声が聞こえる。
しかし、目の前に広がるのは暗闇だ。
切眼「いえ、やはり取り込んだほうがいいでしょう。向こうに付かれると、
こちらの勝利は絶望的です」
この声は、切眼さんか?
ここは何処なんだ?
スカル「しかし、説得してもそう簡単には入らないだろう。無理やり入れても、役にはたたんだろうからな」
スカル・・・さん・・かな?
名前はうろ覚えだ。
ディール「確かに、あんまり無理やりだと、自滅もしかねないしね」
この声は確か・・・ディール・・・さん・・・だったかな?
やはりあまり覚えていない。
切眼「お目覚め?」
すぐ近くで声が聞こえる。
しかし、声を出そうにも口の中に何かが入っていて声が出ない。
月光「・・・・・・」
今気づいたが、手足は縛られ、どうやらベッドに固定されているようだ。
そして目隠しをされている。
スカル「すまんな、手荒なまねをして」
月光(「・・・・何が目的で?」)
心の中でつぶやく。
僕は思ったことを特定の相手に伝えることができる。
そして、その相手の考えたことも知ることができる。
スカル「!? な、なんだ!?」
ディール「え、な、何が!?」
さっき伝えたのはスカルさんだけだ。
つまり、他の人には何も聞こえていない。
月光(「テレパシー、とでも言ったら説明がつきますでしょうか?」)
ある人に聞いたのだが、この能力は特定の相手にのみ聞こえる周波数を出すらしい。
中には、同じ周波数の人もいるのでわかりにくいが。
スカル「なるほど・・・・な」
月光(「で、僕に協力してほしいとかなんとか言ってたな。一体、どういうことで?」)
スカル(「お前の使う魔術、まあ、魔法みたいなものだが、あれを見たところ、お前は只者ではないな」)
月光(「我が家系は代々、「魔陣族」とよばれるものを受け継いでいるんだ。それが、あの時使ったやつだ」)
スカル(「魔陣族・・・・。この世界では3人しか存在しないとされる、あの魔陣族・・・か」)
他の二人は今頃、どんな顔をしてるだろう。
月光(「すいません、そろそろ息が苦しいので、口の中に入ってるもの、出してもらっていいですか?」)
スカル「ああ、すまん」
指を鳴らす音が聞こえた後、口の中に入っていたものは溶けてしまった。
どうやら、氷を入れていたようだ。
月光「で、僕は何に協力すればいいのですか?」
スカル「我々、Magic.Defender.、通称M.D.に協力してくれればいい」
月光「聞かない名前だな」
切眼「私達の通っている学校にも、何人かメンバーがいるわよ」
月光「初耳だし。 ってかなんだ僕をM.D.に?」
スカル「君の能力、それは<結界陣>だったよね?」
月光「はい」
スカル「それを使えば、この場所を守れるかと思ったのよ」
目の前に広がるどこかの研究所を思わせるつくりの建物内。
まるで、これ自体が何らかの装置であるかのように。
??「鋭い野朗だな。この建物は、制御装置のようなものだ」
響き渡る声。
切眼「あら、雪鎖さん」
雪鎖?
まさか、100年前の、戦士?
雪鎖「いやはや、100年とは意外と短いものだぞ。まだあと130年はいけるな。 いや、戦士ではないが」
月光「えーっと・・・・」
もしかして、この人の能力・・・・?
雪鎖「能力は不明だ。だが、幾重もの能力を所持しているらしい」
月光「その中に、人の心を読める能力があるんですよね?」
雪鎖「ああ」
白井、雪鎖。
この人は歴史に名を残す、偉大な戦士だ。
多種多彩な能力と、仲間を思う純粋な気持ちが、学園を守ったという。
その学園は、今僕が通っている学園だ。
スカル「雪鎖さん、一体何を?」
雪鎖「この建物の作り、この制御装置に、わずかながら感ずいている」
切眼「え?」
雪鎖「気に入ったぞ、おまえ。M.D.に入れ」
月光「急すぎません?」
ディール「入ってくれないかな?かなかな?」
この人、しゃべり方が個性的だな。
月光「入るのは別にいいのですが──」
ディール「やった!やったよ!よ!」
月光「あの、具体的にはどうすれば?」
雪鎖「防衛、とでも言おうか?」
月光「防衛・・・・・・・ですか」
スカル「この「聖地」、そして「夢限樹」を守ってほしい」
月光「夢限樹?」
雪鎖「この建物の中心にある巨大な樹だ。普段は、森の中だから目立たないがな」
切眼「M.D.のメンバーしか知らないけどね」
ディール「この樹を狙う、どこかの組織があるんだよね。よね」
スカル「名前は分からないが、その組織が、お前のであった蝶や蜂といった「バグ」を使ってこの樹を食らおうとしている」
月光「く、食らう!?」
??「夢限樹の葉には、一枚煎じて飲むだけで、1週間寿命が延びる効果があるわ」
誰かが部屋に入ってくる。
その顔には、見覚えがあった。
月光「み、未来さん!?」
正確には、ミライさんだ。
ミライ「や、月光」
学園の生徒会長。
月光「はぁ・・・・・・」