金「それより皆聞いてほしいかしら!」
全員「?」
席に立ち上がった金糸雀に他のメンバーは怪訝な表情をする。
金「昨日あれから徹夜でミキシングしたかしら!」
蒼「え、昨日寝てないの?」
雛「昨日たしかにいっしょに寝てたはずなの~」
金「どんな時でもこれは持ち歩いているかしら~」
そういって金糸雀が取り出したのは小さめのノートパソコン。
蒼「なるほどね、あらかじめパソコンにデータを移しておいたのか」
紅「あなたにしては中々の手際なのだわ」
金「中々とは酷いかしら!!」
金糸雀は拳を握り締める。
ノートパソコンがみしみしと音を立てる。
銀「ちょっとぉ、握り締めたら壊れるわよぉ?」
金「あ、いけないかしら」
どうやら握り締めたのは無意識らしい。
蒼「で、どんな感じになったんだい?」
翠「翠星石のドラムはちゃんと目立ってるですか?」
紅「あなたはこれ以上目立たないで頂戴」
翠「しくしく……」
銀「でぇ、どんな感じになったのぉ?」
金「ずばり、こんな感じかしらぁぁぁ!!!」
絶叫しながらスペースボタンを押す金糸雀。
パソコンからひび割れた音が流れてくる。
金「はう!?このパソコンのスピーカー壊れてたかしら~」
全員「うわ、バカだ」
銀「ちょっと待っててぇ、スピーカーをとって来るわぁ」
蒼「ちなみに……キミはどうやって編集した音をきいたんだい?」「
金「周りへの迷惑を考慮して、ヘッドホンを使ったかしら」
薔「ヘッドホンの……大きさが……あってなかった……」
金「そうそう……ってなんで知ってるかしら?」
薔「横で……パソコン使われて……起きないわけが無い……」
雛(でも雛は寝てたなの……)
そうこうしてるうちに水銀燈がスピーカーを持ってきた。
パソコンに接続する。
スピーカーからクリーンな音が聞こえてくる。
いつもより若干軽めなドラム。
爽やかでいて力強いベース。
絡み合うギターと如雨露。
その上にのっていっそう引き立つ声。
翠「バカナリアにしては中々のできですぅ」
金「当然かしらぁぁぁ!」
紅「バカナリアの下りは否定しないの?」
金「はう!!つっこみ忘れたかしら!!!」
そして曲は翠星石の台詞に差し掛かる。
『私の如雨露を満たしておくれ(トプトプ)甘い如雨露で満たしておくれ(サラサラ)』
銀「ここで水の流れる音を重ねるなんてぇ、いいセンスしてるじゃなぁい」
金「そ、それはもちろんかしら~」
薔「でも……それは偶発事項」
金「はうわ!!如雨露に水がたまる音がたまたま入っただけとかいっちゃだめかしら」
全員「自爆したよ、こいつwwwwww」
銀「まぁ、とりあえず、次のアルバムに入れましょぉ?」
紅「異議なし!だわ」
雛「異議なしなの~」
薔「……グレート……」
蒼「いいね、賛成だよ」
翠「もうすこしリスペクト・ミーですぅ」
蒼「その必要はないと思うな」
翠「そんな、蒼星石ぃ~」
双子の妹に否定されて落ち込む翠星石。
蒼「そんなこと言ったって、これ以上目立ちようがないお」
銀「蒼星石あなたぁ、何か喋り方が変よぉ?」
そんな7人の後ろに怪しい影。
ラ「どうなったのか聞かせていただけないでしょうか?」
どこからかラプラスがあらわれる。
薔「ラプラス……そうまでして……出番ほしい?」
ラ「兎は寂しいと死んでしまうのですよ」
全員「いや、おまえは死なんwwwwww」
ラ「それで、結局こうなったのですね」
金「そうかしら、ラプラスさんの意見を聞きたいかしら」
全員が固唾を呑んで見守る中、ラプラスはこう答えた。
ラ「私も出番がほしいのですが……」
銀「それはJUM-PROJECTに頼みなさぁい」
ごもっともな発言をする水銀燈。
ラ「でも最近旦那様のバンドは休業だし……」
金「かといってローゼンメイデンにも入れないかしら」
実はラプラス、槐のバンドに所属している。
その槐バンドはリードギターのローゼンが失踪したため休業中。
ラ「……お嬢様と競演したい……」
薔「うん、それ無理☆」
ラ「……シクシク……」
薔薇水晶、アーミーナイフを懐にしまいなさい。
かくして、雛苺の悪戯が生んだ音色は、ローゼンのニューアルバムを飾る曲を生んだのだった。
そのアルバムがオリコン上位に浮上するが、それはまた、別の話。
薔「森本レオ風……終わり方……うはwwwwww」
~追伸~
蒼「水銀燈、部屋に居る?」
蒼星石が水銀燈の部屋に入る。
薔「ようこそ」
蒼「……あれ、水銀燈は?」
薔「いない……」
蒼「そう……でも薔薇水晶はなんでここに……」
薔「言ったでしょ、銀ちゃんの部屋で……食べるって」
蒼「……あぁ、ちょっと待ってて、残りを持ってくる」
薔「……必要ない」
蒼「へ?」
薔「……ノンケでも……容赦しない……」
蒼「……あの……薔薇水晶さん?」
薔「や ら な い か ?」
蒼「アッー!!」
蒼星石の悲鳴がこだまする。
(了)
最終更新:2007年04月14日 03:40