第十六話 指名手配
雪鎖「困ったな・・・」
桜「困ったね・・・」
町の入り口まできている。
しかし、町に入れない。
雪鎖「どこまで力を要れてんだ・・・」
指名手配の張り紙がされている。
しかも、俺まで・・・。
だれか逃がしたか?
そんなはずないんだが・・・。
雪鎖「由香、聞こえるか?」
由香『何ですか?』
俺の中でしゃべると腕から聞こえるのか?
雪鎖「<イロール>か<クローラック>の奴らが、この町に住んでいるようなことは聞いてないか?」
由香『入って北北東側に300㍍先に、<イロール>の拠点のような場所があります』
雪鎖「まさか、あの機械が情報でも流したってのか?」
ありえる話だ。
桜「どうしようか? これじゃ入れないよ」
雪鎖「なるようになるさ。 行って来る」
桜「大丈夫なの?」
雪鎖「ああ。 多かれ少なかれ、俺の名前は知れ渡っているだろう」
由香『この町の半数以上の人はあなたの名前を知っています。「雪の鎖の雪鎖」と呼ばれているみたいです」
雪鎖「はは、つい先日、一度だけ使ったな」
桜「雪の鎖って、何?」
雪鎖「ああ、雪で作った鎖・・・かな? 周りに雪が無くても使える点では、雪の鎖ではないかもしれないが」
桜「雪がないなら、どうやって作るの?」
雪鎖「そうだな・・・周りにある水分を使って作った、氷を砕いて、それを代用する」
由香『ちなみに、貴方はこの町ではそれなりの実力として知られています』
そうなのか?
普通に、学生なんだけどね?
雪鎖「じゃ、行って来るよ」
桜「お気をつけて」
雪鎖「一応保険ね」
地面に手をつける。
雪鎖(<結晶化>)
桜の周りが凍る。
雪鎖「一応、上にある少し亀裂の入っている場所を叩けば溶けるから」
桜「わかった」
雪鎖「さー、いくかー」
◇町◇
雪鎖「視線が痛い」
すごく周りから見られてる。
しかも、中には携帯でどこかに連絡を取っている人がいる。
さらに、俺を見た瞬間に逃げ出す人もいる。
雪鎖(由香、聞こえるか?)
由香(なんですか?)
雪鎖(<イロール>の拠点の様子、できるだけ詳しく教えてくれ)
由香(見張りは7人、中には58人ほどの兵が見えます。 建物は三階建てで、屋上には見張りとは別の狙撃兵が5人。見張りと別に、入ってすぐの場所に小機関銃を持った兵がいます。 人数は時間によって変化しています)
雪鎖「それだけわかれば十分だ。 突撃する」
由香(大丈夫ですか?)
雪鎖「まってな、イロールの連中。 ここの拠点は、俺が潰す」
周りからは、嫌な空気を感じる。
由香(イロールと呼ばすに、IRと読んだらよろしいかと)
◇TR拠点◇
雪鎖「・・・・・」
見張りは全て排除した。
雪鎖「どりゃぁ!!」
思いっきり赤鎌を振って門を壊す。
雪鎖「よお、みなさん」
周りの兵が発砲してくる。
雪鎖「試作品、<水化>」
周りの様々な物質を液状化させる。
相手の銃や弾丸も例外ではない。
雪鎖「試作品だから、破壊力はいまいちだな」
ドガァン
雪鎖「危ないだろ?ったく」
いきなり狙撃してきたので、銃弾が肩に掠った。
雪鎖「<雷架>」
雷は機械だけでなく、人間にも抜群の威力を誇る。
その上、死ななくても後遺症が残る確立が高い。
雪鎖「さあ、次はどいつだ?」
もうほとんどの敵は無力化した。
一人も殺してはいない。
雪鎖「・・・入るぞ」
中はがらんとしていた。
人の気配は無い。
雪鎖「・・・」
一つの部屋から、人の気配を感じる。
極わずかなことから、かなり弱っているのがわかる。
とりあいず、そっと扉を開ける。
他に人の気配は無い。
雪鎖「!?」
そこには手足は縛られ、口はふさがれた女性がいた。
目隠しをされ、服はぼろぼろだ。
おそらく、3日はなにも飲まず食わずだろう。
雪鎖「大丈夫ですか!?」
??「ん・・・んん・・・・」
手足を縛っていた縄を解き、目と口を使えるようにする。
もう、かなり弱っていた。
これでは、一人で歩くこともできないだろう。
女性「はぁ・・・はぁ・・・・あ、ありが・・・・と・・・・」
雪鎖「<治療>」
女性の体に手を当てる。
偶然、胸に手を当ててしまった。
雪鎖「大丈夫。きっと、助かるから」
水分や栄養素を女性の体に入れる。
その分、自分の中から入れたものが引かれる。
雪鎖「と、とりあいず、これで大丈夫でしょう」
女性「あ、ありがとうございます」
しかしながら、これでも空腹などは変えられない。
雪鎖「君の名前は?」
さゆり「梔子 さゆりです」
雪鎖「この建物に、他に捕らえられている人はいない?」
さゆり「ここの真上に、二人いると思います。一人は、まだ子供だと思います」
雪鎖「ひどいやつ・・・・・隠れて」
外から聞こえる足音。
しかし、かなり潜めているのがわかる。
さゆり「は、はい」
さゆりさんは隣の部屋へ移動した。
雪鎖(この気配、かなり弱っているな・・・)
そっと扉を開ける。
そこには、かなり弱っている子供と女性がいた。
雪鎖「おい」
女性「きゃっ!!」
女性は逃げようとする。
雪鎖「待てって。何処に行こうってんだ」
女性の腕を掴む。
女性「離して!」
雪鎖「落ち着いて! 外は危険だ!」
ドドドドド
雪鎖「あーっ!くそが! 燃えろ!<火化>!」
ボォォォォォォ・・・・
兵1「ぐああぁぁぁぁ!!!!」
雪鎖「悪く思うなよ」
しかし、殺さない程度ってのも、難しいな。
雪鎖「こんなときに、月夢とかがいたら、どれだけ楽なことか・・・」
ハンドガンを抜く。
女性「あわわ、あわわわわわ」
雪鎖「・・・・・・・・そこだ!」
バンッ
兵2「ぐっ!」
雪鎖「死なせない。俺が、守って見せる」
由香「私も手伝います」
雪鎖「おまえ、いつの間に。 ってか、戦えるのか?」
由香「先祖代々受け継いできた、特殊な魔術があります」
雪鎖「二人とも、下がっててくれ」
しかし、こんな状況だ。さすがに二人を守りながら戦うのは
こちらが不利だ。
バンッバンッ
雪鎖「!?」
兵3「ぐあぁ!」
さゆり「手伝います」
雪鎖「さゆりさん!? 大丈夫なんですか!?」
さゆり「はい。このぐらい、なんとも無いです」
ジャララ
雪鎖「さて、本気で行くよ?」
ジャララララララ
ビシッ
兵4「ぐっ!?」
兵の体には雪の鎖がまかれている。
雪鎖「さて、天国と地獄と病院、どこがいい?」
兵4「どこにも行かない!」
雪鎖「はい、病院ね。 天国のほうがよかったな」
兵4「ぐぅっ、ぁ!?」
雪鎖「病院にいったやつは、植物状態で眠り続ける。 天国の方が、ましだろ?」
ギュウゥゥゥゥゥ
兵4「ぐっ!ぐぁぁ!!!」
ある程度締め付ければ、意識は途切れる。
そこから、いろいろとすれば植物状態になってしまう。
雪鎖「さあ、もう出てきてもいいぞ」
陰に隠れていた女性と子供が出てくる。
雪鎖「で、なんでまたこんなところに?」
さゆり「私は、麻酔薬で眠らされて、気がついたらここに」
女性「私は、後ろから何かで殴られて、起きたときにはここに」
子供「・・・・」
翠「申し送れました。 私、夜埜 翠です」
最終更新:2011年11月15日 19:51