アットウィキロゴ

A-10

第十奏 予兆

音玉「大丈夫です。あきらめないでください」
男性「す・・・すいません・・・」
女性「お願いします。 どうか、助けてください」
音玉「大丈夫です。絶対に助けます」
回復魔法は、全魔法の中でもトップクラスのエネルギー消費量だ。
さすがに、私のエネルギーは切れかけている。
音玉(もう少し・・・もう少しだけ・・・)
私は、学園でけが人の手当てをしていた。
敵の攻撃が当たり、怪我をした人は沢山いる。
音玉「もう、大丈夫です。しばらく、安静にしていてください」
男性「ありがとうございます・・・」
その場を離れる。
周りに誰もいないことを確認して、地面に膝をつく。
音玉「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
エネルギーの使いすぎによって、息切れを起こしている。
眩暈がする。
吐き気がする。
もう、これでは治療ができないだろう。
そのとき、予想もしなかった出来事が──
音玉(!?)
起きてしまった。
音玉(・・・・分かってた・・・はず・・・なんだけどな・・・)
私は、この世界から、存在を拒絶されている。
そう・・・私は、この世に存在しない存在。
音玉(どうしよう・・・このままじゃ・・・消えちゃう・・・)
本来、私は存在しない存在。
それを、無理やりエネルギーで具現化させて、人の記憶の中にとどめていた。
その効果が切れたとき、記憶の中からも消される。
それは、一瞬の出来事。
きっとみんな、私がいたことを、すぐに忘れてしまうだろう。
音玉「まだ・・・大丈夫。 少しぐらいなら、時間があるはず・・・」
エネルギーは時間と共に回復する。
なら、回復を待てばいい・・・。
きっと・・・・
きっと、それなら大丈夫なはず・・・・

珀玉「・・・」
すこしまずい・・・かな?
かなり多くの敵がいる。
珀玉「記憶に残ることはない・・・か」
存在しない存在は、消えれば記憶から抹消される。
僕は、別の存在。
珀玉「弾かれた存在・・・。 それは、一時的にしか、記憶されない・・・。 いつか、必ず忘れられる・・・」
世界から弾かれた存在。
存在していても、存在していない存在。
きっと、みんな僕のことを覚えていないだろう。
数名を除いて・・・。
珀玉「さて、終わらせようか・・・」
上に手をかざす。
心の中でつぶやく。
珀玉(A-23、G-56、C-f、F-e)
敵の真上から矢が降り注ぐ。
全ての敵が貫かれ、回りには爆発の後のみが残される。
そして、予想通りに──
一瞬、視界がホワイトアウトした。
簡単に言えば、一瞬眩暈がした。
そして、強烈な吐き気と頭痛。
珀玉「ははは・・・やっぱり、僕は消えたほうがいいのかな・・・」
これは予兆だ。
消えようとしている。
僕と、あいつも・・・。
そして、波動が崩れてきている。
珀玉「世界の中心にたっているのは、お前だぞ・・・」
心の中で、そいつの名前を呟いた。

??

「世界の中心に立つことは、普通一人ではできない」
「しかし、彼は一人で、世界のバランスを保っている」
「自覚が無いのが、残念だがな」
「周りには、自然と様々な存在・魂、精霊までも集まっている」
「そして本人は───を持っている」
「そうだな。 やはり、我らも動くべきか・・」
「準備しておけ。 いつでも出られるようにな」

NEXT・・
最終更新:2011年11月26日 18:20