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3本目のタバコを吸いだした僕はマガジンラックから週刊誌を手にし、特集を組まれているローゼンメイデンの記事に目を通す。

えっ、新しいメンバーって雛苺のことだったのかよ、あれから5年だもんなぁ~、雛苺ももう18歳かよ、初めて会ったときは子供だったのに……
真紅も翠星石も蒼星石も、みんな頑張ってるよな~懐かしいな……

アイスコーヒーの中で氷がカランッと涼しげな音を立てた。
僕はタバコを消すと週刊誌を元の位置に戻す。
そして喫茶店の窓を洗う初夏の雨に目を向けてあの頃を少しだけ思い出す。
彼女達と分かち合った日々は決して長いとは言えない、でも今も僕の胸の中、心の中では色褪せない思い出として、こんな雨の日はいつでも甦ってくる。
だから僕は雨の日が好きだ。雨の音を聞きながら目を閉じると彼女達の笑顔と冗談交じりの会話が甦ってくるからだ。

「みんな元気そうだし、僕も就職活動ガンバルかッ」

テーブルを後にした僕はレジで料金を払おうとポケットからサイフを出す。

「あッ」

しまった、小銭をおとしてしまったよ、かっこ悪いなぁ~
散らばったお金を拾い集めながら僕はレジの娘にテレ笑いを向ける。
その時、喫茶店のドアが開いたようで、ベルの音がした。
レジの娘は僕のテレ笑いからドアのほうに顔を向けた。

「いらっしゃいま……せ…ウッソ~……」

そう言ってレジの娘は黙ってしまう。
なんだろ?僕もドアのほうを見上げようとした時、ふいに細い腕が伸びてきて床に散らばった僕のお金をひらってくれた。

「へっ……、あっ、どうもスミマセン」

そんな僕の声にニコッと笑ってこんな言葉が返ってきた。

「相変わらずドジね……ジュン、ふふっ」
「相変わらずですぅ~」

外は雨、降りしきる雨、街を洗っていく雨、僕は雨がすきだ。
だっていつも雨はステキな思い出を作ってくれる。
そして、同じように、また始まりの予感も連れてきてくれるから。
だから僕は雨が大好きだ………。


~Singin’ In The Rain~ 完




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最終更新:2007年01月25日 23:51