下西進(1977年広島出身)とニコラ・ビュフ(1978年パリ出身)の二人による展覧会。下西は「白い自分」「黒い自分」そして「白と黒を両方持ち合わせた自分」の3点の写真によるTriptychの作品を出品し、ビュフは会場の壁面の一部を黒く塗りつぶし、その中を白いチョークで西洋的なモチーフと日本の子供向け番組のキャラクターをモチーフとして装飾していく。
下西の写真作品は8x10の大判カメラを使用したセルフポートレートとして制作されており、3人の自分を演出して自分でシャッターを押すところを想像すると奇妙な可笑しみが込み上げて来る。一方ビュフの作品は、チョークというやがて消される運命にある儚き素材を用い、キャラ化した世界をイラストレーションで描いた。その鑑賞者は誰でもその軽やかな世界に自ずと引き込まれることに気付かされるだろう。
同世代ではあるが、日本とフランスの別々の国で育った彼らは、時を同じくして同じテレビ番組を見て、同じ音楽を聴き、同じ作家の本に触れて、それぞれの国で育ったという。それは国家という枠を超え、同じ地球の空の下で体験した共通言語だったのかもしれない。
そして彼らのそれぞれの素材である「写真」と「イラストレーション」もまた、素材という枠を超えて、この小さなで空間に存在する共通言語になり得るのだろうか。
「仮装した自分」として下西が描いた世界とは対極の、すべてがキャラ化したある種の「仮想世界」がそこにある。
文責:S.S
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最終更新:2010年10月08日 17:06