常に意識したい先読み

以前に書きかけていたものがあったのでとりあえず最低限の体裁が整う程度に加筆して投稿

このゲームはとにかく何でも先読みしてれば意外とイージー、先読みできなければナイトメアかヘルモード。



忙しさの推移を意識する:重要度S


 常に数秒先、十秒先、二十秒先の忙しさを予測することができれば、このゲームは遥かにイージーになる。戦闘で忙しいタイミングと施設追加のタイミングがかち合わないように展開を調整するだけでも、資源が余る場面は減り、同じAPMでプレイの質が向上することになる。

 例えば、TvZではがむしゃらにHellionを動かし続けるのではなく、施設を追加するタイミングになったらそれまで敵クリープ際で頑張り続けていたHellionをしばらく後退させ続け、数秒の内政操作を終えてからまたクリープ際に行かせるようにすれば、安全な道を後退しているHellionがSpeedlingに囲まれることはないし、臆病になりすぎてプレッシャーが弱くなることもない。
 また、これからプッシュが始まるなど、数秒後の戦闘にAPMのほとんどを奪われ、その状態が二十秒、三十秒と続くことが予想できるのであれば、「サプライを多めに建ててミネラルに戻る予約操作をし、余剰資源もすべて生産予約に突っ込んでおく」ことも賢い選択である。MMAなどはそういった工夫の多いプレイヤーである。

 2箇所同時ドロップをするときなどはミニマップで着弾のタイミングを図りながら、その着弾の3,4秒前に資源を全部建物や予約に使ってしまうのが基本となる。生産施設の追加が必要なら建物を、そうでないなら一回転分の生産予約をする。軍操作の合間にホットキーだけで出来る予約よりも建物の追加のほうが優先度は高い。

 「忙しさ」は資源収入や軍隊の強さと違って、相手の動きによって大きく変わるから、予測を頻繁に書き換えなければならない。
 例えば、自分が本来なら暇なタイミングでドロップを入れようとしている。しかしドロップを送っている途中で相手のプッシュがやって来れば、予測していたよりも遥かに忙しくなることは確実なため、すぐさま意識を「今はまったりドロップと内政に集中できるよ~」というぬるま湯モードから「防衛命、ギリギリまで引きつけてからワーカー使ってでも自陣を守る! それによるこちらのワーカーロストを補うためにもドロップが遊ばないようにして相手にもダメージを! その合間合間にも忘れず内政操作!」というガチンコモードに切り替えなくてはいけない。

 そのように未来の忙しさはリアルタイムに変動するものだから、常に数秒先の忙しさを意識しておきたい。
 さっきのドロップとプッシュの刺し違えの例では、ユニットを通り道に置いて視界を確保しておくだけでも、相手が前に出たことがわかって忙しさの予測をより早い段階で修正できるので楽である。

 また、展開によらず最初からそうなることが決まっているような忙しいタイミングの把握は非常に重要だ。「自分が決して外に出ないタイミング」や「相手がTechを進めるタイミング」なら忙しくなる可能性は非常に低いし、「自分がハラスやプッシュを仕掛けるタイミング」に忙しくなることはそのオーダーを選択した時点でわかりきっている。だから「生産一回転分多めにサプライを建てておく」「施設追加のタイミングを早めたり攻撃開始のタイミングをわずかにずらすことで内政の遅れを防ぐ」などの工夫が最初から用意できる。

「この試合、オーダー的に相手は何分頃までプッシュに来ないだろうから静かなはず」といった展開読みができれば「より丁寧な内政で生産ロスを最小にしたほうが合理的」と判断が下せるため、内政ミスをすることはまずなくなる。


オーダーのタイムラインを意識する:重要度S

 オーダーを実行するときは、立ち回りと施設追加の流れを淀みなく思い出して実行できないといけない。何が起ころうと「次にいつ何をするか」を遅れなしに自然と思いつくような状態が理想的だ。

 特に重要なポイントとしては、TerranやProtossなら序盤は2base~3base初期までのオーダーは狂ってはならず、またオールイン試合でない限り中盤はどれだけ忙しくても、3base内政充実に合わせた3baseで支えられる限界の生産施設用意、1stが尽き始める前の4th、適切なTech上げ(アップグレード含む)、の3点だけは正しい時間に遅れることなく実行できないとマクロゲームが格段に弱くなる。


ゲームの展開(大局観)を意識する;重要度S

 いくら操作が忙しくなっても試合全体のシナリオを見失ってはいけない。
 けっきょくハラスの処理やマイクロなどはただの作業であって、大いなる戦略様の奴隷にすぎない。
 「目先の状況を処理したあと、いつ何を用意してどこを攻める」という大局を見失うと、そのゲームは自分の手から転がり落ちる。

 たとえばMutaハラスがきたときに
「狙われているワーカーを逃がしながら」
「ユニットを2手にわけて防衛&先回りで相手のMutaを潰せる可能性を作りながら対応」
「対応できることが確定すると同時に逃がしたワーカーが無駄なく作業に戻れるようにして少しでもMiningTimeのロスを防ぐ」
 なんて一連の操作はほとんど条件反射で出来なければならず、ましてや内政へのダメージにパニックになったり熱くなったり萎えたりするのは論外で、頭の中では

「Mutaハラスに対応→連続生産止まらないように資源が厳しい間はユニットで守って、1分半後に余裕ができてからタレットを建てて前に出る→2/2タイミングでZの4th、5thあたりで勝負する消耗戦、前に出たあと追加ユニットでドロップ」
 とかあるいは
「早めにタレットを建てて前に出てクリープ除去→2/2タイミング」
 とか
「Mutaが都合のいい位置にきたら逆方向からドロップ出発できるように隙を伺う、マップコントロールは取られなおされてる可能性が高いからルート要注意」
 とか
「早めにドロップかスキャンで偵察して全力MutaBlingか早いHiveか確定させたい」
やら
「ちょっと待て今ので何か忘れてないか、建物の数、アップグレード、ワーカー数、拡張、連続生産崩れたことによる軍バランス不良、過剰予約、遊んでるユニット……」
 などのことを考えていないといけない。ワーカー50体60体のときにワーカーを数体狩られたくらいで受けるサプライ増加の遅れは20秒やそこらでチャラなので、動じずにやるべきことを漏れなく的確にできるかどうかの勝負である。


 これは受けているハラスがMedivacドロップだろうがWarpPrismハラスだろうが同じことで、ハラスの処理はほとんど手癖でやってしまいながら、「相手がこの裏で何をやっているのか」「自分はいつハラスに対処し終わるのか」「対処し終わって前に出れるようになったとき相手の手札は」という大局的な部分にしっかり思考を働かせないといけない。

 ムダのないワーカーの逃がし方・戻し方・ハラス対処の軍の分け方なんていうのはほとんど答えの決まりきっていることで、やり方を知って反復していればやがて手癖でできるようになる。もちろんハラス対処も習熟するまでにそれなりの分析や訓練が必要な立派なスキルではあるものの、こういった作業は「ハイレベルな対戦では一々考えなくても完璧にできるほどに事前に習熟しておくことが求められているもの」であり、試合の大きな流れを決めるゲームメイクと比べるとあまり本質的な部分ではない。
 自分が仕掛けている側の場合でももちろん、ハラスに夢中になりすぎて自分の目標がどの程度まで内政を伸ばしていつ攻めることなのか、いつどんな編成を揃えることなのか、を忘れることのないようにしなければならない。

資源収入の推移を意識する:重要度B

 今のインカム(またはワーカー数)がどれくらいか、1分後、2分後のインカムがどれくらいかという視点を周期的に意識しておくことができれば(30秒から1分くらい周期か)、中盤以降の拡張の遅れや軍事施設追加の遅れは防げる。

 オーダーの既定路線を進む場合では施設の建てる順番を頭に刻み込んでおくだけでいいが、
ハラスによって内政が一時停止したりワーカーが削られたりするとオーダーの進行状況とインカムにズレが発生するため、
どの程度のワーカー数・インカムでどれだけの施設をフルに連続生産できるか、オーダーを遅らせすぎないためにはどこでワーカーの連続生産より施設追加を優先するか、という感覚が必要。

 ワーカーを避難させてMiningTimeだけを失った場合、ワーカー数は十分いるのに通常より資源の集まりだけが遅い状態になるので、ワーカーを少し止めてでも生産施設を時間通りに建てたいシチュエーションが現れることがある。


彼我の軍隊量の推移を意識する:重要度A

 どの時間帯で自分のほうが勝ててどの時間帯で相手のほうが勝つか、というタイミングを知る必要がある。試合数の多くを占めるようなスタンダードオーダー同士の試合についてだけでもしっかりリプレイを分析して詳細な知識を叩き込んでおきたい。

 アップグレードについても考える必要があるので厳密には軍隊編成は強さと一致しないが、グラフィカルにイメージしやすいのは物量のほうであり、アップグレード差はそこに修正を加える形でイメージできる。プッシュや牽制を入れるキーとなるタイミングについては「オーダーからして相手はどれくらいの軍隊を持っていて編成の内訳は……」というイメージを持っておきたい。

 要所要所で相手の軍を精細にイメージできれば、僅かな間隙を突いて攻めて優位に立つプランが使えるようになる。


アップグレードの推移を意識する;重要度A

 自分のアップグレードが完了するタイミングを常に把握していることは、二重の意味で重要である。1つは有利なタイミングで戦うため、もう1つはアップグレードを無意味に遅らせることのないようにするためだ。

 いくらアップグレードで有利だったとしても、相手がどこかいい地形に篭っていると戦えないので、アップグレードを相手より先に終えたからといってそれを確実に活かすことは難しいが、次の段階のアップグレードをノータイムで開始することが出来れば、再び自分のほうがアップグレード有利なタイミングがやってくる。ところで3段階目が入るような時間帯にもなると3ベースまでで篭もるわけにはいかないので、戦えるチャンスは必ず生まれる。
 アップグレードで負けている場合でも、自分の不利な時間の長さが短くなればそれだけ戦況はよくなる。

 アップグレードに関するミスで何よりも勿体無いのは、あとほんの少しでアップグレードが完了するにも関わらず、そのことを認識せずに戦ってしまうことである。そんな時は「少し待ってから/一旦逃げてから戦えばずっと戦果が良くなっていたのに……」と早計が悔やまれることも多い。アップグレード状況は常に頭の片隅に。


敵軍の位置の推移を意識する;重要度S


 自分が軍を見てないときや、自分の軍の移動中に隊列の崩れたところを不意打ちされることは大きな不利であり、それだけで負けに繋がりかねない事態で、絶対に避けなければならない。よって、相手の軍隊がどこにいるかを常に考えなければいけない。相手を視界に収めている場合は位置が確定するが、そうでない場合は可能性の多寡の問題になってしまう。「つい数秒前まで視界に収めていた」レベルならまだ敵の位置は2、3択程度に絞れるが、ずっと相手の位置を確認していないときは最安ユニットを捨て駒にしてでも相手の位置を確認したい。

 自分が進軍するときに、敵の本隊が敵陣にいることがわかっていれば周囲を警戒せずに最短時間で敵陣まで進むこともできるが、敵がどこにいるかが分かっていなければ不意打ちに注意して周辺を偵察しながら移動したり、途中で隊列が崩れすぎないように注意しなければならず、敵陣到着までにかかる時間も増えてしまう。

 敵の位置がわからないときは入れ違いになる可能性もあり、ベーストレードに応じるかどうかといったゲームメイクとも関係してくる。相手の一部ユニットが3rdへのBane流し・不意打ちStormの為に隠れているとか、ドロップが来てもおかしくないなど、時間帯ごとに有り得る可能性を認識していないと対応が遅れてしまう。そういった形で一度後手に回るとマップコントロールを失いやすく、うまく対処しきるまで後手番が続くので心理的に苦しい戦いを強いられる。最初から可能性を消していくように展開することが重要。

相手のユニットの動きを先読みする:重要度A

マイクロのしかたなどにある程度書いているので割愛する。
最終更新:2013年12月31日 12:10
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