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266 :続・彼女たちの夜の秘め事:2009/10/08(木) 02:06:49 ID:URW7y06x
 
 
 
 パシャパシャと、
 お湯が跳ねて、分厚い湯気が、まるで私たちを守る様に覆っている。

 僅かに残った理性で、チラリと唯一の出入り口とその奥の脱衣所を見つめて、人気がないのを再度確認してから、私は安心して先輩の胸へと再度吸い付いた。

「くあっ!」

 ぴくん、とまたパシャリとお湯が揺れて、先輩はまるでしゃっくりをしているみたいに、ひくりひくりと絶えず喉を鳴らして、何とも堪らない表情で、私に縋る様な視線を向けてくる。

 ……かわいい。

 キュウッ、と心臓とお腹の奥が、同時に痛みに似た快感を生んで、ほうっと微笑んだ。
 今だけ。
 今だけは、先輩は私のなんだ。

 それは、何とも甘美な妄想。

 でも、その暗い支配欲と優越感が、私の理性に圧倒的に勝って、私は自分を抑える事もできず、早く楽にして欲しいと望む先輩へと、ただくちゅくちゅと胸ばかりをしつこく、じっくりと攻めて、いたぶった。

「く、うぅあ……!」

 苦しげな、甘い声。
 急かされるように、私は先輩の胸の蕾を舐めあげ、唇で食み、歯でくにくにと甘噛みしていく。
 その度に、「ふあぁ…」とか「ぃひぅ!」とか、必死に声を押し殺そうとして、それでも漏れる先輩の喘ぎを、水音と共に聞いていた。

 冷たい風が肌を擦り、
 それすらもただ、気持ちが良かった。

「……先輩」

 あぐっ、と。白い喉に誘われる様に噛み付いて、歯で柔らかな血管を押すと、今までとは違う、僅かに怯む様な、恐怖を感じている様な動きで、先輩はブルッと震えた。
 舌に、じわりと汗の味が広がっていく。

「んっ、……ちゅう」
「ふあっ!? む、むっきぃ、も、やめ……!?」

 ゾロリ、と舌先を尖らせて、捻り込むように肌を這っていく。
 そのまま辿りついた顎の先に口付けると、のけぞっていた喉がぐびりと鳴って、先輩が「うぁ…」って、いやいやと身体を強くよじった。

「も、ぅ、やめ…っ!」」 
「だぁめ、です」
「ッ」

 大岩に更に押し付けて、先輩のもじもじと擦られる足の間に膝を強引にねじいれ、ぐいっと広げる。「ちょッ!?」と羞恥の為か、喉の奥だけの悲鳴を、私は口付ける事で間近で聞いた。

「――――?!」

 暫く、その口内を味わって、ぷあっ、と唇を離すと、舌と舌の間に、銀色の橋がつうっ、とかかり、私はそれにうっとりと魅入る。
 
 私の目の前には、足を開かされて、大切な部分すら私に晒し、快楽にとろけて泣いている女の子がいる。
 そして、それが先輩だという事実が、私をどこまでも興奮させるのだ。


「はぁ、……ねえ、先輩、おねだりしないんですか?」
「――――ッ」

 銀の橋に、同じく魅入っていた先輩はハッとして、ぶんぶんと首を振った。
 普段の笑顔が消えて、怯えた、引き結ばれた唇が、初めて見る先輩の弱々しい表情が、私を絶え間なくゾクゾクとさせてくれる。

 あぁ、一体、先輩は私をどれだけ震わせて、興奮させれば気がすむのだろう?

 こんな気持ちは初めてで、抑えるつもりさえなかった。
 先輩に気づかれない様に、私は密かに「はふぅ」、と快感を含んだ熱い息を漏らす。

「……へえ。寂しいです」

 しおらしげに言って、酷いですと悲しがって、閉じられずに力だけの入った太股の内側を、触れて欲しくてとろけているだろう、先輩の一番敏感で気持ちの良い所に、一番近い場所を選んで、撫でた。

「ひゃ?!」

 驚いてまたお湯を跳ねさせる先輩にかまわずに、にやにやと歪みそうな表情を抑えて、じわりと揉んだ。
 その、すべすべと吸い付く感触にうっとりと酔いしれる。

「ッ、む、むむむっきぃ!?」
「ねえ先輩、我慢は身体によくないんですよ?」

 優しく言って「ね?」と首を傾げると、先輩は酷く情けない顔で弱々しく首を振る。

「強情、ですね」

 だから、私は内心で暗く愉悦を感じながら、ゆるりゆるりと休まずに、円を書くように肌を撫でて、先輩の耳をあむっ、と噛んだ。
 耳元で、その瞬間にもれた先輩の、「いゃ、だ…っ!」という可愛い声にぞわぞわして、堪らずに舌先を耳の穴にねじ込んだ。

「――――ひッ!?」

 先輩の両手が、強張り、私の肩にぎりっと爪を立てる。
 そして、それだけだった。

「チュッ」

 先輩は、私を突き飛ばしたり殴ったりもせず、抵抗とも言えない、ただ私に苦しげに爪を立てるだけで、それだけで終わりだった。
 だから、ぽんぽんって、あやすように背中を撫でると、むずがるようにして、ついには「……ふあぁ」と甘く息を呑んで、私の頭を無意識に引き寄せ始めた。

「……くす」

 そんな、先輩の一つ一つの仕草が、私の心をどこまでも満たして、幸せな気持ちにしてくれる。
 こうやって、少し撫でてあげるだけで、先輩はどこまでも私に身体を許す、その信頼感が嬉しくて、今は少し、切なかった。

「……先輩、おねだりしましょうよ、ね?」

 耳元で囁くと、力の抜けていた身体が、また強張った。

「…ッ、や、やだ」
「先輩?」
「な、なんだよ。む、むっきぃ、なんか、……、きょう、いじわるだぁ」

 私の手の中で震えて、またぐすりと涙ぐむ先輩。
 ぞくぞくと背筋がまた震えて、「もう」と私は、ご褒美としてねっとりと耳朶を舐め上げて、強く吸い上げる。
 そうしたら、先輩は「くぅ…ん!」と嬉しそうに震えてくれた。

「ちゅっ、レロ」
「ひっ! やめ?! わ、わたし、……っ、わたしは」
「……先輩?」



 そろそろ、限界が近そうだ。

 名残惜しいけれど、先輩のお耳から唇を離して、すでにとろとろにとろけた先輩の力ない泣き顔へと、にっこりと微笑む。

「おねだり、しますよね?」
「! ……うぅ」

 じわりと、更に涙で溢れる先輩の瞳。
 すでにたくさん泣いている先輩は、悔しげに歯噛みして、少しだけ躊躇って、でも、やっぱりいやだと首を振る。

「…い、言わない!」

 ぐいっ、と、両手で突っぱねられた。

「……」

 それに、少しだけ拍子抜けをして、私は軽く気落ちする。

「……そう、ですか」

 正直、少し悲しい。
 先輩が、本当に限界が近いという事は、触れていて良く分かるから、そろそろだろうと予測をしていたので、今のは本当に残念だった。

 なぜなら、おねだりをして欲しいというのは勿論あるけれど、本音は、ただ先輩と愛し合いたいと。最初は合意の上が良いと、そう思ったからだ。

 そんなに嫌だといわれたら、私はもう、自分の欲望のままに先輩を蹂躙するしかない。

「……じゃあ、仕方ないですね」
「―――え、ぁ、や、……やめちゃう、のか?」

 冷たく、
 私は先輩を突き放して、勝手にむさぼろうとしていた手を、その台詞でぴたりと止めた。

「え?」

 先輩の顔を見ると、酷く驚いた顔をしていて、火照った身体をもてあまして、困惑しながら大人しくなっていた。
 そして、胸を撫でていた私の手が両手でギュッと押さえられて、私は最初戸惑い、次の瞬間、今更の様に分かりやすくて意地っ張りな先輩の気持ちに気づいて、キュンとしてしまう。

 うぁ、っ、もう! 先輩はやっぱり可愛い。

 本当はして欲しいくせに、我慢して、そんなに感度が良くなって、本当に、愛しいなぁ。

「ん~! 先輩……!」
「え?」

 小さく悶えて、先輩に触れるだけのキスをする。
 驚いて、先輩は目を丸くするけど、私はくすくすと笑って、そんな先輩にまたキスをした。

「やめませんよ。……当然」
「え? っあ、……そ、そう、か。……わ、ワハハ!」
「ええ、先輩のおねだりも欲しいですし」
「……いっ? だ、だからそんな事はしないってば!」

 むぅっと、そっぽを向いてしまう先輩に、あぁ、もう意地っ張りですね。と顔がほころんでしまう。
 心臓が、さっきから痛いぐらいにきゅんきゅんと高鳴っていて、私はもう、どうしようもないぐらいに確信していた。

 先輩への、この想いを。



「ねえ、先輩」
「?」
「私は、どうやら先輩の事が、本当に好きみたいです」
「―――は?」

 大好きみたいです。と。

 私は、先輩がぽかんと口を開けるのを見て、笑いながら。
 自分の想いを告白する。

 そして、だからこそ、私は無自覚の内から、先輩の身体にあんなに興奮して、惹かれていたのだ。
 想いを伝えられた満足感と幸福感で、ぎゅっと抱きしめて、もう一度先輩にキスをした。

「んぅ」
「チュッ」

 さっきとは違い、大人しくされるがままの先輩に優しい気持ちになって、
 だから、もう我慢しなくていいですよと、
 私は、先輩の『女の子』を、予告も無く撫で上げた。

「ひあぁっ?!」

 高い声。
 敏感な箇所への突然の愛撫は、やはり先輩には刺激が強すぎて、悲鳴をあげて身体をのけぞらせた。
バシャン! と湯船を盛大に騒がせて、私に抱きついてくる。

「わぷっ、……もう、先輩ってば、感じすぎですよ」

 微笑んで、
 更にぎゅっと抱きしめて、先輩の頬にキスをする。

「ふふっ、先輩、気持ち良いですか?」
「―――ぁ、……っ、ふぁあ、う、ぅああ!?」

 ぬるぬるの感触と、高い声に、返事はなくても答えは明確すぎる先輩に気を良くして。
 私は先輩の秘所を、なぞる様に、撫でる様に、曖昧な力加減で大切に触れていく。

「……すっごい、ドロドロですよ?」

 湯船の中でもわかる、指に絡みつく濃い粘液に、そんなに感じてくれたのかと嬉しくなる。
 私の指で先輩が感じてくれているという事実に、歓喜に身体が震えて、私は先輩をもっと感じさせようと、指をやや乱暴に動かす。

「んきゅ!」

 必死に声を押し殺そうとして、歯を喰いしばって耳まで真っ赤な、快楽を逃がそうと身体をよじってばかりの小さな先輩。
 私の指の一つ一つに素直に従ってくれる、従順な貴方に、ご褒美として、もう意地悪はやめだ。

「ゃ、あっ、あぅ、ぅあ、つ、つよ、ぉいよぉ?!」

 背中がカリカリと引っかかれる心地よい刺激。
 バシャバシャとお湯がうるさく揺れる事すら、耳に心地よく、先輩の女の子の声をより豊かに、大きく、私だけのBGMとして聞かせてくれる。

 キュッ、と、先輩の肉芽を、やや乱暴に抓って、押し込んだ。

「―――ッ?! っ、ああぁぁあぁぁっっ!!」

 バシャンッ!! と最後に先輩は。
 私を突き飛ばしそうな勢いで、盛大に達したのだ。













 はあ、はあ、と荒い呼吸音だけが響いた。

 先程までの騒々しさが嘘の様に、シンと静まり返る露天風呂。
 私はそんな中で、先輩を膝の上に乗せ、胸から上をお湯の外に出すようにして、ちゅっ、ちゅっ、と絶え間なく、その肢体にキスの雨を降らしていた。

「先輩、すごく可愛かったです」
「……はあ……はあ」

 真っ赤になって力の抜けた先輩に、私はほっこりと幸せで、先程から顔の緩みが抑えられなかった。
 先程までの荒々しい、黒い感情も薄れて、今は穏やかに先輩を抱いていた。

「いつもの『ワハハ』も好きだけど、今のも格別に好きです」

 凄く素敵な、どんな楽器にも奏でられない、先輩のあの瞬間の声。
 うっとりとして、その肌に頬ずりする。

「っ」

 と、ガブリと肩に噛まれた。
 「いたっ!?」と、思わず触れていた手が離れて、

「……あ?!」

 また触ろうとした時には、先輩はふらつきながらも後ずさって、ばしゃばしゃとお湯をかきわけて、私と距離をとり、涙目でこちらを、荒く呼吸をしながら、弱々しく睨んでいた。
 両足は、先程までの名残でガクガクと揺れて、今にも崩れそうだった。

「……先輩?」

 どうして逃げるんですかと、近寄ろうとして、先輩に涙目で睨まれて、立ち止まる。

「ぁ、ああ、あのなぁ!」

 なんだか、その声は怒っていた。
 でも、切なげに両腕で身体を抱いて、私の顔を気にして、チラチラと視線を逸らしながら、先輩は涙声で私を呼ぶ。

「……む、むっきぃ!」
「は、はい」
「……さ、さっき」

 くっ、と唇を噛んで、そのまま、先輩は口ごもってしまった。
 「……っ」と口を引き結んだまま、赤い顔を背けるその表情に私は「?」と首を傾げて、先輩の赤く色づいたら裸体が色っぽくて。
 私はあんな事をしたのに、正視できなくて、そっと目を逸らした。

「って、い、いうか! む、むっきーの癖に、なんでそんな、意地悪するんだよ」
「? 先輩」
「普段は、ちょっと頼りなくて、でも優しいし、こんな、ひどい事しなかっただろぉ」

 先輩が、小さく震えながら、私を見る。
 僅かな光源から照らされる先輩の表情は、さっきよりもずっと、沈んでいた。


「……わ、私を好きとか、嘘をつかなくてもさ」
「え……?」
「こ、こんな風に、洒落にならない仕返しなんて、しなくてもさぁ」

 声が、途中からどんどん崩れて、先輩の口は笑っているのに、ちゃぷりちゃぷりと震えながら移動して、ざぱぁっ! と温泉から駆ける様に出た先輩は、呆然とする私に、くしゃりと、紙くずみたいに、くしゃくしゃに笑った。

「……わ、わたしを、嫌いなら嫌いって、ちゃんと言えば、いいだろぉ……!」

 ポタポタッと、さっきとは違う。全然違う涙の粒。

 ――――プツリと、
 すでに切れていた何かが、更に激しく、崩れ去った音がした。


「――――先輩ッ!」


 気がついたら、私は。
 最初に、部屋で先輩の唇を奪っていたように、先輩をタイルに乱暴に押し倒して、キスをしていた。

「――んんっ、んぅぅぅう!?」

 暴れる先輩をおさえて、片手で両手を拘束し、足の間に入る事で閉じさせないで、先輩の顔を見る。
 先輩は、泣いていた。

 それは初めて見る。

 先輩の泣き顔。


「……何を勘違いしているんですか、先輩」
「か、勘違いって、こ、こんなの。さ、最初はただ、むっきーの気がすめばいいって、思ってたけど、こん、こんなに焦らして、意地悪されて」

 ポタポタと先輩が、悲しそうに泣いている。
 ……あぁ、こんな顔、誰に想像できる?……私はできなかった、彼女の未知の表情。

「……ど、どー考えても、私の事、嫌いで、鬱憤を晴らしてるみたいじゃんかぁ」

 みーっと、子猫みたいな泣き方で、もう欠片も笑えないでいる先輩。
 そして、私はゆっくりと、自身の心の動きを知っていく。

 ……私は、きっとこの顔が見たかったんだ。


「先輩」

 チュッ。

「ほら、こっちを見て下さい。大好きです先輩」

 むずがる先輩の頬を固定して、無理やりキスをする。
 チュッ、チュッ、と。

「意地悪をしました。ごめんなさい。……これからは、私なりに精一杯、先輩を愛します」

 ぐすぐすと、泣く先輩に、私はたくさんキスをして、ゆっくりと顔を下へと持って行く。
 今は、自分が情けなくて恥かしくて、とても先輩の顔を見ていられなかった。

 例えそれが、こんな意地悪をしてまで、ずっと見たかった顔だったとしても、だ。

 ちゅう、とおへそに口付けて、ぴくんと震える姿を愛しく思う。
 先輩が「…え?」って、私の顔がそこにない事に気づいた時には、もう、遅すぎる。

「……いっぱい、私なりに精一杯、愛するって言ったでしょう?」

 驚いて、泣き顔のまま上半身を起こそうとした時には、私はもう、先輩の両足を固定して、―――ちゅうっ、と口付けていた。
 先輩の大事な『女の子』に。

「――――ッ?! ぅうあ、ひゃああ!?」

 今までで、一番、高くて可愛い、先輩の女の子の声が聞こえて、ぐしゃぐしゃと頭に、先輩の手が食い込んで握り締められる。

「ゃ、やだ、やだやだぁ?! き、きたらい、きひゃない、へばぁ!」

 先輩の必死な声。それが、もっと聞きたい。

 舌で唇で、先輩の秘所を、私にもある部位だからこそ、感じる場所を探り当てて、たっぷりと感じてくださいと奉仕する。
 肉芽を唇で引っ張ると、呼吸すら苦しそうに唇のはしから唾液をこぼしながら、先輩がいやいやと首を振って感じてくれる。

 先輩、好き、好きです……!

 舌の伸ばして、先輩の入り口をなぞってぐりぐりと押し込めると、先輩の太股ががくがくと震えて、先輩の味が口内に一杯に広がっていく。
 その先輩の味に、舐めても舐めても溢れる液体に、私の方こそ濡れてしまいながら、とどめとばかりに先輩の肉芽に―――噛み付いた。

「んきっ! きゅ、きゃうぅ、うあ、あぅうぁあああぁっぁぁぁあぁ!?」


 プシャリ、と。
 熱い液体が顔半分にかかって、先輩は高い声をあげて、イッた。

「………っふ」 

 とろりとする唇の周りを舐めながら見る先輩の顔は、快感に真っ赤にとろけて、世界で一番素敵な、私にとってもっとも可愛い、女の子の顔だった。

 そうして、気を失った先輩に、私は微笑んで、自分で自分の秘所にくちゅりと指を伸ばし、
 先輩の顔を見たまま、じっとりと満たされて果てた。
 










 おまけ、というか次の日。


 先輩は元気に「ワハハ」と笑いながらも、どうやら足腰が立たないらしく、ずっと座ったまま動こうとしなかった。
 私が理由をにっこりと微笑みながら尋ねると、先輩は「ワハハ」と笑いながらも少しだけ怒った様に、私をこづいた。

「……腰が痛いんだ」

 その台詞に、私は即座に真顔で「むらむらします」と答え。座布団ではたかれた。

「そ、そのエスなむっきーは昨日限定じゃないのか?!」
「いいえ、先輩と二人きりに限定で、出てきます」

 ふたたび真っ赤になる先輩に、私はサラリと髪をほどいてストレートにし、昨日と同じ様に、先輩を組み敷いた。

「……あ、あと。髪をほどくのが、まずいんじゃないか? むっきー覚醒なのか?」
「はい、先輩限定で」
「……い、いつか限定でなくなったら、もしや最強じゃないか?」

 じりじりと逃げようとする先輩に、私は微笑んで、顎を固定する。

「それより先輩。私は先輩とキスがしたいです」
「わ、私は正直に言うと、したくない!」
「……っ、余計にしたくなりました!」
「このドエスッ!」

 抵抗する先輩にドキドキしながら、私は有無をいわさずに口付けた。
 

 先輩は知らないだろうけど、
 私は先輩のそういう顔を見るのが、本当に好きなのだ。

 いつも皆に見せる笑顔以外を、私は見つめて、独占したい。

 何より。

「……先輩の泣き顔は、とってもそそるんですよ?」
「へ、へんたい」

 すでに泣きそうな先輩に、私は想像する。

 もしも、想像だけの、
 見た事もない先輩の泣き顔に、私は知らずに『恋』をしていたなんて知ったら、どういう顔をするのだろうって。

 笑う貴方の泣き顔が、恋しかっただなんて。

 私は、それを想像するだけでも楽しくて、それじゃあとばかりに、先輩の帯を解きに掛かった。

 今はお昼の休憩中。
 お腹ごなしに、先輩と汗をかこうと、浴衣を脱がした。








 おわり?

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最終更新:2009年10月09日 23:24