ラプラスの活躍により水攻めを逃れた薔薇乙女御一行。
紅「とりあえず録音を再開するのだわ!!」
翠「とりあえずスイドリームは外で待ってるです!」
紅「……翠星石……スイドリームなんだけど……」
翠「はいです?」
紅「ちょっと良いかしら?スイドリーム」
真紅はスイドリームを呼び出す。翠星石の懐から飛び出る精霊。
そのとたん、真紅はスイドリームを摑んだ。
翠「!!何をするですか!!」
紅「なにもしないのだわ……、ただちょっと……」
真紅は右手でスイドリームを、左手にアルミ缶を持っている。
紅「ここにはいってるのだわ!!」
叫ぶと同時にスイドリームを缶に入れ、すばやく蓋を閉める。
中でもがく(缶の外壁にぶつかり続ける)スイドリーム。
銀「ちょっとぉ、やりすぎよぉ!?」
雛「かわいそうなの~」
蒼「いくらなんでもそれは……」
薔「……なにをするだぁ」
紅「私達のレコーディングを邪魔したのはあの子よ」
他のメンバーに非難されながらも自分が正しいと言う真紅。
そんな中、かなり青ざめた顔の翠星石がいた。
翠「……今すぐやめるです……早く!!」
紅「……何?そんな切羽詰まった顔をして……」
翠「早くです!!」
そのとき、今まで真紅が持っている缶から聞こえていた抵抗の音がやんだ。
全員「!!!!!!!!!!!!!」
次の瞬間、缶の蓋が吹き飛び、中から水柱が上がった。
いや、水柱なんて甘いものじゃない。大量の水が上向きに進んでいく。
それはさながら昇り竜のようだった。
翠「いわんこっちゃないです!!」
翠星石が叫ぶ。
銀「何よこれぇ……」
雛「水が上に進んでいくの~!」
蒼「スイドリームが暴走?そんなことって……」
金「……これは予想外かしら……」
紅「あなたはいつも予想外でしょう!!」
薔「真紅……いつまで……持っているの?」
口々に驚きの声を上げる、真紅は未だに缶を持ったままだ。
普通はびっくりして取り落とすところを持ったままとは……。
真紅が鈍感なのかそれとも肝っ玉がでかいのか……。
とりあえず真紅は缶をそっと地面に置いた。
そんな中、血色が余計に悪くなった翠星石が真紅の胸倉をつかむ。
翠「スイドリームは、あいつは極度の閉所恐怖症なんです!!」
全員「……ハァ?( ゚д゚)」
蒼「ちょっと落ち着いて……人工精霊が閉所恐怖症?」
紅「馬鹿も休み休み言うのだわ」
翠「それでもスイドリームは閉所を極端に嫌うです!!」
雛「閉所恐怖症ってなになの?」
金「暗いところを怖がることかしら」
銀「そりゃ暗所恐怖症よぉ。でも精霊に恐怖症なんてぇ……」
翠「スイドリームにはちょっと事情があるのですぅ」
薔「……その話より……まずはこれを……止めて……」
薔薇水晶が指差すところには、今だ水を吐き続け、天井を濡らす缶。
いや、正確には、まるで重力が逆に働いているかのように天井に水がたまっていく。
もはや天井は水で埋め尽くされていた。
一体いつまで水が出るのだろうか?
翠「もうやめるです!スイドリーム」
主人の声にも反応しないスイドリーム。
蒼「……こうなったら……レンピカ!!」
懐から人工精霊を出して缶へ向かわせる蒼星石。
翠星石と蒼星石が双子のように、スイドリームとレンピカもやはり双子(?)の精霊なのだ。
レンピカならスイドリームを説得できるかもしれない。
缶に近づくレンピカ。
缶をノックする。中からは無反応。
缶の周りをとび、交信を図る。
突如飛びのくレンピカ。
蒼「!? どうしたの?レンピカ。……なるほど」
レンピカからの説明を受け、納得の表情で答える蒼星石。
紅「どうなのだわ?」
蒼「どうも負の感情が強すぎて取り合えないらしい」
金「なら心を繋いで直接処置を……」
蒼「それをしようとしたら、負の感情にレンピカが呑まれそうになったらしい」
レンピカになす術が無くなったのだ。
薔「……なら……とりあえず水を止めよう……」
薔薇水晶は手を振り上げる。無数の水晶が缶めがけて飛ぶ。
その水晶は缶すれすれをとび、その装甲だけを破壊する。
くだけちる缶。
銀「……そうねぇ、それが有効ねぇ」
スイドリームは「容器に水を満たす」能力を持っている。
つまり容器を破壊すれば能力は使えない。水は止まった。
金「でも一つだけ難点があるかしら」
薔「……何?」
金「能力が止まったら上にたまっている水は落ちてくるかしらぁぁぁ」
全員「!!……しまったぁぁぁぁ!!!!」
頭上に水が迫る。
瞬間、その水が頭上すれすれで消えていく。
それはローゼンメイデンの側から見たら理不尽な奇跡に見えただろう。
しかし反対側から見れば一目瞭然。
天井と同じだけの面積の穴が時空に開いていたのだ。
ラ「やれやれ……同じことを二度もさせないで頂きたい」
水が総て消えた時、兎の穴を閉じてラプラスが現れた。
手には蝙蝠傘を持っている。
やはり貴様か、ラプラス。
薔「……ラプラス……グッジョブ!」
ラ「お褒めいただき光栄です、お嬢様」
親指を立てる薔薇水晶と深くお辞儀をするラプラス。
翠「もうすこしで濡れるところだったですぅ」
紅「アナタの人工精霊のせいだわ!」
銀「今回はあなたも悪いわよぉ、真紅ぅ」
金「残虐非道だったかしら」
その瞬間、真紅の頭からプツンという音が聞こえた。
紅「(ギロリ)……なんですって!?」
金「……なんでもないかしら~(冷汗)」
銀「……なによぉ……」
二人の台詞ももはや聞こえていない真紅。
大きく振りかぶり、腰のひねりを最大限に利用した一撃を放つ。
紅「絆ックル!」
ドゴッ、という音とともに真紅の一撃が水銀燈と金糸雀を襲う。
蒼「……理不尽だ……」
金「でも困ったかしら、台詞を言うとスイドリームが動くかしら」
尚もレコーディングを続けようとする金糸雀。
銀「簡単な話じゃなぁい、台詞だけ後でとれば良いじゃなぁい」
金「その手があったかしら~!!」
銀「しっかりしなさいよぅ」
雛「金さん銀さんの漫才なの~☆」
その場の空気が凍る。
可愛く言っても言ってはいけない言葉がこの世にはあるもので……。
銀&金「……なにか言った(ぁ かしら~)?」
手にそれぞれ剣とヴァイオリン(弓は薔薇水晶に貸出中故に無い)を構える両名。
雛「なんでもないの~☆」
動じることなく、しかも笑いながらサラリと応対する雛苺。
金&銀「うが~!!!!」
一斉に襲い掛かる水銀燈と金糸雀。
それを紙一重で避け続ける雛苺。
金「弓が無くたって……『戦人のアルペジオ』!!」
バイオリンの弦を指で弾きカマイタチを起こして攻撃する。
それを避ける雛苺。さりげなく軽いフットワークだ。
銀「奥義!紅蓮の薔薇地獄ぅぅぅ!!!」
歌で聞いたことがある技名だが気にしない。
剣が凄まじい速度で斬りつける。それを避ける雛苺。
剣があたったカベには見事に薔薇の模様が描かれていた。
薔「……シブいねぇ……オタクまったくシブいねぇ……」
紅「シブいというか……黒いのだわ……」
蒼「……次のスレタイ決定かな」
蒼星石の手にはいつの間にかノートパソコンが握られていた。
いや、蒼星石は一体どんなスレを立てるつもりだ?
最終更新:2007年04月02日 01:48