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Body Language - (2010/06/19 (土) 04:13:59) の1つ前との変更点

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**Body Language ◆FRuIDX92ew 「……114……115……116……117……118」 星が微かに見えるかどうかわからないこの夜の闇の下。 「……119……120……121……122……123」 360°いつ何時どの方角からどのような攻撃が来るかすらわからないこの場所で。 「……124……125……126……127……128!!」 ただ、黙々と。 ただ、ひたすらに。 ただ、恐るべき集中力で。 「よし、次は……と、ん?」 男はそれに夢中だった。 もう一人の男はそれに夢中だった男に釘付けだった。 決していやらしい意味ではなく、ただ純粋に。 驚き、感動し、呆れ果て、妬いて、引き寄せられていた。 「なんだ、居るなら居るって言ってくれよ」 何度でも何度でも、理解できるまで、声が枯れるまで真実を言い続けよう。 このバンダナの青年、高原日勝は。 人々が殺し合う絶望的な状況に置かれながら。 いつどこから襲われるともわからない状況で。 星さえ見えるかどうか怪しいこの夜の闇の中。 腕立て伏せ、一般的に筋力トレーニングと呼ばれるそれに没頭していたのだ。 いつ何時でも筋力トレーニングを欠かさない、格闘家の鏡のような精神は誉められるべきなのかもしれない。 こんな状況でなければ、である。 いや、こんな状況で出来るからこそ夢を追い続けられるのかもしれない。 同時に彼は幸運まで持っていた。 最初に高原の筋力トレーニングを見ていた人物。 もし彼が凄腕のスナイパーなら高原は隙だらけもいいところだ。 もし彼が魔術の類を使うなら遠くから気づかぬうちに魔法の餌食になっていただろう。 もし彼が隠密活動を生業とするなら、首をカッ斬られて死んでいただろう。 彼はどれでもなかった、むしろこの場所で高原が追い求める数少ない人物なのでは無いだろうか? 「オレは高原日勝、現代最強の格闘家を目指してる。  アンタは一体? 見たところ格闘家のようだが……」 高原が口を開く。 高原を見ていた彼は先ほどまでの映像を飲み込むのに時間がかかっているらしい。 そんな彼も高原の声にやっと反応し、我を取り戻しゆっくりとその口を開き始めた。 「……ああ、マッシュ。マッシュ・レネ・フィガロだ。  お察しの通りのダンカン流格闘術継承者のモンクだ」 マッシュが名乗り終えると、高原は嬉しそうに立ち上がり戦いの姿勢を取ったのだ。 マッシュもとっさに構えに入ったが、向こうから襲って来る気配はない。 「……殺し合いに乗ってるのか」 両者の間合いは攻め込めないギリギリを保ったまま。 マッシュは落ち着いて問う。 高原はそれに構えながら苦笑いで答えた。 「まさか、そんな己の力を誇示するだけなら格闘家とは呼べない。  他人の命を奪ってヘラヘラ笑うやつは大バカ野郎だ……ただ」 高原は息を呑む。そして再び嬉しそうに笑顔を作った。 「俺が目指すのは最強、なら見たこともない強者とは手合わせしてみたいもんさ。  ……手合わせ、願えるかな?」 一点の曇りすら許さないその瞳に嘘はない。 ひとりの格闘家としてマッシュに挑みたかったのだ。 自然とマッシュからも笑みがこぼれる。 「ああ、いいぜ」 そしてマッシュの手首から先が手招くように二度曲がった。 「かかってきな」 たったそれだけの合図で練習試合の火蓋が落ちた。 先に駆けたのは高原である。 超人的な加速から生み出す右の正拳突き。 烈風をも生み出しかねないその拳が素早く、確実にマッシュの鳩尾を狙う。 しかしマッシュも落ち着いて拳を受け流す、が高原の攻撃は途切れない。 拳が左に受け流されたのをみて体を大きく左にひねり、胴のバネを使いこめかみを刈り取るかのごとく右足がマッシュに襲いかかる。 予想だにしない連撃に多少反応の遅れるマッシュ。 直撃は逃れたものの防御に回った左手にわずかにダメージを受ける。 瞬時に飛びのき体勢を立て直そうとするマッシュ、しかしその瞬間に生じる隙を見逃さない高原。 初撃のようなスピードをまといながら高速回転し、打点を一点に絞りマッシュへと向かう。 「攻撃は最大の防御なり」そんなことを言ったのは誰だっただろうか。 マッシュも防御に回ることをやめた。目には目を、歯に歯はを、攻撃には攻撃を。 猛スピードで飛び掛ってくる高原に真っ向勝負を挑む。 1秒1秒が妙にスローに感じる中、技の一挙動一挙動をしっかりと組み立てていく。 そして高原がマッシュに肉薄した瞬間、マッシュの目が見開かれ高原へと向かっていった。 「爆! 裂! 拳!」 竜の如き鋭い一撃に向かう為には、虎の目を見張る連撃。 脇腹の辺りに重い一撃を感じながらも、マッシュはその連撃をやめない。 そして最後の一発を打ち込むのと、高原の膝が振りぬかれるのはほぼ同時。 両者が吹き飛ぶのもほぼ同時、起き上がるのもほぼ同時。 「……なるほど、技の構えの腕や足の角度を45°ズラすコトによってスムーズにかつ正確に技を出すことができる……か」 そういいながら自らの技を素振る高原、動きのキレ正確さが先ほどよりも増している。 そして、驚くべきことに高原はマッシュが行った爆裂拳の動作を、マッシュの目の前でほぼ完璧に再現して見せたのだ。 受けた技を体で覚えることができる、高原の一種の才能とも呼べる能力だ。 本人が不器用なのかどうなのか格闘技にしか限らないが、無限の可能性を秘めた能力であることは確かだ。 自分がある程度長い期間かけて身につけた技能を一瞬にして模倣されたのだ、マッシュが驚くのも無理はない。 「さぁ、決着つけようぜ!」 再び駆け出したのは高原だった。 呆気にとられていたマッシュも高原が飛び出したのを確認し、再び技の構えに入る。 今度は距離が詰まるのにさほど時間はかからなかった。ぶつかり合う同じ技、同じ腕、同じ呼吸。 そして最後の一撃と同時に今度は二人とも違う動きに入る。 高原は体を大きくひねらせ、マッシュは自分の腹部で構えを作っている。 そして、技と技がもう一度ぶつかり――――!! 「オーラッ……キャノン!!」 「M・ボンバァァーーッ!!」 音速をも超えかねない高原の体のばねを利用したラリアットと、マッシュの闘気の塊がぶつかり。 それは科学や物理じゃ説明できない現象を起こして。 弾けた。 両者とも大きく吹き飛ばされ、離れた場所で大の字に寝そべっている。 しかし……彼らは。 「ふふふ、ははは……はははははっ!! あーっはっはっは! いやー楽しかった!」 「ホント、久しぶりに暴れたぜまったく……ははは、いい技持ってるなぁ!!」 彼らは、寝そべったまま。大きな声で笑い続けた。 拳でしか語り合えないことがある。 拳でしか分からないこともある。 拳でしか出来ないこともある。 二人が分かり合うのに、言葉はいらなかった。 一通り笑い終わった後、彼らは改めて自己紹介をすることにした。 高原のデイバックに入っていた鯛焼きを二人とも頬張りながら談笑する。 「俺の世界にはいろいろな格闘家がいて――――」 二人とも、違う世界に生まれ育った。そんなことはたいした問題ではない。 「俺の仲間にロックっていうコソドロ……じゃなくてトレジャーハンターが――――」 拳で語り合った二人の間に、もはや壁はない。 「そう、このレイ・クウゴってのが俺の仲間で――――」 次元すら超えられる、どんな物にも変え難い深いものを。 「俺の仲間は……ティナと――」 二人は、得た。 「ああ、日勝、ほかには何か入ってたのか? 俺は……必要のないものばかりだな」 マッシュのデイバッグから出てきたのはなんだか良くわからない物と長い筒に取っ手がついたようなもの。 後者を手に持ちマッシュは「兄貴なら何とかできるかもな」と苦笑しながら言った。 日勝がデイバッグを漁って見ると、真っ先に出てきたのは数枚のカード。 どのカードにも死神が描かれており、あまり良い気分はしない。 「あとは……ん?」 疑問を感じながら取り出したのは一枚のコイン。 高原は俺もハズレだなと苦笑いしたが、マッシュの表情は変わっていた。 「……それ、俺のなんだ。貰っても良いか?」 やけに真剣な表情のマッシュを見て、あまり深く考えずに日勝はコインを渡した。 そしてマッシュは少しの間コインを見つめ、ポケットにコインを入れた。 その時に見せた表情を日勝は忘れることはないだろう。 「さて、日勝。 問題は……もちろんコレだ」 マッシュが首を指差す。そこには憎たらしいほど輝いている忌まわしい首輪があった。 すでに二人の人間の命はこの首輪によって失われている。 あの魔王に立ち向かうにしてもこの首輪を何とかしなければならない。 「こういうもんは大体ウチの兄貴が詳しいんだよ、というわけで俺は兄貴を探そうと思う……オマエはどうする?」 ドコともいえない場所を指差しながら、首をちょいちょいと動かして日勝を誘うマッシュ。 日勝はまったく考える素振りも見せずに清々しい位さわやかな顔で返答した。 「ああ、もちろん一緒に行かせてくれ。俺も探したい仲間がいる。それに……」 一瞬だけ言葉を詰まらせ、高原は先ほどのマッシュの技の構えを取る。 「オーラキャノン、アレを何とか習得してみたいしな」 笑いながら、マッシュに語りかける。 もちろん、今の高原には闘気を固めるということはできない。 しかし、爆裂拳を瞬時に覚えた彼なら、彼ならダンカン流格闘術もマスターできるかもしれない。 少しだけ、マッシュはそんなことを考えたのだ。 「ああ、よろしく頼むぜ。日勝」 腕ががっちりと絡み合う。 それは二人の結託の証であり。 また新たな絆の証でもあった。 【I-1 灯台付近 一日目 深夜(黎明寸前)】 【高原日勝@LIVE A LIVE】 [状態]:全身にダメージ(中)、爽快感 [装備]:なし [道具]:鯛焼きセット(鯛焼き*4、バナナクレープ*6、ミサワ焼き*4、ど根性焼き*2)@LIVEALIVE、死神のカード@FF6、基本支給品一式 [思考] 基本:ゲームには乗らないが、真の「最強」になる。 1:マッシュとともに仲間を探す(エドガー最優先) 2:オーラキャノンの習得……できるのか? 3:レイ・クウゴとはもう一度手合わせしたい。 4:武術の心得がある者とは戦ってみたい 5:オディ・オブライトは俺がぶっ潰す(?) [備考]: ※名簿を確認、自分とマッシュの仲間を把握。 ※ばくれつけんを習得。 オーラキャノンの可能性については後述の書き手さんにお任せします 【マッシュ・レネ・フィガロ@ファイナルファンタジーVI】 [状態]:全身にダメージ(中)、爽快感 [装備]:なし [道具]:スーパーファミコンのアダプタ@現実、ミラクルショット@クロノトリガー、表裏一体のコイン@FF6、基本支給品一式 [思考] 基本:殺し合いには乗らない。 1:首輪を何とかするため、機械に詳しそうなエドガー最優先に仲間を探す 2:高原に技を習得させる(?) 3:ケフカについてはひとまず保留 [備考]: ※名簿を確認、自分と高原の仲間を把握。 *時系列順で読む BACK△002:[[(血のような跡が染み付いていて読めない)]]Next▼004:[[彼女の魔法、彼の理想]] *投下順で読む BACK△002:[[(血のような跡が染み付いていて読めない)]]Next▼004:[[彼女の魔法、彼の理想]] |&color(blue){GAME START}|高原日勝|035:[[最強も煙も高い所が好き]]| |~|マッシュ|~| #right(){&link_up(▲)} ----
**Body Language ◆FRuIDX92ew 「……114……115……116……117……118」 星が微かに見えるかどうかわからないこの夜の闇の下。 「……119……120……121……122……123」 360°いつ何時どの方角からどのような攻撃が来るかすらわからないこの場所で。 「……124……125……126……127……128!!」 ただ、黙々と。 ただ、ひたすらに。 ただ、恐るべき集中力で。 「よし、次は……と、ん?」 男はそれに夢中だった。 もう一人の男はそれに夢中だった男に釘付けだった。 決していやらしい意味ではなく、ただ純粋に。 驚き、感動し、呆れ果て、妬いて、引き寄せられていた。 「なんだ、居るなら居るって言ってくれよ」 何度でも何度でも、理解できるまで、声が枯れるまで真実を言い続けよう。 このバンダナの青年、[[高原日勝]]は。 人々が殺し合う絶望的な状況に置かれながら。 いつどこから襲われるともわからない状況で。 星さえ見えるかどうか怪しいこの夜の闇の中。 腕立て伏せ、一般的に筋力トレーニングと呼ばれるそれに没頭していたのだ。 いつ何時でも筋力トレーニングを欠かさない、格闘家の鏡のような精神は誉められるべきなのかもしれない。 こんな状況でなければ、である。 いや、こんな状況で出来るからこそ夢を追い続けられるのかもしれない。 同時に彼は幸運まで持っていた。 最初に高原の筋力トレーニングを見ていた人物。 もし彼が凄腕のスナイパーなら高原は隙だらけもいいところだ。 もし彼が魔術の類を使うなら遠くから気づかぬうちに魔法の餌食になっていただろう。 もし彼が隠密活動を生業とするなら、首をカッ斬られて死んでいただろう。 彼はどれでもなかった、むしろこの場所で高原が追い求める数少ない人物なのでは無いだろうか? 「オレは高原日勝、現代最強の格闘家を目指してる。  アンタは一体? 見たところ格闘家のようだが……」 高原が口を開く。 高原を見ていた彼は先ほどまでの映像を飲み込むのに時間がかかっているらしい。 そんな彼も高原の声にやっと反応し、我を取り戻しゆっくりとその口を開き始めた。 「……ああ、マッシュ。[[マッシュ・レネ・フィガロ]]だ。  お察しの通りのダンカン流格闘術継承者のモンクだ」 マッシュが名乗り終えると、高原は嬉しそうに立ち上がり戦いの姿勢を取ったのだ。 マッシュもとっさに構えに入ったが、向こうから襲って来る気配はない。 「……殺し合いに乗ってるのか」 両者の間合いは攻め込めないギリギリを保ったまま。 マッシュは落ち着いて問う。 高原はそれに構えながら苦笑いで答えた。 「まさか、そんな己の力を誇示するだけなら格闘家とは呼べない。  他人の命を奪ってヘラヘラ笑うやつは大バカ野郎だ……ただ」 高原は息を呑む。そして再び嬉しそうに笑顔を作った。 「俺が目指すのは最強、なら見たこともない強者とは手合わせしてみたいもんさ。  ……手合わせ、願えるかな?」 一点の曇りすら許さないその瞳に嘘はない。 ひとりの格闘家としてマッシュに挑みたかったのだ。 自然とマッシュからも笑みがこぼれる。 「ああ、いいぜ」 そしてマッシュの手首から先が手招くように二度曲がった。 「かかってきな」 たったそれだけの合図で練習試合の火蓋が落ちた。 先に駆けたのは高原である。 超人的な加速から生み出す右の正拳突き。 烈風をも生み出しかねないその拳が素早く、確実にマッシュの鳩尾を狙う。 しかしマッシュも落ち着いて拳を受け流す、が高原の攻撃は途切れない。 拳が左に受け流されたのをみて体を大きく左にひねり、胴のバネを使いこめかみを刈り取るかのごとく右足がマッシュに襲いかかる。 予想だにしない連撃に多少反応の遅れるマッシュ。 直撃は逃れたものの防御に回った左手にわずかにダメージを受ける。 瞬時に飛びのき体勢を立て直そうとするマッシュ、しかしその瞬間に生じる隙を見逃さない高原。 初撃のようなスピードをまといながら高速回転し、打点を一点に絞りマッシュへと向かう。 「攻撃は最大の防御なり」そんなことを言ったのは誰だっただろうか。 マッシュも防御に回ることをやめた。目には目を、歯に歯はを、攻撃には攻撃を。 猛スピードで飛び掛ってくる高原に真っ向勝負を挑む。 1秒1秒が妙にスローに感じる中、技の一挙動一挙動をしっかりと組み立てていく。 そして高原がマッシュに肉薄した瞬間、マッシュの目が見開かれ高原へと向かっていった。 「爆! 裂! 拳!」 竜の如き鋭い一撃に向かう為には、虎の目を見張る連撃。 脇腹の辺りに重い一撃を感じながらも、マッシュはその連撃をやめない。 そして最後の一発を打ち込むのと、高原の膝が振りぬかれるのはほぼ同時。 両者が吹き飛ぶのもほぼ同時、起き上がるのもほぼ同時。 「……なるほど、技の構えの腕や足の角度を45°ズラすコトによってスムーズにかつ正確に技を出すことができる……か」 そういいながら自らの技を素振る高原、動きのキレ正確さが先ほどよりも増している。 そして、驚くべきことに高原はマッシュが行った爆裂拳の動作を、マッシュの目の前でほぼ完璧に再現して見せたのだ。 受けた技を体で覚えることができる、高原の一種の才能とも呼べる能力だ。 本人が不器用なのかどうなのか格闘技にしか限らないが、無限の可能性を秘めた能力であることは確かだ。 自分がある程度長い期間かけて身につけた技能を一瞬にして模倣されたのだ、マッシュが驚くのも無理はない。 「さぁ、決着つけようぜ!」 再び駆け出したのは高原だった。 呆気にとられていたマッシュも高原が飛び出したのを確認し、再び技の構えに入る。 今度は距離が詰まるのにさほど時間はかからなかった。ぶつかり合う同じ技、同じ腕、同じ呼吸。 そして最後の一撃と同時に今度は二人とも違う動きに入る。 高原は体を大きくひねらせ、マッシュは自分の腹部で構えを作っている。 そして、技と技がもう一度ぶつかり――――!! 「オーラッ……キャノン!!」 「M・ボンバァァーーッ!!」 音速をも超えかねない高原の体のばねを利用したラリアットと、マッシュの闘気の塊がぶつかり。 それは科学や物理じゃ説明できない現象を起こして。 弾けた。 両者とも大きく吹き飛ばされ、離れた場所で大の字に寝そべっている。 しかし……彼らは。 「ふふふ、ははは……はははははっ!! あーっはっはっは! いやー楽しかった!」 「ホント、久しぶりに暴れたぜまったく……ははは、いい技持ってるなぁ!!」 彼らは、寝そべったまま。大きな声で笑い続けた。 拳でしか語り合えないことがある。 拳でしか分からないこともある。 拳でしか出来ないこともある。 二人が分かり合うのに、言葉はいらなかった。 一通り笑い終わった後、彼らは改めて自己紹介をすることにした。 高原のデイバックに入っていた鯛焼きを二人とも頬張りながら談笑する。 「俺の世界にはいろいろな格闘家がいて――――」 二人とも、違う世界に生まれ育った。そんなことはたいした問題ではない。 「俺の仲間にロックっていうコソドロ……じゃなくてトレジャーハンターが――――」 拳で語り合った二人の間に、もはや壁はない。 「そう、この[[レイ・クウゴ]]ってのが俺の仲間で――――」 次元すら超えられる、どんな物にも変え難い深いものを。 「俺の仲間は……ティナと――」 二人は、得た。 「ああ、日勝、ほかには何か入ってたのか? 俺は……必要のないものばかりだな」 マッシュのデイバッグから出てきたのはなんだか良くわからない物と長い筒に取っ手がついたようなもの。 後者を手に持ちマッシュは「兄貴なら何とかできるかもな」と苦笑しながら言った。 日勝がデイバッグを漁って見ると、真っ先に出てきたのは数枚のカード。 どのカードにも死神が描かれており、あまり良い気分はしない。 「あとは……ん?」 疑問を感じながら取り出したのは一枚のコイン。 高原は俺もハズレだなと苦笑いしたが、マッシュの表情は変わっていた。 「……それ、俺のなんだ。貰っても良いか?」 やけに真剣な表情のマッシュを見て、あまり深く考えずに日勝はコインを渡した。 そしてマッシュは少しの間コインを見つめ、ポケットにコインを入れた。 その時に見せた表情を日勝は忘れることはないだろう。 「さて、日勝。 問題は……もちろんコレだ」 マッシュが首を指差す。そこには憎たらしいほど輝いている忌まわしい首輪があった。 すでに二人の人間の命はこの首輪によって失われている。 あの魔王に立ち向かうにしてもこの首輪を何とかしなければならない。 「こういうもんは大体ウチの兄貴が詳しいんだよ、というわけで俺は兄貴を探そうと思う……オマエはどうする?」 ドコともいえない場所を指差しながら、首をちょいちょいと動かして日勝を誘うマッシュ。 日勝はまったく考える素振りも見せずに清々しい位さわやかな顔で返答した。 「ああ、もちろん一緒に行かせてくれ。俺も探したい仲間がいる。それに……」 一瞬だけ言葉を詰まらせ、高原は先ほどのマッシュの技の構えを取る。 「オーラキャノン、アレを何とか習得してみたいしな」 笑いながら、マッシュに語りかける。 もちろん、今の高原には闘気を固めるということはできない。 しかし、爆裂拳を瞬時に覚えた彼なら、彼ならダンカン流格闘術もマスターできるかもしれない。 少しだけ、マッシュはそんなことを考えたのだ。 「ああ、よろしく頼むぜ。日勝」 腕ががっちりと絡み合う。 それは二人の結託の証であり。 また新たな絆の証でもあった。 【I-1 灯台付近 一日目 深夜(黎明寸前)】 【高原日勝@[[LIVE A LIVE]]】 [状態]:全身にダメージ(中)、爽快感 [装備]:なし [道具]:鯛焼きセット(鯛焼き*4、バナナクレープ*6、ミサワ焼き*4、ど根性焼き*2)@LIVEALIVE、死神のカード@FF6、基本支給品一式 [思考] 基本:ゲームには乗らないが、真の「最強」になる。 1:マッシュとともに仲間を探す(エドガー最優先) 2:オーラキャノンの習得……できるのか? 3:レイ・クウゴとはもう一度手合わせしたい。 4:武術の心得がある者とは戦ってみたい 5:[[オディ・オブライト]]は俺がぶっ潰す(?) [備考]: ※名簿を確認、自分とマッシュの仲間を把握。 ※ばくれつけんを習得。 オーラキャノンの可能性については後述の書き手さんにお任せします 【マッシュ・レネ・フィガロ@[[ファイナルファンタジーVI]]】 [状態]:全身にダメージ(中)、爽快感 [装備]:なし [道具]:スーパーファミコンのアダプタ@現実、ミラクルショット@クロノトリガー、表裏一体のコイン@FF6、基本支給品一式 [思考] 基本:殺し合いには乗らない。 1:首輪を何とかするため、機械に詳しそうなエドガー最優先に仲間を探す 2:高原に技を習得させる(?) 3:ケフカについてはひとまず保留 [備考]: ※名簿を確認、自分と高原の仲間を把握。 *時系列順で読む BACK△002:[[(血のような跡が染み付いていて読めない)]]Next▼004:[[彼女の魔法、彼の理想]] *投下順で読む BACK△002:[[(血のような跡が染み付いていて読めない)]]Next▼004:[[彼女の魔法、彼の理想]] |&color(blue){GAME START}|高原日勝|035:[[最強も煙も高い所が好き]]| |~|マッシュ|~| #right(){&link_up(▲)} ----

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