生存時間解析

ある基準の時刻からある目的の反応(観測対象とする固体に対し一度だけ非再帰的に起きる事象)が
起きるまでの時間データを解析対象とする解析手法の総称を生存時間解析(survival analysis)と呼ぶ。
解析対象となる時間は場面に応じて「生存時間」、「無再発生存時間」と呼ばれる。

例)癌等の臨床試験では疾患の再発や死亡を目的の反応(イベント)とする。
イベント発生までの時間(目的の反応が発現するまでの時間)が解析対象となる。
<イベントと打ち切りの定義>
イベント:非再帰的な現象という概念に拡張がみられる場合もある。

①多重イベント
イベントが1固体に何回か繰り返し起こる。 例)表在性膀胱癌の再発、繰り返し起こるぜん息発作

②competing risks(共合リスク、共合死因)
イベントの原因として、複数のものが考えられる。 
例)肝硬変で入院した患者の死因として肝癌、肝不全、消化管出血など複数原因が考えられる。
 しかし、観察される死因は1つである。
打ち切り:(1)解析の時点あるいはデータを固定した時点でまだイベントが起きていない場合。
     (2)脱落(drop out),あるいはがんの臨床試験の場合の事故死のように興味の対象以外の
        イベントが起き、その後の追跡が不可能になった場合。
        ここでいう脱落は計画通りの治験が継続出来なくなったこと(プロトコル・オフ)ではなく、
        追跡することが全く不可能でその後のイベントを確認できない場合を意味する。

例)死亡をイベントとした臨床試験データから3人分の生存時間データが得られた。
固体1,2の生存時間を知ることができるが、固体3については観察が打ち切られてしまったため、
生存時間を正確に知ることはできない。
このデータから得られる個体3についての情報は以下参照
1.固体2よりは長く存在していた。2.固体1より長く存在していたかは不明
※打ち切りデータをどのように扱うかによって結果にバイアスが入る可能性がある。

<カプラン・マイヤー(Kaplan-Meier)法>
観察された生存時間データから生存関数S(t)を推定する際には、生存関数推定量がよく用いられる。
生存時間Tに対して確立分布の仮定を置かずに(ノンパラメトリック)、生存関数の推定を行う方法の1つである。
 カプラン・マイヤーのグラフは2種類ある。



最終更新:2008年10月13日 00:09
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