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420 名無しさん@秘密の花園 [sage] 2009/10/12(月) 00:37:26  ID:svu/KI5/ Be:


 皆さん、こんにちわ!
 あ、今はこんばんはでしょうか?
 鶴賀学園2年の妹尾佳織です。
 突然ですけど聞いてください!
 なんと!
 今日は久しぶりに、智美ちゃんが家に遊びに来るんですよぉ~!
 …いつぶりかなぁ。
 私が高校に上がってからは、何となく疎遠がちになっちゃって、学校でしか会えなくなっちゃいましたから、中学生以来でしょうか?
 麻雀部に入ってからも、集まるのは部室だけですし。
 今は…ちょっとだけ距離間が曖昧です。
 でもでも!
 今日はその微妙な距離感を、前みたいな親密なものに戻せるよう、私頑張りますっ!

 と、いけないいけない…、変にテンションばかり上げても空回りするだけですね。
 気を引き締めなきゃ。

―――
――

 ピンポーン

「ワーハーハー」
「いらっしゃいです~」

 開口一番、智美ちゃんの口ぐせで、私たちは顔を合わせる。
 ちなみに今日も智美ちゃんはかわいいです~。

「んで?久しぶりに来たけど、エロ本は隠したかー?」
「そ、そんなもの初めから持ってないよぅ!」

 軽口というか、智美ちゃんはいつも通りの調子で、私だけが緊張してるみたいで間抜けです~…。

 と、とりあえず、私の部屋にあがってもらって…お茶を出して…
 おやつを出して…それから…それから…。


「うんうん。やっぱり学校じゃない時は敬語使わないんだなぁ、佳織は」
「え、智美ちゃん気付いてたの?」
「んー?まーなー。佳織とは長い付き合いなんだし、すぐわかったぞー」

 …一応、麻雀部では後輩に桃子さんがいるから、上下関係をはっきりしておかないと、って思ったんですけど。
 やっぱり、智美ちゃんにはお見通しなんだね…。

「お前なりに考えての判断だろー?」

 ワハハ、と智美ちゃんは笑ってる。
 …凄いなぁ、幼なじみって。

「良い子だなぁ佳織はー」
「うひゃっ…」

 な、撫でられてますっ!
 私智美ちゃんに頭撫でられてますぅ!

 プシュー、なんてアニメチックな効果音が出てますよ今の私!

「ワハハ。どしたー?顔赤いぞー?」
 ぴと、と私の前髪をかき上げて智美ちゃんの顔が近づいて…近づいて…
 はわっはわわわっ!
 顔がっ、智美ちゃんの顔が目の前にぃっ!

「んー熱はないみたいだな」
「さ、智美ちゃん!」
「んぁ?」
「おやつっ、おやつを食べましょう!」
「今食べてるだろー?」
「じゃ、じゃなくてえっと、あの、その…うぅ…」

 私、頑張るって思ってたのに…。
 こんなんじゃ、いつまで経っても縮まるものも縮まらないないよぅ…。

「落ち着け佳織ー」
「さ、智美ちゃん…」

 気付けば、智美ちゃんは私の肩を抑えてて、心配そうな表情だった。

「ご、ごめんね?何か、その」
「んー、今のは私にも非があるぞ」

 え?

「まさかそんなに動揺するとは思わなくてなー」

 智美ちゃんは申し訳なさそうに頭を掻いてて、私は何がなんだかわからないよぅ…。

「でも、今ので決心がついたぞ」
「決心って…何の?」
「まあ、そんなに大袈裟なことじゃなくてなー」
「?…何か、智美ちゃん勿体ぶってるでしょ…」

 またワハハって、やっぱり何かを躊躇うような顔。

「…じゃあ、ちょっとだけ待ってくれ」

 そう言って、智美ちゃんはその場に正座を…正座?

「智美ちゃん?」
「ああ、うん。ワハハ」

 かつてない程に真剣な表情の智美ちゃん。
 え…えぇと、何が?

「佳織」

「はひゃい!」

 これまたかつてない程にキリッとした声色で…私は何だかドキドキしてしまいます…。

「今日、遊ぼうって誘ったのは私だよな」
「う、うん」
「それには、一応、じゃないな…ちゃんとした理由があったんだ」

 智美ちゃん…何か凛々しくてかっこいいですぅ…。

「今日は…佳織に」

「 私 の 嫁 に な っ て ほ し い と 言 い に 来 た 」

 ……。
 …………。
 ………………へ?

「え?ひぇ!?ええぇぇぇえぇぇぇ~!?」

「ワハハ。いやぁ~何となく予想はしてたけど、驚き方がデフォルトだなぁ」

 そ、そんな!ま、ままま、ままさか智美ちゃんがそんなことっ!
 いや、でも今嫁とか、何とか…お、お嫁さん!?
 はわっはわわわわっ!

「お~い…佳織~」
「およ、およ、よめさっ…」
「ワハハ。じつりょくこーしー」

 だきっ

 ひゃう!?
 だ、だきっ、だきだきっ、抱きつかっ!抱きつかれっ…あわわわわわ!

「…まあ、こうなるよなー」

 あまりの衝撃に、私の意識は、数分の間途絶えました。

―――
――

「うぅ…ん…」
「お?」
「さ、とみちゃん…?」
「ワハハ。おはよう、佳織」

 …うぅ、ん?
 あ、頭が何か柔らかい…。
 …はっ!
 これは膝枕!膝枕ですぅ!

「ワハハ。10分ぶりだなぁー佳織ー」

 じ、10分も気絶してたんですか…私。
 そ、そんなことより…

「あの、さっきの、あれ…」
「んー、そのままの意味だぞ?」
「じゃあお嫁さん…っていうのも」
「もちろん、本気だ」
「はぅぅ…」

 恥ずかしくて、智美ちゃんを直視できません!

「もひとつついでに」

「好きだぞー佳織ー」
「さ、智美ちゃん…」
「んー、返事は、」
「好きですっ」
「お」
「私も智美ちゃんのこと…大好きです!」

 もう何もかもどうだって良いです!
 ボロボロになるだけで、結局私は智美ちゃんに何にも出来なかったけど、それすらもうどうだって良いくらい智美ちゃんが好きです!

「ワハハ」
「智美ちゃんっ」

 なりふり構わず智美ちゃんに抱きつきました。
 智美ちゃんは、私の頭を優しく撫でてくれて、強く抱き返してくれました。

「もう絶対手放さないから覚悟しろよー」
「うん…うん!」

 結局のところ、私たちは別に、初めから擦れ違ってなんかいなかったみたいです。
 ただ、お互い踏み込みにくかっただけでした。

 ムードも何もないですけれど、何となく、それも私たちらしいな、と思いつつ。
 今日の日記は終わりです~。

 私のこと、大事にしてくださいね…智美ちゃん。

 後々聞いた話ですけど。
 智美ちゃんも、考えていたことは私と同じだったみたいです。

「いやいや、ずっとモヤモヤしていたのさー」
「高校に上がってから、なぁんか距離感が違っちゃって」
「私は何も変わらないけど、佳織はどんどん可愛くなってくし、学年も違うから色々心配が募っちゃって」
「あ、主に恋話な」
「そんで、この曖昧な感じをどうしよっかなーとか思ったけど」
「結局私は私らしく、真っ直ぐに行こうって思った訳だ」
「それであんな感じの告白になー」

 って言ってました。
 ばたばたしてたの、私だけじゃないみたいです。
 ふふっ。
 やっぱり、智美ちゃん昔と何も変わらない、真っ直ぐなままの智美ちゃんでした。

「ちなみに、嫁にしたいってのは、中学の頃から思ってたぞー」

 も、もぅ…智美ちゃんったら…!

了  

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最終更新:2009年10月13日 11:29