第十六奏 水族
フィーラ「えー、この魔方陣は、古代の水族が使っていた、ヒールⅢの術式といわれています」
なんか見覚えのある術式だなー。
普通におじいちゃんが使っていたのと同じような陣形だし。
ママもこんなの使ってたっけ?
フィーラ「そして、この魔方陣が、水族が考えた最後の術式といわれる、ウォーターⅩの術式です」
うわ、古いな。
今更ウォーターⅩって。
水族はウォーターⅩⅧまで造ったはずだけど。
リーナ「先生、水族はどうして回復魔法を使えるのですか?」
なんだ、その質問。
フィーラ「水族は元々、癒族と同盟を組んでいたと言われます。その時の癒族の術式を取り込み、自分たちの力にしたといわれています」
吸収したのは、癒族だけじゃない。
火、風、雷、土、氷、陰、影、etc・・・・・・。
だから、様々な種族の色々な魔法を、魔方陣として吸収し、種族の力として蓄えている。
もしかすると、元の種族よりも強いかもしれない。
フィーラ「魔方陣を造ることは、難しいことです。水族はそれを、多くの術者をつかってカバーしてきました」
そいうえば、曾おじいちゃんが、魔方陣をつくときには、その術式の必要マナの量に見合ったマナになるように、術者が必要だって言ってた。
でも、実際はそんなにいなくても、私一人でも簡易的な魔方陣は造れるからなー。
いや、時間をかければ、火族の術式第ⅣⅩ、ファイアⅡⅣも造れるだろう。
あくまでも、即時に造る目安だからな。
フィーラ「じゃ、次までの課題に、基本中の基本、無族のレベルⅠ、グルーの魔方陣を造ってきて。条件の指定はなし。自由にやってきて頂戴」
グルー・・・ねぇ・・・。
簡単だな。
フィーラ「はい、じゃ、今日は授業終了。また来月、元気な姿でお会いしましょう」
あー、終わったー。
なんか眠いな~。
フィーラ「ユイナ」
ユイナ「あれ、フィーラ。どうしたの?」
う、む、胸が強調されるように腕を組んでる・・・。
うー・・・。
ユイナ「うー・・・」
なんだかな・・・。
ほんと、損な設定だ・・・。(設定言うなや!)
フィーラ「かわいい・・・かわいいよぅ・・・」
もしかして、フィーラって・・・。
・・・いや、気のせい、気のせいだ・・・。
??「おーい、フィーラ? 何してるんだ?」
あれ、またどこからか声が。
怒ってる・・・?
フィーラ「ど、どきっ!?」
ユイナ「あ、もしかして、テレナ?」
テレナ「ん?あ、ユイナちゃん。久しぶり」
やっぱり、テレナだ。
テレナ「どうしたの?こんなところで。てか、大丈夫?襲われてない?」
え?
襲うって、誰が?
フィーラ「襲ってない!絶対に襲ってないから!」
テレナ「あんたには聞いてないわよ。まったく、可愛い生徒に手を出すな」
えーっと、やっぱり?
やっぱりフィーラは・・・。
フィーラも疲れる設定だな・・・。(おい、おまえな・・・)
ユイナ「えーっと、大丈夫です。まだ・・・大丈夫です」
テレナ「そっか。よかった。でも、油断しちゃだめだよ。こいつ、すぐに手出そうとするから」
すごい人(違うけど)だな。
あれかな、妖精って女性が多いから、そんな人が増えるのかな?
テレナ「で、フィーラ。今日は生徒会の会議があるって言ってたでしょ。もう会議始まる時間だよ」
フィーラ「あ、あはは・・・。つい、この子が可愛くて・・・」
テレナ「あんた、襲うでよ?ぜっっっっっったい」
ちょっと引くかも・・・。
フィーラ「と、とにかく、会議だよね。行こう、か」
テレナ「あ、そうだ。せっかくだし、ユイナちゃんもついてきてよ。この学校のこと、よく知らないでしょ?」
ユイナ「でも、邪魔になるんじゃ・・・?」
テレナ「大丈夫大丈夫。それなら、フィーラのほうが、よっぽど邪魔だから」
フィーラ「ぐはぁ・・・」
フィーラが膝から崩れ落ちた。
何やってんだ?
テレナ「ほら、さっさと行くよ」
ユイナ「ふ、ふぁぁぁぁぁぁ・・・」
フィーラ「か、かわいいー・・・」
テレナ「あんたの気持もわかるけど、さっさと行くわよ」
生徒会室に行く途中、テレナが小声で聞いてきた。
テレナ「大丈夫?ばれてない?」
こんな聞き方、あれしかないだろう。
ユイナ「うん。まだばれてない。ばれたらまた捕まるから・・・」
でも、どうしてこんなことになっているんだろう?
差別? 偏見? 格差?
どれも違うようなきがする。
テレナ「よかった。あ、そうそう、この学校、カナレちゃんもいるから」
カナレちゃんかー。懐かしい。
ユイナ「カナレちゃん、まだ元気にやってる?」
テレナ「生徒会室に行ったらわかるよ。一応、他にも5人、水族はいるから。もしもばれたら、助けを求めるといいよ」
まだそんなに生き残りがいたんだ。
まだ、水族にも希望があるな。
フィーラ「ちょっと、何そこでコソコソ話してるの?」
テレナ「なんでもないわよ。この子が可愛くってねー」
ユイナ「わわ、わわわー」
なんかほほを引っ張られてる。
痛いー。
ユイナ「いあいえふー、あれえうらはい」(※「痛いですー。やめてください」と言っています)
フィーラ「か、かゎいいよー」
テレナ「食べちゃいたいくらい・・・」
ユイナ「や、やめてくらはい。またそんな年じゃないれふ」
まだ痛みが残ってる。
強く引っ張りすぎですよー。
フィーラ「いや、このくらいの年齢が一番おいしんだよー」
なんですと!?
・・・。
ちょっと遊んでみるか。
ユイナ「にゅー・・・」
フィーラ「!!!!」
テレナ「!!!!!」
あれ?
なんかフィーラとテレナが止まった。
ユイナ「?」
フィーラ「お持ち帰りする!絶対にお持ち帰り!!」
テレナ「いや、まだ早いから!てか、持ち帰るの私だから!」
予想と違うけど、これはこれでおもしろいかも。
ふっふっふ、Sの血が騒ぐぜ!
・・・。
今のはなしで。
ユイス「くぴー」
ユイナ「どうしたの?」
なんかユイスがそわそわしてる。
この騒ぎ方は・・・まさか!?
ユイナ「行くよ!ユイス!」
ユイス「くぴー!」
窓を開けて、勢いよく飛び出る。
ユイナ「チェンジ、シフト03」
ユイスが翼となり、私の羽を大きな翼へと変える。
テレナ「ユイナ!?」
フィーラ「!?」
ユイナ「グッドラックです。テレナ、フィーラ」
木々の間を縫って、目的地へと向かう。
途中で何人かの精霊にあったが、今はそんなことを気にしている場合じゃない。
中には、「天使!?」とかいってるやつもいたっけ。
ユイナ「見つけた!」
そこには、影。
おそらく、人間だろうか。
しかも、こいつらは精霊を捕まえに来るといわれていたやつだ。
ユイナ「速効でいくよ、ユイス」
ユイス「くぴー!」
『舞います!』
どこからか、声が聞こえた気がする。
ユイナ「水の術式、第ⅥⅩ、バブルⅩⅤ!」
魔方陣とカードを使い、威力を増した、特性の術式。
水族の力、見せてやろう!
ユイナ「風の術式、第ⅦⅤ。ハリケーンⅤ!」
人間1「なんだ!?」
ユイナ「やあ、人間」
ようやくこっちに気がついた人間が、こっちを見た。
人間2「な、なんだあの魔方陣は!?」
今更、遅いっての。
ユイナ「雷の術式、第Ⅳ。サンダーⅢ」
雷って、造るの大変なんだよな。
人間3「いたぞ!妖精だ!」
あれ?今更それが何さ?
ま、少し遊んでやろうか。
ユイナ「まずは、前菜から行こうか。バブル!」
その名の通り、攻撃は泡を使う。
基、独特の泡であり、必ずしも危険ではないとは言い切れない。
私の場合、元の魔方陣に、付加価値を付け加える、カードをつけているから、なおさらである。
前はそれで自分が死にそうになったっけ・・・。
ユイナ「まだメインディッシュは早いかもしれないけど、ハリケーン!」
人間1「なんだあの魔力!」
あたりに旋風が巻き起こる。
旋風はやがて、ひとつの小さな竜巻となる。
そして、大きくなるにつれ、周りの物を巻き込んでいく。
人間2「ううっ!体が、飛ばされる!」
人間3「あいつさえ捕まえれば!」
一人の人間が、ほふく前進で前に進んでくる。
ユイナ「デザートもいりますか?サンダー!」
竜巻の周囲に、電磁波がまとわれる。
でも、あんまり磁力が強すぎると、たまに周りの砂鉄を全部持って行ってしまうから、ちょっと使いどころが限られる。
この辺りは砂鉄があんまりないからな~。
電磁波自体が特殊なものだから、人間に向かって飛んでいくことがあるけど。
聞いたところによると、死ぬほど痛いらしい。
人間1「ぐあああぁあっぁぁぁ!!」
行ってるそばから、当たってるよ。
人間3「ぐはぁぁぁぁ!!」
あれ?なんか巻き込まれてる?
ま、いいか。
ユイナ「立ち去れ、人間。ここにお前たちの目的を果たすものなどない」
人間2「ひ、ひぃぃ!」
まったく、どんな設定だよ・・・。(設定ちゃうで)
ま、ちょうど術式を試したいを思っていたところだったし、よかったけど。
フィーラ「おーい、子猫ちゃーん」
テレナ「ユイナちゃーん」
NEXT・・
最終更新:2012年06月11日 12:01