第一回放送 ◆UbXiS6g9Mc



日が昇り、島を包んでいた闇が払われた頃――
儀式の開始を告げたものと同じ声が、途中経過の報告を始める。

「おはよう。いい夢は見られたかな? ふふ、私は年甲斐もなく興奮してしまってね、一睡もせずにみんなの様子を見ていたよ」

死滅跳躍という殺人儀式の主催者、羂索。
数多の世界から人を集め、何処とも知れぬ孤島にて蠱毒の儀を行う――極悪非道極まりない呪術師は、しかし悪びれる様子もなく言葉を続けていく。

「今回の放送で伝えることは三つ。まずは脱落者の情報からとしよう。そうそう、これらの情報は基本的に一度しか伝えない。聞き逃さないように注意をしてくれよ」

――石神千空。
――マグ=メヌエク。
――栗花落カナヲ。
――朝倉シン。
――脹相。
――黒死牟。
――アンディ。
――轟焦凍。
――七海建人。
――ドンキホーテ・ドフラミンゴ。
――パワー。
――北条時行。

「以上十二名が今回の脱落者だ。残り人数は四十九名――果たしてこの中の何人が願いを叶えることができるのか見物だね。
 次に禁止エリアを発表しよう。この放送が終わった一時間後に【C-4】【E-8】【F-3】の三カ所が立ち入り禁止となる。
 もしも禁止エリアに侵入した場合、問答無用で死んでもらうことになるからね。誰のポイントになることもなくただ命を無駄にするなんてもったいないことにならないよう頼むよ」

からからと笑いながら軽い口調を続ける羂索。
彼の声を聞いた参加者たちの胸中では、様々な感情がわき上がる。
しかしその感情をぶつけようにも羂索と参加者のあいだには途方もない距離があった。

「最後に今回の追加ルールについてだが――残念、こちらはまだ何も言えることがなかったね。
 とはいえまだまだこのゲームは始まったばかりだ。私の予想を裏切り期待を超えるような提案がプレイヤーから出てくることを、GMとして楽しみに待つとしようか」

それじゃあまた、六時間後に――そう言って羂索の言葉は終わる。
簡素な事務連絡だけの放送。それ以上の情報は参加者にはもたらされなかった。

 ◇ ◇ ◇

「期待しているよ。君たちがもたらす混沌と秩序が、私にとって有益で幸多きものであることを」

 ◇ ◇ ◇

【一日目 午前六時 第一回放送】
【残り49名】


最終更新:2025年08月11日 22:06