ローゼンメイデンを乗せたバンドワゴンは大阪へと辿りついた。今回のライブ会場は大阪BIG CATだ。
…で、例のごとくワゴンの中では…
「あぁ!また雛のうにゅ~がぁぁぁぁ!!」
…雪華綺晶、反省する気は無いのだろうか?
「いえ、今回は私じゃないですよ?」
おや、違ったようだ…
「うゆ?そうなの…じゃぁ…翠星石ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛? (デス声)」
「い!いやいやいや!チビ苺!!翠星石じゃねぇですよ!!?前回もそうだったけど、どうして翠星石はいつもこう損な役回りなんですかぁぁぁぁ!!?」
前回の名古屋に続き翠星石はDEATH苺の犠牲となった…合掌。
ちなみに例のごとく金糸雀は口をもごもごさせている薔薇水晶をミラー越しに確認しているのだが、面白いので黙っている。
そして、やはり例のごとく薔薇水晶は高級苺大福12パックを購入する羽目になるのだった。
ライブハウスにはやはり午前中のうちに到着し、メンバーの自由行動の時間となった。
「真紅ぅ…今回は紅茶を買いに行かないようにねぇ」
水銀燈は真紅に釘を刺しておく。
「しっ失礼なのだわ水銀燈!!…それに…ちょっと今回は用事があるから、大丈夫なのだわ…」
「?…そぅ…」
真紅の表情に違和感を感じ、水銀燈は首を傾げた。
…と、そんな水銀燈の袖を誰かが掴む。
「ん?どうしたのばらしぃー?」
「…銀ちゃん…一緒にアメリカ村…行こ?」
目をキラキラさせる薔薇水晶。水銀燈は凄く癒された気分になった。
「いいわよぉ~。あそこには私の御用達ブランドがいっぱいあるしぃ…行きましょ、ばらしぃー」
「…うん!」
水銀燈と薔薇水晶は仲良く手をつないでアメリカ村へと歩いていった。
「ばらしぃーちゃん…羨ましいですわ…」
「ほらほら、きらきーそんな寂しそうな顔しないのぉ~!そうだ!一緒に郊外にある心霊スポット巡りに行くの!!ね!きらきー?」
「雛苺ちゃん…えぇ、行きましょう!」
こっちはこっちで仲良く遊びに行った…遊びに行った先が問題有りだが…
「じゃぁ、僕達もどっか行こうか?」
「そうですねぇ…じゃぁ、きらきーじゃねぇですけど、くいだおれでも行って大阪名物を食べまくるですぅ!!さぁ、行くですよぉ蒼星石!!」
「あっ!ちょっと待ってよぉ!!…やれやれ…」
駆け出す翠星石を苦笑いしながら追いかける蒼星石。まったく、仲良しな双子だ。
「…じゃぁ、私も行くのだわ…」
「…真紅…ひょっとして今から行くのは…これかしらぁ?」
金糸雀が取りだしたのはライブハウスMUSEのパンフレットだった。
「…気づいていたのね…金糸雀…」
「メンバーのことを把握するのも…マネージャーの仕事かしらぁー…入り時間は金糸雀が楽しくズルして何とかしておくから…行ってくるかしら!」
「…恩に着るのだわ。金糸雀」
微笑みを残して真紅は走っていった。
「…ふぅ、さってと!これから大変かしら!」
金糸雀は真紅に見せたパンフレットを見た。
「しかし…話に聞いてた雰囲気と全然違うかしらぁ」
パンフレットには安全ピンだらけの革ジャンを着込み、口と耳に痛々しいほどピアスをつけたパンクスタイルのロックバンドの姿が載っていた。
最近名前が売れ出したインディーズのロックバンドだ。悶々とした少年期の憂鬱やネガティブな妄想を描いた詩を、まるで狂気に取り付かれたように歌うボーカルのカリスマ性が多くの若者にうけている。
「…真紅、ちゃんと会えるのかしらぁ?」
金糸雀は不安げな声を漏らし、ライブハウスへと入っていった。
最終更新:2008年05月28日 00:46