内田はキスをした後、マコトを置いて先にお風呂をでた。
マコトは練習とは言え、突然キスをされた事に驚き、頭が真っ白なままその場に座り込んだ。
するとお風呂をでた内田が再び戻ってきた。
「あ…あれ?内田、お…お風呂出たんじゃなかったのか?」
「違うよ…脱衣所のカギ閉めてきたの。」
「?? なんでそんな事?」
「だって…これからキスの後の練習するから…。」
「キ…キスの後の練習ってなんだよ!」
「マコト君知ってるんでしょ?『おかしな事』…だよ……。」
そう言うと内田はマコトの前に座り、マコトのモノに手を伸ばし軽く握った。
「ど…どう?気持ちいい?」
「そんなの分かんないよ…」
「じゃあ、これはどう?」
そう言うと内田は、ゆっくりと手を上下に動かし始めた。
「マコト君、これは気持ちいいの?」
「だから…そんなの分かんないって…!」
「でも…マコト君のおちんちん…少し大きくなったみたい…。」
そう言われた瞬間マコトの顔は真っ赤になった。
もちろんされている事に緊張しているのもあるが、内田の口からあんな言葉が出てきたことに驚いたからだ。
もちろん言った内田の方もドキドキしていた。
「こ…これは……気持ち良いって言うか…恥ずかしくて…」
「アハハッ!普段女装してるマコト君でも恥しいとかあるんだね。」
「バカッ!当たり前だろ!内田だって男に胸触られたりしたら恥ずかしいだろ!」
「そ…そりゃそうだけど…じゃあ……」
そう言うと、内田は体育座りの様に膝を上げ、少し股を開いた。
恥ずかしくて心臓が張り裂けそうになりながら、内田はマコトの手を掴み自分の大切な部分を触らせた。
「これで同じ立場だからね!私だって恥ずかしいの我慢してるんだから、マコト君も恥ずかしいとか言っちゃダメだよ!」
「えぇー…内田、それ意味わかんないよ。」
「う…うるさいなぁー。いいから続けるよ!」
そう言うと内田は再び手を動かし始めた。
しかしマコトはどうしたらいいか分からない…女の子のソレを見るのは初めてだし当たり前だ。
とりあえずマコトは手を当てて所を軽く擦ったりしてみた。
「これでいいのかな?」
「そ…そんなの私に聞かないでよ。」
「いや、お前に聞かないと分からないだろ!内田、気持ちいいのか?」
「良く分からない…けど……少し…気持ち良いのかも…」
内田は顔を赤くしたまま、うつむいて恥ずかしそうに答えた。
その顔を見て、マコトは不覚にも内田が可愛く見えてしまった。
(今まで内田を女として見たことなんて無かったのに…)
『…クチュッ…ピチャピチャ……』
少しの沈黙の間、風呂場内にはマコトが内田に触れて部分から聞こえる音だけが、風呂場に響いていた。
「ハァ…ハァ……んっ……ぁっ…」
気がつくと内田の手は止まっていた。
それでもマコトは、内田から聞こえてくるイヤラシイ音と、荒い息遣いや小声で喘ぐ声にドキドキしていた。
しかし、しばらくすると内田の頭にある事が浮かんだ。
(そう言えばこれ練習なんだ……って事は今、マコト君の頭の中にはハルカさんがいるのかな…)
そう思うと、急に悲しい気持ちになり、内田はマコトから離れた。
「あれ?内田、どうしたんだ?」
「えーっと…その……これだけ練習すれば大丈夫だと思うよ…。」
「えっ?練習って?」
「だから…その、エッチな事する練習とか…」
「あぁっ!悪い!すっかり忘れてた!」
「え?」
「いや、途中から練習の事忘れて、内田の事しか考えてなかった。」
その言葉を聞いて内田は、途中から自分の事しか考えてなかったと思うと少し嬉しくなった。
そして、そんな事を思う自分が「マコト君の事が好き」という気持ちにも気づいた。
「体冷えちゃったね…少しお湯に浸かってからでよっか。」
そう言って二人は湯船につかって話し始めた。
「あのさぁ、内田。オレはハルカさんの事が好きなんだ。付き合いたいとも思ってた。」
「どうしたの急に?そんなこと知ってるよ。」
「うん、でも何か違うかもしれないなーって。」
「どういう事?」
「いやオレ今まで女の子好きになったこと無かったから気付かなかったんだけど、この好きは恋愛とかじゃなくて…その、憧れの好きって言うか…」
「良く分からないけど……せっかく練習したんだし、好きなら告白しなきゃ…。」
(自分の好きな男の子が、他の女の子に告白するようにアドバイスするなんて…)
内田は何か釈然としない気分だった。
しかしマコトは更にヒートアップしていった。
「だから、そうじゃなくて!!」
「もういいよ、私は何て言ったらいいか分からないし…多分カナちゃんに方に聞いたほうが分かると思うよ。」
「だってさっき気づいたんだ!オレ、ハルカさんじゃなくて内田の事…!」
『ガラッ』
突然風呂場の扉が空き、振り向くとそこには千秋が立っていた。
内田はとっさにマコトの頭を押さえ、湯船に潜らせた。
「おぃ、いつまで入ってんだバカ野郎。もう夕飯の支度出来ちゃってるんだ…ってマコちゃんは何してるんだ?」
「えーっと…これは……そう、息止めの勝負してるの!…そ、それよりも千秋どこから脱衣所に入ってきたの?!」
「どこって…普通に扉から。とにかくバカな事してないでさっさと出ろよ。」
そう言って千秋は風呂場を後にした。
「プハァーー!!ちょっ…死んじゃうよ!」
「えっ…あ、ごめん!!」
「で、何で千秋が普通に現れるんだよ。カギ閉めに行ったんじゃなかったのか?」
「そうなの、確かにあの時…確実に横を向いてた摘みを縦に……あっ…」
「お前、それ最初に横向いてたって事は、あの時わざわざ閉まってた鍵を開けにいったのか?」
「あ…あはははは…そうみたい。 バ…バレ無くて良かったねー!…なんちゃって……」
「はぁー……お前、本当にバカだなぁ…」
そう言い残し、マコトは湯船から上がり脱衣所へ向かった。
内田は最後にどうしても気になる事があり、マコトを呼びとめた。
「マ…マコト君!あの…あの時、最後になんて言おうとしたの…?」
「??? 最後って?」
「だから…『ハルカさんじゃなくて内田の事~』の後…なんて言おうとしたの?」
「えーっと…なんだったかな、忘れちゃったよ。」
「えぇー!!!ちょっと思い出してよ!」
その後もマコトはしらを切り通した。
しかし、ため息をついて落ち込む内田を見かねて、マコトは少し顔を赤らめ一言だけお礼を言った。
「今日は告白の練習…2回も付き合ってくれてありがとう。」
そう言ってマコトは風呂場を後にした。
しばらく、内田はひとり湯船につかりながら考えていた。
(告白の練習って確か…一回目がハルカさんって呼ばれて、二回目は私が勘違いして…3回目は真剣に…あれ?確か3回…)
内田はハッとして慌てて湯船から飛び出した。
「マコト君!!さっきの話の事考えてみたんだけど…」
しかしそこにはマコトの姿はなく、いたのはマコちゃんだった。
「よし、内田急げ!ハルカさんの手料理が待ってるぞ!!」
「あー…っと、うん。そうだね。」
あの時マコトがただ言い間違えたのか、それとも何か意図があったのか…
内田はその後しばらく悩み続けた。
内田×マコト お風呂編 終わり。
最終更新:2008年02月24日 00:45