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390 名前:名無しさん@秘密の花園 本日のレス 投稿日:2009/07/09(木) 00:12:38 Nx5IE2dA
かじゅモモだけど


  雨が、降っている。窓からそれを眺めて少し憂鬱になる。今日は折角のデートだと言うのに雨。
もしかしたら相合傘が出来るかもしれないという淡い期待が脳裏をちらついてはいるが、どちらがそれに誘うのかと考え出すと少し不安になる。
考えすぎかもしれないと苦笑しながら頭を振る。どうしても先輩と会う時は悲観的になってしまう。勿論、嬉しさが大半を占めているけれど。
そんな事ではいけない、と鏡の前でポーズを取ってみる。普段の自分では着ない、明るい色の組み合わせ。この前デートに行った時に選んでもらったこの服が
雨雲を吹き飛ばしてくれないかと冗談半分で願いつつ、外へ出た。
 気のせいか、少し雨が弱くなった気がした。
 


続き


 水溜りを避けながら、ゆっくりと歩く。待ち合わせの時間までは
まだ三十分程ある。少し早く出すぎてしまったな、と苦笑して
ジャンプする。完全には跳び越せなくて、踵が水を踏みつけ水が跳ねた。
服が濡れてないかちらっと確認して、また歩き出す。
 傘をくるくると回しながら、待ち合わせ場所へと向かう。すれ違う人達が
迷惑そうな顔で私を見てくるけど、それは私にとって些細な幸せでもある。
見てくる、と言うのは私の事が見えていると言う事だから。県予選の時は
「私を見てくれるのは一人でいい」なんて思ったけれど、県予選後は人との
関わりがとても温かい物だと気が付いて、麻雀を打つとき以外は消える事を
止めているし、クラス内でも話す人が出来た。これら全ては先輩のおかげだ。

 そんな先輩と私は今、恋人同士なのだ。毎日一緒にお昼ご飯を食べたり、一緒に
下校したり。こんなに幸せな事は無い。はずなのに、私はどこか物足りなかった。
キスも何回かしたし、先輩が私の家に泊まる事もあった。逆も然り。けれど何故
物足りないのだろうと考えてみると、意外にも早く答えは見つかった。
それを吟味してみる。うん、多分そうなのだろう。私は答えに納得し
待ち合わせ場所へと急いだ。


 待ち合わせ時間までまだ十分ほどあるのに、先輩はもうそこに居た。
私は姿を消し、後ろから先輩に忍び寄った。
「十分前か…少し早く来すぎたかな」
 私が物足りないと感じていた理由。それは、おそらく。
「先輩っ! おはようっす!」
「うわっ!? いきなり抱きつくな!」
 先輩の色々な顔を見たいと思っていたからだろう。
 これからもずっと、先輩の傍で。


 いつの間にか、雨が止んでいた。

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最終更新:2009年07月11日 21:33