紅「とりあえず、レコーディングを再開するのだわ!」
真紅の一言で我に返るメンバー達。
銀「……そうねぇ、私も大人気なさすぎたわぁ……」
金「カナも心を広く持つかしら……」
なにやら疲れている二人。いや、原因は判っているのだが……。
雛「録音再開なの~」
翠「元はといえばお前がヘンなことを言わなければ、です!!」
薔「……黒すぎるwwww」
蒼「いや、そこ笑うとこじゃないwww」
ツボのずれた二人が腹を抱えている。
もっとも、薔薇水晶はうつむいて笑うのを堪えている(つもりらしい)。
金「え~っと、手っ取り早く録音しちゃうかしら~」
全員所定の位置についたところで金糸雀がマシンのスイッチを入れる。
翠「はいですぅ、いくですよ!!」
翠星石がドラムを叩く。
蒼星石のベースが唸る。
水銀燈のギターと薔薇水晶の如雨露がうまく絡まる。
そこに真紅のボーカルと雛苺のコーラスが加わる。
曲はスムーズに出来上がった。
その後、翠星石と蒼星石だけが残り、台詞を入れる事となった。
二人が台詞パートを録音している間、
他のメンバー(金糸雀除く)は控え室にいた。
銀「あぁ、録音後のヤクルトは最高よぉ♪」
紅「録音後の紅茶も最高なのだわ」
この二人はどこに行っても飲む物が変わらない。
薔「……雛苺……苺大福……食べる?」
雛「え!?うにゅー!?」
雛苺の目つきが変わる。
薔薇水晶はそっと雛苺の前に一箱の苺大福をおいた。
銀「そんなにどうしたのぉ?」
薔「……外の……コンビニで……」
紅「あら?薔薇水晶、あなた手の中に……」
薔「これはシュウマイ」
薔薇水晶の手の中には、やはり一箱のシュウマイ。
薔「苺大福と……シュウマイを……セットで買うと……ついてくる」
そういって薔薇水晶が手のひらから見せたものは。
紅「くんくんのキーホルダーなのだわ!!」
銀&雛「そんな馬鹿な(ぁ なの)」
ヤクルトをちびちび飲む水銀燈と苺大福をがつがつと食べる雛苺。
紅「薔薇水晶、今すぐそれを渡すのだわ!!」
薔「……いいよ……真紅がもう一つを……当ててきたら……交換」
そういうと薔薇水晶は袋の中からチラシを見せる。
そこにはこう書かれていた。
『今月の目玉企画!!
シュウマイと苺大福をセットで買った人に
なんとレアなキャラクターキーホルダーがついてくる!!
今月のキャラクターはくんくんとアッガイだ!』
銀&雛&紅「それこそそんな馬鹿な(ぁ なの なのだわ)」
真紅はコンビニへ駆け込んだ。
紅「シュウマイと苺大福……セットでください」
店員「申し訳有りません、キャンペーンの賞品が先程切れまして……」
その瞬間、真紅は凍りついた。
紅「次はいつ入荷するのだわ!?」
店員「ひっ!? あれは在庫がなくなり次第終了とさせていただく……」
店員は真紅の後ろに見える怒りのオーラにおびえるしかなかった。
店員「すいませんすいませんすいませんすいま(ry」
そのとき、外から小学生の男の子の声が聞こえた。
小A「げぇ~!アッガイかよ~、くんくんがよかったのによ~」
小B「お前くんくん目当てでセット買ったんだろ?ついてねーなー」
小A「ホントだよ……、いらないし捨てよ……」
その瞬間、その小学生の手を真紅がつかんだ。
紅「あなたたち、そんなことしたらキーホルダーが可哀想なのだわ」
小A「あ~、ローゼンメイデンのおねーちゃんだ!」
小B「サイン頂戴~」
紅「あら、いいわよ?」
条件反射で小学生が出してきた色紙にサインする真紅。
今時の小学生は色紙を持ち歩いているのだろうか……。
紅「で、そのキーホルダー渡してくれないかしら」
小A「そうだな~、ローゼンメイデン全員のサインと交換でいいよ」
小B「お姉ちゃんがほしがってるんだから、ギブ&テイクだね」
紅「あら、今捨てようとしていたのは誰なのだわ?」
小A「アッガイは嫌いだけどサインがもらえるなら良いと思うんだよね」
ハタから見たらサインをせがむ小学生。
しかしこの時点で彼らは重大な過ちを犯してしまった。
薔「……君達……」
そう、後ろに立っている薔薇水晶に気づかなかったこと。
小A「あ、キーボードのおねーちゃんだ!」
小B「サイン頂戴~」
薔「君達……」
そしてもう一つの過ちはずばり、
薔「私の前で……アッガイを悪く言って……生きて帰れると……?」
薔薇水晶の前でアッガイを否定したことだ。
薔薇水晶は手に水晶の剣を、後ろに杖をもったラプラスを従えていた。
小学生はなす術もなく(それでも怪我しない程度に)痛めつけられた。
ラ「やれやれ、トリビュアル」
薔「……敗因はただ一つ……てめーは俺を怒らせた……」
きめポーズをとりながら、律儀に色紙にサインをする薔薇水晶。
薔「はい……サイン……頼まれたら書くのが……薔薇乙女クオリティー」
そんなクオリティーいつ決まったんだ……?
紅「そのキーホルダー、もらえるかな?」
小A「どうぞ……」
全く外傷はなく、しかし痛みがある攻撃を受けた小学生は正しい選択をした。
紅「薔薇水晶、交換なのだわ」
薔「うん……はい……」
こうして両者はそれぞれ自分の手に入れたいものを手に入れたのだった。
*
翠「オメーら、またせたですぅ!!」
蒼「やっと終わったよ」
スタジオから翠星石と蒼星石、ついでに金糸雀が出てくる。
金「ついでって、なんでかしら!!!」
蒼「? 誰に喋ってるの?」
金「な……なんでないかしら……それより真紅聞いてほしいかしら~」
紅「どうしたのだわ?金糸雀」
金「翠星石がなかなかレコーディングを終わらせてくれなかったかしら~」
翠「いきなり何をいいだすんですか、このバカリア!!」
金「バカリアじゃないかしら!!蒼星石の録音邪魔したくせに!!」
銀「どういうことぉ?」
蒼「あぁ、それがね、僕の台詞を録音してるときに翠星石が乱入してきて……」
翠「あれは……翠星石だって蒼星石とデュエットしたいですぅ……」
蒼「そんなどこぞのカップルじゃあるまいし……」
紅「あら、貴方達はお似合いのカップルだと思うのだわ」
薔「……結ばれる……運命……」
蒼「そんな、薔薇水晶まで……」
ちょっと引き気味な蒼星石。
銀「でもぉ、それくらいじゃココまで時間掛からないわよねぇ」
金「それも翠星石が無駄に何テイクも取り直さなければ……」
翠「それを言えば蒼星石だって!!」
金「蒼星石は10テイクかしら、あなたは25テイクもかかったかしら……」
蒼「え、そんなに録ってたの!?」
どうやら一緒に居た蒼星石まで気づかなかったようだ。
翠「まぁ、レコーディングが終わったわけですし、どこか喰いに行くです」
金「調子にのりまくりかしら~」
雛「そもそもこんな時間までかかったのは翠星石のせいなの!!」
翠「何か言ったですか?このオバカ苺!!」
雛苺の頬を引っ張る翠星石。
雛「いはいほ~(いたいの~)」
全力で抵抗するも無駄無駄ァ!な雛苺。
銀「…(話題を変えなきゃぁ)…でぇ、アナタは何が食べたいのぉ?」
雛苺を哀れんで助け舟を出す水銀燈。
雛苺の頬を離して振り向く翠星石。
翠「ずばり焼肉です!」
蒼「えぇ~、この間も焼肉だったじゃないか」
雛「その前も焼肉なの~」
そう、翠星石にこの質問をすると必ず焼肉と返ってくる。
金「翠星石は焼肉以外思いつかないのかしら?」
翠「うるせーです!疲れた体にはタンパク質が必要なのです!!」
紅「そんなこと言いながらあなたはいつもビールを飲むのだわ」
お酒は二十歳になってからでお願いします。
銀「そんなこと言ってもぉ……、薔薇スィーも何か言ってあげて?」
金「そうかしら、薔薇しーはなにがたべたいかしら?」
全員の顔が薔薇水晶に向けられる。
その中、薔薇水晶は淡々とこう答えた。
薔「……ジンギスカン……」
全員「大差ねーwwwwww」
最終更新:2007年04月04日 01:41