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49 :名無しさん@秘密の花園:2009/10/03(土) 20:57:12 ID:5Ic0sHjE

県予選が終わってからというもの、私は共に決勝を戦った清澄の大将宮永咲と仲良くなり、休日などは原村和やキャプテンを入れて4人で遊んだりすることがたまにあった。
宮永咲と話していると原村和の怨念じみたものを感じるけど、安心しろし!華菜ちゃんはキャプテン一筋だし!
宮永咲と会うようになってからキャプテンともなんかいい感じだし、こいつ本当は鬼神なんかじゃなく天使なんじゃないかな。
だとしたら宮永咲に感謝しなくちゃ。

夏の某日。
私はキャプテンと清澄高校に来ていた。
宮永たちから麻雀のお誘いがあったからだ。私の気持ちを知っている宮永はキャプテンも一緒にといってくれたのだ。
2人きりでデートとか幸せすぎるし!

私たちはあまりの暑さに途中でアイスを買った。

「おいしいですね、キャプテン!」

「そうね。ん?あらあら、華菜ったら…」

キャプテンは微笑みながら私の頬についた溶けたアイスを拭い、ぺろっと舐めた。

「華菜のアイス、おいしいわね」

「あ、あの!一口いりますか!?」

「ふふ、ありがとう」

そう言うとあーんと口を開けてきた。
私はキャプテンの顔を汚さないように慎重に口の中へとアイスを入れてあげた。

(にゃああぁぁあぁあ!!!華菜ちゃん今死んでも悔いないし!!!)

残りのアイスをかっこみ、顔の火照りを冷ました。

「さ、キャプテン!早く行きましょう!」


その頃清澄高校では―――

「華菜さん、大丈夫かなあ…」

(!!!!宮永さん、もしかして池田さんのこと!?)

「あ、あの…宮永s…「あ、きた!華菜さーん!」

(畜生!)


清澄につくと宮永と原村が出迎えてくれた。
笑顔の宮永とは対照的に原村の顔には少し不満げな色が…さてはまた咲がなんかしたな?
キャプテンも原村の様子を心配してたようだったから、私は思いっきりキャプテンにくっついた。
ほら、そうすれば原村も安心、私も幸せだし!

「ちょ、ちょっと華菜…」

あれあれ、…キャプテン怒ってる?
と思ったら顔真っ赤ー!
もしかして…照れてる…?
なんか私まで顔が赤くなってきたし!
それを隠すように真っ直ぐ前を向くと、清澄の部長の竹井がいた。

「あら、こんにちは。福路さん…でよかったかしら?」

「ええ。こんにちは」

私は最初、この人にキャプテンを取られないか心配だった。
でも、キャプテンは竹井になんとなくそっけない。
それが嬉しかった。
華菜ちゃんの大逆転だし!

さ、行きましょうか、とみんなで歩みを進めようとしたとき

「のどちゃーん!咲ちゃーん!」

キャプテンがお弁当をあげたタコス娘だ!
本当ならキャプテンの手作り弁当を食べた罪で制裁を下したいところだけどそこは華菜ちゃん大人だし!

「今日は夏祭りがあるじぇ!みんなで行こうじぇ!」

「夏祭りかあ…行こうよ原村さん!」

「え?!ええ!!たまにはいいかもしれませんね(宮永さんの浴衣も)」

「優希は行くの?数学の追試は?」

「大丈夫だじぇ!無事合格したじょ!」

「なら、私も行くかな。あとはマコも誘って……あ、あなたたちもどう?」

私はキャプテンに目配せをした。

「―――華菜は、行きたい?」

「い、行きたいです!」

「じゃあ私も行かせてもらうわ」

「了解。じゃあ6時に神社ね」

やったー!!!キャプテンとお祭りデートだし!いや、それよりキャプテンの浴衣!早くみたいし!
心の内で祝杯をあげていると原村と目があって、何か通じ合ったような気がした…



そして、祭。
私とキャプテンは一度戻り、浴衣に着替えて一緒に神社に向かった。

「キャプテンすごく似合ってますよ!」

「ありがとう。華菜もすごく可愛いわよ」

いやいや、キャプテンのが可愛いすぎるし!

猫耳をたてキャプテンにくっついて歩く。いや、今なら尻尾もでてるかも。

私はキャプテンに告白することを幾度となく考えた。しかしそのたびに、キャプテンから拒絶されるイメージが私を告白から遠ざけた。
世間では認められることのない恋。
きっとキャプテンを困らせる…もしかしたらもうしゃべれなくなるかもしれない…私はそれが怖かった。
それに、華菜ちゃんは今のままでも十分に幸せだし!
だから…ずっと一緒にいてくださいね…

考えながら歩いているとあっという間に神社についた。

「お姉さんたち遅いじぇー!さあタコスの出店制覇の旅にでるじょ~!」

「原村さん、いこっ!」

「は…はいっ!」

「私たちも行きましょうか」

「ほうじゃの~」

私たちもあとに続いた。
キャプテンと出店を楽しんでいると、大きな花火があがった。

「わあ…」

私はしばらく見入っていた。
キャプテンとこの綺麗な花火を見れたと思うと涙がでそうなほど嬉しい。
まぁ出しちゃうとキャプテンが心配しちゃうから我慢だし!

「キャプテン!すごいですね!キャプテ…」

あれ…?キャプテンがいない…
もしかしてはぐれてしまったんだろうか…
探さなきゃ!私が…華菜ちゃんがキャプテンを見つけなきゃ!

数十分探し回ると、宮永と原村が私にかけよってきた。
見ると二人ともうっすら汗をかいている。
私を探していたのだろうか…
呼吸を整えて宮永が口を開いた。

「あの…さっき福路さんが…」



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私は境内の方へ走った。
そこには宮永の言うとおりキャプテンがいた。

「キャプテン…」

キャプテンは泣いていた。

「華菜…」

私はキャプテンの隣の石段に座り、さっき宮永が言ったことを思い返した。


=================
「あの…さっき福路さんが…部長に告白したそうです…」

え…?私は耳を疑った。

「うそだ…」

「嘘じゃないんです…原村さんが偶然現場見たって…」

はは…惨めだな…こんな絶望天江衣に0点にされたとき以来かな…
なんか原村泣いてるし…
泣きたいのは私だし…

…私が宮永と仲良くなってからいい感じだったのは私といれば竹井のいる清澄に近づけるからで…
竹井にそっけなかったのは意識してうまくしゃべれなかったから…
私が行くから決めたように見えたこの夏祭りも…多分竹井が行くから…


「それで…清澄の部長は…なんて…」

あまり聞きたくないけど聞かずにはいられなかった。

「それが…部長は…福路さんの告白の前に、優希ちゃんに告白したみたいなんです…」

…え?じゃあキャプテンふられ…?

「それでさっき福路さんは境内の方にはしっ…」

宮永が言い終わるよりも先に私の足は走りだしていた。

「ちょ…池田さん!」

原村がなんか言ってる…でも…でも今はキャプテンのとこに行かなきゃ…
なに話すのかもわかんないけど。
きっと…キャプテン泣いてるし!


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それで今に至る。

「キャプテン…聞いちゃいました…」

キャプテンはそう、というようなニュアンスで苦笑した。

「…軽蔑したかしら?」

「してません!」

「そう…」

今度ははっきりと音にだした。


「竹井がタコスに告白したのは知ってたんですか…?」

「…ええ。見てたもの」

「っ!なら…なんでっ!
振られるのわかってて…告白なんか…」

「いいの…振られても。
上埜さんの気持ちは私にはないことこれから先も変わらないだろうし…
ただ…私はこんなに好きだったんだぞーってあの人の心に残したかったから…
あの…花火みたいに」

私は涙を拭くこともしなかった。

「…でも…花火みたいに…散っちゃったら駄目じゃないですか…」

「うん」

「キャプテン…」

「うん」

「好きです…」

「…うん」

「付き合ってください…」

「…ごめんね…華菜…」


こうして私の恋も散った。
嶺よりも高い夜空に大輪の花を咲かせたあの花火のように。


でも、華菜ちゃんはずーずーしいから諦めないし!!!
もし神がいるのなら、前に向かう者を好きでいてくれるはずだから…
キャプテンが竹井を忘れるまで、私は勝ちを諦めない!


おしまい

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最終更新:2009年10月07日 00:16