異世界『アルトゥース』

一人の魔導士が生んだ世界


人間達が文明を築き上げ,他の種族と交わってから遥かな時が流れ,無魔がこの星にやってきた頃。
その時代に一人の魔導士が居た。
強大な魔力を持ち,想像したものを具現化する力を手に入れたその魔導士の名は『アルト・プラルトリラー』。
アルトはすぐにその力を使い,多数の種族が交わり平和に暮らすこの『裏球』に似た世界を自らの手で創造した。
そして自らの名にちなみ,『アルトゥース』と名付けたのである。

この『アルトゥース』には主に龍族と魔族と人間族が多く住み着いており,人間族の中には他の種族と同じ環境に適応し,特異な進化を遂げたものも多くある。
例として一部の天使族と共に山岳地帯へ移り住んだ者達には腕に翼が生えたり,海底に海龍族達と共に住み着こうとした魔導士達は魔力を使わずに水中生活が出来るようになる上に,一部の者は下半身が魚のようになったりしたことが挙げられる。
そしてアルトの死と同時に消えるかと思ったその世界はアルトの意志によって存在し続け,更に『裏球』『アンジェリアス』『サタナライズ』の3つの世界と通じるゲートも出現。
こうして『アルトゥース』は『裏球』などとの交流によって急速に文明を発達させていった。

その後,『裏球』などの異世界と繋がった事で平和と秩序を脅かす者も当然流れ込んできた。
その代表的なものが『混沌』(カオス)と『頼霊』(らいりょう)。
混沌は人間や魔族に取り憑いてはその良心を喰らって悪心のみを残し,頼霊は取り憑く事で憑依した者に生への恐怖を植え付け自殺へ追いやった。
しかし,それを打ち砕く鍵もアルトは残していた。
それは4つの聖剣と2つの魔剣に分けて封印され,それぞれの剣に相応しい者が現れ世界樹の元に集う時に初めてその姿を現すようにプログラミングされていた。
ある時『裏球』から一人の少女がこの世界へ飛ばされてしまったが,それは聖剣の一つが彼女を選び,呼び寄せた為であった。
そしてその少女とこの世界にいた他の5人の選ばれし者達が集い,アルトのプログラミングした通り世界樹の前に集った時,聖剣と魔剣から放たれた6色の光が一つとなり,『アルトゥース』を照らし出した。
それが頼霊と混沌を『裏球』や他の世界へと追い返し,この世界に再び平和を取り戻させたのであった。
その後少女は『裏球』へゲートを通って戻ってきた。
しかし彼女一人ではなく,共に戦った仲間の一人を連れて,である。
この2人は後に大人になってから結婚,今も生存しており紅牙の祖母として紅牙達の行く末などを見守っている。

この危機を乗り越えたお陰で,『アルトゥース』も異世界との更なる交流を深めた上で独自の文化を生み出したりするなどして,現在も発展を続けている。

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最終更新:2006年06月30日 21:41