サーヴェリー姉妹
1
私の名前はフラン=サーヴェリー。ロマ村、ビスルから少し離れたリンガと言う村に住むサマナー。
隣にいるのはフプレ=サーヴェリー。私の双子の妹だ。
私たち二人は今、長老様の家に来ている。なんでも大事なお話があるとか。
「やぁ、いらっしゃい。待たせたね」
そう言って家の奥から出てきた20~30歳くらいに見える男性
…彼が長老様である。
「二人とも、今日で18歳になったんだよね?」
「はい」
私たちは同時に答えた。
「でね、君たちはこの村の中でも優れた能力を持っていると思うんだ。そこでね、古都ブルネンシュティグに行ってみないかい?」
…古都ブルネンシュティグ。噂でしか聞いたことのない大都市。村育ちの私たちには想像もつかないところだ。
「どうかな?」
「行きます!」
私が答えるよりも先にフプレが答えた。
「あ、私も」
慌てて私も返事をする。
「よし、じゃあ準備が出来たらまた僕のところにきてね。君たちのお母さんにはもう話をしてあるから。」
そう言うと長老様は家の奥へと戻っていった。
その日の夜、私たちは家族と最後の時を共にした。…話したいことはあるのに口が開かない。家族の団欒は沈黙と共に過ぎていく。
「お母さん…」
フプレが申し訳なさそうに口を開いた。
「その…、ごめんなさい。」
彼女はうつむいたままでそう言った。
「あんたたち、おとうさんのことは知っているだろう?」
母は続けた。
2
「あの人はすごい人だったんだよ。ビスルのどのテイマー、サマナーよりも優れていてね、もちろんこの村じゃ垢抜けていたんだよ。」
「そんな人が、もう13年も帰ってこないんだ…。正直外の世界にあんたたちを出すのは心配でならないよ。」
私は、胸が痛くなった。果たして、こんな母を一人置いて冒険に出ていいものだろうか?このまま村に残り、静かに暮らしたほうがいいのでは…?
「けどね」
そんなことを考えていると、母が再び話し始めた。
「あんたたちはおとうさんに似て、すごい才能を持っているんだ。その才能を世に出さずにこんな小さな村にとどめておくのはもったいないと思ってね。」
「だから、長老にいったのさ…。子供たちさえよければ行かせてやんなってね。」
「ありがとう…ごめんね、お母さん」
フプレは涙を流していた。
「フプレ…」
母も目に涙をためている。
「いいかい、あんたたち、絶対に帰ってくるんだよ!そんときは…あたしに冒険の
思い出話、たんと聞かせておくれよ。」
「うん…」
涙声でフプレが答える。
私はなにも言えず、ただただ泣くだけであった。
母は、優しく私たちを抱き寄せた―
3
朝
昨日、泣きつかれてしまって全く準備が出来なかったので、慌てて準備をする。
「よし、できた!!」
荷物を持ちリビングに行くとパンパンのバッグ二つを持ったフプレがいた。
「ちょ、フプレ、それはもっていき過ぎじゃないの?そんなんじゃ歩くだけでへとへとよ?」
「フランは冒険を甘く見すぎなんじゃないの?そんな小さなバッグ一つじゃすぐに空っぽになっちゃうじゃない。それに、一つはこの子に持ってもらうから問題なしよ。」と、彼女は赤い本を取り出し最初のページを詠んだ。するとポンっと、まるで手品のように一匹の動物が現れた。
彼の名は「メラー」一般にサラマンダと呼ばれ、テイムが不可能で、激しい炎を吐くことからこの辺りでは恐れられているモンスターだ。
「はい、メラー。これ持っててね。」
…昔、彼女が「メラー」をテイムしたとき、あのときのことはもう一生忘れられないだろう…
最終更新:2009年06月04日 06:49