私は巨人骸骨。生前の名を一旗次郎直伴と申します。-2
1
・・・・・・えっと・・・ここだったけな。
どうも皆さん、今日は。巨大骸骨、一旗次郎直伴です。
また暇になったんでここに来ましたよ。
今日はですね、私がこのアルパスに住み着いた事情を話そうと思いまして。
…えっ? もう言っちゃうのって?
…私は気まぐれなもんで、気分が向かないとこういった
話は滅多にしないんですよ・・・
・・・・・・なんだか皆さん物足りなさそうですね。
まあそりゃそうでしょうね・・・大体こういう類のことって、
もう少し話が進んでから語られるものですから。
でもね、別にいいんです。そんな対したものではないんで。
ここで語られている人々のような、華々しかったり、
悲しかったり、切なかったりする過去はもってませんから・・・・。
しいていえば、情けない事由ですね・・・・・・
2
本当ならば私には別の人間に生まれ変わるか、
認められれば極楽浄土へ行く道があったんです・・・・・
しかし本当にドジなもんで、死んで魂になったばかりの私には、
まだその自覚がなく、ついついボーっとしてて、
魂が行くべき道を外れてしまったんです。
気がついたら周りにはたくさんの道、道、道。
一体私はどこからどうやってここに来たのか、
そしてどの道を進めばいいのか、判らなくなってしまったんです。
つまり迷子です・・・・ね。嗚呼情けない・・・・・。
迷った挙句一つの道をひたすら進むと、
行き着いたところがここだった訳です。
そう、私は生前、別の世界にいた者だったんです。
名前からしてそうですよね・・・・・
一旗次郎直伴・・・・どう見ても場違いな名前ですよ・・・・・
それに着いた所がよりによって・・・・・・
当然ここの人々と何の因縁もないのに、
どうして、どうしてこういろんな人に襲われ、
何度も何度も体をバラバラにされなくてはいけないんでしょうか・・・・・・
3
こんなもののために今まで生きてきたのではないのに・・・・
永遠の命なんていらない。こんな弱弱しい私だが
一度だけでも人生の華を咲かせてみたい・・・・
それが無理ならせめてのもの、生前にいたとこの
神様仏様の下での
極楽浄土を望みます。
生まれついてのトンチンカンと
人より鈍い頭の中が
どうしてこうも邪魔をする
嗚呼、いつになったら願いがかなうのやら
本当ならこんなところ早く出て行きたいのに・・・・・
追放天使さんなら、私を元の世界へ送ることが出来るだろうか。
いや、無理でしょうね。諦めます・・・・・・。
すいませんね。変な空気にしちゃいまして。
なんだか申し訳ないんで私はここで失礼させていただきますよ・・・・・。
…ありがとうございました・・・・・・
『生まれついてのトンチンカンと 人より鈍い頭の中が
どうしてこうも邪魔をする・・・・・・
哀れ。 あまりにも惨め。 しかしそれに同情する人はどこにもいない。
いや、いる筈がない。
後ろめたい過去は誰にでもある、特に物語の中では・・・・
このようなしょうもない過去が語られることは――――
永遠にない。』
最終更新:2009年06月03日 20:57