これは、南校舎の裏にある旧焼却炉の話です。
今回は私、「ゆりか」がお話していきたいと思います。
昔、高等部2年生の女子生徒の友香さんと、男子生徒の弥さんがいました。
その二人は、誰もがうらやむカップルだったそうです。
噂のなかには、もう婚約届けまで作っているらしい、という噂もあるほどでした。
とても仲がよくて、お似合いでした。
しかしある日、その友香さんが、行方不明になってしまいました。
当然のことながら、弥さんは警察に届出もして、自分でも探していました。
しかし、いつまでたっても友香さんは見つからなかったそうです。
その間に月日は流れ、見つからないまま弥さんは3年生になってしまいました。
いつまでたっても見つからず、いつのまにか友香さんは忘れられてしまったそうです。
弥さんも、少しずつ忘れていき、別の彼女を作ってしまったそうです。
ある日、渉さんが清掃委員なので焼却炉に行きました。
そのとき、二つある焼却炉の右側の方が、ゆがんで開かないことに気がつきました。
どうしようかと考えていると、不意に、その扉のわずかな隙間から視線を感じました。
すこし怖いながらも見てみると、そこにはなにもいません。
気のせいだろうかと考えていると、突然右側の焼却炉から──
ガンッ!
と、音がしました。
慌ててその場から少し後ずさると、わずかに開いていた隙間が広がっていました。
しかしそれよりも、恐ろしいことがありました。
焼却炉の隙間、そこからわずかに見えたそれ、恐ろしくて身の毛がよだちました。
さらに、その顔立ち、なんと、友香さんが、いたのです。
友香さんは、無言でいたかと思うとふっと口を開いて、叫ぶように言いました。
「渡さない。弥のことは、渡さない。弥は、私のものだ」
弥さんは、怖くなって、その場から逃げたい気持ちでした。
しかしそれよりも、これが本当に友香ならば、どうしようかと考えていました。
「Follow me。弥、私についてきなさい」
しかし弥さんは、これは友香ではない、そう思いました。
友香が、こんなことを言うはずはない、そう思っていました。
「誰なんだ」
弥さんがそういうと、友香さんと思われる人は、フフフ、と、少し笑った後、
「私は、友香よ。高等部2年1組、出席番号37番」
そういいました。
「嘘だ。友香の出席番号は37番じゃない。42番だ」
「私のことを忘れたの?弥、あなたは私のもの。忘れたなら、思い出させてあげる」
そういうと、友香さんの全貌が明らかに。
全身は黒く焼け、ところどころの肉質がなくなっていました。
一部は、完全に骨だけになっていました。
「私は、ここで燃やされたんだ。だれにも気づかれずに、6ヶ月もこの中にいたんだぞ」
そういって友香さんは、少しずつ、少しずつ、弥さんに近づいてきます。
逃げたいと思う渉さんですが、体が動きません。
「私が、あなたを逃がさない。あなたは動けない」
少しずつ、少しずつ、近づいていく友香さん。
もう少し、あと少し、そう思ったとき、
「弥くん!」
今の弥さんの彼女、恵李夏さんが、弥さんの腕を引いて連れて行きました。
無事だったものの、弥さんは怖くなって、その焼却炉には二度と近づかなかった。
それから、その焼却炉からは、
「私からは逃げられないわよ。逃がさないから」
と、声がきこえるのです。
何故彼女は死んだのか、今でも判っていません。
知っているのは、私と、私の仲間だけです。
うまくね?コレ殺したのってゆりかってことだよね
最終更新:2011年09月27日 17:25