、プラを抱え上げ。 腕だけ後ろに回して、プラの大砲を撃った。 熱線が走る気配。 何度も経験してき... -
絆を結び/憎しみを放つ
絆を結び/憎しみを放つ◆W91cP0oKww 「見知らぬ天井だ……」 城戸真司が気絶から立ち直った際の第一声は如何にもテンプレな一言だった。 実際に彼の視界に入っていたのは本当に見知らぬ天井だったのだから仕方がない。 彼の最後の記憶では見知らぬ少年と対峙していた。 そこで互いに勝負を決めようと必殺技を繰りだそうと――。 「うーん、思い出せない」 最後の視界は燃える炎。そして草原。それがどうして家の中なのか。 絶え間なく疑問が浮かぶが真司は最終的に無視を決め込んだ。 考えてもわからないことは仕方がない。 「おう、やっと起きたか」 ふと視線を目の前にあったドアに向けるとそこには小柄な年寄りが立っていた。 その後ろにはドアの影に隠れた朧がこちらを伺っている。 「えーと、貴方は……」 「ああ、まだ自己紹介をしていなかったな。カント... -
白銀のツインブレイヴ ~what a shining fortune~
白銀のツインブレイヴ ~what a shining fortune~ 絢爛なる光。 色とりどりの爆発が弾け、消える。 「妾が“願い”。愛の成就。 愛の永遠。ワタルと永久に」 銀の線がミツルの腹部の皮膚を薄く斬り裂いた。 速い、強い、冗談ではない理不尽な存在。 お伽話という窓越しで見たのなら、 まるで魔王だと思っただろう。 「しかし、ワタルを死なせた世界を妾は赦さぬ。 《勇者》を、救済を我利の為に殺し。 のうのうと生きようとするなど! 虫酸が走るわ!」 「あいつが、そんなことを望むと思うのか?」 「貴様がそれを言うか! 貴様の妹とて、他者の死を得てまで復活を望むと!?」 距離をとって、地面に魔法陣を描く。 杖が導くは異界の女悪魔への扉。 「どう、だろうな。 僕にはもうわからない」 ミツルがひ... -
幕はインガノックにて降ろされる
幕はインガノックにて降ろされる 「ねぇ、何処に行くのよ」 最高のフィナーレの先へと足を踏み入れたお姫様は、ふらふらになりながらもゆっくりと立ち上がる。 希望なんてあるはずがない。あったとしても、それは既に奪われている。 柿崎めぐは心中で吐き捨てて、囚われのヒロインというレッテルを踏み潰す。 “願い”は復讐。惜しみのない諦観の銃弾を解き放つ、血塗れのアリス。 「聞いてるの? 貴方、耳はちゃんと聞こえてる?」 「聞こえている。そう、答えを急がせるな」 その視線の先には、永遠を奪った王子様。 お姫様から花嫁を奪った――――世界の敵。 沢山の人を殺して、傷つけた殺人者、桐山和雄。 「俺は行く。いや、行かなくちゃいけない」 「何処に?」 「世界の果てだ」 「不条理だらけの物語を、正しに?」 「正しいかどうか、そんなのはそれぞれだ。人の数だけ、正... -
OP案その3
OP案その3 ◆L62I.UGyuw 「レディース・アーン・ジェントルメーン!! ようこそ、楽しいゲームへ!」 音割れを起こした調子っ外れの大声が響き、同時に大画面の液晶モニターが点灯した。 モニターには野球帽を目深に被った小太りの男が映っている。見るからに意地の悪そうな人相だ。 暗闇に包まれた広いホールを、モニターの光だけが照らしていた。 ホールには大勢の影が見えるが、姿形を判別するには光が弱過ぎる。 それでも明らかに当惑していると判る影の群れに向かって、歓迎するよプレイヤー諸君、とモニターの男は言った。 僅かな間を置いて、誰だお前は何処だここはどういうことだといった声が方々から上がった。 「まあまあ、おれが誰かなんて、そんなことはどうでもいいじゃないか。 ここにいるキミたちは、ゲームのプレイヤーとして選ばれたんだよ。 そのことさえ呑み込んでく... -
少年よ、我にかえれ
少年よ、我にかえれ ◆1yqnHVqBO6 レオが生まれたところは厳しい風雪に毎日覆われ、 強力な機械たちが村を囲むように徘徊していた。 外にでることを少年だったレオは決して許されず。 蟻の巣のようなコミュニティがレオの世界だった。 しかしある日、村を防っていた老いた防人がついに倒れ。 村に機械が大挙して押し寄せ。 少年の前で彼の家族が殺されたとき。 少年の心は、少年の世界は壊れた。 壊れたものは痛みを訴える。 欠けたものを補うために。 壊れた心が発する衝動はレオの頭を蹂躙し、 痛みで狂いかけたレオは縋るように願い、防人となった。 空高く、陽はまだそこにあるというのに 流星がいくつもいくつも舞い落ちる。 赤い線は虹の軌道で地へと落ち、 しかし落ちきることなく霧散する。 人がそ... -
Holocaust(上)
Holocaust ◆W91cP0oKww 「クソッ、四分の一の確率がどうやら当たっちまったようだな」 「そのようだな、あの禍々しい闘気がこちらに向いた」 「ふむ、厄介なことになりそうじゃのう」 愚痴るカントリーマンと陽炎、これからについて考えるゼオン、未だに眠ったままの朧。 四者はチャンと対峙しやすい場所への移動、同盟の仲間づくりのため南下していた。 できれば、チャンが自分達がいる方向に向かわなければよかったのだが既に起こったことに愚痴を言っても仕方がない。 後はひたすらに戦場にふさわしい場所に移動して仲間を集めることに集中するだけだ。 「追いつかれたら絶望だ、ペースを速めるぞ」 「別にそのようなことをしなくてもいい。オレ達だけでも十分な戦力になる」 「確かにのう。戦闘の巧者が三人もいるのじゃ、勝てるのではないか?」 ゼオンと陽炎は直接チャン会... -
”0(チャラ)”ンポランな未来
”0(チャラ)”ンポランな未来 ◆1yqnHVqBO6 ――理想はいらない。決して信じない。 天野雪輝はそう思う。 傍らに歩くウマゴンを強く意識しながら。 陽が上り、時刻は既に朝を過ぎ。 A-6はもう禁止エリアになっている。 あの時、遊園地にいた仮面の男と雛苺が どうなったのかはわからない。 仮面の男は名前を知らないから死んでいたのかもしれないが 雛苺はまず生きているだろう。 移動を始めた時は 未来日記が再会を予知するかと思ったがそれもない。 あれだけ大きな火があがったのだ。 他の参加者が集まりかねない 遊園地からはもう離れたのかもしれない。 ウマゴンを見捨てて。 雪輝達がとった進路は途中で敵に足止めされても 安心して対応することができるB-7 を経由してB-6にある橋へと至るもの。 一直線に東を通らなかったのは地図... -
天国とは神のおわすことなり
天国とは神のおわすことなり ◆1yqnHVqBO6 レオは頭を掻き毟る。 爪が頭皮を突き破ることも気にせずに。 頭から流れる血が隈がなくなった目元を 新たに黒く塗りなおしていくこともかまわずに。 レオはただ刺激を求めた。 唐突に喪われた”願い”を求め、再び胸に宿そうと 彼はひたすらにもがく。 思い出せ。思い出せ。 自らを責めるように唱え続ける 彼の目にはくっきりと彼の家族が機械に虐殺された記憶が 繰り返し繰り返し流れている。 圧倒的な力を持った機械が大切に思っていた人々を殺している。 感情もなく、目的も見えず。 道端にいる虫けらを気づかずに踏むような無感情さで機械は殺していく。 その映像に欠けている色はない。 何度でもどこまでも レオは彼の心が壊れる切っ掛けとなった出来事を思い出すことができる。 なのに。 「... -
April Fool (四月馬鹿)
慣れない家屋。 尿意を催した朧はカントリーマンの案内で厠へと案内されていた。 厠にある便器は見慣れたものとはまったく違う形状をしていたが カントリーマンが丁寧に説明してくれたのが朧にはありがたかった。 尻にあたる便座かばぁというものが粗末な布地でもたしかな心地良さを味わわせてくれ、 人心地ついた朧はゆっくりと息をついた。 心身がようやく落ち着くと朧の心に想い人の姿が浮かぶ。 (弦之助様…………) 「ここがバトルロワイアルの世界かい」 もの思いに沈んでいた朧は誰もいないと思っていたはずの場から声が聞こえたことに ギョッとして身を強ばらせる。 カントリーマンも城戸真司の看病をしながらとはいえ周囲の警戒を怠ってはいないはず。 それを潜りぬけてここまで来たということはかなりの手練であろうことは間違いない。 忍びの素質にはとことん... -
小さな勇気の物語
小さな勇気の物語 ############# これは予知ではない。 オンバの剣がミツルの胸を貫いた。 雄叫びとともに、ミツルの腹部も斬り裂いた。 ばらばらに切断されて、魔狂姫の嘆きは終わらずに。 ミツルは死ぬ。 変えられない、運命。 呪われし勇者が力による啓示。 ############# 「貴様はワタルを侮辱した」 雷電帯びた白銀の剣が演舞を避け。 忌々しげに舌打ちしたオンバが低い声で罵った。 「ワタルこそが、真の救世主。 世界でただひとり存在を赦されるであろう者」 「…………違う」 対峙する勇者ミツルの姿が夜闇に溶けた。 消失の呪文。9th.雨流みねねを刺した時と同じ力。 ならばと、オンバもまたまるで同じ術を使い。 陽の光似合わない暗闇の肌が夜闇と一体化する。 「違う... -
決意の夜
決意の夜 「俺達は似ている」 ジクザグに飛行、交差、激突する両者。 魔術師が口を開いた。 「大人たちの身勝手な都合に望まぬ定めを強いられ。 せめてもと望みに向かって闘うことを選ぶ。選ばざるをえない」 魔術師、ミツルに繰り出される拳の連打。 速さを突き詰め。威力を極め。 砕く鉄の拳は受け止めることを赦さない。 止まらぬ男の拳。 ミツルは冷静に周囲に漂う想波を練り、風の塊をぶつけ。 速度が弱まった隙に距離を取るのではなく。 伸びきった腕ではどうしようもない側面へ回り。 二つの刃で胴を刈りとらんとキャンチョメへ襲いかかった。 「放り込まれた道でも、歩き方くらいは初めから自由でしょ?」 トライデントとレイピアは キャンチョメの大きく開かれた両足に弾かれ。 鋼鉄の頭部がミツル、仮面ライダーの額に叩きつけられた。 「詭... - @wiki全体から「ぬくもりのなかであたしを殺して」で調べる