ブーメラン

boomerang

歴史:紀元前~近代
地域:オーストラリア
全長:約60cm
重量:0.2kg~0.8kg


狩猟または戦闘に用いる、「く」の字型をした棍棒。
オーストラリアのアボリジニが用いたものが特に有名だが、原型となる武器は
世界中にあり、アッシリアの壁画にもブーメランらしき装備が描かれている。

「投擲した後に手元へ戻ってくる武器」として広く認識されているが、当然ながら
全てのブーメランが戻ってくる性質を備えているわけではない。
戻ってくるのは鳥の狩猟に用いる軽量の物であり、使用法も攻撃ではなく群れの
上空をかすめるように(何度も)飛ばして追い立てる、といった方法である。

大型動物の狩猟や戦闘に用いられる、重く威力のあるブーメランは決して手元へ
戻ってくる事はない。
これは当然の事であり、相手を死傷させうる威力で投擲した武器がそのまま
手元へ戻ってくれば、それは自身を攻撃しているのと大差ないからである。

近世までは戻ってくるものも戻ってこないものも全てブーメランと呼ばれていた
ようだが、現在では戻ってくるものをブーメラン、戻ってこない攻撃用のものは
「カイリー(kylie)」と呼んで区別されている。
しかしながら一般に浸透しているとは言い難く、「ブーメラン=手元へ戻ってくる
攻撃武器」という誤認は今後も続くと思われる。

+ ...
……と、色々書いたが、そもそも史実や細かい物理法則を無視した攻撃手段が
色々とあるのがフィクション作品の醍醐味という向きもある。
「自在に空中を飛び回って手元に戻る総金属製の武器」などはもう珍しくもない
頻度で存在しているのだから、身も蓋もない事を言えば武器の歴史なんぞは
無視しても構わないのである。
ただし知識として知っているのといないのとで、使用時のレスの説得力に大きな
差が出る場合もある。頭に入れておいて損はないだろう。

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最終更新:2014年09月02日 02:20