手裏剣
syuriken
歴史:14世紀~19世紀
地域:日本
全長:10cm~15cm
重量:0.1kg程度
「手裡剣」、別名を打剣、流星とも。
現実世界・フィクションともども、忍者が使用する飛び道具の代表格として
喧伝されている。
一般に平型(風車型)手裏剣と呼ばれる十字型のものが有名だが、他にも
棒型、鏃型、菱型、組み棒型、短刀型、板型、楔形など多種多様な形状がある。
手裏剣とは読んで字の如く「手の裏(うち)の剣」であり、要するに携行性・
隠密性に優れた刃状のものでさえあれば、それ即ち手裏剣なのである。
(稀に巨大で重量のある手裏剣も存在したというが…)
なお、忍者が次々に手裏剣を投擲して敵を殺傷する…というのは、あくまで
フィクションの世界での演出。
忍者の主目的は情報の収集、或いは標的の暗殺であり、戦闘ではない。
目標達成後は迅速に逃走する事が求められる以上、携行性に優れるとはいえ
鉄製の武具を何枚も装備しておくというのは不合理なのである。
手裏剣を懐に何枚も忍ばせていたのはむしろ武士やならず者の方であり、
彼らは「打物」として手裏剣をはじめ、様々な武器を投擲する術を修練していた。
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よく見られる手裏剣の形状に卍型手裏剣があるが、あれは実はテレビの時代劇において
プロデューサーが発案した創作の小道具である。
卍型の理由としては「先が尖った手裏剣では、撮影時に万一の事があると危ないから」
という、現場の安全対策的なものであったという。
ところがこの手裏剣が画面に登場して以降、急に歴史書や文献に卍型手裏剣の記述が
出始めた上に、その形状についてもいかにも尤もらしい理由をあれこれとつけており
「何ともおかしな事になったな」と、当の本人がコメントしていた。
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最終更新:2014年08月14日 22:58