372 :名無しさん@秘密の花園:2009/11/02(月) 02:53:36 ID:XDpVaW0+
勢いで書いたゆーき、まこものを投下します。
タイトル: 「とある恋のはじまり」
「はぁ~…」
合宿二日目、夕食後の自由時間、あたしは一人部屋の椅子に座って
ため息をついていた。
どうも、のどちゃんと咲ちゃん二人の様子がおかしい。
朝の練習開始に遅れて入って来た時から二人の間にびみょーにエロエロな
雰囲気が漂よっていた。
対局中はそうでもないけど、合間で目と目があうと二人で照れあったり、
「咲さん」
「のどかちゃん」
なんてお互いを名前で呼び合い初めてるし…
「二人が名前で呼び合ってるじぇ」
あたしがそう指摘すると、友達同志なんだからおかしくないでしょとか言って
真っ赤になっていたのどちゃん…
(のどちゃん、そんなばればれの態度では私の目はごまかせないじぇ)
二人の間の関係が今までよりも進んだんだろうな、という事は
あきらかだった。
「のどちゃんはアタシの嫁、ってずっと言ってたのになぁ~
やっぱり咲ちゃんに取られちゃったじぇ…
あたしの方がずっとのどちゃんとの付き合い長いのに…」
なんとも言えない孤独感と喪失感を味わいながら、独りつぶやく。
夕飯後の自由時間、のどちゃんと咲ちゃんに露天風呂に誘われたけど
そんな二人を見ていたくなくて
「二人で行っていちゃいちゃしてくるといいじぇ!」
なんて、軽い冗談を言って送りだしてしまった。
そんな言い方をした自分にさらに自己嫌悪…
「はぁ~ のどちゃん…」
今日何度目かのため息をつく、ああ、だめだじぇ…
なんだか泣きそうだ…
「どうしたんじゃ、そんなため息をついて?」
思いつめていたせいか、染谷先輩が入ってきたのも気がつかないでいたみたいだ。
「なんでもないじぇ…」
「そうか?」
先輩はそれ以上は何も言わなかったけど、近くに立って私の頭をやさしくなでてくれた
きっと気づいてるんだろうけど、何も聞いて来ない。
先輩流の気遣いが嬉しくて、涙が出そうになる
「ありがとうだじぇ…」
「何もしとらんよ」
そのまま、先輩の身体に頭を預けながら、しばらくなでてもらう
心地よい沈黙… そして、染谷先輩の手のぬくもりを感じて、一人じゃないんだ、
という不思議な安心感が広がって来た…
「なんかちょっとだけ元気になったじぇ…」
「そか?じゃあ、何か飲み物でも買いに行くか?」
「いくじぇ」
まだ、先輩に甘えていたい気分もあったので、先輩の左腕に両腕を絡ませて立ち上がる。
先輩は甘えん坊の私をくすりを笑ったけど、その手を振りほどくことはしないで
そのまま廊下を歩きはじめた。
「何を飲むかのう」
「あたしはフルーツ牛乳がいいじぇ」
「まーた、飲むんか……」
突然先輩が窓の前で立ち止まった
「???」
先輩の視線の先をみると、窓の外の中庭で、部長と、風越のキャプテンさんが
仲良く歩いているのが見えた。
部長は今まであたしが見たこともないような笑顔でキャプテンさんと話していた
そして、キャプテンさんはそんな部長に甘えるように身体を預けていて…
どう見ても恋人同士が二人楽しく散策しているようにしか見えなかった。
「あはは…やっぱりそうか…」
先輩は窓の外を眺めながらつぶやいた。
その顔はなんだか今にも泣き出しそうだった…
(そっか…先輩は部長のことを…)
なんとなく気がついてしまった… さっきまでの自分と同じだったから…
「せんぱい…」
あたしは、ちょっと震えていた染谷先輩の手をとり、両手でぎゅっとにぎりしめた
本当はあたしにしてくれたみたいに頭をなでてあげたかったけど、手が届かなかったから…
「ゆーき…ありがとう。」
泣きそうな顔を隠すように、先輩はにぎりしめた手を握り返してくれた。
そして、ぽんぽんと私の頭を叩く。
「なにもしてないぢぇ」
「いいや、いっぱい元気をもろうとる。」
先輩はぎこちないながらも、微笑み返してくれた。
その、どこか憂いのある笑みに心がどきりとする…
「さ、さあ、、フルーツ牛乳のみにいくじぇー!」
照れをかくすように染谷先輩の手をひっぱり歩き始めた。
いつかこの先輩を心から微笑ませてあげたい、、 そんな風に思いながら…
最終更新:2009年11月03日 14:25