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朝、バンドワゴンは第一のライブ会場がある愛知県は名古屋へと辿りついた。
メンバー達はというと…

「あ~!雛のうにゅ~がないのぉ!!一体誰が食べたのぉーーー!!」
「わっ私じゃないのだわ!っていうより、あなた!一体何処に苺大福なんて入れてきたの!?」
「うぅ~真紅じゃないって事は…水銀燈なの!!?」
「ち、違うわよぉ~。私が乳酸菌飲料以外の甘い物が嫌いなの知ってるでしょぉ?」

外の風景なんか全く気にせず騒いでいた。
ちなみに金糸雀は真っ先に目を覚ました雪華綺晶がこっそり雛苺の懐に入っている苺大福を取りだし、一口でほおばったのをしっかり目撃しているが、面白いのでいわないことにしている。雪華綺晶はそんなことお首にも出さない。

「うぅ~じゃぁ蒼星石…は絶対に違うから、翠星石なのぉ!!」
「なっ!蒼星石を飛ばしていきなり翠星石ですかぁチビ苺!!?す、翠星石じゃねぇですぅ」
「………もぉ…」
「へ?」
「もぉ誰でもいいのぉ!!雛のうにゅ~を返せなのぉぉぉぉぉオオ!!

イライラが頂点に達した雛がついに壊れた。その表情はライブで時々現れる悪魔の形相。
ファンは親しみを込めて彼女のことを「DEATH苺」と呼ぶ…

「ち…チビ苺、いいですかぁ?とりあえず落ち着けです…いやですね?本当に翠星石はうにゅ~を食べてねぇんですよ?だからそんな悪魔に憑かれた人みたいなイッちゃった表情で迫るなですぅぅぅぅぅ!!」
問答無用なのぉぉぉぉ!!!

揺れるワゴン、その揺れ方は尋常じゃない…後に真犯人である雪華綺晶が高級苺大福12パックを買う事になるのだが…それはまた別の話。
そんなこんなで翠星石に多大な恐怖を与えつつも、バンドワゴンは本日のライブ会場、CLUB QUATTROに着いた。

「さぁ、着いたかしら~。でもまだまだライブには時間があるから、しばらく自由行動かしら。みんな3時には戻ってくるかしら~」

ということで、メンバー達はそのまま自由行動になった。メンバー達はそれぞれ好きなところへ行くことになる。

真紅がやってきたのは名古屋市内にある紅茶専門店。またバンドの金を使い込まないだろうか?

「あら、いいアッサムね…これもらえるかしら?」

…心配である。しかし、まぁそこら辺は他のメンバーもよく知ってるようで…

「真紅ぅ?」
「えっ?す、水銀燈…」
「あなた、またバンドのお金で紅茶買う気でしょぉぉぉ」
「な、何を言ってるのかしらぁ?」
「金糸雀の真似してもごまかせないわよぉ!!ほら!あなたは私と行動しなさぁい!!」
「あぁ水銀燈、そんな殺生なぁ…ぁぁ、アッサムがぁぁぁぁ」

…本当に紅茶のこととくんくんの事ではすぐ暴走する真紅であった。

一方そのころ、雛苺は…

「うにゅ~、うにゅ~」

名古屋市内うにゅ~探索ツアーを個人的に行っているのだが…

「うny…あっ!あれは!」
「Monstrous!! My thoughts!! Revolting visions carnage!!!」

こんな時間からデスメタルの路上ライブをしている連中を見つける。曲はカンニバルコープスのグロテスク。DMCではないのでご注意下さい。
しかし、ハッキリ言って余り上手いとは言えない。特にボーカルのデス声には覇気が全くない。
そんな甘っちょろいメタルを決して許さないのが、我らが悪魔の歌姫雛苺。

「Fuck!!そんなんじゃヘドバンも出来ないの!!」

と言って、おもむろにボーカルのマイクを奪い取った。

「うお!?なんだこのちびっ子……って…ひ、雛苺さん!!?」
「ほ、本物の雛苺さん!?」
「マジだ…我らがDEATH苺だ!!」
「「うぉぉぉぉぉ!!」」

バンドのメンバー達が興奮し、声を荒げる。

「いい?デスヴォイスはこうやって出すのよ……う゛ぉぉぉお゛ぉぉ゛おお゛お゛お゛ぉおお゛お゛お゛!!

こうして路上で即席雛苺バンドが結成する。後に彼らは雛苺の別プロジェクトに参加、鮮血苺という名前でメジャーデビューすることになるのだが、それはまた別の話。

そのころ、翠星石&蒼星石姉妹は…

「蒼星石、どうですか?似合ってるですかぁ?」

洋服…ではなく、ドラムスティックを購入していた。

「うん、いいと思うよ」
「そうですかぁ?」

そう言って嬉しそうにくるくるとスティックを回す姉翠星石を見て、蒼星石は微笑む。
いやはや、さすがは仲良し双子だ。

「…あっ」

ふと、蒼星石の目が何かを見つける。

「?どうしたのですか、蒼星石」
「うん、たまにはこういうベースを買ってみようかなと…」

そう言う蒼星石の目に映っているのは…

「BCリッチのですかぁ?ツンツン尖ってて格好いいですけど、蒼星石のイメージじゃないですねぇ」
「…うん、そんな気がした」

結局ここではドラムスティックとベース弦を購入し、また二人で他の楽器屋へと向かった。

雪華綺晶はというと…

「おぉぉ!あの女すげぇ!!」
「まだ五分とたってねぇのに…」

ここはインドカレーのお店。激辛カレーとナンの早食い大会が行われていたのだが…常識はずれのブラックホースが現れた…いや、真っ白なその服からホワイトホースと言った方がいいのだが…

「ふぅ…おかわり、頂けますか?」

雪華綺晶である。その表情はまるで余裕。インド生活で身に付いた辛さへの耐性と生まれ持った食い意地によって次々にナンとカレーを平らげていく。
結果、彼女は大食い界でも「白い魔術師」と呼ばれるようになる…

そんなこんなで、そのころCLUB QUATTROではというと

「…もう3時を二十分まわってるかしら~…リハとかいろいろあるのに…あいつらはどこにいるかしらぁぁぁぁ!!?」
「…私はここにいるよ?」

怒る金糸雀の横に急に現れる薔薇水晶。

「わっ!びっくりしたかしらぁ…ばらしぃー今まで何処にいたかしら?」
「…ワゴンの中…ずっと寝てたから…」

…結局、メンバーが集まったのは4時ごろだった。
ライブ開始まで、あと二時間だ!





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最終更新:2008年04月13日 13:06