460 :昼休みの憂鬱:2009/12/18(金) 01:56:20 ID:T7/V/wIc
「今日は寒いですね。」
「そうだね。」
誰もいない昼休み。
昼寝をしようと私は旧校舎に来ていた。
やはりと言うべきか、部室には誰もいなくて、私は一人、部室のベッドに潜りこんでいた。
布団はまだ冷たくて、温まるまで待っていた。
そんな時…。
部室に姿を現したのはのどちゃんと咲ちゃんだった。
私には全然気付かない。
ここでちょっとしたイタズラ心が芽生えてしまったんだじぇ。
イタズラ心というよりは好奇心かもしれないけど…。
「…。」
私に気付かないのをいいことに二人を観察することにしたじょ。
窓辺で寄り添いながら冒頭の言葉を交わしてからは、無言。
ちょっと布団から顔を出してみる。
二人は手をつないで空を見ていた。
ん?
そもそもあの二人は何しにここにきたんだじょ?
「…寒い、ですね。」
「…う、うん。」
そんな疑問が浮かんだとき二人の間に会話が起きた。
さっきと内容は同じなのになにか変…。
「み、宮永さんっ!」
「へっ!?」
そして一瞬の静寂のあとのどちゃんは咲ちゃんに顔を向けた。
のどちゃん、真っ赤っかだじぇ。
「い、いや…あの…。」
「何…?」
「あの…、ほんとにするんですか?」
な、な、な、何をー!?
声をあげそうになって慌てて口を塞いだ。
「原村さんは…いや、なの?」
「いい、いやじゃないです。でも…。」
「でも…?」
好奇心大爆発だじょ!
私はもう二人から目が離せなくなってしまった。
というか、咲ちゃんが意外にイケイケなのに驚いたじょ。
いや、天然なのかな?
「部長たちが来るかもしれませんし…。」
「うーん…。じゃあさっ、鍵かけちゃおうよ。」
とことこって咲ちゃんが扉の鍵をかけた。
…まずい。
非常にまずいじょ!
あの二人は二人きりだと思ってる。
だけど、実際は私がいるじょ…!?
「これで大丈夫だよ!…原村さんはこれでも嫌なの?」
いや、うん、でも、元々私が先客なんだし。
「い、やじゃないです。」
自己解決して二人に目をやって固まった。
「宮永さん…。」
「今は咲って呼んでよ…、和ちゃん。」
「咲、さん…。」
……。
落ち着くんだじょ!
素数を数えるんだ!
タコスの作り方を思い出せ!
「んぁ…。あ。」
「んん…。」
………。
エロい…。エロすぎるじょ。
そ、そんな長くキスしないで欲しいじょ。
見てらんないじぇ。
と思いつつも二人が唇を離すまでちゃっかり見ちゃったじょ。
のどちゃんはさっきよりも、麻雀のときよりも顔を火照らせてる。
咲ちゃんは…意外と余裕そう。
「こういう寒いときはね、人肌がいいんだよ。」
「咲さん…。」
「だから…ね、和ちゃん。」
まずいまずいまずいじょ!!
二人がこっちに来る。
今顔なんか合わせられないじょ!
「ん…、あ…。さ、寒いですよ、咲さん。」
「大丈夫だよ、これから暖かくなるから…。」
とっさにベッドの下に滑りこんだ。
さっきまで私が寝てたベッドで二人は今…。
「や…、んく…。ふぁ。」
「やっぱり和ちゃんの身体気持ちいいよ。」
「あ…は、恥ずかし、いですんぁ。」
…堪えられない。
さすがの私でももう堪えられないじょ。
なんとかこっそり部室を抜け出した私は廊下で京太郎と会った。
「お、ゆーきどうした?元気ねぇな。それに制服が汚れてんぞ。掃除でもしたのか?」
「ちょっと、ほふく前進してきただけだじょ。」
「はぁ!?まぁいいや。部長にこれを部室に運ぶように頼まれてんだけど、一緒に行くか?」
「だめだじょ!!京太郎!行ったら死ぬ、死ぬじぇ!」
言った瞬間、さっきののどちゃんと咲ちゃんの声が脳内再生されて、恥ずかしくなる。
「んあ?んじゃ、まぁ部活んときでいっか。」
京太郎の言葉で部活の存在を思い出して、私は放課後までずっと頭を悩ますことになる。
どんな顔をすればいいんだじょ…。
そして、私は知らなかった。
こっそり出て行ったはいいけど外から鍵はかけられないから、部室の扉の鍵は開けっ放しだったということに…。
そして…
「須賀くんはちゃんとあれ運んどいてくれたかしら。」
部長も…
「あら、誰かいるの?」
二人のあんな姿を見てしまったことを私は知らない。
最終更新:2009年12月20日 16:05