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A-18

第十八奏 仲介

珀玉「さて・・・」
 状況は最悪。それにこっちは残弾が少ないときた。
 どうするか・・・。
つばき「まかせてよ。私だって、伊達に5年も留学してたわけじゃない」
珀玉「大丈夫か?」
つばき「大丈夫。そりゃ、普通の高校生にはかなわないけど、私は死んでも死なないから」
 相変わらずな物言いだ。
 こいつらしいのだが、少しも変わってない。
 ほんとに成長したか・・・?
つばき「知ってるでしょ。私、死神だよ?」
『椿、サラですか』
 本名がわかるのも、こいつが同じ存在だからだろう。
つばき「そう。私が椿の守護者。<早冬の寒波>サラ」
『巫女装束というのは、どんな着心地なんでしょうね? ふふ』
 なぜか俺に笑いかけてくるフェリス。
珀玉「な、何だよー」
 そういや、こいつらって全員服違うんだよな。
 つばきは巫女だし、フェリスはメイド服だし・・・。
 ほかのやつは知らないが。
つばき「それじゃ、はじめようか。私は結構えげつないよぉー?」
珀玉「わかってるさ」
 早くやりたくて、体が疼いている感じだな。
 これならすぐに決着はつくだろう。
つばき「行くよ!」

空/海上

 さて、来てみたはいいいけどどうするか・・・。
 ま、習うより慣れろってね。
??「えーと、何だけ・・・。<バーン・セント・レイ・ア・ライブ>・・・だっけ?」
 うまくできてるのか?
 実感わかねぇ・・・。
??「にしても、変な名前だな。しかも無駄に長いし」
 できたからよしとしようか。
??「んじゃ、琥珀はまかせるよ。俺は音に回る」
 (こくん)
 元々言葉数の少ないほうだと聞いていたが、まともな返事を聞けないとは・・・。
 師匠はこいつと話ができるのか。すごいな。
??「じゃ、早く始めようか。頼む」
 (こくん)
 大丈夫。うまくいく。

学校

音玉「こっちです!急いでください!」
 大量発生した謎の機体。
 それらの被害は非常に甚大で、学校まで奴らはやってきた。
杉玉「ここはまかせろ! お前は救助に向かってくれ!」
音玉「わかりました!」
 ここはもはや、安全ではない。
 避難してきた人達をシェルターに誘導する作業がもう小一時間続いている。
音玉「救援です!」
 もう、これ以上、誰も死なせない!
 何と呼ばれてもいい。誰かを守るためなら、傷ついてもいいから!
音玉「開けよ時空。我は汝と中核の仲。拓け隙間!」
 これは、私たちの家系で受け継がれる魔術。
 この世界とは別の世界、私たちが『オルメス』と呼んでいる世界へ続く隙間を空間に作り出す。
雷玉「これは・・・」
 誰にも言えない、秘密。
 私の家系は、オルメスと現世の仲介をしている。
 だけど、過去にオルメスは人里を滅ぼしたことがあり、それ以来人間はオルメスを毛嫌いしている。
 だから、仲介人も嫌われている。
 命を狙われるぐらいに、壮絶に。
音玉「彌鈴! 出てこい!!」
彌鈴「ふぁーい、何でひょう」
音玉「おまえ寝起きかよ・・・」
彌鈴「だってぇー・・・」
音玉「いいから仕事々々。核は?」
彌鈴「あるよー」
 こいつは従珀 彌鈴。
 オルメス側の仲介役で、私の仕事仲間である。
音玉「的はあれよ。そんなに難しいことはないけど、数が多いから気をつけて」
彌鈴「りょーかーい。大丈夫だって。今回のは自信作だからー」
 このゆるい感じが、こいつの特徴だ。
音玉「おーい、優架林さん、出てきてくださいよ。さすがにあいつ一人じゃ無理があります」
優架林「はぁ? ったく、かったるいわねぇ・・・」
音玉「おやつ、あげませんよ」
優架林「うそうそ! 冗談だよ! 本気にしないで!」
 これで釣られるのもどうかと思う・・・。
 この人は圭樹 優架林。
 彌鈴と同じ、オルメス側の仲介人で、彌鈴の家の家主である。
 ただ、下手すると町一つ簡単に壊してしまうので、あまり刺激しないほうがいい。
優架林「あいつらを再起不能にすればいいんだな。任せろ」
音玉「お願いしますよ、ほんと」
優架林「任せてよ。私の武術、見せてやるよ!」
音玉「届くんですか・・・」
優架林「それ、あきらかに私の身長見て言ってるわね」
音玉「いや、あの高さまで届くのですか?」
優架林「人間、諦めなければできないことはない!」
 大丈夫かな・・・。
 ちなみに、優架林さんの戦闘は近接格闘が主だが、少し特異な人である。
 元々は、いわする盗賊のような仕事(?)をしていたらしい。
 で、神社で盗んできた式神が使えてしまったとか。
優架林「なんか但し書きでもしてた?」
音玉「まあ、色々と」
優架林「っし、いっちょやってやるか!」
音玉「お気をつけて・・・」
 すでにいくつか彌鈴がこわしてるみたいだけど・・・。
 早い・・・のか?
優架林「ん?なんだこれ」
 ん?
 ──ドカァァァァン!
 何してるだろう?
優架林「なあ、なんかボタン押したら爆発した」
音玉「ボタン?」
優架林「あいつの上に登ったら、なんかボタンみたいなのがあって、ちょっと強めに押したら爆発した」
音玉「それ、たぶんコアです。あいつの弱点ですよ・・・」
 どんだけ力強いんだ、この人。
彌鈴「あ、優架林さま」
優架林「彌鈴、大丈夫?」
彌鈴「大丈夫だって! 私はこれでもプロの鍛冶屋だもん!」
音玉「核作ってる鍛冶屋って、宇宙探しても見つからないよ・・・」
優架林「だよね・・・」
彌鈴「ちゃ、ちゃんと刀鍛冶もやってるもん! ちゃんと作れるよ!」
 こいつが刀鍛冶やってるのみたこと無いんだけど。
 核ばっかり作ってるイメージだよ。
音玉「あ、これ、注文されていたやつです」
優架林「ああ、ありがとう。仕事早くて助かるよ」
音玉「前があれでしたからね。私たちだけでも、しっかりしないといけないですよね」
優架林「助かるよ。・・・あ、言うの忘れたけど、他のみんなは今日幼児が入ってるから」
音玉「そうですか」
 優架林さんの家には、様々な人(?)が暮らしている。
 そのほとんどは、虎児だったり、捨て子の類の人である。本人は未婚だし。
優架林「但し書きがまたあったみたいね。まあ、いいけどね」
音玉「は、はあ」
彌鈴「じゃ、私はもう一回行ってきます」
優架林「ああ、気をつけて」
彌鈴「はい!」
音玉「じゃ、私もやりますか」
 WA2000、これを改造して、私が名前をつけた「WA-DEF2000」。
 銃剣と装甲をつけ、近接格闘と防御性能への能力を上げたもので、装填数も大幅に強化してある。
 装甲っていっても、銃口の部分に小型の特殊合金を二つつけただけなんだけど。
音玉「援護します」
優架林「任せるよ」
音玉「はい!」
 それぞれが、各々の場所へ散っていく。
 私も、できるだけ多く破壊しよう。
雷玉「仲介、か・・・。本当に、こちら側に仲介人がいたたのか・・・」
音玉「私が、仲介人です。あ、勘違いはしないでくださいよ。『私が』仲介人です。兄さんは関係ないですから」
雷玉「父が言っていたよ。オルメスの奴は、人間と滅ぼすと」
音玉「私を殺してもいいんです。ただ、私だけ殺しても、何も解決しない。だから私は私のできることをする。それだけです」
 私は、この学校が、島が好きだから。
 でも、同じくらい、オルメスのみんなが、好きだから。
 だから、オルメスを守りたい。
音玉「断射、我はこの場を守りたり。多重結界!」
 私の能力。
 一定範囲にドーム状の結界をつくり、一切の物質を通さないものである。
 ただ、一定の、術者の許可したものだけ、通すことができる。
 人なら、通れる。
音玉「でも、結局何もできなかった。私は、親友を守れなかったから。家族を、守れなかった・・・」
 でも、もう誰かが死ぬのは、いやだから!
音玉「私は償う。必ず、闇は断つ!」
 元々、WA2000は、一発の威力が自慢で、連射性能もいい。
 それを、さらに強化して、弾丸を装甲弾から特殊合金弾に変え、連射もフルオートにしてある。
音玉「うあああぁぁぁぁ!!」

NEXT・・
最終更新:2012年08月19日 17:32