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SINGULAR BLADES 戦術データベース - (2013/06/02 (日) 01:44:31) のソース

*戦術・戦略関連

**【ロジカルコンバット】
 戦場において通信円滑化のために展開されるパーセプション・プロジェクターのLANを
戦術エリアネットワーク(TAN)といい、それが形成する仮想空間のことを仮想戦域という。
基底現実での物理戦闘に対し情報支援を行う場であり、また敵との熾烈な電脳戦が展開される
もうひとつの戦場でもある。ここでの電脳戦を、軍事用語でロジカルコンバットと呼ぶ。
(対義語は物理戦/フィジカルコンバット)

 TANは艦船や拠点施設を中心として展開され、シングラルや攻撃衛星、通信衛星が接続する。
また“電脳星雲”と呼ばれるナノスケール・センサー群も全体が通信媒体として機能し、
情報アップロードや通信波の中継・増幅によりTAN及び仮想戦域の形成を補助する。
 戦場全体を覆うのはレイヤ1のフィールドで、オペレータがシングラルに情報支援を行なったり
電子戦闘要員が敵の投影体やプログラムと交戦したりするのはここ。見かけの構造は基底現実の
戦場をベースに、各種の情報グラフィックが投影される。L1はシングラルのQFIを通しても
(戦術ネット接続中なら)知覚できるため、たとえ現実にはデブリひとつない宇宙空間であっても
アクターの目には様々な虚実のオブジェクトが入り乱れることになる。識別プログラムが働くため
機械的に増幅された「直感」で物理オブジェクトと仮想オブジェクトの判別は可能だが、
敵に仮想戦域を制圧されているときなどはその判別すら信用できなくなるため、ネット接続を切って
スタンドアローンのセンサー類と予備の通信システムのみを頼りに動くこととなる。オフラインでは
味方と連携しての作戦行動がきわめて困難になり、不利な状況を単機で戦わねばならない。
 艦船や拠点施設といった「本丸」の電脳空間は、レイヤ2の領域を経由しなければ出入りできない
ようになっている。L1戦域は根本にある技術がどの勢力も共通なので、互いに時間をかければ
相手の通信を解析、回線に干渉できるようになってしまう。このため受け身に徹してはジリ貧となる。
(能動的に敵の演算リソースを削りに行かなければ、一方的に情報通信を無力化されてしまう。
 電脳戦は基本的に攻撃側が有利で、先に敵の通信プロトコルを解析した方が先制攻撃をかけられる)
これに対しL2は自軍に都合のいい形式で仮想空間の構成を設定できるため、敵の電脳攻撃を圧倒的優位の
もとで迎え撃つことができる。このL2高セキュリティ仮想ディフェンスエリアを“論理結界”という。
#region(ロジカルウェポンについて)
 電脳戦は投影体同士でただ殴り合ったり撃ち合ったりするのではなく、ロジカルウェポンと
呼ばれる戦闘用のプログラムを使って攻撃や防御を行う必要がある。ロジカルウェポンの形状は
その内容に対応して視覚化され、剣や盾、銃砲類、ミサイル、あるいはもっと抽象的な記号や
幾何学図形、光の塊、波動など様々な形で見える。自律性を持ったコンピュータウイルスや
オートマトン・プログラムの類は、生物やロボットのようなオブジェクトとして可視化される。
 対人用のロジカルウェポンは攻撃を受けた投影体の肉体にも何らかの形でダメージを及ぼす。
筋肉の誤作動を誘発されたり、気絶させられたり、一撃で脳を破壊されることさえある。
 L1の戦域支配率が一定以上になると(=演算リソースに充分な余裕ができると)
対論理結界用戦術級ロジカルウェポン“衝界(ナイトメア)”が使用可能になる。これは
単一の攻撃プログラムではなく、自軍の論理結界とは別のL2空間を形成する電子決戦兵器の総称。
L2に電脳戦要員の投影体を乗り込ませ、敵の論理結界にぶつける。もちろん実際には通信回線への
解析、割り込み、乗っ取り、プログラム書き換えといった手順が演算機関の間で行われている
だけだが、仮想空間ではこの相克が可視化され、L2の小宇宙同士が激突する光景が見られる。
 総演算能力で圧倒できている状況ならば、敵の論理結界を“衝界”のL2空間で侵蝕・上書きし、
仮想空間内部の構造・物理法則までも掌握できる。論理結界を制圧すれば電脳戦は勝ったも同然で、
後は丸腰の敵中枢が残るのみ。回線越しに破壊するも拿捕するも自由となる。
#endregion

 レイヤ1とレイヤ2が交錯する仮想空間戦を制した側は、戦域の支配率に応じて敵の誘導兵器・
自律兵器を弱体化させたり、通信を妨害・改竄したりすることができる。こうして電脳戦の帰趨が
基底現実の物理戦闘をも左右するわけだが、この影響は一方通行のものではない。
 戦術ネットは当然ながらシングラルや通信衛星、そして何より中核となる艦船などの演算主体が
物理的に存在し、正常に機能していなければ不安定になる。ゆえにシングラルや衛星が落とされれば
自軍の総演算リソースは低下し、それだけ電子戦力が削られる。また母艦が落ちれば戦術ネット自体が
一気に崩壊し、その支援を受けていたシングラルの戦闘力は激減する。しかし母艦は強固なL2の
論理結界で守られているため、ロジカルウェポンのみで機能停止に追い込まれることは少ない。
(“衝界”が使われるような局面は実際には少なく、その前に劣勢な側が轟沈するか撤退する)
よって、最強のフィジカルウェポンたるシングラルは可能であれば優先的に敵母艦を狙うべきである。
敵艦付近は敵機と敵仮想本陣の通信時間が短くなるため、それだけ敵機も強力な情報支援を受けられ、
接近は容易ではない。ミサイルやMAUSの類も無効化されやすく、主に高出力フォトンドライバーの
長距離砲撃が対艦攻撃の要となる。長距離の直線攻撃は回避されやすいが、敵艦隊に散開を強いる
だけでも、相対速度差による通信ラグで敵軍の仮想戦域強度を低下させられるため、無駄ではない。
ダメージを与えたり撃沈できたりすれば言わずもがな。こうして物理戦もまた電脳戦に影響する。
 実戦では物理と電脳の両戦域が相互に連携・支援し、状況を有利に運ぶことが重要となる。
こうした二面的な戦闘が発展してきたことも、直感で動かせるシングラルの台頭を促した一因である。
(QFIは論理的思考に負担をかけない優れた操縦システムで、電脳戦の邪魔にならない)

 留意すべき点は距離と相対速度ベクトル。通信波は光速を超えないため、双方向性のリアルタイム
通信が成立する距離はあまり長くない。数光秒も離れれば通信相手と時間感覚を共有するのは難しい。
また相対速度の差によっても時間の流れ方が変わり、これが通信ラグとして距離に加算される。
 星系ネットに接続可能な場所(惑星上など)なら、その演算リソースも奪い合うことになる。
味方勢力の支配星系であれば当然支援も受けやすくなり、戦う前から情報通信の優位を確保できる。
連邦主星系が難攻不落と言われる所以は、無数の攻撃衛星に加えて超高密度の仮想空間ネットワークが
星系全域を覆い尽くしているためである。ここでは民間のサーバーまでもが電子迎撃兵器に変わる。
 一方で、スターバースト衝撃波面や強磁性天体の至近といった電磁擾乱領域では、通信回線網が
有意な密度で展開できない。したがって、総合戦力に占めるフィジカルウェポンの割合が激増する。

***【スターバック・ポジション】
 フォトンドライバー、ポジトロンドライバー、RAキャノンなど強力な射撃兵器の現行モデルは
製造元が「データベースに登録された有人惑星への射撃を禁じる」セーフティを掛けている。
(正確には自動的に出力を絞るのだが、効かない弾を撃ってしまうのは隙を生じて
 危険だからと、有人惑星に対しては初めから「撃てない」設定にするパイロットが多い)、
元々は誤射防止のためのものだが、これにより惑星近辺の宇宙空間で戦う場合は
データベースと射線に注意を払わなければ撃つべきときに撃てないこともあり得る。
 スターバック・ポジションとは、このセーフティをあえて利用して「有人惑星を背にする」
ことで敵の射撃を封じ、一方的に攻撃できる位置関係を得る戦術機動である。
 初期ロットのフォトンドライバーなどはセーフティロックが存在しないモデルもあるが、
このタイプは現在条約により使用が禁止されている。闇では高値で取引される物品のひとつ。
 連邦軍の場合、現行モデルでも将官以上の権限を持つ者が許可すれば一次的にセーフティを
解除することができる。国家の戦略判断が市民の安全に優先するという連邦軍の方針が
露骨に表れているシステムであり、民衆の恐怖と反発を招いている。
 革命義勇軍“ザナドゥ”や反連邦ネットワーク“解放星団”の大半は、いかなる場合もセーフティを
解除しないか、あるいは軍事目標に対してのみ解除するという方法で市民感情に配慮している。

***【愚者の決闘】
 敵の正面から突っ込みながら撃ち合うことで、防御力と引き換えに打撃力を高める戦法。
実弾でもIDeAを突破し得る相対速度が得られるが、主に艦船が用いる最後の手段であり、特攻に近い。

***【星遁】
 恒星の内部に隠れて敵をやり過ごしたり、奇襲攻撃を行ったりする戦術。
排熱が追いつく限りにおいては有効で、革命義勇軍“ザナドゥ”がしばしば使用する。
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