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904 名無しさん@秘密の花園 [sage] 2009/12/02(水) 02:49:41  ID:x7HAKm1X Be:

みんな寝静まったようっすね。

やっぱり合宿といえばこれはお約束っすよね?
『寝てる顔に落書き』
ふふふ…それじゃ先輩、覚悟するっす。

まずはほっぺたにおヒゲを書いて、お鼻を黒く塗ってと…。キュッキュッ。
先輩、かわいい、かわいいっす!このまま連れて帰りたいっす!先輩…

──10分経過

はっ!あまりの愛らしさに我を忘れてたっす。
気を取り直してと。落書きといえば定番のあれっすよね?おでこに…

『肉』

ぷ…くっ…くくっ…さすが定番っす。凄い破壊力っすね。こ、これはキツいっす。
でもフェイスペイントだし、すぐ消えるし、大丈夫っすよね。

──マ○キー油性マーカー

あれ?

──マ○キー『油性』マーカー

そんなバカなぁ!!!な、なななんで油性っすかっ!
たしかに、すぐ落ちるフェイスペイント持ってきたはずなのにっ!なんで、なんでっ!!
お、落ちつくっす。なんとか落書きを誤魔化すっす。
まずは目立たないように、おでこの『肉』に一文字付け足して…。キュッキュッ

『肉欲』

な、何をやってるんすか、私は…。これじゃ変態さんじゃないっすか…。
こうなったら文字を塗りつぶして黒目にして三つ目を作って…。キュッキュッ
こ、こわっ。先輩は眼を閉じてるのに、邪気眼だけこっちを見てるっす…。
だったら瞼の上に眼を書いて…。キュッキュッ
…マネキンみたいになったっす…邪気眼持ちの…。う~、今度こそっ!キュッキュッ…

──30分経過

どうしよう…。どんどん酷くなってるっす…。こんなはずじゃなかったのに。
みんなが起きる前に先輩起こして、笑って怒られて…。
それで落書き消しに一緒に朝の露天風呂に行こうって思ってたのに…。
油性じゃ消えないし、こんなになってたら先輩も本気で怒るっすよね?
先輩に嫌われるっすか?こんなつもりじゃなかったのに…。

………じわっ

「うわぁぁぁ~ん!先輩、ごめんなさい、ごめんなさいっ!!」ガバッ!
「うわあああっっ!!!…って、モモか…。どうしたんだ、こんな夜中に?」
「ごめんなさい…先輩。私のこと、嫌いにならないで欲しいっす」
「…?なにを謝ってるのかわからないが、私は何があってもモモを嫌いになったりしないぞ?」
「ほんとっすか?」
「本当だ。さぁ、まだ朝まで時間がある。もう寝よう」
「はい。…先輩、おやすみなさい」
「おやすみ、モモ」

やっぱり先輩は優しいっす!大好きっす!…でも、やっぱりその顔は怖いっす。



──翌朝

「おはようございます、加治…」
「おはよう、津山。…津山?その札は何だ?」
「妖怪退散っ!!!」
「ま、待てっ!私だ、加治木だっ!」
「…あ、加治木先輩?」
「そうだ。まったく、まだ寝ぼけているのか?」

朝から襲われるとは…。それにしても何で、そんな札を持っているんだ?

「う~ん、うるさいなー」
「ああ、すまない蒲原」
「…ユミちん?ぷっ、ワハハハハハハハハッ!!」
「蒲原?」

何かおかしい。私の周りで何かが起きている…

「ふわぁ~。おはようございます、加治木せ…」バタッ
「か、佳織?しっかりしろ、佳織っ!」
「…あ、あれ、智美ちゃん。なんか変な夢見たみたい…加治木先輩が悪霊になってて…」
「ワハハ、半分合ってるな」

まさか、昨日のあれは…
『うわぁぁぁ~ん!先輩、ごめんなさい、ごめんなさいっ!!』
そうか、そういう事か…

「津山、鏡を貸してくれないか?」
「あの、見ない方がいいと…ぷっ…思うんですが…ぅ…くく…」
「落書き…されたんだな」
「はい。残念ですが見事なまでに…ぷ…くっ…」

お前は出来た後輩だよ。そんなに震えてまで笑うのを堪えてくれるとは。
だが、もう我慢しないでくれ、津山。震えるを通り越して、痙攣に近くなってきたぞ…
それに引き換え、こっちの後輩は…

「モモ、起きているんだろ?」
「ね、寝てるっすよ、まだ。すー、すー」
「津山、モモの腕を押えろ。蒲原は足。妹尾は頭だ」
「せ、先輩、なにをっ!!!」

その問いには答えず、マ○キー『油性』マーカーに手を伸ばした。

「桃子、因果応報というやつだ」
「ワハハ、あきらめるんだなー」
「あの加治木先輩、桃子さんも反省してるでしょうし…」

ギロッ…

「ひぃっ!ご、ごめんなさい、桃子さんっ!!」

さて、どうしてくれよう?

「せ、先輩っ!そんなっ!昨日の夜は許してくれるって言ったのにっ!」
「嫌いにならないとは言ったが許すとは言ってない」
「あっ…」
「成敗」

ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ………っす



ちゃぷん…

そんなわけで予定は狂ったっすけど、先輩と朝の露天風呂に入ってるっす。

「う~、完全には消えてないっす」
「誰のせいだ、誰の」
「ごめんなさい」

先輩は不機嫌そうにしながらも、私の頭を撫でてくれるっす。
先輩は本当に優しいっす。ごめんなさい…もう絶対しないっす。

でも…

「やっぱ不思議っす。たしかにフェイスペイント持ってきたはずなのに
 なんでマ○キー『油性』マーカーになってたっすか?」
「でかける時に慌てて間違えたんだろ」
「そんなはずないっす。荷物は前日には纏めてたのに。う~ん…」
「そんなことより、せっかくの露天風呂だ。景色を楽しまないと損だぞ?」
「…そうっすね、先輩!」

たしかに目の前は絶景。隣を見ればさらに絶景。楽しまないと損っすね。

「先輩、また温泉来ましょうね?」
「ああ、今度は二人で…な」



──そのころ

「あれ?智美ちゃん、これなぁに?」

水性ドーラン用マーカー『顔ペン』

「佳織、策士とは自らの手は汚さないのだよ、ワハハ」
「ふぇ?」



おわり

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最終更新:2009年12月02日 18:46