冬馬のふるえる指先が乳首に触れると、
「きゅん」
 と千秋はかわいらしい声を上げた。
 その様子に夏奈は唇を舐める。
「なに、子犬みたいな声で鳴いてんだい。このコは」
 夏奈は千秋の太ももを、軽く、二度、叩いた。
 ピチ、ピチと湿った音がする。
 まるでそんな刺激さえ快感であるように、千秋の表情は恍惚としている。
「あーあ、だらしないったら」
 冬馬は思い切って指の腹で乳首を転がしてみた。
「ぅあああん」
 千秋の声が、冬馬の耳に、心地よく響いた。
 勢いのついた冬馬は両の乳房をわしづかみにした。
 薄い胸肉を脇から寄せるようにしながら、冬馬は少女の肌の柔らかさを堪能する。手のひらにうっすらと感じる湿気は、千秋の汗なのか冬馬の汗なのか。
 それとも、二人の体液は混じり合っているのか。
 千秋の乳首はますます尖って、堅く勃起している。それを手のひらを使って刺激してやることも忘れない。
 そう、自分自身の体を慰めるときの感触を思い出しながら。
 もっと、千秋に快感を与えてあげたい。
 冬馬が千秋の胸をもてあそんでいる間も、夏奈の愛撫はもちろん続いていた。
 夏奈は、絶妙の感覚で、逝く寸前を見極めていた。
 絶頂の間際で、寸止めが繰り返される。
「もう、もう、許して」
 あえぎ声の間から、千秋の嘆願が漏れる。
「やめて欲しい?」
 夏奈が意味ありげに微笑んで尋ねたのに、返事がないのは、応えるだけの余裕がないからだろうか。
「はあ、暑いわ、まったく。クーラー利いてる?」
 言いながら、夏奈はセーラー服を脱ぎ始めた。
 少しの時間も惜しむように、夏奈は上着を脱ぎ捨て、スカートのホックを外した。
 すとん、とスカートが床に落ちる。
 下着姿の夏奈は、綺麗だった。
 夏奈の全身は桜色に染まっている。
「さあ、チアキも邪魔なものはとっちゃおうか」
 夏奈は、ホットパンツを、千秋の両脚から抜き取った。次にパンツもだ。
 千秋は、言われもしないのに、自ら腰を浮かせて、夏奈が脱がしやすいようにした。
 冬馬は思わず、千秋の顔をのぞき込んだが、千秋は目を背けた。



夏奈は千秋の脚をMの字に開かせると、その間に顔をつっこむような形になった。
「なにさ、これ大洪水じゃないかい?」
 夏奈の指が千秋の割れ目を上下に擦る。
「これがクリトリスよ」
「ひやあああ」
「ふふふ、感じてる感じてる。こんな幼い割れ目のくせにちゃんと女の子の反応するんだから。かわいいじゃないか」
 夏奈がクスリと笑った。
「じゃあ、次は入れてみるから」
 えっ、さすがにそれは、駄目だ!
「おい、カナ」
 冬馬が制止する間もあればこそ、夏奈は宣言を実行した。
「第一関節」
 千秋の表情が強ばる。
「第二関節」
 千秋の食いしばった口から苦鳴が漏れた。
「すごいよ、第二関節まで入っちゃったよ」
 ハハハ、と夏奈は笑うと、その指を動かし始めた。
「中が、中が、壊れちゃうよぉ!」
「はあ、チンポが入る穴だよ。こんなんで壊れる訳ないじゃん」
「奥に……奥に……、当たってりゅよぅ、バ、バ、バ、びゃか野郎」
 冬馬は、自分の心臓が限界を超えて脈打っているように感じた。
 今、千秋が感じている快楽。それを、想像しただけで……
「はあはあはあ」
 冬馬は今すぐにも己の秘所をいじくり回したかった。
 オナニーを覚えたての体が、まさに今、熱く疼いて、仕方ないのだ。
 せめて、夏奈のように着ているものを脱ぎ捨ててしまいたい。
 だけど、だけど。
 ひとかけらの羞恥心が邪魔をする。
「こら、トウマ。怠けてるんじゃないよ」
「えっ」
 気づいたら手が止まっていた。
「ちゃんとチアキのことかわいがってやらなきゃ駄目だろ」
 常にない夏奈の艶然たる気色に、
「はい」
 と冬馬は従順な返事をしていた。



 冬馬は座り直して、千秋の頭を自分の膝の上に乗せた。
 指に絡む髪の毛が柔らかい。まるで綿毛のようだ。
 この髪の毛はうらやましいな。
 冬馬は千秋の髪の毛をもてあそびながら、本当に女の子なんだな、と思う。千秋が自分のように男に間違われることなどありえない。
 冬馬の指は千秋の指をなぞり、つるりとした頬をなでていく。
 上気した頬は白桃のような、おいしそうな色合いをしている。
 指に触れる産毛が心地いい。
 その間ももう一方の手は乳房の愛撫に余念がなかった。
「オレって、本当はレズだったのかなあ」
 千秋がかわいく見えて仕方がない。
 夏奈が千秋の大事な部分をこね回す音が響く。
 クチャ、クチュ、クチャ。
 リズミカルに響く、なんていやらしい音。
「チアキ、わかってるかい?」
 夏奈の声は意地悪そうだ。
「お前はもう指二本も飲み込んでるんだよ」
 夏奈の指の動きが激しくなった。
 千秋のあえぎ声がそれに合わせて激しくなる。
「まったく。小学生のくせに貪欲な穴だね!」
 ついに逝くのかと思った瞬間、夏奈は指を抜いた。
「はあはあはあ」
 荒い息をつく千秋は切なげだ。おあずけをくらった子犬みたいに。
「ああん。チアキの味、おいしいよ」
 夏奈は千秋の愛液にまみれた指を舐りながら言う。
「さて、そのお味をもう少し楽しませてもらうよ」
 夏奈は千秋の股間に口をつけてすすった。
 今までにもまして淫猥な音が部屋に満ちる。
 ぺちゃぺちゃ、と舌音がする。
「毛も生えてないくせに、悪いおマンコだよ。ハルカが知ったらどう思うか」
「ハルカ姉さまのこと、は、言う……な」
 千秋は絞り出すように言った。
 冬馬は千秋の唇に指を這わせた。
 半分開いた唇の間に指の先を入れてみる。
 すると待ちかまえていたように、千秋の舌が伸びてきた。
 その感触が意外なくらいに心地よかったので、冬馬はもっと深く指をつっこんだ。
 千秋の口の中は暖かかった。
 ちゅちゅちゅ、と千秋は赤ちゃんみたいに冬馬の指を吸った。
 本当に、なんて、かわいい生き物なんだろう。
 冬馬は千秋の頭を優しく撫でてやる。



 冬馬が指を引き抜くと、千秋の目が名残惜しげに、その指の動きを追った。
 冬馬は千秋の頭を膝から下ろした。
 そして、冬馬は、千秋の可憐な唇へと自分の唇を重ねていった。
 するりと冬馬の舌は、千秋の口の中に入り込んだ。
 冬馬は千秋の唾液をむさぼる。同時に、千秋の口の中に唾液を流し込む。
 ああ、なんて甘いんだろう。
 千秋とのキスは麻薬のように、冬馬の頭の芯まで痺れさせた。
 ……この舌で、オレのあそこを舐めてもらえたら、どんなに気持ちいいだろう。
 千秋の尖らせたピンクの舌先がオレのクリトリスを……
 想像しただけで、背筋を電撃が走り抜ける。
 もう、どうなってもいい。
 むちゃくちゃに乱れたい。
 冬馬の指が無意識に己の秘密の部分に伸びようとしたときだった。
「トウマ!」
 夏奈の叱声が飛んだ。
 その怒声の激しさに、冬馬の頭は一気に醒めた。
「誰が、チアキにキスしていいって言ったの」
 夏奈が睨みつけてくるのに、
「ごめん」
 冬馬はおずおずと謝った。
「チアキもまあ、こんなに蕩けちゃって。そんなにトウマのキスがよかったの?」
 あれ?
 ひょってして、夏奈の奴……
 嫉妬してる?
「ちょっと、トウマもこっちに来なさいよ」
 呼ばれて冬馬は夏奈の横に移動する。
「ほーら、チアキのマンコ、こんなになっちゃってるのよ」
 冬馬の目は、チアキの割れ目に釘付けになった。
 夏奈はその淫裂に親指を押し当てて、左右に割り開く。
「ほーら、これがチアキのクリトリスだよ。まだ半分くらい皮をかぶってるね。ほら、こっちもごらんよ。中もピンク色で綺麗だよ」
「やあ、見ないでよお」
 チアキが身をよじる。
「今更何を恥ずかしがってんのよ。おかしな子だね」
 夏奈は、千秋の太ももをつねりあげた。
「ひぎいい」
 千秋の悲鳴が響く。
「まったく、見られてうれしいくせに。本当は、トウマに一番恥ずかしいところをじろじろ観察されながら、逝っちゃいたいんでしょ」
「違う、そんなことないよ!」



「こんなにとろとろにしてよく言うわよ。掬っても掬っても、あふれてくるじゃない」
 夏奈の指が千秋の割れ目をいじくり回す。
「ねえ、チアキ。そろそろ逝きたいよね?」
 夏奈の問いに千秋は応えない。
 だが、千秋は、逝きたくて気も狂わんばかりのはずだ。
 冬馬でさえ、体が疼いて仕方がないのだから。
「ちゃんとお願いできたら、逝かせてあげるわよ」
「お願い?」
 チアキがすがりつくような目で夏奈を見た。
 夏奈はその千秋の目に満足気な笑みを返した。
「『カナ様、トウマ様。どうかチアキが動物のように逝っちゃうところをご鑑賞ください』って言ってごらん。そしたら、このハルカのバイブで好きなだけ逝かせてあげるわよ」
 千秋は押し黙った。
 冬馬は千秋の顔を息をのんで見守った。
「カナ様、トウマ様」
 千秋の口から、自分の名前が漏れると心臓がキュンっとなった。
「どうか」
 と言って千秋は一度、大きく息を吸い込んだ。そして、一息に続きを言う。
「チアキが動物のように逝っちゃうところをご鑑賞ください!」
「はい、よく言えました」
 夏奈はバイブをチアキの性器に一気に押し込んだ。
「あああああ」
 千秋が絶叫した。
「おう、根本まで突き刺さったよ」
 夏奈はバイブのスイッチをオンにした。
 振動がますます千秋を狂わせる。
「痛いよ、カナ!」
「痛いのは、最初のうちだけだよ。さあ、ハルカのチンポをマンコ全体で感じちゃいなさい」
 夏奈はバイブを前後に動かし始める。
「はあ、は、はっ、ハルカ姉さま、のっ、チンポ」
「そうだよ、ハルカのぶっといのがチアキを犯してるんだよ」
「ハルカ、姉さまのチンポ、ひゃ、あああ、良いよぅぅ、感じちゃうよお」
「さあ、これで逝っちゃいなさい!」
「ああああああ、ハルカ姉さまああああ!」
 千秋は春香の名前を呼びながら絶頂に達した。
 ぐったりとした千秋はまさに恍惚の表情だ。
「ハルカ姉さま……ハルカ姉さま……ハルカ」
 千秋の口からは、荒い息の合間に、春香の名が繰り返し漏れる。
 夏奈はそんな千秋にいきなりビンタを食らわせた。



 容赦のない一撃に、千秋の頬に夏奈の手形が、赤く浮き上がった。
「ハルカ姉さま、ハルカ姉さまって! ここにはハルカなんていないだろう! ここにいるのは誰だい? 誰がチアキに気持ちいいことしてくれたの?」
 夏奈は仁王立ちになり、解いた髪を振り乱した。
「……カナ?」
「カナ姉さまでしょうが! 呼んでみなさいよ」
 千秋は口を堅く閉ざして開こうとしなかった。
 夏奈はパンツをゆっくりと脱いだ。
 あらわになる秘密の場所には、黒々とした縮れ毛が生えていた。
「さあ、今度は私を楽しませてよね」
 夏奈は千秋の顔の上に跨った。
 千秋の舌を伸ばし、夏奈の秘所をくすぐる。
 その刺激に満足できなかったのか、夏奈は秘所を千秋の顔にこすりつけた。
「うわっぷ」
 千秋が苦しげに声をはく。
「いいよ。千秋。感じるの」
 夏奈は激しくあえぐ。
「もっと奥まで舌を入れてよぅ」
 実の妹の身体から、必死に快楽をむさぼろうとする夏奈の貪欲さに冬馬はおぞましさすら覚えた。
 冬馬は逃げるようにして、南家から走り出していた。

 なんて、浅ましい。
 でも、それはオレも同じだ。
 街路樹に手をついて、冬馬は息を整える。
 頭を冷やさなきゃ。
「よう、冬馬じゃないか」
「ハアハア……マコト……か」
 そこにいたのは、並の女子よりよっぽどかわいい女装小学生のマコトだった。
「お前、大丈夫か」
「ちょっと、走っただけだから……ハアハア」
「ふーん。まあ、気をつけてな」
 マコトはそのまま歩み去っていった。
「ちょっと待てよ。あいつ、女の格好してたってことは、チアキの家に行くつもりか!」
 どうしよう、とめなくちゃ。でも、なんて言えばいい?
 チアキのおっぱいを揉んだこととか、チアキにキスしたこととか。
 言えるわけがない……
「すまん、マコト」
 冬馬はダッシュでその場を逃げ去った。

                                                           おわり


最終更新:2008年02月21日 14:23