これからどうする?どうするよあたし?
ここで「続きはwebで」ってわけにもいくまい。
とりあえず今は藤岡を家まで誘い込んで、雑談をしているんだが
どうにもこちらから今日のテストの話題は切り出せそうにない。
このまま流れてもいいが、藤岡が切り出さないとも限らない。
まぁ相手は藤岡なんで、前みたいに「お手」とか
ひどくても「3回回ってワン」くらいだろうから問題はないのだけれど。



「あ、ところでさ南」
昨日見ていたお笑いの番組について喋っていたのに、藤岡は話題の転換を行う。
「おう、なんだ」
ついにくるか!?
「さっきのテストのペナルティのことなんだけど」
キタ━(゚∀゚)━!!
って、なんであたしは期待してるんだ。
まるでこの話題を振られて喜んでるみたいじゃないか。
「そろそろ始めてもいいかな」
「そりゃあ、あたしはかまわないよ」
あれ?なんだか急に藤岡の顔つきが変わったぞ?



「じゃあ南、よつんばいになって」
え?
突然の命令にあたしの思考回路は一瞬とまる。
「ふ、藤岡?今なんて?」
きっとあたしの聞き間違いだ。
藤岡はきっとそんなことは言わない………はず。
「ここでよつんばいになれ、って。南は犬なんでしょ」
ぜっっっったいイヤだ!
いくらテストで負けたからって、いくら取り決めだからってそんな格好は絶対にしたくない。
もし諭吉先生や樋口先生が束で襲ってきても絶対にやらない………多分。
「藤岡、いくらなんでもそれはないだろうよ」
当然だ、犬のマネなんてただのお遊びだもの。
そんなポーズなんてとれるわけがないじゃないかい。



「ううん、南は犬なんだから」
「よつんばいにならなきゃだめなんだよ」
藤岡の雰囲気が変わった、なんなんだろうね。
「あ……れ………」
上手く体が動かない。
藤岡がさっきの言葉を発すると同時に体の自由がきかなくなった。
なぜか言われたとおりにしか体は動かせない。
なんだか藤岡の言葉には大きな強制力みたいなものを感じるよ。
むぅ、これはいったいどうなってんのかね?



「ちょ、ちょっと藤岡!なんなんだい、コレは」
「え?敗者のペナルティだろ、南の決めた」
たしかに負けた者が犬のマネをするのはあたしの決めたお約束だ。
「だけど、なんだってあたしがこんな格好!」
まだ体はまともに動かせそうにない。
藤岡に言われたとおりの体勢を保つだけだ。
「あ、そうか。ごめんね南」
む、さすがにやりすぎと気づいたか?
「犬は服を着せられるのが嫌なんだよね」
え!
藤岡はそう言ってポケットからハサミを取り出した。
あんた、いつもそんなもん持ち歩いてんのかい。ってそうじゃない!



「今からその服を脱がしてあげる」
言うが早いとあたしの服をハサミで切り落としていく。
「や、やめろ!ちょっと待て!」
あたしの言葉は届かず、藤岡はあたしの制服をてきぱきと切っていく。
あたしは恥ずかしさで顔が真っ赤になる。
いくら藤岡とはいえ、裸を見られる事を想像すると死ぬほど恥ずかしい。
いくら足掻こうとしても、体はろくに動かずに藤岡が服を切りやすいよう体位を変えるだけだった。



「藤岡ぁ、もうやめてよ」
ついに制服は全てきれいに切り落され、あたしはあっというまに下着姿にされてしまった。
視界が悪い、多分目に涙が浮かんでいるんだと思う。
「もう、こうすることを決めたのは他ならぬ南じゃないか」
そうだけど、こんなことになるなんて思ってなかったんだもん。
「何でこんなことするのさ」
無駄だとは思うがちょっとだけ虚勢を張ってみる、声も細く裏返ってしまったが。
「南が望んだからだよ」
それってどういう………
「今から教えてあげる」



彼はそう言うと今度はパンツを切る。
あたしはというと、もうなんだか抵抗する気力さえなくなってしまった。
「ほら、こんなに濡れてる」
ッッッッッツ!
藤岡が見せたそれは確かにあたしの愛液でベチョベチョだった。
あたしだって自分が濡れていたのに気づかなかったわけじゃない。
ただ、認めたくなかっただけなのだ。
「じゃあ指、入れるよ」
なんだかもうどうでもいい。
こんな現実を見せられては、もうどうもしたくない。
藤岡はあたしの秘部へと指を進めた。









目に見えたのは白い天井
鼻についたのは消毒液の匂い
「あれ?」
おかしい、さっきまでわたしは家にいて、その……
「カナー、やっと起きたー」
「よかった、どうなることかと思ってた」
隣にはケイコと藤岡がいる、二人ともひどく安心した表情だ。
それと白いカーテンが目に入った。
あ、ここ保健室か!
「え、なんであたしこんな所にいるの?」
だってさっきまで私は………………
あれ、思い出せない。
「なんでって、カナったら自分がテストで負けてたからって倒れちゃうんだもん」
「軽い脳震盪だから大丈夫だろうって」
あたしが倒れた?
あ!もしかしてケイコにもたれようとした時に失敗したのか。
うむ、あたしらしくもない。



「藤岡君、カナが心配だからって部活抜け出してきたんだよ」
てことはもう放課後なのか、心配かけちゃったな。
「俺のせいかと思って。でも、南になんともなくて本当によかったよ」
二人がそう言って苦笑する。確かに藤岡はユニフォームを着ているな。
「あー、その、ゴメン」
うん、いくらわたしでもこんな時にはホントに申し訳なく思う。
「いいよ、南は大丈夫だったんだし」
ケイコも何か言いたげだったが、ここは何も言わなかった。



「じゃあ南、俺は部活に戻るよ」
椅子から立ち上がり、彼が扉に手をかける。
「あ!?」
何故だろう、藤岡に出て行かれるととても寂しくなってしまう気がする。
「何?」
言葉につまる、こんな時何を言えばいいんだろう?
前にも同じようなことがあったが、あの時とは状況が違う。
「あ、あー、その、なんだ」
「部活がんばって来い!」
元気よく親指を突き立てて笑いながら言う。
よくわからないけど、きっとこれでいいんだろう。
「ありがとう、南もお大事に」
いつものような微笑といっしょに、彼はそう言って扉を閉める。
引き戸のためか、木の擦れる音は保健室にもかかわらず私には大きく聞こえた。
最終更新:2008年02月16日 22:26